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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第九章 予言
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381 ウールのガウン

「さてと、この3人は起こさないよう慎重に馬車に乗せるんだ」


「良いけどさ、どうしてその毛を刈るアイテムも持って来たわけ?」


「これはアレだ……その……証拠品だ」



まさか毛鉤を作って釣りをしたいから毛を刈らせろなどとは言えない。

もう寝ている隙に刈るか? それとも酔っ払わせて痛覚が麻痺している間に毟るか?


どちらも怒られそうなのでやめておくとして、カレンの活躍によってとりあえず魚を確保した俺達は、それを馬車に積み込み、救出した3人の羊魔族も乗せて温泉郷へと帰還する道に就く。


温泉郷に帰り着くまでの間、馬車は悪路にガタガタと揺れる、それでも目を覚まさない3人はよほど疲れているのであろう、まぁあんな所に監禁されていたのでは無理もないか。


そのまま温泉旅館に辿り着くと、建物の中庭の方から煙が上がっているのが見えた。

火事ではない、待機組の連中が待ち切れずに焚き火を始めているのだ。



「おう勇者殿、魚はきっちり獲って来てくれたか?」


「あぁ、といっても俺ではなくカレンが、だがな、馬車に積んである魚篭の中に種類ごと満載されてるぜ」


「そうか、岩塩も砕き終わったことだし、早速捌いて塩焼きパーティーを開始しようでは……ん、何だこの気絶した魔族は、もしかしてこの3人が異種族なのか?」


「いやたぶん違う、この3人は今日行った渓谷に設置されたボロ小屋で、かくかくしかじかでこうでこうであーだこーだ……」


「なるほど、虐殺事件だけではなく魔族を捕らえ、その毛を刈っていた可能性があるというのか、あくまで可能性だが、状況からしてその仮説が真である可能性は非常に高いな」


「うむ、というか良く今の説明で全てを把握したな、その理解力の高さには驚いたよ……」



何も説明していないに等しい説明で、俺達が今日経験した全ての事象を知った様子のゴンザレス。

もちろん本人達が目を覚まし、話を聞くまでは真相が判明しないということも察したようだ。


筋肉団員や傭兵団員の助けを借り、救出した3人の羊魔族を馬車から降ろす。

さすがは温泉旅館だけあって、湯にのぼせた人間を運ぶための担架がいくつもおいてあったため、それを使った。


問題はどこに運び込むかだ、目を覚ましたときに誰も居ない、知らない建物に居るとわかったら恐怖してしまうはずだ、せめて俺達から見える場所に……別にバーベキュー会場でも良いか……


ということで、温泉旅館の中庭から見える位置の部屋に、扉を全開にした状態で3人を寝かせる。

1人は呻き声を出していたし、もう2人は寝返りを打っていた、これならそろそろ目を覚ましそうだな。



「うむ、魚も捌いたし串も打ったぞ、勇者殿、そろそろ乾杯といこうではないか」


「そうだな、じゃあカレン、今日の竿頭はお前だからな、乾杯の音頭を取るんだ」


「わかりました、じゃあドリンクをジョッキに注いで……」


「ちょっと待とうか、何だその禍々しいドリンクは?」


「溶かした牛脂とラードのカクテルです」


「げぇぇぇっ! なんてもの飲もうとしてやがるっ!」


「お肉は飲み物ですから、じゃあ、乾杯しちゃいたいと思いますっ!」



竿頭といっても一切竿を使わず、己の腕のみを武器として大量の魚を捕獲したカレン。

とんでもない『ドリンク』が冷えて固まってしまう前に乾杯を済ませ、そこからは渓流魚バーベキューパーティーの時間である。


赤々と、かなりの強火であることを主張する炭に対し、少し離した位置に設置された串を打った魚が、徐々に皮目を焦がし、香ばしい匂いを上げ始めた。


そろそろ食べ頃か、いやまだ身離れが悪そうだ、などと考えていると、隣で野菜を焼いていたマーサが、良く火の通った『丸ごとニンジンの串焼き』を火から下ろし、頬張り出す。



「どうだマーサ、良く焼けているか?」


「ええ、バッチリよ、でもこのニンジンは糖度がイマイチね、たぶん安いやつだわ」


「そうか、じゃあ温泉街の野菜売り場でもっと良いニンジンを調達してやろうか? で、それに時間を割く代わりにだな……」


「尻尾の毛を寄越せって言うんでしょ、もう全部知ってるわよ、というか絶対にイヤよ」


「うぅ……交渉には先程失敗したわ、『尻の毛まで毟ってやる』って言ったら拒否されたの」


「・・・・・・・・・・」



完全にセラの言い方が悪いだけである、毛鉤には持って来いのウサギの毛、その重要物を獲得するためにはもう少し慎重になっても良かったはずだ。


後でもう一度マーサのご機嫌を取り、再チャレンジしてみることとしよう。

それでダメなら全部セラの責任だ、損害賠償として尻の毛まで毟ってやる。


と、お馬鹿なセラは放っておいて、そろそろ俺のキープしていたイワナの塩焼きが……無くなっているではないか、誰が持ち去ったというのだ……


周囲を見渡す、近くに居る参加者は皆ヤマメかアマゴを齧っているな、イワナを食べているのは誰だ?


