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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第八章 魔法は少しかじった程度です
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41 ユリナとサリナの本気

「勇者様! そろそろ起きてちょうだい!」


「何だセラ? 今何時だと思ってるんだ? 常識を考えろ!」


「もうとっくに日が出ているわよ……常識を考えて欲しいわ」


「というか貴様等危険人物は昨日寝る前に縛っておいたはずだが? まさか、縄抜けの術か!?」


縛り上げてあった3人は、朝一番に起きたミラが救出したらしい。

あと寝ているのはリリィと精霊様だけであり、残りのメンバーはこの部屋に居た。


「主殿、朝食と昼食はそれぞれここに持って来て貰うことになった、それで構わないか?」


「ああ構わんよ、昼を食べたらまた狩りに行って夕方に戻ってこよう」


昨日の会議で今日のメインを張りたいと言い出したユリナとサリナが決めポーズの練習をしている。

悪魔的に可愛い、と思ったら普通に悪魔であった。


「寒いからリリィは仕方ないとして、精霊様は堕落しすぎだろ、誰か起こしてきてくれ」


「今まで寝ていた勇者様が言えることではないわね……あとさすがに精霊様を起こすのは危険ではないかしら?」


「黙れ、というかセラ、マリエル、ジェシカ、昨晩悪戯した罰としてお前らが起こして来い! もし殺されたら弔ってやるから安心して成仏してくれ」


3人は伝説の鎧と聖なる盾を装備して出て行った、無事を祈りながら悪魔姉妹の決めポーズ練習を眺める。


「ユリナ、今日は1回で良いから火魔法を使ってくれないか?」


「よろしいですわよ、ただ、少し離れたところで見ないと危険ですわよ」


「ああ、わかったよ」


何だろう? 尻からバックフブラストが出て衝撃を吸収するとかなのか?


「姉さま、ご主人様に姉さまの最強魔法を見せ付けて、あっと言わせるのです!」


もしヤバそうなのが出てきたら魔力を奪って地下牢に封印しよう。

おや、ノックだ……


『朝食をお持ち致しました』


使用人の方がサンドウィッチ的な食べ物を持って来てくれた。

冷めてしまってもどうと言うことはないので全員が揃うのを待とう。


遠くから女性の悲鳴が聞こえてくる、女盗賊の拷問でも行われているのであろうか?

