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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第七章 破綻寸前国家
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359 勝敗は決した

「ここですっ! ここに……扉が開いてますね……」


「待てっ! ハナコは下がるんだ、アイリスもだぞっ……いや、精霊様は下がらなくて良い、お前は戦うんだからな」


「……イヤな予感しかしないわねぇ」



 ハナコに案内させた地下の書庫、その扉は半開きとなり、既に不正野朗共の姿はどこにもない。

 だがその代わり、笑顔で立つ作業着を来た1人の男の姿を認めたのである。



「え? あ、どうして用務員さんがここに?」


「そうか、用務員として紛れ込んでいたとはな、おいハナコ、コイツは用務員さんじゃなくて、怪人四百二十面相というバケモノだ」


「えぇーっ!?」


「やれやれ、バケモノとは人聞きの悪い、我が持つ面相の1つである『管理者』を使って、ここでは真面目で気の優しい、前代未聞クラスに優秀な用務員さんとして働いていたというのに」



 肩を竦め、オーバーなアクションで呆れる四百二十面相、ここでコイツと戦えば校舎自体がなくなる、そして勝てるかどうかさえわからない。


 ここまで必死に積み上げて来た計画が全て水泡に帰すことさえ覚悟しなくてはならない状況だ……



「あ、ちなみに今は戦おうなどと思ってはいないぞ、四天王を屠ったという勇者パーティーだ、一部とはいえ戦闘にはリスクが伴うからな、こんなちっぽけな利益、そして役に立たない貴族の馬鹿共を守るためにそれを負うのはあり得ないのだ、ということでサラバであるっ!」


「おい待てコラッ! チッ、また逃げやがったか」



 四百二十面相は俺達が独力で四天王を討伐したと勘違いしていたようだ、実際は到底叶わない、もしあのスパイクブーツや魔導カイロがなければ余裕で負けていたであろうということを知らないのだ。


 しかしそれが功を奏してか、この狭苦しい書庫での戦闘は回避することが出来た、また奴を追い掛けなくてはならないのではあるが、この状況ではプラスに働いているといえよう。



「何とか消えてくれたわね、で、ここで何を探すの?」


「知らん、あるものをありったけ……いや、もう持ち去られた後かも知れないな……」



 書庫の中は紙類が散乱し、誰か、いや多くの人間が慌てて目的物を探し、それを手にしたと同時に逃げ出した、といった感じの状況である。


 おそらく自分が不正に関与していることを示すような資料、それだけを回収し、他の連中のことは知らぬ存ぜぬで立ち去ったのであろう。


 ここに立ち寄った馬鹿共は今頃、外で待機していた俺の仲間や、視察と称して乗り込んで来た王宮の官吏に捕まっているはず。


 本来であればそれぞれの屋敷へ戻り、そこにある証拠と一緒に、全てを焼却処分しているつもりであったはずだが、そうは問屋が卸さない。


 とにかく残った書類を全て集め、先程ハナコがゲットした最重要書類、即ち主犯2人の押印があるものとは別にして持ち去る。


 と、そこで視察班の数人が階段を降り、俺達の居る書庫へとやって来た……



「ご苦労様です勇者殿、ここは……もう捜索済みですか……」


「ええ、だがこれを見て下さい、こっちで押さえたスパイに持って来させた重要書類です、これ単体でも証拠として十分な働きをするかと」


「む、これは子爵と男爵が連名で印を打ってありますな、使えそうです、すぐに王宮へ運びましょう」



 直ちに隠し武器を堂々と手に持った他の視察班員が呼ばれる、このまま文書を護衛しつつ王宮へ向かうようだ。


 しかしこの連中が来たのが俺達の後で良かった、もし先に四百二十面相とバッティングしていたとしたら、俺達が見たのは生きて喋る官吏ではなく、物言わぬ肉塊、いや消滅させられていた可能性もあるな……



「あら? また誰か来るわよ……走ってる、かなり急いでいるみたいね……」


「マーサ、その走っているのは何人だ?」


「1人だけよ、あと階段2本分、今は手前の踊り場、かなりの鈍足よ」



 のっしのっしと音が聞こえ、現れたのは例のエロ男爵であった、視察に付いて回っていたせいで逃げ遅れたのであろう、そしてそのまま校舎を出ることなく、証拠隠滅のためにここへ立ち寄ったのだ。


