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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十章 西方拠点
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390 甲

「おっ、ピッカピカの建物じゃないか、出来立てホヤホヤって感じだな」


「勇者様、これは住めるわよっ! 私達の別荘にしましょっ!」


『気に入って頂けたようで何よりダス、これ、ここの鍵ダスよ』


「おう、二度と喋るなって言ったのに喋りやがったな、てかお前もう用済みだから死ねっ!」


『ぎょぇぇぇっ! ダ……ス……』



 ここまで案内してくれた薄汚いダスダス魔族を、感謝の気持ちを込めた一撃でぶち殺す。

 死体は側溝にでも隠しておこう、汚いし、あの連中に見つかるとやかましいのは間違いないからな。


 親切なその魔族から受け取った鍵を使い、建物の入口の扉を解錠する。

 中は新鮮な木の匂いが漂うピカピカの空間、完全に新築のそれだ。


 平屋建てではあるものの、俺達の領地に設置されているプレハブ城や、トンビーオ村で拠点としているコテージよりも広い、しっかりとしたベッドが10台も並ぶ高級空間である。



「結構大きいベッドですね、ご主人様、私達はこの真ん中のにしましょう」


「うむ、カレンもそれで良いか? というか、これだけあるならほぼ1人1台でも良いような気がするんだがな……」



 リリィはベッドを使わないし、精霊様もどこかに浮かせておけばそれで十分なのだ。

 すると必要なベッドの数はアイリスを含めたパーティーで11台、添い寝が必要なのは1ヶ所だけ。


 だがルビアもカレンも俺と一緒に寝るつもりのようだし、あえて指摘する必要はないか。

 特に最近、夜はカッツリと冷え込むようになってきたのだ、この2人と一緒の方が温かいからな



「よし、荷物はベッドの下だ、あとは食材を運び込んで……」


「勇者様、食材も用意されているようです、ちゃんとした『人にも食べられる』肉や野菜、小麦粉なんかもありますよ、しかも取れ立て新鮮!」


「いやどういうことだよ、それはちょっと怪しくないか?」


「大丈夫よ、私が見る限り毒の類は入っていないわ、中に含まれる水分は綺麗なものよ」


「……精霊様がそう言うなら大丈夫なのかも知れないが、一体誰がそんなところに食材を用意したんだ? 俺達がここへ来ると決まったのはついさっきなのに」



 おかしなことがあるものだと、不思議に思いながらミラが取り出した食材を眺める。

 特に変わった所はありません、肉からも野菜からも、何者かの敵意を感じるようなことはないのであった。


 まぁ良いや、きっと俺達がここへ来ると決まり、それから慌てて用意したのであろう。

 毒が入っていないというのであれば、これは紛うことなき食材だ、有り難く頂いておくべきだな。


 今日の夕飯では、とりあえず塊であった生ハムと野菜を使って生ハムサラダにしようということに決まった。


 そういえばここはバーベキューをしても良いのか? それ次第で明日以降の食事が大きく変わってくるのだが。

 念のため明日、甲を殺害するついでに質問しておこう……



「よしっ、じゃあ今日は早めに夕飯を食べてさっさと寝るぞ、明日から4日間頑張るためにもな」


『うぇ~い!』



 日が傾く頃には夕食を終え、当然のように設置されている風呂にも入った。

 完全に暗くなったタイミングで、真新しいベッドに潜り込み、次の日を待つ……



 ※※※



「さて、そろそろ出掛けるとしようか、アイリス、留守番を頼んだぞ、何かあったらそっちの『緊急通報ボタン』を押すんだ、白は女神、黒はエリナが召喚されてトラブルを解決してくれる、もちろん黒の方が役に立つからな」


