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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十三章 賢者の……
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429 捕獲にちょうど良い

「じゃあ約束通りテメェは救ってやるよ、精霊様、殺ってしまえ」


「はいはい、じゃあアッツアツの銅柱が、生きる価値など微塵もないあんたを救いの地へと導いてくれるわ、感謝しつつジューッといきなさいっ!」


「えっ!? そんなっ……あ……あぎゃぁぁぁっ! あづいあづいっ! 死んでしまうぅぅぅっ!」


「いや、普通に殺してるのよ、だからサッサと死になさい」


「ぎょべぇぇぇっ!」



 焼け死ぬ金持ち野郎、もちろん全身に装備していた貴金属は悉く、ひとつ残らず取り外し済み。

 そして全ての歯を置き換えていた金歯も、拷問の一環としてそれはもう見事に分離済みだ。


 ゆえに、観客の前のステージの上で赤熱状態の銅の柱に焼かれている『本体』は、全くの無価値、いや存在していること自体がこの世界にとってマイナスとなっているモノ。


 それを救ってくれと言われればどうするべきか? せめて最後ぐらいは人々を楽しませて死ぬべきである。

 ということで精霊様は今、あの薄汚い成金の馬鹿に対して、これでもかというぐらいの慈悲の心で、救いの手を差し伸べているのだ。



「さてと、残りの処刑は精霊様に任せるとして、俺達はどうやってあの軟弱な勇者風ハゲを生け捕りにするか考えようぜ」


「主殿、まだあの真要に値しない金持ち男だけの情報ではないか、あのハゲがヨエー村と関係しているかどうか、裏を取ってから動いた方が良いのでは……」


「まぁな、だがマリエルが王宮に頼んだ死刑囚共も情報収集をしているんだ、その報告もすぐに上がってくるだろうし、情報の裏取りはすぐに終わるはずだ」


「あ、そういえばそのような手も打ってあったのだな、うむ、それなら大丈夫そうだ」



 確かにあの金持ち野郎の発言のみでは証拠として薄いとは言える。


 だが俺達にはもうひとつの調査部隊(無償労働死刑囚部隊)もあるのだし、そもそもヨエー村という名前が、あの名前も知らない金持ちの口から出た時点でかなり信憑性が高い。


 これはもう『決まり』として動き始めても良い状況に至っている。

 別の報告を待つまでもなく、明日からサッサと次の作戦に移行した方が効率が良いはずだ……



「でも勇者様、あんなの捕まえてどうするつもり? きっと『触れただけで死亡』とか『捕まりそうだと思ったショックで死亡』とか、あとは『逃げようとした拍子に転んで死亡』とか、とにかく死にまくって話にならないと思うわよ」


「う~ん、そこなんだよな……」



 セラの言う『勇者風ハゲの死因一覧』を聞き、どことなく巨大でのっぺりした顔の海洋生物を思い浮かべてしまったのは俺だけであろうか。


 しかしながら、奴は本当にその海洋生物レベルにあり得ない理由で死亡してしまうはずだ。

 なお、今話題に上がっている海洋生物だが、良く言われるような理由で死亡するほど弱くはないのだという。


 これは俺も知らなかった、そしてそのような理由で本当に死亡してしまう軟弱生物だとばかり思っていたのだが、王宮地下書庫にて、本のバケモノに無理矢理流し込まれた情報の中にその話があったのだ。