そう考えながらサーチを続けると、居た、1人、いや1神だけイワナを、しかも俺が焼いていたのと同じ串に刺さったのを食べている馬鹿が……



「おいコラ女神、誰の許可でそのイワナの串焼きに手を付けてんだ?」


「あら勇者よ、これは女神たる私に捧げる供物のつもりではなかったのですか? そう思ったので有り難く頂いたのですが」


「なわけねぇだろ、俺の普段のお前に対する態度からそのぐらいは察しやがれ、まぁ、今回は尻の毛まで毟るだけで許してやるっ!」


「あでででっ! やめなさい勇者よっ、私のお尻には毛など生えていません、ボーボーではなくツルッツルなのですっ!」


「どっちでも良いよそんなの、とりあえずキープしていたイワナを奪われた痛みを味わえっ! それと、次に何かやらかしたら、お前が女神だってことを皆に告知して居心地を悪くしてやるからなっ!」


「ひぃぃぃっ、せっかくこのような格好までして誤魔化しているというのに、それだけはやめるのですっ! いや本当に、反省してますから、ねっ」



本当に反省したのかは定かではないのだが、ここで女神を叱っていても魚は焼けない。

ということで鷲掴みにしていた尻を解放し、新たなイワナを火に掛け……



『イヤァァァッ! やめてっ、お願いだからやめて下さいっ!』



今度は何だ……と、寝かせていた羊魔族の1人が目を覚ましたのか。

何をパニックになっているのかは知らないが、とにかく落ち着かせねばなるまい。



「お願いしますっ、私などこんなにガリガリで、これっぽっちも食べるところなどありませんっ! だからバーベキューで丸焼きにするのだけはご勘弁をっ!」


「いやいやいやいや、喰う訳ないだろっ!」


「え? だってそっちの方に筋肉ゴリゴリのいかにも凶暴そうな人族……ではなさそうな何かが大量に生息して……」


「あぁ、アレは見かけによらず温厚な動物なんだ、とにかくお前達を取って喰おうなんて考えてはいない、せっかく救助したんだからな」


「そ、そうでしたか、何か騒いでしまってすみません」



今の騒ぎで残る2人も目を覚ましたようだ。

そちらはまだボーっとした様子だが、自分以外の仲間が一緒に居るのを既に確認したようで、最初の1人のように大騒ぎをしたりということはなさそうである。



「はい、とりあえず野菜串、熱いから気を付けてね」


「あ、ありがとうございます、これを焼いていたんですか……」



マーサが大量に焼いていた野菜、串焼きのナスは俺から見ても相当に美味そうだ。

それと串2本に3連結で刺さった獅子唐、ピーマン……きゅうりは微妙か……



「マーサ、バーベキューが続いている間はこの3人の面倒を見てやってくれ、で、終わったら俺達の部屋に招待するんだ、色々と事情を聞きたいからな」


「わかったわ、じゃあ3人共、焼き野菜祭の開催よっ!」



ひとりぼっちであった菜食主義者が4人に増えたことにより、かなりの上機嫌でバーベキュー会場を練り歩くマーサ、まるで野菜がこのパーティーの主役にでもなったかのような威張りっぷりだ。


