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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十二章 怪しい店
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412 ありえない請求

「ただいま~って、何か凄いことになってんな、ジェシカはどこへ行ったんだ?」


「このコインの山に埋まっていますわ、ジャックポットだか何だかで、大きい蓋が開いたと思ったら、コインが壊れたみたいにドバァーッて」


「へぇ~、ちなみにこのコインを現金に換えると……これコインじゃなくてマジもんの銅貨じゃねぇかっ!?」



 王都の闘技場で賭けをしたときの話では、銅貨以上を賭ける際には必ず、国公認のチップに交換してからという決まりであったはず。


 もちろん等価交換などではなく、チップを換金する際の差額が、国にとっては良い歳入になっているのだ。

 だがここでは銀貨を直で賭けている、そういえば地下の暗黒賭博場そうであった、まぁあそこは別か。


 どうやらこのカジノ、というよりもこの獣人に与えられた自治区全体が治外法権を持つ、やりたい放題の地域となっているようだ、そうでなければ納得のいかない事象が多すぎる。


 銅貨の山の中からジェシカを救出し、とりあえずその場に居た全員で褒め称えておく。

 今夜はリッチに、というよりも豪遊することが出来そうだ。


 なお、全ての銅貨をカウントしたところ20万枚もあったらしい、金貨2,000枚分の超絶大金である。


 しかしとてもではないが使い切れない、相談の結果、今日の豪遊分とジェシカの取り分を除いて、残りは俺達の拠点の初期運営費用とすることが決まった。


 大当たりを引き当てたジェシカもそれで構わないとのことだし、そもそも実家に帰れば金など腐るほどあるジェシカにとって、当面の生活費等々をキャッシュで受け取ることが出来れば問題はないのだ。


 早速掻き集めた銅貨の大半を金貨や銀貨に交換し、衣服を取り戻して戻ったエリナの持つ都合の良いデバイスを使って拠点村へと送付した。


 今頃は向こうの連中、さぞかし驚いていることであろう。

 突如として詳細不明の大金が送られてきたのだから。


 だが拠点村の運営の中で、丙は頭ひとつ抜けて賢い、おそらく不明な金は不明な金として保管し、帳簿には仮受金を計上して報告を待つに違いない。


 俺達はここに残った金で、残りの滞在期間全てを豪遊に充てるのみだ。


 ……と、そこでVIPルームに行っていたマリエルと精霊様も戻る、2人共なかなか大きな袋を抱えている。


 袋の中には金貨がギッシリ、これを使えば豪遊どころではない、この世界の神に取って代わることすら可能ではないか、いやいくら女神が馬鹿でもこの程度の金で神の座を禅譲したりはしないか。


 などと意味不明な想像を膨らませているのは時間がもったいない、とにかくここを出て、ホールに併設された様々な店、特によるから営業が始まるムフフなお店をハシゴしてやろう。



「え~っと、観光マップだとこっちに行くのが正しいわね、周辺はお店だらけだけど、この方向なら私達の泊まっているあの建物まで一直線だわ」


「おう、かなり酔っ払う予定だからな、可能な限り宿に近い場所で遊ぼうぜ」


「ご主人様、肉がある店に行きましょう、肉です肉、MVPのジェシカちゃんもそう思っているはずですよ」


「わかったわかった、肉なら大抵の店にあるだろうよ、とにかくこっち行くぞ」



 部屋を借りている元温泉旅館、今はこの地域全体を統治する城のようなものなのだが、とにかくそちらに向かう感じで歩いて行く。


 ジェシカ、いやジェシカ様は騎馬戦スタイルで運搬だ、もちろんお土産コーナーで見つけた『圧倒的勝利者』の襷を掛けさせてある。


 そのジェシカが、数々の店の中からひとつを指差し、そこをご指名になられるようだ……



「主殿、あの店が一番だと私は思うぞ、日没までは肉野菜食べ放題、日没後は追加料金で酒も飲み放題らしい、そして何よりも安い」


「おっ、良いじゃないかそれ、今から食事すれば、ちょうど良い感じの時間帯に酒が出てくるな、よし、この店を喰らい尽くすぞっ!」


『うぇ~い!』



 あまりにも好条件の飲食店、看板はガビガビと光を放ち、まるでこちらがカジノなのでは錯覚しそうな勢いだ。

 珍しく金があるのを良いことに、俺達は何の疑いもなく、その目立つ店のドアを開けた……



 ※※※



「おう兄ちゃん、支払は当然出来ねぇよな? だったらそっちの女の子を全員置いて行け、てめぇは山にでも埋めてやんよ」


「持ってるわけないだろ、というか持っていたとしたらこんな店には来ないね、確実に」



 ボッタクリ店というのは往々にしてこのようなものなのかも知れないが、まさか『座るだけ』で『世界の半分』を請求してくるような、ぶっ飛んだ店が存在しているとは思わなかった。


