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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第九章 予言
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385 生贄釣り

「よっしゃ、そろそろお触れの効果が出始めた頃だろ、ちょっと町へ出てみようか」


「気が早くないかしら? お触れが届いてからお店の準備、それに掃除なんかもしないとだわ、人が出歩き始めるのは今日の夕方からよ」


「となると……夜飲みに行く奴が多くなりそうだな、というかそうに違いない、自粛明けなんてのはだいたいそうだ」



 こういったところはだいたいどこの世界でも同じなのであろう。


 しばらくの間は異種族とやらの恐怖に苛まれることもなく、また、そんなことを信じていない人間にとっても、周りの監視の目から開放される滅多にないチャンスの到来である。


 お触れが町に伝達されたのはおよそ1時間前、そしてそろそろ日暮れといった雰囲気の空。

 間違いない、今日の繁華街はかなり賑わう、それこそ普段の王都(人口20万以上)並みにだ。



「主殿、ついでだから私達も飲み客を装わないか? ちょっとだけ、本当にちょっとだけ酒を飲んで人混みに紛れるんだ」


「おいジェシカ、お前、酒飲みたいだけだろ……まぁ俺もなんだが……」


「うむ、あまり大きな声では言えないがその通りだ、それに酒場に入って酒も飲まずに周囲に目を光らせている、などというのはかなり不自然だろう」


「わかった、じゃあ希望者は酒盛りしながら待機だ、非希望者は外で見張りな」



 勇者パーティー、王都筋肉団、温泉旅館を守る傭兵団の中で、外での待機を選択したのはミラとカレンだけであった。


 そもそもカレンは囮役の一員なのであり、順番で町を歩く役割が与えられている。

 時折誰かと交代して、メインストリートを歩かなくてはならないのだ。


 つまりタイミングによってはミラ(15)が夜の繁華街の路地裏の最も怪しい場所に独りぼっちになってしまうのである。

 これは拙い、教育上もアレだし、そもそも子どもにそのようなことを強要する輩は逮捕、処刑されるのが世の常なのだ。


 というか、これでは作戦としてもバランスが悪い、これを解消すべく、また俺が未成年に夜の路地裏を警備させるような犯罪者に成り下がるのを防ぐべく、神聖なあみだくじを決行した。


 誰が酒場の中を、そしてだれが黄昏れた、寂しい路地裏を見張るかの抽選を……クソッ、やはり俺はハズレを引いたか……



「はい、じゃあ勇者様とゴンザレスは路地裏ね、キャバクラのボーイのコスプレが余っているし、それを着ておくと良いわ」


「マジかよ、ファック、クソみてぇな役回りだな、頭にきてその辺の罪なき歩行者を無差別に殺害しそうだぜ」


「おいおい勇者殿、中指を立ててはいけないのだぞ、負けてしまったものは仕方がない、共に頑張ろうではないか、はっはっは!」



 ドM筋肉野朗。というか最高位のMランク冒険者であるゴンザレス、あみだくじでの『敗北』に喜び震えているようだ、マジでキモいおっさんだな……


 まぁ、とにかく見張りをすることとしよう、ターゲットは単純、メインストリートを歩く悪魔達や、カレン、マーサなどの耳と尻尾がある連中に絡む馬鹿共だ。


 俺とゴンザレス、その他ハズレを引いた面々は、路地裏に隠れて実行班の様子を覗う……



 ※※※



 実行班を町に解放した直後、そろそろ夜の繁華街の人通りも増え始め、これは絡まれる、といった様相を呈している。

 おっと、まず最初に歩いていた言いだしっぺのユリナとサリナ、その2人に外出中の住人が反応したではないか……



『おい見ろっ! あの女共は悪魔だぜっ! ここで退治すれば領主様からの報酬が……』


『よせやいっ、あっちを見ろ、さすがにアレには勝てないだろ、小さい方だけならまだしも、相手は悪魔なんだぞっ!』


「そ……そうか……確かにあの悪魔、おそらく子どもと大人の中間だ、俺達じゃ絶対に勝てないよな……」



 なんと、まだそこまで数が多くない外出者のうちで初めて反応した輩が、2人揃って歩いている悪魔、そのうちのユリナの『体の大きさ』にビビッてしまったではないか、普通の人間よりも遥かに小さいにもかかわらずだ。