 俺達がここに居ることに気付いたエロ男爵、全てを察したのか、ナヨナヨとその場にへたり込む……



「貴様、この学校の事務関係者だな、爵位は……男爵か、まぁ良い、どうせ剥奪のうえ処刑だ、その前に拷問があるがな、ということで引っ立てぃっ!」



 官吏の2人が両脇を抱え、力なく項垂れたままのエロ男爵を引き摺って行く。

 上階では同じようにして他の連中が捕らえられているはずだ、もうここには用もなさそうだし、俺達もそちらに赴いて手伝いでもしよう。



「行こうか、上がどうなっているか気になるしな、セラ達が上手くやってくれているのかも」


「あ、あの、私はどうすれば?」


「ハナコは……そうだな、他の連中が捕まっている所まで連れて行ってやろう、下手にウロウロしていると斬り捨てられるかも知れないし」


「ひぃぃぃっ! 死にたくはないのでお願いしますっ!」



 その場に居た官吏の許可を得て、縄でぐるぐる巻きにしたハナコを連れて、階段を上がる。


 地上に出ると、既に校内は大騒ぎであった、そこかしこに書類が散乱し、それを追加で派遣されて来たらしい木っ端役人が拾い集めているところだ。



「あ~、ちょっとすまない、捕まえた敵はどこに集めているんだ?」


「ハッ! 外で待機している荷馬車になりますが、もう入りきらないと思われます、よろしかったらこちらで『処分』しておきましょうか?」


「ひぇぇぇっ、こ、殺されるっ……」


「いや、コイツに関しては助けてやる約束をしたんでな、仕方ない、俺達の馬車へ運んでおこう」



 そのまま廊下を通って校舎から出る、馬車を停めてある正門付近では、ミラやカレンにやられたと思しき、生きているのかすらわからない事務員が山積みにされていた。


 まぁ、見た感じハナコと同じ下っ端連中のようだし、生きていようが死んでいようが関係ない、そもそも生き残ったところでどうせ死刑にするのだしな。


 と、そこで正門を見張っていたミラとカレンがこちらへ近付いて来る……



「勇者様、中は片付いたんですか?」


「いや、まだ大騒ぎのままだぞ、それよりもここで捕まえたのはあそこに積まれている連中で全部なのか?」


「違います、貴族風の見た目の奴は確実に生け捕りにして役人に引き渡しました、ですが主犯らしき2人はまだ……」



 ハイニンベルクとオー=リョーステンの2人はここへは来ていないのか、セラが待ち構えているグラウンドの方から出て、そこで捕まったのかも知れないが、念のためまだ警戒を解かない方が良いな。



「2人は引き続きここを見張っておいてくれ、俺達はハナコを馬車に押し込んだらもう一度中に戻るからな」


『は~い』



 指定の場所に停めてある馬車、ついでということでその周辺に隠れている者が居ないかどうかを確かめておくが、やはりここまで逃げおおせた奴など居ようはずもない。


 とりあえずハナコは座席に座らせ、窓枠に縛った縄の端を結び付けておいた。

 さすがにここで逃げないとは思うが、これなら万が一を防止出来る、念のため『捕縛済み』の表示もしておこう。



「あのっ、ここで大人しくしていれば殺されたりはしませんよね? それからちゃんと協力したので、死刑にはされないんですよね?」


「ああ、この後逃げ出したりしなかったらな、尻2万叩きぐらいで良いにしてやるぞ」


「ほっ……って2万叩きっ!? 死んでしまいます……」


「手加減してやるから大丈夫だ、でも痛いからな、覚悟しておけよ」


「そんなぁ~っ」



 ハナコを置いて校舎の中に戻ると、捜索をする官吏達がかなり焦り始めていた。

 主犯の身柄が未だに拘束されていないらしい、どこへ逃げたか見当も付かないそうだ。


 奴等を取り逃せばとんでもないことになるのは間違いない、確実に証拠を隠滅し、他の誰かに罪を擦り付けるはずである。



「どう致しますか勇者殿、もう隠れられそうな所はほとんど探しましたぞ」


「いえ、一度調べた所ももう一度確認しましょう、案外それで見つかるかも知れません」



 確か忠臣蔵はそんな感じで仇を見つけたんだよな、あの浪士達の行動が正当なものなのかどうかは怪しい所だが、今の状況では確実に、一方的に俺達が正義なのだ。


 2回でも3回でも、校舎内の全ての空間を捜索すれば良い、見張りが居る以上、地下の抜け道でも通らない限りここから脱出することは叶わない、そしてこの校舎にそんな抜け道など存在しない。


 確実に見つかるはずだ、確実に……



「あ、そういえば勇者殿、本来は午後の講義が始まっている時間ですぞ、無関係の生徒達を落ち着かせ、巻き込まないためにも、それぞれ持ち場に戻った方が良いかも知れませぬぞ」


「確かにそうですね……よし、俺達は一旦それぞれの教室に行くぞ、騒ぎに関しては適当に誤魔化して、あとは自習にでもしておこう」



 ということで俺は地下のヤンキー教室へ、他のメンバーもそれぞれの教室へと散って行った……



 ※※※



「おーいお前ら、教室から出てはいないだろうな?」


『ウーッス!』


「今はここから出たら確実に死ぬ祭が執り行われているからな、もし出たら殺すぞ」


『ウーッス!』


「じゃあこの後は俺が良いと言うまで自習を……おいちょっと待て、何だお前とお前は? いやお前じゃない、そこのデブとハゲだよっ!」



 俺が担当しているヤンキー共の中に、学ランを着た見慣れないデブとハゲが紛れ込んでいるではないか。

 間違いなくここの事務員、そして貴族の誰かだ、これでバレないとでも思ったのか?