 何だかんだであの書庫ではかなりの賢さ上昇を経験している、もしかすると本当は凄い所なのかも知れないな……


 と、そんなことはどうでも良いのだ、今はただあの勇者風ハゲ、というかもうタダのハゲでしかないのだが、奴を生け捕りにする方法を考えなくてはならないのだ。


 奴を捕らえ、住所や本籍地を聞き出すことによって、俺達の目的としている賢者の石が存在するヨエー村、その現在における所在地が、直接的または間接的に判明するはず。


 どうにかならないものか、ワレモノの次元を遥かに超越した脆さを誇るあのハゲを、破損のないように上手く扱う方法が……



「あ、ねぇ勇者様、あの『日当配布係』、処刑を後回しにされているわよ、アイツに聞けば何かわかるんじゃないかしら?」


「おいセラ、それはどうしてだ?」


「だって、あのハゲもタダで反勇者デモに協力していたわけじゃないはずよ、アイツから日当を受け取っていたはず、つまり何らかのやり取りがあったってことね」


「おうっ、つまりあのハゲを殺さないように、傷付けないように扱うノウハウがあの日当配布係にはあるかも知れないってことだな」


「そうなの、だから早速聞いてみましょ」



 セラの案を採用し、自分の処刑の順番が回ってくるのを心待ちにしている……いや、断じてそのようなことはないか、とにかく隅でガタガタと震えている日当配布係に近付いて行く……



「おいコラそこの馬鹿野郎、これから死ぬ気分はどうだ? 楽しいか? そうか楽しいか、それは良かった」


「ひぎぃぃぃっ! い、いでぇぇぇっ!」


「おっとすまんすまん、足を踏み潰していたようだな、靴が汚れたから賠償してくれ、お前の持っていた、迷惑デモ参加者向けの日当が入ったバッグでな」


「あがぁぁぁっ! わかりましたっ! 何でもあげますっ! あと実家が金持ちなんで、そこに身代金とか請求して下さいっ!」



 なんと、やけに若くて頭が悪そうなコイツが反勇者デモ隊の主導的立場にあったのは、『実家が金持ち』という深い理由があったのだ。


 まぁ、おそらくはコイツの実家も、この国の王宮や俺達勇者パーティーを廃し、自分達が権力を握ろうとしている連中、またはその取り巻きであることは間違いなさそうである。


 ゆえにまずはこの男の持っていたバッグに入ったままの日当、それから身代金、そしてさらに邸宅を襲撃し、中に居るゴミを全部排除、それを競売に掛けるなどして利益を得よう。


 コイツの死体はアレだ、生焼けの状態でその邸宅の前に放置がベストだな。


 そこにはおそらく両親とかが居るはずだ、朝家の前に出たら自分の息子の焼け爛れた死体、それが売国奴や反逆者にとっては最高のプレゼントになるはず、いや、ギリギリ生かしておくというのも面白いかも知れないな。



「それでお前、あのハゲの『使い方』について色々知っているんだろ? この場で全て話せ」


「ハゲ? ハゲとは一体何のことで……」


「テメェらが地場産勇者とか呼んでるあのハゲのことだよっ! 理解力の不足した奴め、死にたくなかったらさっさとアレの壊れない使い方を喋りやがれってんだ!」


「ひぃぃぃっ! し……死にたくないっ! 死にたくないから喋りますっ! 実家の財産も全部あげますからご勘弁をっ!」


「そうか、じゃあ質問に答える前にだな、この贈与契約書にサインするんだ、贈与税はそっちが借金してでも納めろよ」


「さっ、サインしますっ!」



 こちらも先程の金持ちと同様、命を助けて貰えると勘違いしたようだ。


 簡単にミラ作の贈与契約書にサインする、もちろんこんな奴に実家の総資産を贈与する権限などないはずだが、そこは勇者パワーでゴリ押しして財産をゲットしよう。


 法律も判例も学説もどれもこれも、勇者たるこの俺様の力の前には捻じ曲がり、全て都合の良い方向に進み出すのだ。


 ということで契約書にサインさせ、本来の目的である勇者風ハゲの取り扱いに関して聞いていく……



「……アレを取り扱ううえでは触れない、後ろから急に声を掛けない、大きな声を出さないなどしないと、ショックで死んでしまったりしますから、どうやら出身の村でも最も弱い部類に入る1人だそうで、だから飴細工でも扱うぐらいの気持ちでいかないとダメなんです」