 とりあえず2人を戻そう、ユリナは拙い、軟弱な人族の、しかも卑怯な連中にとっては、喧嘩を売るには少し勝ち目が薄いと思しき見た目なのである。


 つまりユリナがそこに居る限り、サリナには勝てそうだと思った人間も絡んでくることはない。

 まぁ、もちろんここの人間の誰一人として、サリナと個別で戦って勝利することが出来る者など居ないのだが……


 道を歩く2人にサインを出すと、すぐに気付いて俺達の居る路地裏へと戻るユリナとサリナ。

 上手くいっていないのは2人も認識しているらしい、残念そうな表情である。



「ユリナ、残念ながらお前はチェンジだ、そうだな……外を歩くのはカレンとサリナにしよう」


「え~っ、それだと私が可愛らしくない見たいじゃないですのっ」


「大丈夫だ、十分に可愛い、可愛いが、ここのヘタレ差別主義者共にはちょっと大きすぎるんだ、だから最も子どもらしい2人に変える、残りのメンバーはあそこの大きい酒場へ入るんだ」


「あら、皆が張っている所ですわね、まぁあそこの酔っ払い客なら私やエリナ、マーサなんかにも絡んできそうですわね」


「そういうことだ、じゃあ役割分担はそんな感じで、酒場で飲むなら精霊様にでも奢って貰うんだ」


「はいですのっ、エリナ、マーサ、行きますわよっ」



 ユリナ達は酒場へ向かい、残ったのは生贄捕獲班の野郎共と、囮として最高の容姿を備えたカレンとサリナの2人。


 これが王都での作戦であれば、間違いなく人攫いの類が入れ食いになるはずだ。


 だが今回のターゲットはそういった積極的な犯罪者ではない、消極的な差別主義者が、内に秘めたその他種族を蔑む意識を顕在化させることで新たに生じる犯罪行為を取り締まるものである。


 2人の強さを知らない人間にとって、差別対象であり、さらにこんな見た目の女の子が歩いていたらどう感じられるか? しかもある程度酒が入ったような状態で。


 間違いなく悪意をぶつけてくるはずだ……と、いつの間にか出発していた2人に、早速酔っ払いと思しき3人組が接近して来た、ニヤニヤしていやがる、奴等はきっとやるな……



『おいおいおいおいっ! 何だか臭っせぇと思っていたらよっ、こんな所に獣人と魔族のガキんちょがセットで歩いてんじゃねぇかっ!』

『親分、コイツさっきも歩いてた悪魔ですぜ、一緒に居たちょっと大きい怖そうなのとはきっと逸れたんだ』

『で、このちっこい狼娘と一緒になって探してるってか、ちょうど良い、今のうちに畳んじまって、どこかに吊るして、後であのちょいデカ悪魔がショックを受けるのを影から見てやろうぜ』