 むしろ『世界の半分』を受け取るべきは勇者たるこの俺様なのだが、ここでその主張をしたとて話が拗れるだけ、黙ってこの店を制圧する、もちろん建物とその付属設備ぐらいは無傷で入手するための作戦を考えよう。


 しかしどうしてここのスタッフは全員が全員魔族なのだ? 奥で夜の営業を準備しているお姉さんもサキュバスだし、俺の横で凄んでいるおっさんも汚らしい顔の人間タイプ魔族だ。



「おいコラどうなんだよ? 早く世界の半分を寄越すか、諦めて俺に殺されるか、どっちか選びやがれこの雑魚キャラ野郎がっ!」


「うるさい、声がデカイいし口も臭い、死ねっ!」


「えっ!? ひょんげろぽっ!」



 しつこく絡んでくるボッタクリ店員魔族を捻り潰して殺害すると、店内が騒然とし出す。

 カレンがスッと席を立ち、休憩中で俺達から離れたミケを呼びに行ったようだ。


 事態が収まらないまま、すぐにミケを連れて戻って来るカレン。

 店員の魔族の惨殺死体を見て、ミケもかなり驚いた様子である。



「えっと、ちょっと見ていない隙に一体何があったにゃ?」


「ボッタクリだよ、ほら、この請求書を見てくれ、座って3秒でこの請求内容だ」


「……これは酷いにゃっ!? この店のオーナーは出て来るにゃっ! キッチリ説明して、あと営業許可証もこちらに預けるのにゃっ!」



 尻尾を逆立て、イカ耳になって怒るミケ、カウンターの奥でざわざわしていた店員達であったが、しばらくすると1人の女性が前に進み出る。


 コイツはサキュバスだ、悪魔のようだが尻尾はピンク、というかこの店はサキュバスの店員が多いな、もしかすると深夜営業は凄くムフフな……


 いや、座っただけで世界の半分なのだ、まともなサービスを受ければ、この世界どころか転移前の世界すら持って行かれかねない、大変に危険な店なのである。


 で、自治区で発行した許可証らしき、額に入った紙を持ってこちらへ来たそのサキュバスの女性。

 この子は髪の毛もピンク、身に着けている下着なのか服なのかわからない『小さな布』は黒、エッチだ。



「お前がここのオーナーかにゃ?」


「そ……そうでございます……でもあの、その、先程このお客様方に渡した請求書は、何というか……あっ、ちょっと誤記載がありましてっ!」


「ウソばっか言ってんじゃないよ、そこのおっさん、今は元おっさんの肉塊だが、そいつがしきりに脅迫してきたぞ、それはどう説明するんだ?」


「えっと……まぁ、そのですね、部下が自己の利益のためにやったことで……店としては感知していないというか何というか……」



 こういうのをしどろもどろと言うのであろう、その見本のような態度で、目を泳がせ、合わせた指先をチョイチョイと動かしながら、冷や汗タラタラで答弁するサキュバスお姉さん。


 俺達もそうだが、取り締まる立場にあるミケも呆れた表情である。

 この店のボッタクリ行為に関しては、既に官憲によって事実として認定されてしまった。


 もはや言い逃れは出来ない、このお姉さんもそれだけは察しているはずだ。

 あとはどうやってこの場を切り抜けるか、泳いでいる目は脱出口を探しているのであろう。



「もう諦めるにゃ、今罪を認めてお縄に就けば、命ぐらいは助かる可能性も少しはあるのにゃ」


「……あの……その……へへーっ! 畏れ入りましたぁぁぁっ! どうか、どうか命だけはお助け下さいっ! お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますっ!」



 言い逃れを諦め、地面に穴が空くレベルの強烈な土下座を披露するサキュバスお姉さん、同時に後ろの従業員達も同じように土下座し出した。


 ミケがこちらを見る、どうも俺がこの連中を助命するかどうか決めて良いらしい……



「よし、まずサキュバス連中、それ以外でも女の子スタッフは俺達の泊まっている部屋に連行だ、今夜一晩、そこをナイトクラブ代わりにして、酒類の提供を含むサービスをしろ、そしたら命だけは助けてやる」


