表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十一章 西の城
406/1360

405 四天王城倒壊作戦

「すげぇな、東の四天王の城よりも遥かにデカいぞ……」


「何だか壊しちゃうのがもったいないわね、こんなに綺麗なお城なのに」


「しょうがないさ、きっと西の四天王の奴、あの中の玉座の間みたいな所でフハハハッ! とか言いながら偉そうに俺達を待っているんだぜ、目にもの見せてくれるってんだクソ野朗がっ!」



 目の前に聳え立つのは白く輝く美しい城、だが周囲はイバラを巻き付けた木に囲まれ、これぞ強敵の、これぞボスキャラの居城といった感じの雰囲気を醸し出している。


 ちなみに水路にすべき場所にもイバラ付きの木が大量に設置されていたのだが、それは魔法で焼き払ったりして排除した。


 そのせいで作業員が何十匹か巻き込まれ、焼け死んだのであるが、地震ナマズが言うには、炙り作業員もなかなか美味であったとのこと、命が無駄にならなくて何よりである。



「さてと、すぐにでも攻撃を始めたいところだが、今から地震を起こせそうか?」


『うむ、我の力とそれから付き従う者共の力を使えば出来ることは出来るのだが……』


「出来るのだが? 何か問題があるなら遠慮せずに言ってみろ」


『腹が減っては何とやらなのだ、ここまでかなりの距離を、水路を掘りながら移動してきたのでな』


「そうか、ちょうど昼時だし、俺達も食事を取っておこうか、そっちは残りの作業員を全部喰っても良いぞ」


『かたじけない、そうさせて貰おう』



 整列させてあった作業員共が一瞬で青ざめる、ここまで来れば、生き残った者ぐらいは助かるのであろうと予想していたようだが、魔王軍に協力した連中を助けるような俺達ではない。


 もちろん可愛い子やその親族、例えば東の魔族領域に住んでいる元大魔将、フルートの親族やその仲間達は、魔王軍に武器を供与しているからといって殺したりしなかった。


 その辺りはもう俺の好みの問題であり、『好まざる者』である雑魚魔族の作業員共を助けてやろうとは思わない。

 むしろ見ているだけでムカつくのだ、こういう連中には無様な死がお似合いなのである。



『ぎょぇぇぇっ!』

『い……いでぇっ、いでぇよぉぉぉっ!』


「おい貴様等! やかましいからもっと静かに死ねや、迷惑なんだよっ!」


『そんなぁぁぁっ!』

『助けてくれっ! お願いだっ!』

『の、呪ってやる……』



 泣き叫んだり命乞いをしたり、それから無駄に呪ってきたりと、いちいちやかましい作業員共であったが、魚たちによって次第に喰われ、終いには誰も居なくなった。


 ちなみに心優しい精霊様が、地震ナマズの子分であるドジョウにも食べ易いように、作業員を磨り潰してペースト状に……この話はやめよう、昼食が喉を通らなくなる……


 その後、ピクニックシートを広げて昼食を取っていると、遠くに見える城の出入り口がバタンと開く。

 中から出て来たのは数百体の魔族、大半が上級で、前衛の捨て駒キャラのみ中級といった構成だ。


 おそらく迎撃部隊なのであろう、俺達がこんな所まで攻め込んで、そこから先にはやってこないことに痺れを切らした四天王、またはその部下が奴等を派遣したと考えるのが妥当なところ。