『よしっ! そういうことでお前ら、ここが年貢の納め時だぜっ!』


『いや~っ、怖い怖いっ!』

『早く逃げないとっ! あの路地裏が良いわっ!』



 絵に描いたようなチンピラ3人組、当たり前のように酒瓶を振りかざし、2人に襲い掛かろうとする。

 そしてヘタクソな台詞棒読み演技で逃げ出す2人、3人組を俺達の待つ路地裏に誘導して来た……



「誰かたすけてぇ~っ!」


「待てやオラァァァッ! ぶっ殺してやんよ!」



 うむ、良い感じのルートで誘導してくれたな、両側の窪みに隠れた俺とゴンザレスで挟み撃ちが可能なポジションに入る。



「はーいお客さん、ちょっとストッープ!」


「うわっ!? 何だ貴様等はっ! クソッ、離しやがれっ!」


「お客さ~ん、ウチの子達に何か文句でもあるのかな? 酒瓶なんか振り回してさ」

「おうっ、そういうことをする輩は強制的にサービス終了なんだ、あと賠償金も含めて金貨10枚、この場で耳を揃えて支払って貰うぞ」


「何だとっ!? いきなりそんな大金を……」


「そうか、じゃあ体で払って貰うしかないな」


「まさかっ、金貨10枚分の皿洗いでもしろってのか?」


「なわけないだろ、洗われるのはお前らの薄汚れた命だ」

「洗濯の場所はもちろん地獄だがな、はっはっは!」


『そ……そんなぁ~っ!』



 とりあえず最初の収穫となった3人、いや『3個』、ほこラーのジジィの力を使って先に生贄の儀式開催予定会場である、例の湖まで運搬しておくこととしよう。


 この先も大量の生贄をそこへ送ることになるのだが、儀式の開催までは生かしておく必要がある。

 だが単に生かしておくというのは非常にもったいない、湖の清掃や、魚の養殖の手伝いでもさせておくべきだな。


 ということで記念すべき最初の生贄3個には、その腐った命を慰霊のために捧げる旨、それから儀式までの間無償で、こちらの指定した重労働に従事する旨の記載された契約書にサインさせておく。



「よし、じゃあジジィ、この連中を湖に送ってくれ」


「わかった、では早速ゴミ拾いと、付近にあるいくつかの祠の清掃でもさせておくかの」



 ジジィが生贄共を転移させる、先程までは調子に乗ってカレンとサリナを追い掛け回していた3個。

 だが今は半べそで命乞いをしながら、ほこラージジィの作り出した魔方陣の中へと消えて行った。


 ちなみに先程の契約書、何かの凄い(都合の良い)力が込められており、サインした以上絶対に逆らうことは出来ないのだという。


 余ったら後でセラにサインさせてみよう、反抗出来なくしてこれまでの鬱憤を晴らすのだ。



「じゃあご主人様、もう1回行って来ますね」


「あぁ、頑張って生贄を釣って来るんだぞ」



 しかし今回は渓流といい湖といい、それにこの町を始めとした各町村で釣り三昧だな。

 まぁ、ここから先のターゲットは魚ではなく、この世に蔓延る差別主義者のゴミなのだが。


 おっと、また2人が獲物を引っ掛けて来た、捕獲作戦を続けることとしよう……



 ※※※



「オラァァァッ! お客様お帰りでぇぇぇすっ!」


「ぎぇぇぇっ! 死にたくないっ、死にたくな……」


「何言ってんだ、死ぬまでまだ時間があるからな、湖での重労働、頑張れよ~っ」


「む、勇者殿、今転送したのできっちり100個目だぞ、ちょうど契約書の束が1つなくなった」


「そうか、意外と時間が掛かってんな……」



 新しい契約書の束を係のミラに手渡しながらゴンザレスが告げた内容は、この作業が気の遠くなるものだということを示すものであった。


 もう作戦を開始して3時間近くになる、一時は交通違反取締りのサイン会場並みに賑わった路地裏であるが、徐々に閑散としてきてしまった、つまり釣果が落ちているのだ。



「ご主人様、もう相当な酔っ払いぐらいしか釣れませんよ」


「まぁ、そりゃ小さい獣人と悪魔をいじめようと思って追って行った奴が100人も消えればな、いくら馬鹿共でもさすがにスレてくるだろうよ」


「勇者殿、そろそろポイント移動をしないか? この大通りの反対側の方が、まだプレッシャーの低い高活性な生贄が泳いでいそうだ」


「そうだな、だがその前に酒場組の様子を見てから行こう、ついでに一杯やっておこう」



 ポイント移動の前に、他のメンバーが張り込んでいる酒場へと入った、どこもかしこも筋肉団と傭兵団と、それからカウンターの中で働いているのはアイリスじゃないか、女神もウエイトレスをしている……