「そうかそうか、とにかく触れない、急激な振動すら与えない……無理だろ普通に……」


「いや、あの特製のハリボテ装備シリーズがその衝撃を吸収しているはずで、それを装備している状態であれば多少の会話は可能かと」


「なるほど、じゃああの装備を外させずに、ゆっくり、驚かせないように接してやれば良いんだな?」


「その通りですっ! さぁっ、全部喋ったので自分だけでも解放して下さいっ!」


「イヤだよそんなの、さっきのはお前が助かりたいと言っただけで、俺達がそれに応じて助けるとは言っていないんだ、その辺りを良く考えたうえで、地獄の業火に焼かれると良い」


「そんなぁぁぁっ! いやだぁぁぁっ!」



 ステージの上では精霊様が『次の方どうぞ~っ』などとこの若者を呼んでいる。

 一応晒し者にしたいため、虫の息で生存させておくことをお願いしておいた。


 あとは明日の朝、王宮の兵士を使って生焼けのコイツを実家の前に放り出してやるだけだ。

 きっと反政府、反勇者デモに資金提供をしているのであろうコイツの実家も、それにビビッてしばらくは活動を停止するはず。


 それで少しは静かになれば良いのだがな、まぁ、さすがに無理であろう。


 だが俺達があの勇者風ハゲを押さえてしまえば状況は変わるかも知れない。

 アレを失えば勝ち目がなくなると思っている馬鹿共はかなりの数居るはずだし、勝てる見込みもないのに日当を払って無関係の連中を動員するとも思えないのだ。


 ということで、明日以降はサッサとあのハゲの捕獲作戦に移ろう。

 手を触れない、驚かせないなど、細心の注意を払っていけば大丈夫なはずだ。


 もちろん何度失敗したとしても、大仙人とやらの不思議な力で蘇生するのだから大丈夫。

 最初は様子見で、徐々に上手くいくよう調整していっても構わないであろう。


 その分あのハゲは何度も惨たらしい死を遂げる羽目になるのだが、あんな活動に加担している時点で自業自得だ。


 そう考えつつ、同じく自業自得のボンボン若者を眺める。

 いい感じに焼けているようだ、未だに苦しみ絶叫しているが、それが明日の朝以降もしばらく続く、そして本人は何も知らないのだから実に滑稽。


 しばらく処刑台の方を見ていたのだが、あまりグロテスクな光景を見ると酒と食事が不味くなる。

 このあとの時間は、目の前のテーッブルに並んだカロリーの高そうな食事を堪能するとしよう。


 無料祭は一晩中続き、もう日が出るかどうかという時間に解散となる。

 ちなみに気付かないうちに眠っていたインテリノは、王宮から迎えが来て帰って行ったそうだ。


 となると残っているのは下民のみ、このまま放置しても問題は無いはずだ。

 念のため酔って寝ている連中は勇者酒場の建物の中に避難させ、『本日臨時休業』の看板を立てたうえで屋敷へと戻った……



 ※※※



 無料祭の片付けは王宮から派遣された兵士達に任せ、昼過ぎまで寝入っていた俺達は、午後になってようやく『ハゲ捕獲作戦』のための会議に取り掛かった。



「……う~ん、そうだな、奴はハゲなんだ、つまりその進みそうな道に点々とズラを置いて、拾っていくと罠に、みたいな感じでどうだ?」


「ご主人様、いくらハゲでもズラは1つあれば十分ですの、落ちているからといって次々拾ったりはしないはずですわ」


「そうか、じゃあパーツを撒いておいて、組み合わせていくとひとつのズラに……」


「……勇者様、ちょっと一旦ズラから離れた方が良いわよ」



 ズラから離れろと言われても困ってしまう、ハゲといえばズラ、ハゲにとってはズラが命、ズラこそが正義、神は毛根の代わりにズラを与え賜うたのだ。


 そんなズラから離れてハゲに関する事項を相談しようなど笑止千万、セラはこの世の理が全くわかっていない、言わばまだお子様であるといえよう。


 そんなセラを、まるでこれから捕獲する勇者風ハゲに対してするように優しく諭し……そうしようとしたところで、廊下に響くバタバタという足音、あれはエリナ、旧大エリナ様のものだ。