 ワーワーと奇声を発しながら近付いて来るその部隊は、どう考えても俺達の昼食が終わるまで待ってくれる雰囲気ではない。


 仕方ない、ここは食事を切上げて戦う……そのつもりは更々ないというメンバーの方が多いようだ。

 立ち上がったのは俺とセラ、ユリナ、サリナの4人、残りはもう一切やる気を感じ取ることが出来ない有様。


 重ねて仕方ない、ここは4人で戦うこととしよう、まずは俺が手前の雑魚を屠り、露出した上級魔族の部隊をサリナが幻術で足止めする、そこへ攻撃魔法を連発してやれば良い。


 すぐに走り出した俺は、迫り来る敵集団の中に突っ込んで聖棒を振り回す。

 全身を覆う盾を持った中級魔族を取っては投げ、千切っては投げ、ついでに心の底から罵倒しておいた。


 前衛の盾魔族を50体程度始末すると、その後ろのメイン部隊が顔を出す。

 そこへサリナの幻術が飛び、敵を足止め……足止め……俺の足も動かなくなってしまったではないか……



「おいサリナ! 一体何をしたんだ? 敵だけじゃなくて俺の足まで固まったぞ、ふぬぬぬっ……ダメだっ! ホントに何なんだよ?」


「あ、あの、怒らないと約束してくれるなら言いますが……」


「おうっ、よほどのことがない限り怒ったりはしないぞ、だから言ってみろ」


「ざ……通常出現して3秒で退場する、名前すら与えられていない雑魚のモブキャラだけを足止めする幻術を使いました、その辺り一帯に……」


「……つまりアレか、その『通常出現して3秒で退場する、名前すら与えられていない雑魚のモブキャラ』という属性の中に俺が含まれていると?」


「……念のため謝っておきますね、ごめんなさい」


「許さぁぁぁんっ!」


「ひぃぃぃ……」



 怒りパワーで少しだけ足が動く、どうやら俺は通常出現して3秒で(以下略)を脱することが出来たようだ。


 自らの存在価値を再認識した俺、いや俺様。

 調子に乗ってそのまま戦闘を継続しようとしたところに、セラとユリナの魔法が着弾、幻術に寄ってほぼ動かない足のまま、遥か彼方へと吹き飛ばされた……



 ※※※



「ただいまぁ~」


「あら、案外早く帰って来たわね、通常出現して(以下略)さん、ぷぷぷっ」


「ざけんなっ! あれはどう考えてもたまたまでだな……」


「いえ、残念ですがご主人様、どう見てもあのモブ達の中で一番効いていましたよ」


「おいサリナ、そういうのはもし思ったとしても口に出してはいけないんだぞっ! 後でみっちりお仕置きだっ!」


「ひぃぃぃっ……」



 腹いせにサリナを脅し、既に死体ばかりとなった迎撃部隊の残骸掃除に合流する。

 これは地震ナマズ達の夕飯になるらしい、そして、城を倒壊させる準備はもう完了しているらしい。


 しかしえらい目に遭ったな、まさか雑魚キャラ専用の幻術に掛かってしまうとは。

 このままでは勇者の名折れ、史上最低のダメ勇者として扱われてしまうではないか。


 待てよ、むしろこれを逆手に取って、『ニ○ラムで倒せる系』のソフトでライトな勇者でも目指そうか? いやいや、それもどうかと思うな……と、敵に何か動きがあるようだ……



「勇者様、また城の方が騒がしくなってきましたよ」


「む、追加で部隊を出すつもりだな、ちょっと急ごうか、次はこっちのターンのはずだ」



 ここでモタモタしているとまた迎撃部隊を出されかねない、さっさと地震を引き起こして、あの城諸共雑魚キャラ共を始末し、四天王の下へまっすぐ向かうことが出来るようにしてしまおう。


 進路を確認し、どこからどういう感じで揺れを与えていくのかについて会議している地震ナマズ達。

 本人、いや本ナマズは相当に知能が高く、地図も読めるようだが、子分達に関しては普通のヌメッとした魚だ。


 つまり、作戦に関して聞き、理解する素振りは見せているものの、その実言葉すら頭には言っていない状況。

 それでも俺が知っている魚と比べて遥かに賢いのだが、本当にアレで大丈夫なのかという不安はある。



『ということで者共、作戦を理解したな?』


『・・・・・・・・・・』


『せめて何か答えないか? わかったな?』


『・・・・・・・・・・』


『はて? この者共はこんなに頭が悪かったか?』



 首を傾げる、というか首がどこなのかわからないのでそういうモーションだけをしてみる地震ナマズ。

 ここで疑問に思うということは、かつてはこの魚達が普通に受け答えしていたということなのであろうか?


