3 駄王降臨
王都は円形の都市で、外側から順に城壁と城門・平民区画・王城区画(軍や公共の施設)・王宮、とします。
目が覚めるとまだ薄暗かった。
そういえば昨日目覚めたときには真っ暗であった。
いつの間にか女神ケールに拉致されて、そのまま神界で寝てたんだったな。
だが今日は違う。もう俺には仲間が居るのだ。
俺が枕にしているのはライトドラゴン、リリィの尻尾……の何か丁度いい感じの太さの部分。
向こうではセラとミラの姉妹が、地面に布を敷いて仲良く眠っている。
しかし、何というか髪の毛はベタベタ、体もなんか気落ち悪い……
昨夜は泉で水浴びをしたのだが、それでも石鹸とかがあるわけではない。
汚れが落ちきっていないわけだ。
こういうとき、普通の異世界転移、つまりフィクションのものであれば『洗浄』なり何なりのスキルで清潔を保つはずだ。
この異世界にもそんなスキルがあるのだろうか?
少なくとも現時点で俺はそのスキルを持っていない。
どうなんだろう?
そうだ、こういうときこそサポート役の女神を使おう!
頭の中で念じてみる……
『おいっ! 女神、聞こえるか? おいっ!』
『プルルルルッ、ガチャッ……ありがとうございます、こちらは神界コールセンター、勇者専用ダイヤルです』
「・・・・・・・・・・」
『聖剣に関するお問い合わせはこちらで対応いたします、配属先異世界の説明を聞く場合、及び女神様・神様にお繋ぎする場合には、勇者名と登録勇者番号を念じて下さい』
オペレーターに繋がってしまった、意味がわからない。
とりあえず聖剣に関するお問い合わせは俺には関係ないか、貰えなかったしな……
となると残りは異世界の説明と女神との念話か……
『え~と、勇者名はアタル、登録勇者番号は09187です、まずは異世界の説明からお願いします』
『承りました、それでは解説音声を再生します、しばらくお待ちください』
『……剣と魔法の世界、メディトレイア!魔王軍の侵攻により、人々は危機に瀕していた!そこに…プツッ』
野太いおっさんの声で気合の入った解説が始まった。
やかましい、速攻でキャンセルする。
『え~っとすみません、もう説明は十分なんで女神に繋いで頂けますか?』
『はい、それでは勇者アタルよ、女神ケール様にお繋ぎします、くれぐれも粗相の無いようにお願いします』
『ルールーッ、ガチャッ……もしもし、勇者アタルですか? いかがなされました?』
『ああ、昨日は悪かったな、勝手に念話途絶えさせて』
『いえ、こちらからは常に状況が把握できておりますので大丈夫です、それで、今回の要件は何でしょうか?』
『そうそう、昨晩は泉で水浴びしただけでな、なんか気持ち悪いんだ、この世界には洗浄とかそういう類のスキルは無いのか?』
『申し訳ございません、今はもうメディトレイアに洗浄スキルは無いんです、普通にお風呂入って洗って下さい』
今は、ということは昔はあったのだろうか? 何故に無くなってしまったのだろう? 事情を聞いてみよう……
『それはさ、昔はあったってことだよな?』
『ええ、確かに100年程前まではメディトレイアにも洗浄スキルが存在しました』
『うんうん、で?』
『しかし浴場業ギルドからの請願……というか圧力がありまして、信仰先を変えるとまで言い出したためそれ以降洗浄のスキルは廃止致しました』
『意味わかんねぇよ!』
『本当にすみません、謝りますから怒らないで下さい、リアルにお願いします』
女神は俺の怒りにビビッているようだ。
しかしなるほど、確かに誰かが洗浄のスキルを持っていて、それを自分だけでなく周りの人間にも使ってやったとしたらどうなるか?