『へへーっ! あり難き幸せっ! 全て承知致しましたぁぁぁっ!』


「もちろんどうしてボッタクリに手を染めたのか、親玉は居るのか、その辺りに関しては別途拷問して聞き出すからな、覚悟しておけよ」


『へへーっ! あり難き幸せっ! 全て承知致しましたぁぁぁっ!』


「わかったら両手を頭の上で組んでアレだ、壁とかにアレしろ」


『へへーっ! (略)』



 サキュバスが5人、その他の女の子魔族が2人の合計7人が縛り上げられた。

 サキュバスの子は当然として、他の2人も実に可愛らしい、片方は金髪メガネ、もう1人は茶髪のおっとりタイプだ。


 7人は遅れて到着した獣人憲兵によって、俺達の宿泊している部屋へと連行して貰う。

 残っているのはおっさんスタッフ魔族が5匹、いや5個、これは汚いし臭いので要らない。



「それじゃ、こいつらはもう公開処刑イベントのネタにするにゃ、ほら、さっさと歩くんだにゃっ!」


「ひぎぃぃぃっ、ご、ご勘弁をっ!」


「黙るのにゃっ! その臭い口を閉じて足だけ動かせばいいのにゃっ!」



 おっさんスタッフに対して凄むミケであったが、身長は4分の3、体重も半分以下であろう。

 もちろん戦えば圧勝なのであろうが、それでも子猫が人間相手に精一杯の威嚇をしているようにしか見えない。


 とにかく処刑が決まった5つのおっさんは、汚い顔を涙に濡らし、命乞いを繰り返しながら連行されて行った。

 明日、門番の差別主義者2匹と同時に『炙り凌遅刑』に処されるのだという。



「さてと、俺達は宿に帰って今度こそ酒を飲もう、ミケ、休憩時間なのに呼び出して悪かったな、また明日も色々と頼むかも知れないからそのつもりで」


「わかったにゃ、今日はもう上がるので、何かあったら近くの文官でも捕まえて聞くといいにゃ」



 ミケには適当にチップを渡し、その日は帰らせた。

 さて、ここからは捕まえたサキュバスと、それからスタッフの魔族2人によるサービスの時間だ。


 この店にも酒はいくぶんか置いてあるようだし、適当に見繕って持ち帰り、『無料サービス』と共に消費することとしよう。


 本来はここでまともに金を払って豪遊するつもりであったのだが、下手にボッタクリ店であったため、逆にお得な感じになってしまった。


 まぁ、得した分の調整として、本来はここの役人達がやるべきであったあの魔族7人の拷問を、代わりに俺達が引き受けてやるのだ、これでトントンである。


 店の裏に置いてあったリヤカーに倉庫から奪った食糧、酒を満載し、宿となっている元温泉旅館を目指す……



 ※※※



「おかえりなさいませ王女殿下ご一行様」


「うむ、勇者パーティーご一行様ではないのだな」


「ええ、王女殿下か水の精霊様、どちらのお名前を先に表示させて頂くかは判断に迷いましたが、勇者様という選択肢は一切ございませんでした、雑魚の分際で図に乗るのも大概になさった方がよろしいかと」


「な……なんか超すみませんでした……」


「わかればよろしゅうございます、ではお荷物と、先程届いていたエッチな格好の魔族達もお部屋にお運びしますね」



 受付の女性に凄まじくディスられ、微妙な空気になりながら部屋へと戻る。

 全開宿泊した最高級ルームではないものの、露天風呂もある、現在開放されている中では最も良い部屋だ。


 そこに荷物が運び込まれ、次いで先程捕らえた7人が、縛り上げられた状態のまま連れて来られた。

 まずはスタッフの6人を正座させ、オーナーのサキュバスだけをその前に跪かせる……



「さてと、まずはお前の名前を教えて貰おうか」


「はいぃぃぃっ! わ、私は()()()と申しますっ! なのでどうか命だけはっ!」


「おいおい、ちゃんと名乗ったら助けて貰えるとかどれだけ甘いんだよ、で、ココアね……いや源氏名じゃなくて本名をだな……」


「ひぃぃぃっ! それが本名でごめんなさいっ! なのでどうか命だけはっ!」



 本名であったか、まぁサキュバスなわけだし、元からそういう名前であったとしても特におかしいということはない。


 しかしかなり混乱しているようだな、後ろの連中もビクビクして話が出来そうな感じではない。

 ここはもう7人全員を完全に許してやり、無罪放免で解放してしまうのがベストな選択肢であろう。


 こんなにも可愛いのに、ずっと怯えさせておくのもかわいそうなのだ。

 ついでに帰りの旅費と、ここまでの迷惑料、当面の生活費を工面してやって……



「はいストップ、ちょっとあんた、魅了されちゃってどうするのよ?」


「魅了? おれは魅了なんかされてないぞ、だいたいこんな怯えきった子にそんな『テク』を使う余裕があるとは思えないんだが?」


「あのね、サキュバスの魅了に『テク』はあまり関係しないの、もちろんやろうと思ってやった方が効果は高いわよ、でもあんたみたいなスケベ野郎が相手だと、少し会話するだけでコロッと逝っちゃうのよ、今のあんたみたいにコロッとね」