「皆さんっ! なんと転移装置が完成しましたよっ! 誰か実験台になって下さいっ!」


「おいおい、何だよ実験台って物騒な、というか廊下を走るなと何度言ったら……む? 転移装置が完成したというのかっ!?」


「ええ、ですから誰かが犠牲になって、本当に上手くいくかどうかを試したいんですよ、下手をするとグッチャグチャの肉塊だけが転移したりしますから、五分五分の確率で」


「五分五分なのかよ……いや、それならちょうど良いターゲットが居るぞ、転移元を屋敷の前、転移先を地下牢に設定することが出来るか?」



 もちろんそれも可能だと胸を張るエリナ、それならばちょうど良い実験体が居る。

 あのハゲであれば死んでしまったところですぐに蘇生するのだし、何よりも捕らえるのに転移がちょうど良い。


 実際俺達も幾度となく転移装置による転移を経験しているが、そこで変な衝撃があったとか、驚かされる事態に遭遇したとかいうことは一切ないのだ。


 おそらく脆弱の極みであるあのハゲも、転移の際の光程度ではショック死したりしないはず。

 もしそれで死んでしまうのなら、誰かが咳払いでもした拍子に死んでしまう。


 まぁ、確実に上手くいくとは限らないが、もし成功すれば勇者風ハゲに触れたりすることなく地下牢の中に押し込むことが出来る。


 そして場合によっては、魔力を奪う金属で出来たこの屋敷の地下牢に入っている限り、大仙人とやらでもその死体を呼び戻すことが不可能になるかも知れない。


 だとしたらそれは『ヨエー村の情報を得る』こととはまた別のチャンスだ。

 腐ったデモ隊の精神的支柱である勇者風ハゲを、完全に排除してしまうことに繋がるかもなのである。



「よし、じゃあ時間もあまりないし、急いで準備を進めていこう」


「これであのハゲを捕らえることが出来ると良いわね」


「皆さんが何をしようとしているのかは知りませんが、とにかく屋敷の前と地下牢の中、繋ぐ感じで作業を進めていきますね」



 早速エリナ、いや本日も引き続き大エリナ様と呼ばせて頂くこととしよう、とにかく大エリナ様の手によって転移装置(試作1号機)が、屋敷の地下に設置された。


 その子機をまずは屋敷の前、おそらく勇者風ハゲが立って演説……昨夜は泣き出してしまったが、その場所へと置き、転移先を地下牢の空いている場所へ。


 これで気が付けば地下牢の中、そこで俺達の求める『ヨエー村の詳細な場所およびここからヨエー村に至る道程』、それを驚かせぬよう丁寧に聞き出すのだ……



 ※※※



「よし、これで準備完了だな、あとは奴等の到来を待つだけだ、今日も来るとは思うが、昨日の件であのハゲがイヤになって退職していないことを祈ろう」


「たぶん大丈夫じゃないかしら、他に行くアテもなさそうだし、きっと今日もやって来るわよ」



 夕方前には全ての準備を終了し、ハゲに対する質問係として指名した物腰柔らかなアイリスを地下に残し、俺達は2階のテラスに出る。


 ミラが作ってくれた軽い夕食を取りながら、性懲りもなく押し寄せるであろう反勇者デモ隊を待った。


 日が陰り、夜が訪れる、昨日の無料祭参加者達が去り際に手を振って帰宅していく。

 そこからしばらくの後、大勢の足音が聞こえてくる……今日はやけに明るいな、松明を持っているようだ。


 きっと昨日の腹いせに、俺達の屋敷に火を放つつもりなのであろう。

 だがそうはさせないし、返り討ちにして貴様等の大切な『地場産勇者』を奪い去ってやる。