悲鳴は3人前のようだ。




「ごしゅじんさま、おはようほ……ふわぁ~~」


リリィが先に起きて来た、隣の部屋がうるさくて寝ていられないそうだ。

体温が上がらずフラフラだったので、俺のルビア式湯たんぽを貸してやる、俺はカレン式もふもふ機に切り替えた。


「精霊様はまだ起きて来ないのか? 起こしに行った3人はかなりの無能さんだな」


「ご主人様、さっきの悲鳴はセラさん達ではないですか?」


「うむ、そうかも知れんな……」



しばらくすると不機嫌な精霊様と、伝説の装備を失い、拷問まで受けてボロボロの3人が入ってくる。

実に不甲斐ない連中だ。


「ちょっと! なぜ私を無理矢理起こそうとするわけ!?」


「申し訳ないな精霊様、その3人が勝手にやったことだ、俺は止めたんだぞ」


「あらそうなのね、この3人は後できっちり処分しておくわ!」

「というか朝ごはんが来ているじゃない! どうしてもっと早く起こさなかったのよ!」


直ちに矛盾していて凄く怖い。



「そうだ精霊様、その3人は昨晩も悪戯をしたんだぞ」


「何をしたと言うの?」


「それは朝食後に自分達の口から言わせよう、昼食後は出かけるから、それまできっちりしごかないとな!」

「あと、自分の手を使って朝食が取れると思うなよ!」


言葉の意味に気が付いた3人は黙って両手を後ろに回した。

精霊様とルビアと分担し、3人を縛り上げる。


「主殿! どうして私だけこんな縛り方なのだ!?」


それはルビアが担当したからです。


「とりあえず朝食にしよう、罪人トリオは皆が食べ終わってからな」


3人を除いたメンバーでサンドウィッチをつまんだ後、人気が無くて売れ残った具のものを罪人用に取り分けた。

セラは俺が、マリエルは精霊様、ジェシカはカレンが食べさせることと決める。


「おいでセラ、3つあるけどどれから食べたい?」


「真ん中の卵のやつが良いわ」


「これな? じゃ、ハイあ~ん」


「うぐっ……うん! 美味しいわ!」


甘い感じで食べさせて貰っているのはセラだけである、マリエルは精霊様が3つ一気に口に詰め込んでいたし、ジェシカはカレン先輩のお説教が終わるまで食べることが出来ない。

しかもお説教の内容は意味不明である、適当に偉そうなことを言っているだけのようだ。


しかしこの食べさせてやるというのはなかなか良いものだな、次から理由を付けてはやってやることとしよう。


「さて、3人共食べ終わったな? では昨日の夜何をしたか言ってみろ」


「え~、私達は昨日の夜」

「勇者様のパンツを脱がせようとしました」

「2回やったぞ、2回目は寝込みを襲った」


皆の怒りが爆発した、ルビアが配り始めた鞭はあっという間に無くなり、打ちつけるところも無いので順番待ちの状態となった。


「お姉ちゃん! 同じ部屋なのを利用して破廉恥なことを! どうして私を呼ばなかったの!」

「あひぃっ! やっぱりミラのお仕置きは効くわねっ!」


「ジェシカちゃん! 悪い子は鞭打ちです!」

「カレン殿、もっと尻の方を打ってくれ!」


「マリエルはどこを打たれたいのかしら?」

「私はどこでも良いです、でも服が破れると困るので脱がせて頂けますか?」


この3人には鞭打ちは効果が無いどころか逆効果のようだ、別の恐ろしい罰を与えなくてはならない。

そうだ、釣り餌にしてしまおう。


「精霊様、この罪人共を今日の帝国人狩りの餌にしよう!」


「良いわね、素っ裸で吊るしてあげましょう!」


昨日は精霊様の作った疑似餌であった、だが今日は本物の餌で釣りをすることになる。

集魚、いや集帝国人効果は格段に上がるであろう、何と言っても味と匂い付きだからな!