「え~っと、あ、居たな、おい精霊様、これはどういうことだ? ただ単に仲間内の飲み会になっているようなんだが」


「ここの経営権を没収したのよ、最初に3人が入ってすぐ、店のスタッフも客もそっちを睨み付けたの、だから全員縛り上げて地下の倉庫に、この酒場はもう私達のものよ」


「何だ、そういうことだったのか……と、知らない客が入って来たな……」



 何も知らずに入店したのは、既に2軒目か3軒目と思しきおっさんの集団、外出自粛が一時的に解除されている間に、可能な限り酒を飲んで暴れておこうという魂胆なのであろう。


 もちろんその中の何人か、いや大半は、マーサ、ユリナ、エリナの存在を知ると同時に、そちらに向かって憎悪の視線を投げ付けた……



「ケッ、どうしてこんな所に劣等な魔族なんぞが居やがるんだっ!」

「そうだそうだ、お前らのような異種族のせいで俺達に被害が出ているんだぞ」

「賠償しやがれっ! あと匂いで酒が不味くなる、出て行けっ!」


『店員さーん、この人達が悪口を言ってきまーっす!』


「はいはい、そちらのお客さん、他のお客さんに迷惑を掛けるとどうなるかぐらいはわかっているわよね? ちょっと奥の事務所で話しましょうか」


「え? おいちょっとっ」

「コイツ、とんでもない力だぞっ!?」

「てかこんな店員ここには居なかったような……」



 悪態を付いた3個の生贄確定者を捕らえ、奥の事務所へと引き摺って行く精霊様。

 もちろん他の連中も、周りで客の振りをしていた俺達の仲間に囲まれている。


 店の奥には階段があり、そこから地下へと続いているようだ、この下に生贄確定者を収容してあるのか。

 どれ、ちょっと様子を見に行ってみることとしよう……



「……すげぇ数だな、200は超えてんじゃねぇのか?」


「そりゃそうよ、なんたってこの町一番との呼び声高いこの広い酒場の、最初に入っていた客とスタッフを全部とっ捕まえたんだから」


「まぁ、そうなるよな、でだ、こいつらももったいないし、先に転移させて重労働でもさせておこうか、おいジジィ、早くやらないと貴様も生贄にするぞ」


「わかっておるわい、全くほこラー使いの荒い異世界人じゃの……」



 次々と生贄確定者を転移させていくほこラーのジジィ、セラとジェシカの手により、既に例の契約書にはサインさせてあるらしいので安心だ。



「おっと、そいつは転移させなくて良いぞ、てか契約書にサインしてないだろ、その子も、あの子も、バニーガールの格好をした奴は全員だな」


「勇者様が助命すると思った女の子には生贄の書にサインさせていないわよ」


「そうかそうか、よし、じゃあお前らは奴隷として生涯この近くの湖、それからすぐ横の養鱒場で働け、命を助けてやるんだから感謝しろよ」


『へへーっ! 喜んでっ!』


「それと、儀式の開始合図としてお前らの尻を太鼓代わりに引っ叩いてやる、硬くて太くて長い撥でな、こちらも併せて感謝しろよ」


『へへーっ! 喜んでっ!』



 助命対象はバニーガールが10人、それから一般の調理スタッフ2人、あとは客として訪れていた綺麗なお姉さんが3人の、合計15人である。


 ここで捕まっているということは、この15人も獣人や魔族などに対する嫌悪感を口に出したり行動で示したりといったことをしたということだ。


 だがこれから先、そのことを反省するのには十分な時間と苦痛を与えられる。

 特に養鱒場の方では、一般スタッフにランクアップした獣人達に扱き使われることになるのだからな。



「さて、俺達はこの大通りの反対側に移動して、もうちょっとだけ作戦を続けるつもりだ、こっちも頑張ってくれ、目標は生贄1,000個だからな」