日本でいう銭湯とかそっち系の業種の人間は商売上がったりだ。
利権を守るため、かなり強硬な手段に出たとしても不思議ではないし、その行動を責めることも出来ない。
『まぁ、それなら仕方が無い、洗浄スキルに関しては諦めることにするよ、まあそれだけだったんだ、忙しいとこ悪かったな』
『いえいえとんでもございません、またいつでもお声掛け下さい、それではご武運を』
今回は女神が悪いわけではないから優しくしてやる。
いや、マジで今回だけだがな。
女神との念話を終える。
王都には風呂があるといいんだけどな……
※※※
日が差すと他のメンバーも次々に起床した。
セラは眠そうに欠伸をしている。
ミラはなぜか腕立て伏せを始めた、朝のトレーニング、とのことだ。
巨大な胸が地面についたり離れたり……眼福である。
ちなみにリリィは起きてはいるものの未だ体温が低く、動くことが出来ないらしい。
変温動物め……
しばらくするとミラのおっぱいタイムも終わり、リリィも動き出した。
二度寝を画策するセラを引きずり起こして着替えさせ、王都への旅を再開する。
途中、昨日も見たオークやスライム、その他の魔物と出会ったりもしたが、所詮は雑魚である。
サクっと討伐して歩を進めた。
ちなみにリリィのブレスは森の中でこそ使えないものの、開けた場所では非常に有効だ。
一度、オークが5体の群れで現れたが、ブレス攻撃によってものの数秒でコアを残して灰となった。
強いぞ変温動物!
※※※
だいぶ日が高くなってきた頃、セラとミラが布団代わりに使っているデカい布地2枚を干したいとか言い出したので、広げてリリィに掛けておく。
もはや何の生き物だかわからなくなってしまったが、前はしっかり見えているようなのでそのまま進んだ。
そして、昼頃には王都と思しき城門のところまで辿り着く。
王都はレンガを敷き詰めたような雰囲気の城壁に囲まれ、俺達が向かう城門はその一部にぽっかりと穴を空けたような感じである。
ちょうど午後の入門検査が始まる前のようで、城門の前には既に50名ほどが並んでいた。
そして、そこかしこで喧嘩が勃発している……
諍いの内容は、やれ割り込んだだの割り込んでないだの、
息が臭いだの脇が臭いなど、実に低レベルのものばかりだ。
しかしこれは俺、かなり浮いてしまいそうだな……
城門前に並んでいるのは、武装した冒険者風の者か馬車を引いた商人が大半。
そんな中で俺だけ古代ローマ皇帝だ。
マルクス=アウレリウス=アントニヌスと呼んで欲しい。
不安を感じながら列の最後尾につく。
だが、俺の珍妙な格好も、そこらの喧嘩も門兵達の眼中にはない。
彼らは忙しく走り回っている、慌てて馬に乗って駆け出している兵士もいる。
それもそのはず、どうやら王都の近くの森でドラゴンの目撃情報があったらしい。
あったらしい……
「・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・』
巨大な2枚の布を掛け、正体不明の生物と化しているリリィと目を合わせる。
これはヤバくねぇか?
……と、馬に乗った若い兵士がこちらに向かってくる。
「すまないそこの御仁ッっ! 今森の方から来られたように見えたのだが、出現したとされるドラゴンについて何か情報をお持ちではないだろうか?」
早速年貢の納め時が来たようである、諦めて布を捲くり、リリィをチラ見せする。
エロくは無いですよ。
『ど、どうも……リリィです……』
「ふげぇぇぇっ!」
仰け反り過ぎて危うく落馬しそうになる若い兵士、リアクションの女神が舞い降りたのであろうか?
「あんたそれドラゴンですよっ! わかってます!? ドラゴン!」
「ええ、まぁ、そこそこは……」
「あのね、その辺のトカゲとは違うんですよっ! え? ペット? 馬鹿なこと言わないで下さい、丸呑みにされますよっ!」
「あのっ、ちょっと待って下さい、この方は……」
ミラが口を挟むが、若い兵士を落ち着かせることは出来ない。
「何ですか? あれ、あなた奴隷ですか? もしかしてドラゴンの餌ですかっ!?」
「いえ、ですから……」
「あぁ恐ろしい、なんて恐ろしい男なんだっ! うら若き乙女を奴隷にした挙句、それを凶暴なドラゴンの餌食にするなんて……服装だけでなく中身も狂っているのですかあなたはっ!」
冤罪の極みである、ミラは俺の奴隷では無いし、リリィの餌でもない。
また、リリィは凶暴でもない。
この兵士が唯一正解にたどり着いたのは、俺の服装が狂っているということのみである。
なんたってローマ皇帝だからな、トラヤヌスと呼んで欲しい。
「待って兵士さん! この人は異世界勇者なの、30人目のっ! 生きてたのよ、それで早速ドラゴンを仲間にしているわけよ」
セラのフォローだ。さすがお姉ちゃん!