「はぁ~い」


「主殿、ゲートの前までは馬車で行くつもりなのか?」


「いや、腹ごなしも兼ねて歩いて行こう、その方が健康的だしな」



 翌朝、朝食を終えた俺達は戦闘の準備をし、徒歩で宿泊所を出る。

 約束の時間は『朝』であったが、お日様が真上に来るまでは一応『朝』だ、俺の感覚ではな。


 ということでのんびり、ゆっくりとゲートを目指した。

 徒歩だと案外遠いものだな、30分以上掛かってしまったではないか。


 途中、ついこの間俺達が全壊させた旧村長宅の跡地で、何やら大規模な工事が行われているのを目にしたが、何の施設を造っているのか、気になるところであった。


 で、到着した村のゲート前には……イライラした様子の甲、それを宥める乙丙丁。

 昨日には意図せずしてやられた遅延作戦、その仕返しは完了である。



「やいっ、どうしてこんなに遅いのだっ!? もう待ちくたびれて体力がごっそり持って行かれてしまったではないかっ!」


「いや待ちくたびれたぐらいで現実にくたびれてんじゃねぇ、妄想と物理の垣根はしっかり保っておくべきだと思うぜ」


「なんとっ!? 遅れて来て凄まじい態度だな、まぁ良い、今日が貴様等の命日、そしてこの場所がお前達」の墓場だ、覚悟しろっ!」


「だぁぁぁっ! ちょっと待てコラ、ここでやったらゲートが壊れる、もっとアレだ、そうだな……向こうの森の方へ行こうぜ」


「承知したっ! 付いて来いっ!」



 提案を聞き入れ、村の入り口から見える森目掛けて颯爽と走って行く甲、どうやらスピードタイプのようだ、甲乙丙丁の中では最も素早さが高い。


 だがそれだけである、ご自慢の素早さも、ノロマの俺やルビア、それにサポート役のサリナよりも下。

 もちろん、それ以外の勇者パーティーメンバーにはまるで敵わない、ゴミ同然のスピードなのである。


 そしてスピードを除けば、この甲に特筆すべき能力は見当たらない、スキルも全て速度アップ関連のものみたいだし、魔法も使えないようだ。


 ゆえに、このまま倒そうと思えば一瞬、森へ入る必要もなくあっという間に仕留め、首を持ち帰ることが可能である。

 しかしそれをやってしまえば、実力の差を知った乙丙丁が慌てて逃げ出す、そのようなことになりかねない。


 丙と丁は魔王軍の構成員とはいえ女の子、これは逃がしてやっても良い、だが乙はダメだ。

 ここで確実に始末しておかないと、後で部隊を引き連れて奇襲を仕掛けてきたりしかねないからな。


 それに顔も気持ち悪いし、あんな奴が生きるためにくれてやるような酸素や栄養素の余剰は、この世界に存在したりはしない……



「勇者様、このまま森の中まで付いて行きますか?」


「おうっ、森の中で乙丙丁から姿が見えないようになるまではな、そこからさらに暴れさせよう、なるべく派手に戦っているように見せないとな」


「わかりました、ではしばらく私かジェシカちゃん、どちらか近い方で攻撃を受けておきます」


「頼んだ、あとはそうだな……マリエル、その槍の効果はかなり派手だ、間違った振りをして木でも攻撃しておいてくれ、それから魔法は火魔法以外で……」



 だいたいの作戦が決まった頃に、俺達とその先を行く甲は森の中に突入する。

 少しだけ奥へ入って行くように誘導し、そこで戦闘態勢に入った。



「よしっ、ここなら拠点への影響はあるまい、では参ろうかっ!」


「はいはい、どうぞご自由になさって」



 ポンッと、弾むように跳躍しつつこちらに攻撃を仕掛ける甲。

 いつの間にか両手に短剣を持っている、使い方的にはカレンの爪武器と同じような感じか。


 その短剣を振りかざした甲の狙いは、どう考えても一番重そうな装備のジェシカ。

 最も素早さが低いと判断したのであろう、だがハズレだ、鎧すら着ていない俺の方が遥かに遅い。



「はぁっ、やぁっ、とおっ、でいやぁぁぁっ!」


「……威勢ばかり良いが、攻撃の軌道が丸わかりだぞ」


「何だとっ!? この女、こんな乳をしてどうして素早さが……」


「鎧じゃなくておっぱいで判断してたのかよ……ちなみにお前的に一番素早さが高そうなのは?」


「もちろんそっちの『大人なのに乳だけ子ども』の魔法使いだ、このタイプは速い、風の抵抗を受けないからな」


「……うんわかった、おいセラ、怒りはわかるが手を出すな、その辺の木々に八つ当たりでもしておけ」



 後ろを向いて魔法を乱発するセラ、アツい自然破壊が突如始まったことになのか、それともその魔法の威力になのか、甲は目を丸くして驚いている、まぁ、おそらく後者にであろうが……


 しかしそれは無理もないことだ、ここで自身のスピードを自慢し、俺達を絶望させるつもりであった甲。

 それが、いきなり目の前で『見たこともないレベル』の魔法を、逆に披露されてしまっているのだ。



「ぐ……ぐぐぐ……凄まじい魔法力、だが、だがスピードでは俺に勝てようはずもない、お前達、どうして俺があの組織の頭を張っているのか、それを知っているか?」


「いや知らんし、別に聞きたくもないし、興味もないし、早く死んで欲しいとすら思っているし」


「確かにあとの3人も凄いパワーや魔法を持っている、だがな、誰一人として俺のスピードに付いて来られる者が居ないのだ、攻撃をしようにも、それを当てることすら叶わないんだ、そこにある実力の差がわかるか?」


「……ごめん、聞いてなかったわ、というかセラ、そろそろ暴れるのをやめろ、森が再生しなくなってしまうぞ、持続可能な生活を心がける俺にとってそれ以上の自然破壊は看過出来ない」