「……そうなのか?」


「そうなのよっ!」



 精霊様は俺が目の前のココアに魅了されているのだと主張するのだが、俺の思考が何かおかしくなったという感じはなく、至ってまともだ。


 そういえばまださ怪我入っていないにも拘らず、少しハイになったような気がしなくもないが、この程度で正常な判断が出来なくなるとは思えない。


 まぁ、それでも今この場にいる中で最も知識水準の高い精霊様がそう言って譲らないこと、そして跪いたココア本人も、『やってしまった』という顔で俯いているのを見るに、おそらく俺は、知らぬ間に魅了されているのであろう。


 だが特に効果はないのだな、これから戦う南の四天王もサキュバスなのだが、この程度であれば『魅了』の効果にそれほど警戒する必要もないはずだ。


 ということでまずはココアの縄を解き、俺達の全財産を提供したうえで、兵士などに発見されないようにこっそりと裏口から……なぜか精霊様に制止されてしまった、一体何がしたいというのであろうか……



「このままじゃ完全にダメね、ちょっと結界を張るから、それでこの部屋の中だけ魅了の効果が消えるはずよ」


「結界を張るったって、別にそこまでする程のことじゃ……あ、え? あれっ!?」



 精霊様が何かをした、きっとおなじみ異世界の超ご都合パワーを使った不思議な術なのであろう。

 地面に描かれた魔法陣のようなものが光る、術の完成と同時に、俺の少し酔っ払ったような感覚は完全に消え失せた。


 それと同時に、ここ数分で考えていたことが明らかにおかしいということに気付く。

 どうしてせっかく捕らえた7人を逃がそうとしていたのだ? どうしてなけなしの金を渡してしまおうとしたのだ?


 それは騙されたからに他ならない、ココアめ、ビビッているフリだけして、本当は俺を魅了の効果に嵌めてまんまと逃げ出すつもりであったのか……



「おいコラてめぇっ! 調子乗ってっとマジで痛い目に遭わせるからなっ! あぁん?」


「ひぇぇぇっ! わざとじゃありませんからっ! なのでどうか命だけはっ!」


「……あんた、人の話し聞いてた? あんたみたいなのはサキュバスと話をするだけでああなっちゃうのよ、自制心とかまるでないんだから、その子がわざとやったわけじゃないのは確かよ」


「そうなのか、おう、すまんかったな」


「はぁっはぁっ、ど……どうか命だけは……はぇ~っ……」



 跪いた状態から突如として力を失い、横にポテッと倒れるココア、どうやら恐怖から解放され、安心したことによって気絶してしまったらしい。


 その体を手で受け止め、抱き上げてソファの上に寝かせてやる……これでは拷問も尋問も出来ないではないか、こうなったら他の6人から聞き出すこととしよう。


 ということで俺が向き直ると、ビクッと体を震わせる6人、そのうち3人が気を失い、残りの3人はおもらしして泣いてしまったではないか、こちらも使い物にならないな……



「ちょっと、勇者様のせいで大変なことになっちゃったじゃないのっ! この子達は服を洗ってあげないと、ほら立って、向こうで着替えをしましょ……と、何かしらこれは?」


「名刺……みたいだな、ああいう感じの店だし、夜のスタッフは名刺ぐらい持っているだろうよ」


「まぁ確かにそうよね、でもこの名刺、どこかで見覚えがあるわ」



 おもらししたサキュバスのうちの1人を立ち上がらせようとしたセラが、その懐からハラリと落ちた1枚の名刺に着目する。


 ピンクの、いかにもそれらしい感じの名刺だ、きっとお酌でもしながら横のおっさんに渡すのであろう。

 あの店で客がキープするのはボトルだが、その客自身、自分がカモとして店にキープされているとは思うまい。


 ……と、ミラが何かを思い出したかのように、自分の冒険用のバッグを漁り始める……出てきたのは名刺、色もデザインも、セラが手にしているサキュバススタッフのものと全く同一ではないか。



「おいミラ、どうしてお前がそんなものを持っているんだ?」


「この間受け取ったものです、ほら、東の四天王の城で最後に……」


「……あっ! え? ウソだろっ!?」



 ミラが持っていた名刺に記載された名前は、『南の四天王 アンジュ』、あの強力無比なサキュバスメイドだ。


 東の四天王討伐時、奴の城で南の四天王が去り際に置いて行ったものである。

 それと全く同じデザインの名刺を持つサキュバス、調べてみると、他種族の2人も含めて、7人全員がそのデザインの名刺を持っていた。


 これはどういうことなのだ? ちょうど手近に寝かせてあったココアのポケットから取り出した名刺と、ミラから渡された南の四天王、アンジュの名刺を見比べる。


 うむ、やはり同じものだ、紙の質も、サイズすらも一致し、まるで『同じ店の店員』だ。

 ということはあのボッタクリ店、南の四天王と何か関係があると考えるのが妥当か……

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