「わかったわ、それと、ここの売上はどうする?」


「儀式の費用と、それから傭兵団への給付だろ、それに儀式で使う湖畔の使用料を払わないとだ、余ったら貰っちゃおうぜ、もちろん経営を続けられるだけの資金は残してな」



 遠い異郷の地に俺達の店があるというのも良いものだ、もちろん滅多にくることは出来ないであろうが、たまに訪れた際にはここでタダ酒というのも悪くない。


 何と言ってもこの町は、いやこの地域全体が王国に併合される運命なのだからな。

 その件はまだ、というか生贄の件も含めて領主に話してはいないのだが、後で教えてやったらどういう反応をするか楽しみだ。


 びっくりしてショック死するかもな、だがもし奴が死んだら葬式ぐらいは参加してやろう。


 葬式では死に顔にマジックでメガネを描いてやるのだ、ついでに額の『肉』も忘れない。

 ある程度面白くしておかないと、地獄の鬼ウケが悪くなってしまうからな、これは俺なりの優しさだ。



「ご主人様~、早く行きますよ~っ!」


「んっ、ちょっと待ってくれ~っ」



 先に行ってしまいそうなカレンとサリナ、それにサイン会場係のミラ。

 せっかく座って落ち着いた俺とゴンザレスであったが、目の前のジョッキを慌てて空にし、2人の後を追った……



 ※※※



 その日以降、町から町へと移動しながら、同様の作戦で生贄を集めていった。

 初日から第3日までで、目標にしていた1,000個の生贄は数が揃ってしまう。


 だがまだこの地域には悪い差別主義者が大量に蔓延っているのだ、その数を大幅に減少させるためにも、人が住む全ての場所を回って生贄集めをしなくてはならない。


 もちろん生贄が多すぎて悪いなどということはないはずだ。

 以前の来訪も含めて、差別主義者共の言動に心を痛めていたマーサもスッキリしているようだしな……



「勇者様、数は揃ったけど、明日も明後日も生贄集めは続けるのよね?」


「もちろんだ、狩って狩って狩りまくるぞっ!」



 最終日までのあと2日間、最後を俺達が滞在していた温泉郷と位置付け、4日目は反対側の外れの村を襲撃することとした。


 ほこラーのジジィ曰く、その村にも獣人大量虐殺の慰霊のための祠が設置されているという。

 しかも怨念のレベルでは他の大きな町に引けを取らない、凄まじいものが渦巻いているそうだ。



「あそこはの、わしが祠の管理のために立ち寄っただけで矢を放つようなところなんじゃ、排他的とかそういう次元の話ではないわい」


「余所者はお断りって感じか、これは生贄集めも楽そうだな」


「もしかすると村の全員が生贄として選抜されることになるかも知れぬの……」


「それでも構わんさ、どうせそんな閉鎖的な場所じゃろくな名物もないだろうし、そもそも悪い奴が存在しているのであればだな、それを可能な限りこの世から排除するのが俺の務めであって……」


「勇者よ、あなたは魔王軍討伐のために召喚したのです、一般的な悪い奴退治も程々に……」


「うっせえっ! まだ他の四天王には勝てないんだよっ! お前も神界から見ただろ、あの馬鹿にされていた東の四天王ですらあの強さ、南の四天王なんかそれをデコピンで半分消したんだぞっ!」


「確かにそうですね、ですが前回の怪人やら法人やらの件と、今回の生贄集めと儀式の件、ここで得た経験値でかなり強くなるはずです」


「いや、ほぼ誰とも戦ってないんだが……」



 不思議なことを言う女神は放っておいて、夜のうちに次の村へ向けて出発するとしよう……

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