だが、炭火で焼かれている串モノの大半は渓流魚、俺も先程は焼きあがり直前で失ってしまったイワナの塩焼きを……今度は誰が持ち去ったと言うのだ……


辺りを見渡す、ニヤニヤ顔でこちらを見ながらイワナに齧り付くセラ、第二の犯人は奴であったか。

きっと俺と女神のやり取りを見てこの悪戯、というよりも単なる構ってちゃんの嫌がらせを思いついたのであろう。


だが今回はやられるわけにはいかない、イワナの背側から噛み付くセラに対し、飛び掛った俺は腹側から齧り付いてやった。


ふんわりと焼き上がったイワナの身が砕かれ、中央にあった背骨を介して、俺とセラの唇同士が触れ合う……うん、塩焼きの味だ……



「もう、勇者様ったらえっちね」


「仕方ないだろ、そのイワナは俺が焼いていたんだからな、それを悪意で奪った方が悪いんだ」


「しょうがないわね、ま、とりあえずこの余った骨は私が頂くわ」


「おいコラ、その骨は俺が骨せんべいにしようと……」



結局、こんがりと焼き上がった骨せんべいを両側から咥え、互いに近付きながら食べていくという伝統のエッチゲームをすることになった俺とセラ。


隠れてこっそりやるつもりであったのだが、それに気が付いた何人かにはバッチリ見られていたようだ。

それに関しては特に誰からも問い詰められることなく、渓流魚バーベキュー大会は、材料の枯渇によって終焉を迎えた……



※※※



「ふぅ~、結構食べたな、もう腹が一杯だぞ」


「私はまだ食べ足りません、腹2分目ぐらいですよ」


「普通は牛脂とラードのカクテルでもう腹12分目の胸焼けラッシュなんだがな……と、とりあえずそっちの3人から話を聞こうか……」



俺達が宿泊している部屋に招待した羊魔族の3人、どうやらマトンとは知り合い、というか羊魔族の里は1つしかないらしく、マーサがそのマトンの元上司だと知り、より一層打ち解けることが出来たようだ。


とりあえず3人をソファに座らせ、質問を始める……



「で、誰がどういう理由であんな所にお前達を監禁したんだ?」


「えっと、半年ぐらい前にこの付近の山を通る用事があって、3人で歩いていたところを人族の罠に……」


「人族ってのはここの温泉郷の奴か?」


「どうでしょうか? とにかく魔族や獣人はゴミだ、見たいな扱いをしてきて、これまで3回も髪の毛を刈られました。あとあの滝で養殖していた魚の世話もさせられて、ここのところは元々僅かだった食事も持って来なくなって、仕方なく木の根を齧って過ごしていました」



なんと、あの滝に居た魚は養殖していたものであったか、とはいえほぼほぼ天然の魚と同じような状況で育っていたのだ、順天然と位置付けても差し支えないであろう。


しかしこの3人を監禁した犯人、魚の養殖をさせるぐらいだし、きっとそれを生業としていた奴だ。

そしてこの温泉郷では名物として渓流魚の塩焼きが良く提供されていたという情報がある。


ついでに『ここ最近は食事を持って来なくなった』という点だ、それはまちがいなくこの付近一帯の住民が、異種族の襲来を恐れて引き篭もったことによるもの。


犯人が人族であり、この付近の人間の行動パターンとマッチする、もはや状況証拠だけで、温泉郷の住人を糾弾しても問題はないレベルだな……



「あ、ちなみにお前らはどうしてそんな危険な場所に居たんだ? 女の子3人で、しかも羊魔族はまるで戦えないはずなのに」


「それはですね、私達の住む西の魔族領域から、『アルパカ魔族』さん達の住む北の魔族領域に族長の親書を届けようとして、抽選で私達が選ばれて里を出たんです」


「親書なら宅配とか、それか魔獣なんかに運ばせれば良いのに」


「最初はそうしたんですが、それだと全然相手に届かないんですよ、羊魔族の使う魔獣はどれも弱いし、専門の郵便配達員である『ヤギ魔族』さんは親書を届けずに食べてしまうんです」


「ヤギ魔族さんに郵便配達なんかさせてんじゃねぇよ……」



明らかに才能のない、その仕事に向いていない奴に色々と任せがちなのがこの世界の特徴だ。

特にどこかの国の国王、お前のことを言っているのだぞ。


遠く離れた地に住まうパンツ一丁の馬鹿がくしゃみをしたかどうかは確認のしようがないが、とにかくこの3人が山中を移動していたこと、そして人族に捕らわれて良いように使われていたことだけはわかった。


ちなみに今後はどうするかと問うたところ、さすがに髪が伸びるまでは里に帰りたくないとのことであった。

親書とやらも届ける前に捕まってしまったとのことなので、そのまま帰るわけにもいかないという。


……ここは便利な悪魔と契約して全てを解決することとしよう、部屋の隅で風呂の準備をしていた一番大きい悪魔をチラチラと見る……アイコンタクトが返ってきた。



「では温泉饅頭(金箔入り)1箱で手を打ちます、羊魔族の里へ行って、そこで親書を受け取ってアルパカ魔族へ、ついでに里の人にはこの3人がしばらく帰れないことを伝えておきます、明日には戻りますね」