「マジかよっ! やべぇなオイっ! ああっ! 俺どうしたらいい? 伝令? 伝令だよね?」
「知らねぇよ、好きにして下さい」
「伝令ぇぇーいっっ! 伝令ぇぇーいっっ! 異世界勇者様よりの伝令ぇぇーい!」
兵士は風のごとく走り去ってしまった。
俺は特に命令などしていないのだが……というか何だったんだあいつは?
兵士との謎のやりとりが終わったところで、俺の前に並んでいた商人風の女性が気さくに話しかけてきた。
40歳ぐらいだろうか? 馬車は牽かずに荷物を載せた馬を一頭だけ連れている。
「あらぁ、美しいドラゴンねっ! ライトドラゴンかしら? だとしたら女の子ね」
『美しいなんてそんな……仰るとおり、私はライトドラゴン、名前はリリィです』
「やっぱりそうなのね、私は王都騎乗具店の店主、シルビアよ、ドラゴンに騎乗するような大きめの道具も扱っているわ、気になったらぜひ見に来てねっ!」
そう言ってそのシルビアと名乗る女性は俺に名刺を渡す。
こんな異世界でも名刺は健在のようだ、紙ではなく羊皮紙的なものでできているようだがそこは気にしない。
時間と金があったら尋ねてみよう。
ちなみに、リリィの姿を見て驚かなかったのはこのシルビアという女性だけである。
列に並んでいたおよそ50人のうち、半分ぐらいが一目散に逃げ出した。
他も静かになっていこちらを警戒している。
なお、面白いことに喧嘩して大声を張り上げていた連中ほど逃げ足が速かった。
よく吠えるタイプの弱い犬であったのだろう。
そうこうしていると、今度は20歳かそこらぐらいの女性兵士が馬に乗って近づいてきた。
装備をみる限りではあるが、少なくとも三下の類ではないようだ。
「異世界勇者殿! 先程は当方の馬鹿が失礼した!」
「これから王城の方に案内する。仲間とともに来て欲しいのだが、そのドラゴンはまだ人間形態を取れないのか?」
『すみません、私まだ子どもなので……』
「そうか、では仕方が無い、だがさすがにドラゴンを王都の中に入れるわけにはいかない、一時城門の外にある厩舎の方で預からせて頂くが、勇者殿はそれで構わないだろうか?」
「リリィ、それで大丈夫か?」
『早めに迎えに来てくれるのなら我慢しますよ~』
「では、勇者殿一行はそのまま城門までご足労願う、そこから先は馬車を用意してあるゆえ安心されい」
「わかった、では向かうとしようか、あ、シルビアさん、また今度!」
「ええ、いつでも待ってるわ、勇者様、それから王城で『ルビア』という名前の女の子に出会ったら仲間にしてあげてね」
ルビアか……名前からしてシルビアさんの娘かなんかだろう、王城で働いているのかな?
仲間に? 勇者パーティーに参加したいってことなのか? まあ良い、探しておこう。
「了解しました、それじゃ!」
そう言って城門に向かう。
辿り着くとリリィは兵士に連れられてすぐ傍の厩舎に向かった。
馬がドン引きしているようだが、こればっかりは仕方が無い。
あ、馬見て涎垂らしてる、これはダメかも知れないな……
「お~いっ! リリィ~ッ! 兵士の言うことをちゃんと聞いて、問題を起こすなよ~っ!」
『はぁ~い! 了解で~すっ!』
本当に大丈夫であろうか……
※※※
城門からは馬車に乗って幹線道路? 馬車道というらしいが、とにかくそこを走り、王城まで一直線であった。
馬車道は左側通行のかなり広い道であり、城門をくぐった時点で遠くに王城らしきものがあるのが確認出来た。
てかこれ、攻められたらアウトじゃねぇか?