「あ、やりすぎちゃったわ、あとで植林しておかなきゃ」



 セラが暴走してくれたお陰で、派手なモーション係であったマリエルの仕事はなくなった。

 今は精霊様と2人、座ってティータイムを楽しんでいる、結構やかましかったのによく談笑出来るな……


 で、そろそろコイツを始末しても良さそうな時間だ、森の外、村のゲートで待つ乙丙丁にはもう十分に『派手な感じ』を見せ付けたし、何よりも面倒臭くなってきた。



「う~ん、じゃあここは俺達の中で一番素早さが高いマーサ、本当のスピードというものを見せ付けてやれ」


「はいは~い、任せてちょうだい」


「ちなみに首は持って帰るからな、顔はやめてボディーを消滅させるんだ」


「わかったわ、一発で消してあげるっ!」



 ストレッチしながら前に出るマーサ、一方、それを迎え撃つ甲は余裕の表情を浮かべている。

 マーサが元魔将であることを知ってはいないであろうが、おそらくは普通のウサギ魔族だと判断しているはずだ。


 かなり初期から勇者パーティーに(王都襲撃の罰として)加入させられ、そこから研鑽を積んだ『超ハイスペックウサギ』だと気付いている様子はない……



「ふんっ、何を言うか、君はウサギ魔族だろうに、確かに素早さは高いのであろうが、まさか可愛い系を理由として上級魔族に列せられているような種族が、修行を積んだこの俺に……どこへ行ったのだ?」


「後ろよ、あんたの後ろ」


「なっ!? 居ないじゃないか……」


「今度は反対側なの、あんたちょっと遅すぎよ、付き合い切れないわ」



 甲があわてて振り返るよりも、マーサが音もなくその反対側へ移動する方が遥かに早い。

 よってグルグルグルグル、見えない位置を移動しつつ小馬鹿にするマーサの遊びが続いた。


 そろそろ目を回してきた甲、ヨロリと転びそうになり、慌てて体勢を立て直す。

 次の瞬間、目に入ったのは籠手の付いた拳を握り締めたマーサ、そして迫り来るパンチ。



「はいサヨナラッ!」


「ぷぽっ……」



 ボンッと弾けるような音を伴い、甲の首から下が後ろの木々を巻き込んで消滅する。

 しばらくはエアロゾル化した赤い血液が周囲を舞っていたが、それもすぐに霧散した。



「はいおしまい、ほら、首だけはちゃんと残したわよ」


「偉いぞマーサ……でもそれ、生きてないか?」


『く、くそがっ! 強いなら強いと先に……調子に乗って恥ずかしいではないか……』


「どうするよこれ、だれかこういうのの『綺麗な殺し方』を知らないか?」


「知らない、潰すしかないんじゃないかしら?」



 神経締めでもしてやろうか? それともイカみたいにチョップすると白くなって……いや、どれもキモいしやりたくはないな、ということで精霊様にパスだ。



「全く、こういうのは黙らせれば良いのよ、脳天のど真ん中に穴を空けて」


『ぎぃぇぇぇっ! し……死ぬぅぅぅっ! あげぱっ……』


「あ、死んじゃったわ、コイツ、たぶん脳の中の運動を司る何かだけで生きていたのね、脳筋って奴よ」


「だから馬鹿だったのか、で、それを破壊したら死んだと」


「ええ、たぶんそうだと思う、こんなんだったらもっと苦しめてやれば良かったわね」



 ともあれ、甲の討伐はこれにて完了である、穴が空いてしまったものの、首だけはしっかり確保することが出来たのだ、あとは乙丙丁に『ギリギリ勝った感』を……いや、このままだと怪しすぎるな……


 まともに戦闘をしたのはマーサと攻撃を受けていたジェシカぐらいだ。

 あとはセラが魔法で暴れただけで、他はもうまるっきり何もしていない。


 つまり、ほとんど全員綺麗サッパリ、まるで汚れというものを受け付けていないのである。


 これでは本当に死闘が繰り広げられていたのかと疑われてしまう。

 もしその場で気付かなくとも、後々考えれば何かがおかしい、などということにもなりかねない。


 だがここでわざと傷を負うのはイヤだな、いくら簡単に治療できるとはいえ、少しの間だけでも痛いのはNGだ。

 となるとサリナの魔法でダメージを負っている感を出すしかないか……



「サリナ、幻術で俺達がボロッボロになっている雰囲気を出せるか? もちろん乙丙丁だけ騙せれば良いぞ」


「そのぐらいでしたら可能ですよ、満身創痍で、骨折してたりするイメージでいけば良いですね?」


「うむ、じゃあよろしく頼む、あと現実にも何かやっておかないとな、木の枝とか葉っぱとか、服や頭に付けておこう」



 木の枝と葉っぱの偽装工作を自信満々でしたのは、どういうわけか俺だけであった。

 アレか、皆は女子だから服が汚れると困るということだな、決して俺の作戦がショボいというわけではないのだな。


 とにかく森を出て、村のゲートへ戻ることとしよう……



 ※※※



「やれやれ、辛くも勝利することが出来たぜ」

「勇者様、腕がもげて落ちていたわよ」

「おぉすまんすまん、後で接着剤を買って来てくっつけないとだ、ゼリー状、売ってるかな?」



 サリナの幻術の効果により、傍から見れば満身創痍の俺達、それらしく足を引き摺ってみたり、倒れそうになってみたりとしているが、それに効果があるのかどうかは定かでない。