「おいコラそこのデブ、しれっと退室しようとしてんじゃないよっ! ハゲ、お前もだ、誰かその2人を取り押さえろ」


『ウーッス!』


「ま、待つのだっ! わしらは貴族様なんだぞっ! 貴様等のような平民のクソガキが手を触れることなど許されぬわっ!」


「げぇぇぇっ……これ、どうするっすか?」


「ん? 俺が許可する、顔面をぶん殴って差し上げろ、死なない程度なら蹴っても構わんぞ」


「やったぜ! 大勇者様マジパないっす!」



 寄って集ってデブとハゲをボコボコにするヤンキー共、この姿が一番しっくりくるな、と、ズボンを奪いやがった、古のヤンキースキル、ボンタン狩りとは畏れ入る。


 さて、見ているのは面白いが、さすがにこのままでは拙い、そもそもこの2人の名前も爵位も知らないわけだしな。

 上に居る官吏を呼んで連行して貰うこととしよう。


 教室から出て階段を上がったところで、先程立ち話をした捜索部隊ののリーダーに出会った。

 すぐに来て欲しいと伝え、そのまま引き連れてヤンキー教室へと戻る……



「あそこでボコられているのが発見した敵です、貴族らしいですよ」


「……!? 貴族も何もっ! あっちのデブがハイニンベルク子爵、それからハゲはオー=リョーステン男爵ですよっ! だいぶ顔の形が変わってしまっていますが間違いありませんっ!」


「なんと、見つからないのはこんな所に隠れていたからなのか、往生際の悪い連中だな……」


「とにかく逮捕しますから、あの凶暴そうな連中を退かして下さい」


「ええ、おいお前ら、攻撃ヤメッ!」


『イエスッ、サーッ!』



 ガキとはいえ大人数に殴られ続け、ボロボロになった主犯の2人、呼ばれてやって来た官吏がそれぞれ2人付き、そのまま引きずられて行った。


 俺はもう一度ヤンキー共に午後は自習である旨を告げ、それを追うようにして教室を出る。

 これで不正に関与した全員が捕まったか斬り捨てられたそうだ、ひとまず安心といえよう。



 精霊様はセラを呼びに行き、俺達はそのまま校舎から出る、正門の前には視察班に紛れ込んでいたルビア、それと横にあるのは牢付き馬車か……何か普段見るものよりもかなり豪華だな……


 手を振るルビアに返事をしつつも、俺は馬車の方が気になってしまって仕方が無い、貴族の逮捕護送専用の、『アリストアレスト号』と言うらしい、なんとややこしい名前なのだ。


 その牢部分には捕まった貴族がパンパンに詰め込まれている、おっさんばかりだ、臭そうだからこれ以上近付くのはよそう。


 そしてその脇に、同じく捕まった平民と思しき事務員の連中が座らされている……なぜかこちらもおっさんばかり、女の子はどこへ行ってしまったのだ?



