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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第六章 決着の時
351/1360

350 衝撃

「良いか? ユリナを守りながら奴に近付く、俺達が吹っ飛ばされたら後ろから出てくる感じでな」


「つまり盾役ってことね、で、他の皆は陽動ってことかしら?」


「そうだ、ちなみにサリナは幻術を使って可能な限りユリナの姿が認識されないよう努めてくれ」



 メイングループの作戦は完璧だ、まずは俺とマーサの後ろにユリナを隠し、さらにはサリナの幻術を用いてその姿を隠す。


 俺達がブギーに吹っ飛ばされた後、後ろに隠れていたユリナが奴の体に尻尾を押し当て、その超高振動で水分子の運動を励起し、氷を溶かして弱体化に追い込む。


 その前に奴の注意を惹き付ける陽動部隊の出番だ、セラとミラ、マリエルに目配せをし、残った全員での一斉攻撃を指示する。



「極大魔法を喰らいなさいっ!」



 まずはセラの魔法攻撃からだ、同時に精霊様もカレンを伴って飛び掛かり、それにミラ、ジェシカ、さらには中衛のマリエルも続く。


 最後にリリィがブレスを吐き掛けたところで、メイングループは一斉に動き出す。

 サリナは幻術を使い続け、俺とマーサが先頭だ、簡単に吹っ飛ばされてしまった残りの前衛、中衛組はルビアの回復魔法を受ける。



「おらぁぁぁっ!」

「てぇぇぇぃっ!」


「やれやれ、まだ諦めないというのか、本当に低脳な連中だ、今回は壁まで飛んで貰おうかなっ!」


『ぎょえぇぇぇっ!』



 作戦通り吹っ飛ばされた俺とマーサ、大変に損な役回りであることは重々承知だ。

 だが本命はその後ろに居るユリナなのだ、白く輝く尻尾を振りかざしながら、ユリナはブギーに向かって突進を仕掛ける……



「なっ? いつの間に……だぁぁぁっ! 何だこれはっ!?」


「私にも良くわかりませんわっ! とにかく喰らって下さいですのっ!」



 前に突き出されたユリナの尻尾、それがブギーに触れると、まるで電熱線を発泡スチロールにでも当てたかの如く、サクッと腹に突き刺さる。


 これまでどんな攻撃も受け付けなかったブギーの体が、高熱を持ったユリナの尻尾に対しては綿飴よりも柔らかい何かに変貌しているのだ。



「いけユリナ、一気に魔力を放出するんだっ!」


「はいですのっ! ぐぬぬぬっ!」


「おげぇぇぇっ! 体が、体がバラバラに……」



 ユリナの尻尾が突き刺さったブギーの体から煙、いや湯気が上がり始めた。

 かなり効いているようだ、遂にダメージを与えることに成功したのである。



「クソッ! 離せこの雑魚悪魔がっ!」


「イヤですのっ! ぜ~ったいに離しませんのっ! 皆、今のうちに攻撃するんですわっ!」


「コイツッ! 無理矢理引き剥がして……がぁっ! ぐへっ!」



 ユリナの頭を掴もうと試みたブギーの右手にセラの魔法が、そして左手には精霊様の放った水の弾丸が直撃し、その行動を止める。


 その間もユリナは健闘しているのだが、耐えるユリナに危険を及ぼさず、直接的な攻撃を与えることが出来る前衛、中衛組は未だ治療中だ。


 俺だって全身を打撲し、そこら中の骨が折れまくっている、そのままにしておけばあと1時間もしないうちに死亡する程度のダメージを負っているのは明らかである。


 しかし、そんな中でも1人だけ動き出した者が居た。

 ぴょこんと起き上がるウサ耳、全身打撲を受けながら、マーサは無理を押して、再び攻撃態勢に入ったのだ。



「私、頑張るわよっ! 超絶ウルトラファイナルウサちゃんパーンチッ!」


「ふんげほっ!」


「真のファイナルウサちゃんパーンチっ!」


「どぴょっ!」


「究極のファイナルウサちゃんパーンチッ! 空前絶後のファイナルウサちゃんパーンチっ! 本当に最後のファイナルウサちゃんパーンチッ!」


「きょべっ! ドフッ! ほんげぱっ!」


「……死なないわね」



 マーサの連続攻撃、何がファイナルなのかは既にわからなくなってきたのだが、それでもかなりのダメージを与えている。


 これで死なないのは驚きなのだが、出血し、顔がボコボコになっている辺り、ユリナの尻尾による振動で体内の水分が活発に動き、カッチカチに凍っていた硬い体が柔らかくなっているのであろう。