昼食の直前まで処刑は続いたが、結局何の成果も得られなかった。

食後は今日の帝国人狩りに出向く。



※※※



「よし、餌のセットは完了だ! 3人共頑張ってアピールしろよ」


3人を並べて吊るす、はえ縄漁みたいになってしまった。

もちろん実際に食いつくことは出来ないようにロープの長さを調整してある。

ゾンビじゃないが、噛まれたら帝国人になってしまうかも知れないからな。

ちなみにさすがに服は着ている、人権ってものがあるそうなんですよ、世の中には。


餌が見える位置にある、比較的丈夫そうな建物の屋上に陣取り、様子を観察する。


「別に餌なんて使わなくても私の魔法でおびき寄せられたのに!」


サリナは不満そうだ、ちょっとだけだが活躍の機会を奪われたのである、しかも重罪人に。


「そう言うな、呼んでから惑わすのはサリナの仕事だろ」


「それもそうですね、ご主人様、私頑張りますよっ!」


サリナの頭を撫でてやる、角が手に刺さって血が出た、痛い。

思ったより鋭いんだな……あまり触らない方が良さそうだ。


「ご主人様、かなり集まってきました、やはり活き餌の効果は絶大です! 私もあそこに吊るしてください!」


「おおっ! 200は居そうだな、だがまだ集まっている、少し待て」


帝国人の8割はジェシカのところに集まっている、おっぱいが大きいからだ。

残りの2割のうちほぼ全てがマリエル推しだ、高く売れそうだからだ。

そしてセラは人気が無い、大人なのに色々と小さいし、高貴そうでもないから売却価額はかなり低いと判断したためであろう。


「よし、流入が止まった! ユリナ、サリナ、出番だぞ!」


「いくわよ、正義の悪魔少女、ユリナ!」

「同じくサリナ!」


だから直ちに矛盾するのはやめろと、正義と悪魔は背反する事項ですよ、『の』では繋がりませんよ。


まずはサリナが飛び出していく、尻尾をピーンと伸ばして魔法を使う姿が可愛らしい312歳である。


被教ひきょう信者よ、我は被の神であるぞ』


サリナの言葉に、吊るされた3人に集っていた帝国人が悉くひれ伏す。


『向こうに見える丘で我より啓示がある、ここに居らぬ者も呼び、教徒全員で向かいなさい』



「なぁユリナ、サリナは何をやっているんだ?」


「今は自分が被教の神様だと偽って帝国人たちを誘導していますわ」


「そんなのバレないのか?」


「大丈夫ですわ、姿も詐称していますし、そもそも全員洗脳していますから」


「おい、あいつワンチャン世界征服できるだろ……」


「自分よりも強いものは騙せませんわ、それとご安心ください、ご主人様に逆らったりも致しません」


帝国人達はぞろぞろと、途中でその数を増やしながら遠くに見える小高い丘へと向かっていった。

丘はすぐに帝国人で一杯になる、あの砦の防衛戦のときみたいだ。


「さて、そろそろ私の出番ですわね、火魔法をご覧になりたかったのですわよね?」


「ああ、頼めるか?」


「一番得意な火魔法なら1回で終わってしまいますわ、それでもよろしいので?」


「構わんぞ、全力でやってくれ」


わかりましたわ、などと言って呪文を唱え始めるユリナ、長い、セラが風魔法を使うときの倍は時間がかかっている。

というか帝国人が集まった丘まで5キロぐらい離れているのだが、何をするつもりだ?




ようやくユリナが呪文を唱え終える、一呼吸おいて、帝国人が集まった丘の上空に小さな火球が現れる。

火球はグングンとその大きさを増し、直後には丘の地面に付くかどうかというところまでとなった。

大きくなるにつれ、加速度的にその膨張スピードを上げていく火球、光で目が焼かれそうだ、体が熱い……


強烈な光の影響を受け、全てが真っ白な中から再び視界に色が戻る。

巨大なきのこ雲が、本来あった自然の雲を貫いていた。

帝国人たちが根城にしていた町はもう跡形も無くなっていた。


「お前、何コレ?」


「全力の火魔法ですわ」


「核兵器、使った?」


「カクヘイキとは? そのような名前のものは使っていませんわ、使うとどうなるのですか?」


「いや、俺の世界では絶対に使ってはならないとされた禁忌の兵器だったんだ、生き物がほぼ全て居なくなる、今のはそれに似ている」


「禁術なのです? もう使ったらダメなのですか?」


「人に向けて使ったらダメだ、それ以外の敵や帝国人相手ならバンバン使って良いぞ!」


「やりましたわ! 火魔法の使用を認められました!」


ユリナも、戻ってきたサリナも何だか喜んでいる。

しかし困ったな、サリナはあの術でカリスマ的正当性を持った指導者となり得る、ユリナは核兵器のごとき技が使える、やべぇ独裁者が核持っちゃいました、みたいな感じと言えよう。