 ゲートの前に居た乙丙丁に、持ち帰った甲の首をドヤ顔で見せ付ける。

 一瞬だけでも驚いたような表情を見せたのは、明日戦う予定の乙だけであった。


 だがその乙も、次第に自信に満ち溢れた表情を取り戻す。

 甲に対してこれほどの被害、傷を回復したとて、明日の勝負は万全でないと悟ったのであろう。


 一方、女の子の丙丁の顔からは、疑わしい、何かがおかしいといった気持ちが滲み出ている。

 幻術を使っているとはいえ、疑いの眼差しを持って見れば、何か違和感のようなものが浮かび上がってくるということなのか……



「よしお前らっ! 明日の朝もちゃんとここに来るんだぞ、その様子だと明日までに半数は死んでいると思うがなっ! がっはっは! これは間違いなく俺の勝利だっ!」


「オットー、ちょっとおかしいですよ、何というか、その……」


「ん? 何がだ、もしかして順番を譲って欲しくてそんなことを言っているのか? それならダメだぞ、いくら俺の頭に入っているのが梅干の種だからって、そのぐらいのことは考えられるさ」


「いえ、そうではなくて……」



 ゲラゲラと笑いながら、村の中へと戻って行くオットー、もとい乙。

 どうやらあの野朗、サイボーグの類らしい、そういえば体中にリベットが見え隠れしているな。


 しかし何だ? 脳みそに使うパーツがなくて、代わりに梅干の種を入れたというのか?

 だとしたら造った博士的な奴も相当に馬鹿だな、そいつの頭にも梅干の種か、或いはアーモンドでも入っているに違いない。


 先に帰ってしまった乙を追い掛けるようにして、こちらをチラチラと振り返りながら戻って行く丙丁。


 明日乙を始末したら、その後はもう俺達の強さがバレても構わないな。

 あの2人は脅して逃げられないようにし、形式的な戦闘を経て奴隷化してやろう。



「よし、俺達もそろそろ宿舎に帰ろう」


「勇者様、もう足はびっこを牽かなくて良いのよ」


「っと、そうだったぜ、だが怪我をしているぐらいの方が皆優しくしてくれてお得なんだよな……いや、そうでもないか……」



 以前右脚を骨折し、しばらくギプスを嵌めて歩いていたことがあったのだが、その白い脚には、とてもじゃないが親には見せられないワードや絵画、もはや誰がどれを書いたのかわからないレベルであった。


 やはり怪我などしても良いことはひとつもないな、普通に、何の痛みもなく暮らせるのが一番だ。


 改めて普通に立ち、歩き、宿舎へと戻る、途中で通過した旧村長宅は、何やら公民館のような形になりつつあった、半日でよくもこんなに工事が進んだな……



「あ、そういえば勇者様、宿泊所でバーベキューをして良いかどうか、聞くのを忘れましたよ」


「そうだった、すっかり忘れてたぜ……でも普通にやっちゃおうぜ、あいつら反対側に帰って行ったし、たぶんバレたりはしないだろうよ」


「まぁ、煙を見られるかも知れませんが……とりあえず始めちゃいますね」



 煙は見られても構わない、特に今日は全く問題がないのである。


 あの状態で帰って行った俺達を見て、宿泊所から立ち上る煙がバーベキューのものだとわかる者は居まい。

 死んだ仲間を荼毘に付していると考えるのが普通であり、奴等もおそらくそのはずだ。


 通常、その様子をわざわざ見に来ようとは思わない、ゆえにバーベキューは無許可で決行しても大丈夫なのである。

 まぁ、許可も何も、そのうちにここは俺達のモノになるのだ、そんなもの必要ないといえば必要ない。



「勇者様、お肉が焼きあがりましたよっ! 早く来ないとなくなっちゃいますよっ!」


「早っ!? どんだけ大火力で焼いてんだよ……」



 次々に焼けてくる肉や野菜を食べながら、どうして今日も食材が補充されていたのかと考える……まぁ良いか、どこかの親切な人、というか敵が、俺達のためを思ってそうしてくれているに違いない。


 明日は第二の勝負、ゴーレムとかサイボーグの類らしき、それでも魔族として命を持つ『乙』を始末する番だ……

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