馬車道を挟んで右側が王都一丁目、左側が王都七丁目とのことだ。
王都は王城を中心に、そこから城壁に向かって伸びた6本の馬車道によって一丁目から七丁目までに分かれており、馬車道の終端には必ず城門がある。
そして今通ってきた北門が、町の正門として扱われているようだ。
王都にある6本の馬車道が意味することは、城門さえ破れば6方向から攻め放題ということである。
いい加減すぎる…
そうこうしているうちに王城の前に到達した。
前、といっても王城はかなり巨大だ。
メインの王宮以外にも、広場やコロシアム、研究所や学校などといった施設まである。
一般市民らしき人々も普通に出入りしている、公共施設の集合体みたいなところだ。
俺達の乗った馬車は広場を横切っていく。
広場には人だかりができており、その中心で汚いおっさんが公開処刑されていた。
盗賊らしい、この世界の人権意識はそういう水準なんだな…
さらに進む、やっと王城のメインたる王宮にたどり着いたようなので馬車を降りる、が……
「すみません! 奴隷を王宮に入れることはできません、用が済むまでこちらでお預かりします」
衛兵に止められてしまったではないか。
縛られて連れて行かれるミラ、リリィに続いてミラまでもが別行動になってしまった。
というかここでミラと離れるのは痛い、ミラは姉のセラよりも遥かに賢いし俺よりも頭が良い。
勇者パーティーのブレインである。
女神? そんな奴居たか?
二人きりになってしまった俺とセラは、衛兵に先導され、前庭を通って建物に向かう。
そこにあった建物は教科書に載っていそうな西洋の城。
前庭に向けて大きく張り出したテラスがあり、いかにもそこで王様がスピーチしそうな感じだ。
ちなみに、その前庭にも一般人がウロウロしていた。
平民と思しきガキが走り回っている。
ババアたちが世間話をしている。
フリーダムすぎる……別にミラを連れてきても問題ないと思うのだが。
建物、つまり城の中に入るとまずは長い階段を登った。
その先が王の間になっているらしい、その扉の前に立つ。
そしてここでこの世界の字も普通に読めることが発覚した。
扉の上に掲げられた板に『王の間』と書かれているのが認識出来たためだ。
この扉の先にある王の間は禁煙らしい。
ご丁寧に指定喫煙場所への案内図も付してあった。
王の間の扉を係の人っぽいおっさん兵士が開け、俺たちは赤い絨毯に沿って奥に進む。
そこには王の姿があった、王冠、白いもこもこが付いた赤のマント、蓄えられた白髭……
誰がどう見ても『王様』である。
その赤マントの中身がパンツ一丁で無い限りは……
王様は裸だった。
しかも顔が赤い、酔ってるだろコイツ!
禁煙のはずなのに葉巻を咥えている。
そしてなぜ索敵に反応がある?