2人がショックを受けないような方法で、何か力を抑える方法を見つけ出さなくてはならない……


「さて、餌を回収して戻ろうか、今日は何だか疲れた」


「勇者様は何が疲れたんですか、何もしていませんよね? 帰りはお姉ちゃんをおんぶして貰いますからね」


「何で?」


「自分だけ全然釣れなかったショックで放心状態なんです……」


「ターゲットにも餌の好みがあるんだよ、それもわからず落ち込むとは3流以下だな、餌として」


結局セラを背負って帰ることになってしまった、固い荷物だ、胸の感触がまるで鉄塊である。


「勇者様、私だけダメダメだったわ、ごめんなさい」


「そうだな、帰ったらお仕置きだな!」


「フォローしてくれないのね……」


「必要ないだろ? わかっているはずだぞ?」


「いいわ、後でしっかり遊んでもらうから!」


「うむ、そうしよう」


ジェシカ屋敷に戻ると、警備や使用人の面々が慌しく動いていた。

他の貴族の屋敷でも同様であったが、あの爆発である、黙って見ている奴は災害時の逃げ遅れ候補であろう。

この下っ端達にあの爆発はウチの方でやったと言うと何かとうるさそうである、一旦無視して中へ入っていった。



※※※



「それではあの爆発はユリナ皇女殿下、いや、ユリナ殿がやったと申すか!?」


「ああ、先に言っておかなくて悪かったな、俺もあそこまでとは思わなかった」


「構わん、伝えていただき感謝する」

「おいっ! 誰か派閥の者のみに今の事実を伝えて参れ、あ、この力を利用しようとするクズはカットして良いぞ」


夕食時、ジェシカパパに今日の一件を伝えておいた、あまりにもそちらに取られる使用人が多くなると食事の質が落ちるかも知れないからな。

とはいえ騒がせてしまったので、今度その派閥内のクズをカット(物理)するのを手伝うことで謝罪に代えると約束した。


「しかしユリナ殿、そのような力があるのにどうしてこの帝都を滅ぼしてから制圧しなかったのだ?」


「ええ、敵だったので悪いことはしましたが、それでも罪の無い方々を殺してまでというのはちょっと主義に反しますわ」


この悪魔、ブレブレである。


「それでサリナ殿の力で偽皇帝を立てたというのか、で、それが暴走したと」


「申し訳ありませんわ……」


「いや、構わんぞ、そもそもあの偽皇帝がチンカ…(不適切な表現が含まれます)…でクソぶっ殺してやりたいと思ったのだよ」


「父上! 食事中はおろか普段でも言ってはならぬ言葉が多いですぞ!」


「良いだろうこのぐらい、いつものことであったはずだぞ?」


この家での食事にマナーは必要なかったようだ、買って来たテーブルマナーの本は古本屋に売ってしまおう。




食後、風呂の準備をしているとジェシカが耳打ちしてきた。


『主殿、今日この棟で男湯を使うのは主殿だけだ、なぜか落ち込んでいるセラ殿と一緒に入ってやってはくれぬか?』


セラが落ち込んでいる原因のうち、主要なものはほとんど貴様のおっぱいに詰まっているのだが?