 角を曲がって見えた本日のデモ隊は300人オーバー、松明どころか油壺爆弾も持参しているようだ。

 しかも大声で叫んでいる代表格は、明らかに魔導拡声器のようなものを使っている……



『……ご近所の皆さんっ! 我々と一緒に異世界勇者を滅ぼしましょうっ! 異世界勇者は我々人族の敵ですっ! 彼は人族を滅ぼすために、この世界に派遣されて来たことが、我々の調査によって確認されていますっ! どうか皆さんのお力を我々にっ!』



「相変わらず、というかいつもより遥かにやかましいな、で、勇者風ハゲはどこへ行ったんだ?」


「あそこですよご主人様、耳を塞いで小さくなってます、カレンちゃんと同じポーズですね」



 あまりのボリュームに耐えかね、横で耳を塞いでしゃがんでいるカレン。

 リリィが言うにはそれと同じ格好の奴が……見えた、かなり後ろの方のリヤカーに乗って運ばれているではないか……


 屋敷の目の前まで到着した反勇者デモ隊、そのど真ん中が、まるで預言者が海でも割るかの如くザーッと開き、後ろから1台のリヤカー、勇者風ハゲの乗ったリヤカーが前に進み出る。


 良い位置で停まったリヤカーから転ばないように、慎重に降りるハゲ。

 どうにか無傷で降車し、俺達の方を向いて演説を始めんとした……



『え~っ、お前達人族の敵はもうここまでだっ! 我々の持つ聖なる炎で浄化を……』


「何が聖なる炎だよ、単なる放火魔の集団じゃねぇかこの犯罪者共めがっ! では大エリナ様、お願いしますっ!」


「はいは~いっ! ポチッと」


『我がこの世界の地場産勇者として……あれ?』



 何やら喋りながら光に包まれる勇者風ハゲ、しばらくするとその姿は完全に消え失せる。

 直後、トットットッと階段を上がる音、大部屋のドアを開いたルビアが、腕で大きな丸を描く。


 作戦は成功だ、転移装置トラップに嵌まった勇者風ハゲは、どうにかショック死せず、屋敷の地下牢へと安全に転移されたのである。


 きっと今頃は待機していたアイリスが、まずは丁寧な挨拶を述べ、『質問事項』として用意してあったリストを頼りに色々と聞き出し始めているはずだ。


 そちらは完全に任せてしまおう、下手に俺達が降りて行って、あのハゲに恐怖心、即ち心臓が止まる次元の衝撃を与えてはならないのである……



『貴様ぁぁぁっ! 我等の地場産勇者様をどこへやったのだぁぁぁっ!』


「うるせぇな、ギャーギャー騒ぐんじゃないよ鬱陶しい、で、テメェらの信じるあのハゲだが、俺達が身柄を預かった、返して欲しくば身代金として金貨1億万枚用意しろ、亡骸ぐらいなら返還してやるかも知れないぞ」


『なんと卑劣なぁぁぁっ! 返せっ、地場産勇者様を返せっ!』

『返せ返せ返せ返せっ!』


「えぇいもうっ! 夜なんだから騒ぐんじゃねぇよっ! 精霊様、放火魔共に水をぶっ掛けてやるんだ」


「はいはい、じゃあ消火スタートよっ!」



 デモ隊の上空を舞い、バァーッと水を掛けていく精霊様、松明の炎も油壺爆弾の種火も消され、武器を失った馬鹿共は散り散りになって逃げて行く。


 あとは地下でアイリスが上手くやり終えるのを待っているだけだ。

 これでヨエー村に関する完全な情報を得て、さらには迷惑な連中の頭も押さえることが出来る。


 準備が整い次第、ヨエー村、そしてそこに鎮座するという賢者の石を求める旅に出発だ……

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