あ、後ろでニコニコしながら立ってる第一王女だ。
この女は『敵』であるようだ。
「ワシがこのペタン王国の国王、バッカーノ・ダ・ペタンである、人々は親しみをこめて『ダ王』と呼んでおる、勇者よ、そなたもそうするが良い」
はいはい『駄王』ね。
「私は第一王女、マリエル・ダ・ペタンと申します、以後お見知りおきを」
第一王女も俺に挨拶をする。可愛い、敵だけど。
「俺は異世界から来た勇者、アタル、で、こっちはパーティーメンバーのセラだ」
敬語は使わない、コイツにその価値は無いと判断したためだ。
「なんとっ! そっちの女は嫁ではなかったのか? まぁおっぱいもアレじゃしのぉ……」
セラが顔を赤くしている、この王は頭が悪い上にデリカシーも無いようだ。
「ところで勇者よ、そなたはドラゴンを仲間にしているとの報告が上がっておるのだが、今はどこに?」
「ああ、ドラゴンのリリィはさすがに町に入れるわけにはいかない、ってことで城門で預かってもらっている」
「ふむ、まぁ別に入れても良いじゃろう、王命でドラゴンを王都内に入れることを許可する」
本当に適当な奴だがこれは有難い。
その後はドラゴンライダーによる王都襲撃の件を説明した。
俺以外の異世界勇者がすべて死亡していることは国の方でも確認済みだあったため説明を省く。
王都襲撃の話を受け、王女や王の傍に控えていた大臣たちは皆一様に驚愕している。
その間、駄王は鼻毛を抜いていた、何も聞いてない。
「まぁ何か色々とあるみたいだがどうでも良いじゃろう、そろそろ勇者にアレを渡しておかなくてはならぬな」
全然どうでも良くないのだが……そしてアレってなんだ。
王の言葉を受け、兵士がなにやら台座のようなものを運んでくる。
「これは500年前、初めてこの世界に召喚されたという始祖勇者が転移時に装備していたとされているもののレプリカじゃ!」
そう言って台座の上に掛かっていた覆いを取り去る国王。
そこにあったのは……
・頭に被る傘
・胸部だけを守る鎧
・槍
・草鞋
・変な旗
であった、傘には白い布が付いている、鎧の背中には旗が指せるようになっていた。
始祖勇者は足軽だった……
槍と、一応鎧を受け取っておく、何かに使えるかも知れないからな。
草鞋は迷ったがローマ皇帝セットについてきたサンダルの方が使い勝手が良さそうなので要らない。
残りのゴミを付き返す。
一部のものが受け取り拒否されたのを見た王はちょっと残念そうであったが、気を取り直して次の手続に移るようだ。
「オホンッ! では次に勇者ハウスの鍵を進呈する」
「勇者ハウス?」
「うむ、勇者とそのパーティーメンバーは国の用意した拠点で生活してもらうことになる、そうすればいちいちどこの宿屋に泊まっているのか探す必要も無いのでな、家賃などは要らぬから安心せい」
なるほど居場所を把握し易くするためか。
横に控えるセラが凄く嬉しそうだ。
姉妹は王都を拠点にしているものの、貧乏なためなかなか宿屋に泊まることが出来ないらしい、脱・王都難民である。
大臣からその勇者ハウスとやらの鍵を受け取った。
「それから後程外の牢屋敷に立ち寄って、奴隷兵を受け取っておくと良いじゃろう」
「奴隷兵?」
「勇者には一人につき奴隷兵一人を授けようと思っておったのじゃ」
「でも俺以外は全員死んだみたいだぞ、どっかの馬鹿のせいでな」
「そうなのじゃ、30人の勇者がくると聞いておったので奴隷兵も30人用意したのだがな、ここに辿り着いたのはそなただけであった……ゆえに、好きなだけ連れ帰ってパーティーメンバーに加えるが良い」
奴隷のパーティーメンバーね……
まぁ、ミラも奴隷なわけだしリリィに至っては人間ですらない。
この後メンバーに何人か奴隷が増えたとしても、それによって何か不都合が生じるということはないだろう。
「わかった、受け取っておくことにするよ」
「うむ、ではこれにて勇者との謁見を終了する、なんとかライダーの件、頑張るのじゃぞ!」
俺とセラは王宮を出る、早くミラを迎えに行かなくては。
あとリリィだ、馬を襲ってないと良いのだが……
とはいえ、リリィの居場所はかなり遠い。
まずはミラを回収して、それから奴隷兵とやらを受け取りに行こう、その後は一旦拠点に寄って……
やることが多すぎる気がするのだが。
あ、そういえばシルビアさんの言っていたルビアって子には会わなかったな?
どこに居るんだろう? こちらも探しておきたいところだ。
そんなことを考えつつ、俺たちは先程来た道を戻っていく……
ここから章を変え本格的なストーリーを始めていきます。
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