「あ、ご主人様、女の子を捜しているのなら手遅れですよ」


「おいルビア、それは一体どういうことだ? まさか変態の餌にでもしてしまったというのか?」


「いえ、全員先に連行されてしまいました、何でも今回の特別報酬を払うお金がないとかで、その補填のために奴隷として売却するとか」


「マジかっ!? あぶねー、ハナコだけでもキープしておいて良かったぜ」



 俺達の馬車の中に、未だハナコが座っていることを確認し、一安心する。


 どうせあのケチババァは俺達に報酬を渡すつもりはないはずだ、それならハナコをこちらで貰ってしまい、扱き使って利益を追求することとしよう。


 しばらくすると牢付き馬車、アリストアレスト号は出発し、平民事務員は徒歩で連行されて行く。

 これで事案はほぼ解決したといえよう、あとは王宮でこの連中を拷問し、詳細を吐かせれば完全解決だ。


 セラやミラ達も戻ったところで、官吏のリーダーがこちらにやって来る……



「では勇者殿、今回はお疲れさまでしたということで、奴等の処刑は近いうちに執り行われますので、そのときはまた事前に連絡が行くはずです、それでは」


「ええ、ご苦労様でした、取調べ、というか拷問も頑張って」



 官吏軍団は列を成して帰って行った、マスクにサングラス姿の怪しい校長もそれに同行するらしい。

 ちなみに明日から1週間、この学校は閉鎖され、ダメ押しの捜索がなされるという。


 となるとその間はヤンキー共に宿題を出しておかないとだな……いや待て、俺は特別講師だ、この学校の、しかもあんなわけのわからない連中の担任になったわけではない……


 まぁ、それでも奴等が悶え苦しむのは面白いからな、確実に1週間では終わらない分量の宿題を課しておこう。


 ヤンキー教室で文字通り宿題の山を召喚し、連中に押し付けた、1週間以内に終えられない者は当然処刑である、肥溜めにでもぶち込んでやる。


 正門前に戻ると、既に馬車が回され、あとは帰るばかりとなっていた……



 ※※※



「ただいま~、って誰も居ないか……」


「今回はアイリスちゃんも一緒だったからね、さて、疲れたしお風呂にでも入りましょ」



 セラの意見には全員が賛同し、食事の準備を始める前に風呂を済ませておくこととなった。

 そこへ侯爵令嬢の所へ行っていたマリエルも帰宅する、顔から察するに首尾は上々のようだ。



「どうだった? 資料らしきものは手に入ったか?」


「ええ、全て王宮に提出してくれました、あとはそちらで押収したものと比較して、おかしい部分を全部洗い出すだけですね」


「そうか、それは良かった、じゃあ今夜は勝利を記念したささやかなパーティーだな」



 今日は祝勝会としてテラスでバーベキューでもしよう、食材はどさくさに紛れてミラが学校の倉庫からパクッてきたものを使おう。


 風呂ではついでにハナコも洗ってやり、上がった後はそのまま2階の大部屋にて天井から吊るしておく。

 まともな戦利品はこれだけになってしまったが、王国の財政が回復し次第、これまでの分も含めて報酬を請求してやる。



「ちょっとっ! 私はいつまでここに吊るされるんですかっ?」


「今夜のささやかな祝勝パーティーが終わるまでだ」


「縄が食い込んで痛いんですが……」


「う~む、じゃあ降ろしてやっても良いかな、その代わり今から尻叩きの刑を執行する」


「ひぇぇぇっ!」


「精霊様、やってしまえっ!」



 ミラとアイリスが食材を切り分けに行っている間、俺とユリナがコンロの準備を、精霊様がハナコにお仕置きをといった感じで役割分担をする。


 ちなみにカレンとリリィは既にナイフとフォーク、スプーンを持って待機している、スプーンは何に使うのかと聞いたところ、肉は飲み物だというあり得ない返答が得られた。



「痛いっ! いでっ! いたいぃぃぃっ! もう無理ですっ! 勘弁して下さいっ!」


「情けないわねぇ、まだ2万叩きのうち100回ぐらいしか終わってないわよ、たぶん」


「か、数えてなかったんですか……あいてっ!」



 精霊様に叩かれるハナコが泣き出したところで、ようやく贖罪の準備が整ったようだ。

 テラスに出て肉や野菜を焼き、それを皿に盛って室内のテーブルで食べる。


 もちろん秘蔵の酒も出した、今日は久しぶりに、屋敷でのまともな酒盛りが楽しめそうだな。



「ねぇご主人様、お魚はないんですか?」


「リリィ、今は我慢しろ、最近はトンビーオ村に行かないから手に入らないんだよ」


「え~、残念……」



 四天王討伐フェーズに入り、南の海上の城を攻めることもなくなってしまった俺達。

 次は西の四天王だし、南へ行くのはその次か、しばらく海鮮は味わえそうもない……



 と、そこで庭の前に馬車が停まる、もう日が暮れたというのに、なにを伝えに来たのだ?

 降りて来たのはわりと高級そうな官吏、何か書状のようなものを持っている。



「夜分にすみません、王宮よりの書状をお届けに参りました、本日捉えたクズ共の処刑の日取りと、そのイベントへの招待状が入っております」


「ご苦労様です、えっと……来週ですか、随分早いですね」


「ええ、それまでは普通に拷問、当日はなんと公開拷問審判処刑というフルコースのお届けになっております、もちろんお料理の方もフルコースでして」



 どこからそんな金が、と思ったのだが、おそらく今日捕まった全員の資産を全て没収すれば、その程度の料理を出したぐらいではビクともしない金貨の山が出来上がるはずだ。


 そして、書状に記載されていた料理の内容……魚があるではないか、先程まで残念そうにしていたリリィが妙に興奮している……俺の分は間違いなく奪われるだろうな……



 その日以降、俺達はいつでもどこでも可能な、金の掛からない修行をして日常を過ごした。

 明日は招待されたイベントの日だ、ここで回収された金の分配が……期待できそうにないな……

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