 とはいえ今はもう無理だ、ナマズにしろウナギにしろ、そしてもちろんドジョウであっても、見るからにそこまでの賢さは備えていない……適当に理由を付けて諦めさせよう……



「おい、そいつらはダメだと思うぞ、きっと道中馬鹿な作業員共を喰ったのが悪かったんだ、馬鹿が伝染したんだよ」


『うむ、その可能性もあるが、我としては頭の悪いモブ異世界人の影響でこうなってしまったとしか……』


「うるせぇっ! 作業員の泳がせ釣りに変えた瞬間強烈バイトしてきたナマズに言われたくはないわっ! とにかくそろそろ行ってやってくれ、敵さんが新しいオモチャを出してくる前にな」


『わかった、では改めて参ることとしよう、者共、行くぞっ!』



 返事すらしない子分の魚達を引き連れ、地震ナマズは崩れた水路の横にポッカリと空いた、地下へと続く穴へ入って行く。


 太さ的にあのバケモノイソメが掘った穴だ、それが俺達の水路とぶつかり、姿を現したのであろう。

 そしてその穴は、間違いなく目の前に聳え立つ四天王城の地下へと繋がっている。


 真下に入って少し揺らせばすぐにガラガラと崩れ去るであろう城、そのときの四天王本人の顔を拝んでやりたいところだが、監視カメラすらないこの世界ではそれを我慢せざるを得ない。


 まぁ、俺達の手によって殺される際の、苦悶に満ちた表情を目に焼き付けておくこととしよう。

 ついこの間まではまず勝ち目のない敵であったが、強くなった俺達には勝算があるのだ。


 今回の戦い、間違いなくとまでは言わないものの、十中八九勝てる、そんな気がしている。

 何か特別な修行をしたというわけではないのだが、どういうわけか俺達の強さは格段に上昇した。


 これまでずっと経験してきた、通常では考えられないスピードでのパワーアップ。

 そこに何か秘密があるのは明白なのだが、今はそれを考察している暇ではない。


 目の前の敵、西の四天王をぶち殺し、この地域を制圧することを最優先課題としているのだ。

 やる気満々でしばらく待つと、突如地面がグラリと揺れた。


 地震ナマズ達が所定のスポットに着いたのだ、ここから作戦のスタートである……



 ※※※



「来るぞっ、転ばないようにしゃがむか、木か何かに掴まっておくんだ……ルビア、菓子の袋はしまえよな……」


「えぇ~っ、イヤですよ、今開けたばかりなんです、このまま湿気させるのは残念です」


「良いからしまえっ……っておわぁっ!」


「あらっ……ご主人様、エッチですね……」



 誤報ではないことが確定した緊急地震速報に対し、菓子を頬張りながら待機するルビア。

 しっかり警戒するようにと諭そうとしたところで強い揺れ、思わずつんのめった俺は、ルビアのやわらかいおっぱいに顔を突っ込んだ。


 大地は地割れを起こしながら5分以上揺れ続け、その間、おれはムチムチおっぱいに呼吸を遮られ、危うく『幸せ死』するところであった。


 次第に揺れが収まり、目を開け、おっぱいの柔らかさを惜しみながら顔を上げる。

 さて、四天王城はどんな無様な姿に……うむ、完全な形で残っているではないか……



「凄いっ! あの揺れに耐えたみたいよっ!」

「やるじゃないの、魔族にしては、だけど」

「へぇ~、あれで崩れないなんて、私がトンビーオ村の海岸で造った砂のお城よりも……あっ、誰かテラスに出て来ましたよ、魔導拡声器みたいなの持ってますっ!」



 あれだけの地震で崩れない堅固な城、それに対して皆が口々に反応したのであるが、リリィだけは何か別のものを見つけたようである、遠くに見えるテラスに、人影が現れたと言うのだ……