「頼んだ、明日はこの湖に向かう予定だからな、現地集合で頼むぞ」



法王を呼び出し、颯爽と飛び立って行ったエリナ、俺達は今のうちに温泉饅頭を用意しに行こう。

旅館の下の温泉街に出れば、そのぐらいのモノはすぐに調達出来るはずだ。


ということで風呂に入る前の軽い運動も兼ね、セラと2人で温泉旅館を出た……



※※※



「本当に誰も歩いていないわね、まるで滅びちゃったみたい」


「まぁこのまま放っておけば異種族に蹂躙されて滅びるんだがな、とりあえず適当に店を捜そうぜ」



閉まっているとはいえ土産物屋の類はどこかにあるはずだ、というよりもそういう店の方が多いに違いない。

そしてもし店頭に饅頭がなかったとしても、奥の家屋部分には人間が居るはずだ、少し脅せばすぐに作ってくれるはず。


そう考えながら、誰も居ない温泉街を2人で歩く……時折板を張った窓から覗く視線のせいで、これといったイチャイチャ行為は出来ない、覗き魔め、いつかぶっ殺してやる……



「あったわ、食べもの系の店よ、ヤマメの塩焼きと……温泉饅頭って書いてあるわね」


「よし、じゃあここでエリナの報酬を調達しよう、たのもーっ! 誰か居るんだろ? 開けてくれーっ!」



シャッター、ではなく雨戸のような何かが閉まった状態の店の前で大騒ぎしてやる。

しばらくすると、ガタガタと戸が動き、中からジジィが姿を現した。



「何じゃお前さん達は? 今は異種族の侵攻に備えた自粛期間なんじゃ、わしだけ外に出たなんてことが発覚したら村八分にされてしまう、早々に引き取らぬか」


「っと、そうはいかねぇ、ここでは温泉饅頭を売っているんだろう? それを手に入れるまでは絶対に帰らん、むしろお前が自粛期間中に外出したと言いふらして回ってやる」


「……わかった、わかったからそれだけはやめて欲しいのじゃ、饅頭はすぐに作る、金は要らんからそれをもって帰ってくれ」



交渉成立である、まぁ饅頭が不味かったりしたらこのジジィがこれまで積み上げてきた社会的信用を崩壊させるレベルの嫌がらせはさせて貰うのだが、とりあえず約束の品を入手するという点ではこれで完了である。


しかhしこんな所に突っ立っては居られないな、店の中に入ってどこかに座って待とう。

そう考えて建物の中へ……普通の土産物屋には置いていないはずの逸品がそこにはあった……



「おいジジィ、この『高級ウールを使ったガウン』ってのは何だ? どうして魚の塩焼きだの饅頭だのを提供するタイプの店にこんなモノが置いてあるんだ?」


「それはじゃの、ウチの魚を仕入れている業者から金貨1枚で買い取ったものじゃ、何でも滅多に居ない羊魔族を捕まえて、その毛を刈って作ったそうでの、欲しかったら金貨2枚で売ってやろう」


「これは饅頭と一緒に貰って行く、真の所有者を知っているんでな、それと、このガウンを持って来た業者の居場所を教えろ」


「そ、そんなっ!? 何たる横暴、せめて仕入値である金貨1枚は……」


「死にたいのか?」


「い……いえ……」


「じゃあさっさと饅頭を作れ、腹いせに毒を入れたりしてもすぐにわかるからな、そのときは貴様を饅頭の皮に包んで蒸してやる、わかったな?」


「は、はいぃぃぃっ!」



結局ジジィには30箱分の金箔入り温泉饅頭(金箔50%増量版)を焼かせ、店に魚を卸している業者の住所も地図付きで教えさせた。


ついでに日持ちする食糧やせんべいなどの乾いた土産物を全て持ち去っておこう。

羊魔族3人の毛を使ったガウンを保持していた期間の利息みたいなものだ。



「ま……待ってくれぬか、そんなに持って行かれたらわしが自粛期間を生き延びることが出来なく……」


「うるせぇな、生き延びられないならこの場で殺してやろうか? セラ、もうこのジジィ殺っちまって良いぞ」


「ダメよ勇者様、もしこのお饅頭が美味しかったらどうするの? 殺すのはそれを確認してからでも遅くはないわ」


「確かに………おいジジィ、とりあえず帰ったらこの饅頭を試食してみる、これが女神の舌もとろけて消滅する逸品であたったらまた作らせに来る、並みかそれ以下ならお前を殺しに来るからな、首を洗剤で洗って待っとけよ」


「ひぃぃぃ、お、お許しをぉぉぉっ……」



最後にジジィの店の入口付近を蹴って破壊し、もう二度と自粛出来ないようにしてやった。

傍から見れば店を開けているような感じだからな、これで村八分にでもされると良い。



「勇者様、これからどうするの?」


「そうだな、まずはこの地図にある業者の住所を襲撃だ……と、これって明日行くつもりの湖から相当近くないか?」


「え~っと……そうね、というか事業所から湖畔まで一直線だわ、横に沢があるし、ここでも魚を養殖しているんじゃないかしら」



となると明日は被害者の3人も連れて行く必要があるな、本人達の前で懺悔させ、最後は女神の力でとんでもなく苦しい地獄に送ってやることとしよう。


戦利品の饅頭と、それから真の持ち主に返却すべきウールのガウンを持った俺とセラは、再び歩いて温泉旅館へと戻った……

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