まぁいい、そうしよう、俺もセラに耳打ちする。


『セラ、今日男湯は貸切らしいぞ、一緒に入るか?』


「あら、勇者様は私のおっぱいが足りないから男湯で十分と言いたいのね?」


「黙れ、そんなところで卑屈になっているなら置いて行くぞ」


「待って、すぐに準備するわ!」


誰も見ていないのを入念に確認し、セラと2人でさっと男湯に入った。



「はぁ~……今日は大変な屈辱を味わったわ! おっぱいが小さいのは悪いことなのかしら?」


「そんなことないぞ、ほら、ツンツンしてやるからこっちへ来い」


「それはともかく勇者様、今日の朝食のアレはなかなか良かったわ、明日もしてちょうだい」


「ああ、毎日でも良いぞ、あと2人だけのときは何て呼ぶんだったかな?」


「ごめんなさいご主人様、頬っぺたを抓ってちょうだい……いぎぃぃっ!」


「全く、救いようのない変態だな! よし、のぼせる前に上がるぞ」


セラを待っていても一向にパンツを履こうとしないので、俺が履かせてやった。

昨晩俺にしようとしていたことを自分もやって欲しかったようだ。


2人で部屋に戻ると、安定の全員集合だった。

最近では何も言わずとも風呂上りには一旦俺の寝る部屋に集まるようになってきた。

マリエルがカレンとマーサの尻尾を乾燥させている、ジェシカにやり方を指導しているようだ。


「しかしユリナの魔法は凄かったな、サリナのはどちらかというと恐ろしいが」


「ご主人様、悪魔に向かって可愛いならまだしも、恐ろしいとは何ですか!」


何やらご機嫌を損ねてしまったようだ、だが悪魔は通常恐ろしいぞ。


「まぁ2人は今日良く頑張った、あそうだユリナ、普通の戦闘では普通の火魔法で良いからな、アレは温存しておこう、秘密兵器だぞ!」


「わかりましたわ、秘密にしておいて、ここぞというときが来たら使いますわ!」


「じゃあユリナ、サリナ、先に2人だけで尻尾を弄ってやるからこっちへ来い、ご褒美はあげないつもりだったからちょっとだけだぞ!」


「やったわ、今日は付け根の方を重点的にお願いしますわ!」

「私は先端で! 触っているかいないか位がちょうど良いです!」


2人の尻尾を交互に弄っていると、乾燥中のカレンが話しかけてくる。


「ご主人様、あの魔法があれば次の魔将も簡単ですね! 次は私も戦いたいです!」


「ああカレン、お前は敵将を討ちたいだろう、魔将本人はダメだが補佐は殺って良いぞ!」


「あら、でも次に来そうな子は……」


ユリナ曰く、次に来る可能性の高い魔将は物理無効系だという、そうなるとカレンの武功は下っ端の殺戮のみということになってしまうな……


「でもユリナ、前にあの子に会ったときには準備に時間がかかるかもって言ってたわよ?」


「そうなのマーサ? まぁ私達が先にやられちゃったから、順番がおかしくなる可能性もありますわね」


次の魔将はどいつが来て、どんな奴なのか、遂に把握できずに戦闘になる可能性が出て来た。

一応今度マトンにも聞いてみて、ダメならどれが来ても対応できるようにしておく必要がありそうだ。


「で、その物理無効の魔将はマーサやユリナ達とも仲が良いのか?」


「ええ、私達は普通に友達よ、確かあの子は魔王様と特別仲が良かったわね」


「そうですわ、よく2人で話していましたわね、魔王様はあの子が見えないらしくて、あさっての方を向いていることが多かったですわ、レーカンが無いとかで」


異世界女子高生魔王は霊感ゼロの凡人だった!


「困ったな、そのタイプの奴は俺も見えない可能性が高いぞ、見える奴がメインで戦うことになりそうだな」


「まぁ、攻めて来たら考えれば良いんじゃないかしら? 次があの子とは限らないんだし」


「それもそうだな、今考えるのはナシにしよう、それよりも明日のことだ、マリエル、予定はどうなっている?」


「明日は午後から帝国の会議に参列ですね、その後インテリノと面会の予約をしています」


「変な会議とかフケてしまっても構わんような気がするんだが?」


「今一瞬だけ勇者様がお父様に見えました、似たようなものなのでしょうか?」


「おいっ! アレと一緒にするんじゃない! わかったよ、行けば良いんだろ、行けば」


「では引き摺ってでも連れて行きます、精霊様にはちょっとリッチな席と供物がありますのでお楽しみに」


「お、気が利くじゃないの、私も参加してあげるわ!」


どうして俺に対してはインセンティブが無いというのだ?

この帝国では異世界勇者はその程度の扱いなのであろうか? いやこれは不当だな、訴えてやる!


「では主殿、明日も朝食はここでということで構わないか? 昼食と夕食は城で出るらしいから不要だな」


「わかった、それじゃあ今日は解散としよう、朝はちゃんと起きろよ!」


各々が自分の部屋へと去っていった、俺は明日第一王子に要請することを紙に書き出し、それから寝た。

寝る前に3人を縛っておくことを失念したのは痛い、朝、俺のパンツはセラとお揃いの物に変わっていた……

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