『ガーッハッハッハ! 貴様、噂の異世界勇者だなっ! いきなり現れやがって。だが貴様のやりそうなことは全てこの西の四天王様直属幹部、初段建築士、()()()()()()()=()()()()()()()()()()()R()C()様がお見通しだ。この城を地震で倒壊させようと思ったのであろうが、そうはいかないっ! 何とこの城、耐震構造なのだっ! ガーッハッハッハ!』



 テラスに現れたのは、やたらと長い名前の馬鹿のようだ、そしてその名前は、そいつが明らかに建築関係のキャラクターであることを示している。


 つまり、俺達の作戦は失敗したのだ、この城の地下には地震を誘発する凄い構造があった。

 だがそれよりも、あのテラスに居る馬鹿者が造り上げた耐震構造の方が勝っていたのだ。



「困ったわね、こうなったらもう直接お城に攻撃しちゃう?」


「いや、それはやめておいたほうが無難だ、俺達が直接手を下せば、また損害賠償がどうのこうのとうるさいからな、ここはあくまでも『地震ナマズが勝手にやった』というのを貫き通すんだ」


「でも地震で倒壊しないんじゃね……」



 確かに困った事態ではある、おそらく城の地下に何か仕掛けがあり、それが地震の効果を減退させているのであろう。


 となるとこのまま揺らし続けても、その何かが磨耗や金属疲労などによって破断するまではどうにもならない。

 そのまえに地震ナマズ達が疲れ果ててしまいそうだ……と、地震が止まった……


 城の方から振動が近付き、しばらくすると地震ナマズが水路の穴から顔を出す。

 疲れ切った感じではあるが、城の倒壊を諦めたといった雰囲気ではない、というか魚ゆえ表情が読めない。



『いやはや、どうにも地震に耐性のある城だな、我が大地を揺らしたというのに、あれで倒れなかった建造物は初めて見たぞ』


「そうなのか、この世界の建物は結構脆いんだな、まぁレンガとか組み上げて造っているのが多いから当然か」



 もし俺が転移前に居た世界であれば、あの程度の地震に耐えられない建造物はもはや違法だ。

 この世界にはそういった建物の方が少ないのかも知れないが。


 と、あの城は建築基準に適合した頑丈な建物なんだよな、製作者の名前からしてもそうだが、相当に作り込まれた、いやそもそもの工法からしてハイレベルのものなのだ。



「それで、この後に打つべき手には何か心当たりがあるのか?」


『うむ、この辺りは地下水脈が特に凄くてな、少し掘ればその水が溢れ出すはずだ』


「つまり、それを使ってどうにかしてしまおうってんだな?」


『そうだ、具体的には……説明するよりも見せた方が早そうだ、我等に任せておくが良い』



 自信満々、といった様子で再び穴の中に消えて行った地震ナマズとその子分達。

 何をするのかは知らないが、とにかく俺達はその作戦の成功を祈って待とう。


 期待を込めつつ、ついでに菓子を喰らい続けるルビアを制止しつつ、地震ナマズ達のアクションを待った。

 5分、10分……おっと、少し揺れたな、これまでとは明らかに違うタイプの揺れだ……



『貴様等! もうそろそろ諦めて帰ったらどうだ? この城はあの程度の地震では崩れぬ、貴様等の負けだっ! ガーッハッハッハ!』


「うるせぇ奴だなっ! 少し黙ってろよ、すぐにぶっ殺してやるからなっ!」



 かなり距離があるというのに、城のテラスから叫ぶ初段建築士のこえがうるさい。


 しかも良く見るとズラが外れかかっているではないか、奴はアレだな、フサフサだと思わせておいて、裁判所に現れた瞬間ツルピカ頭とかいうタイプの建築士だな。


 ……と、また揺れた、今度は大きいぞ……しかも城の前庭部分、それから入口のすぐ脇の地面が割れ、水が溢れ出している。



『む? 何だこれは、どうして水なんぞが……どっ、どわぁぁぁっ!?』


「すげぇっ! 超巨大間欠泉だっ!」



 次の瞬間には大地が裂け、その下から飛び出す巨大な水の柱。

 水道管が破裂したとか、その次元の話ではない、もう水道局そのものが破裂したレベルの水量だ。


 これは精霊様の全力を上回る威力に違いない、大量の水は巨大な城を下から突き上げ、その構造を端から順にどんどん破壊していく。




『ぎぃぇぇぇっ! そうだっ、四天王様に報告をしな……かぺっ……』


「お、アイツ瓦礫の下敷きになりやがったぞ、死んだかな?」


「さすがにまだ生きてるんじゃないかしら? でもあのテラスは崩壊寸前だし、完全に埋まったらわからないわね」



 間欠泉に当てられ、脆くなって崩れた城の屋根部分が初段建築士に直撃、というか完全に下敷きになってしまった。

 さすがにあの程度で死ぬようなことはなさそうだが、それでも相当痛いはずだ。


 もがき苦しみ、最後はテラスごと落下して、その上から落ちて来た瓦礫で圧死するが良い。

 それまでの僅かな時間は、自分の設計した自慢の城が、ボロボロと崩れ去っていくのを感じ取って絶望しておけ。


 至る所を崩され、崩壊寸前となった四天王城、さらにそこへ地震が追撃を加える。

 いくら耐震構造とはいえ、この状態で巨大地震を喰らえばひとたまりもないはずだ。



「揺れるぞっ! また何かに掴まれっ!」


「ご主人様、他にも色々あると思うんですが、どうして私のおっぱいを掴むんですか?」


「何だ、イヤなのか?」


「いえ、別にイヤなことは、でもこんなに揺れると……あでででっ! ち……千切れるっ!」



 鷲掴みにしたルビアのおっぱいが引き伸ばされる、ダメだ、片パイでは俺の体重を支えることが出来ない。

 仕方ない、ここはもう片方の手も使い、ダブルおっぱいで地震に耐えることとしよう。



「すまんルビア、もう片方の『力』も借りるぞっ!」


「ひぃぃぃっ! い、痛いっ! もっとお願いしますっ!」



 両パイを掴み、どうにか立ったまま地震をやり過ごした、完全に静かになり、ふと振り向いた先に見えた四天王城は……まだ生き残っていやがる……


 しかも間欠泉も止まり、これ以上の破壊は見込めない状況だ。

 これは拙い、崩れかかった城に攻め入るほど危険なことはないからな、もしかすると中での戦闘をきっかけに、突然倒壊したりするかも知れない。


 そう考えているところに、一仕事終えた感じで戻った地震ナマズ達、ここはガツンと文句を言ってやろう……



「おいお前ら、城が完全に潰れてないじゃないか、これじゃあ不完全履行だぞ」


『大丈夫だ、我等が城の地下にある水を全て地上に抜き出したのだからな、その後、あの場所がどうなるのかは低脳な異世界人にも想像が付くはずだぞ』


「地下水を全部……なるほど、そういうことか……」



 納得し、再び城を見上げると、心なしか先程よりも高さがないような気がする……いや、徐々に下がっているのは一目瞭然だ。


 突如として地下水の全てを排出され、急激な地盤沈下が始まったのである。

 沈み行く城、最後の瞬間、一気にその高さを失ったと思えば、その直後には大きく歪み、ガラガラと崩れ去った。


 これで城を攻略する手間が省けたな、しかも俺達が壊したわけではないし、特に責められる理由もない。

 さて、あとは四天王が出て来るのを待つのみだ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