 ここが攻め時だ、そのような状態になってもなお強力なブギーの力によってユリナが引き剥がされる前に、可能な限りの戦力を掻き集めた攻撃で奴を始末してしまおう。



「いけっ! 全員で攻撃するんだっ! ここで出し惜しみをすると後悔するぞっ!」



 最初に吹っ飛ばされ、既に治療を終えたミラとジェシカ、次いでカレンとマリエル、最後に俺も復帰し、マーサとユリナの戦いに助太刀をする。


 後衛からはセラ、リリィ、精霊様の3人が、さらに治療を終えたルビアと、無用となった幻術の効果を解いたサリナも前に出て参加した。


 ルビアに至ってはゴールキーパーが相手のペナルティーエリアに攻め込んでいるのと同義だ。

 回復役が前に出て戦うことには一定のリスクが伴うが、今はそんなことを言っている暇ではない。



「オラァァァッ! 死に晒せこのボケェェェッ!」


「ぎぇぇぇっ! 誰だ髪の毛を引っ張るのはっ!? 禿げる、禿げるぅぅぅっ!」



 この期に及んで髪の心配とは畏れ入るが、腰の辺りまであるブギーのロン毛は、これといった武器を持たないサリナにとって狙い目、そして尻尾を刺し込んでいるユリナが掴むのにも都合が良い。


 俺とマリエルは執拗に目を狙い、ミラ、カレン、ジェシカは背中を斬り付け、リリィは足を踏み潰し、マーサと精霊様はボディブローを連続で叩き込む。


 セラとルビアは杖に魔力を込めて頭を殴っているが、物理攻撃に魔力の意味があるのかは疑問だ。



「よっしゃ! だいぶ弱ってきたじゃねぇか、一気に畳み掛けろっ!」


「えぇいっ! 貴様等良い加減にしろっ! あっちへ行けっ!」



 腕を振り回して俺達を排除しようとするブギー、先程までのスーパーパワーは失われているものの、それでも俺達の個々よりは力が強い。


 1人、また1人と振り払われ、最後に残ったユリナも襟首を掴まれて引き剥がされる。


 だが、後ろから髪の毛を掴んでいたサリナだけは違った。

 もう一度ブギーに取り付き、先程までユリナがしていたように、全身の魔力を尻尾に集中させ、振動させて背中から刺し込む。



「ぎょべぇぇぇっ! 心臓が、心臓が溶けるっ!」


「良いぞサリナ! 急所にブッ刺さったみたいだ!」



 地面に転がっていた俺達も再び起き上がり、寄って集っての追撃を加える。

 顔は変形し、肋骨は悉く折れ、ブギーは次第に力を失っていく……しかしこれでも死なないのか、丈夫な奴め……


 と、ここでブギー、どうやらこのままでは敗北することを悟ったらしく、最後の攻撃に出ようと魔力を解き放つ。



「クソッ! このクソがっ! こうなったらこの城諸共、貴様等を木っ端微塵にしてくれるわっ! だが我は死なぬぞ、もう残りの魔力は僅かだからな!」


「ヤバいっ! 全員離れるんだっ!」


「もう遅いわっ! この城は、そして貴様等は氷の塵となって宙に舞うのだっ! 全魔力フルバーストじゃぁぁぁっ!」



 残った魔力を全て掻き集め、それをまとめて放出しようと試みるブギー。

 冗談じゃない、そんなことをされたら付近一帯が永久凍土になるぞ。


 ブギーからしてみれば残った魔力は僅かなのかも知れないが、その魔力量はセラやユリナの全回復状態よりも遥かに上、これまでに見たことがないレベルの膨大なものなのだ。


 そして俺達はここに居る以上助かる術がない、この後のことは女神が手を加えてどうにかしてくれるであろうと期待しつつ、可能な限りの防御策を持って攻撃を受ける態勢に入る……


 だが、そこへ1人だけ割って入る者が居た……ずっと傍らで戦いを眺めていたサキュバスメイドだ。


 ここまで一切の口出しをしなかったのだが、これはさすがに止めるらしい、もっともメイドが諌めたところでどうにかなるものなのかという疑問はあるが、少なくとも時間が稼げるのは確かだ。


 今のうちに少しでも後退し、距離を取ってダメージを軽減しよう。

 俺達がジリジリと退き始めたのに対し、サキュバスメイドはツカツカと、まるで事務報告でもするかのようにブギーに近付き、そして話し掛ける……



「はいはい、あんたは往生際が悪いわね、この城ごとぶっ飛ばしたなら負けと同じよ、それに勇者を討っても、この付近に住んでいる魔族の犠牲を考えたら色々とマイナスだわ、馬鹿な攻撃はやめて死になさいよ」


「何を言うかぁぁぁっ! 今の貴様はただのメイド、この城のことは我が、我の一存によって全て決せられるのだっ! わかったのなら黙って見ていろっ!」


「はぁ~っ、とんでもない馬鹿ね、どうしようかしら?」



 余裕のタメ口で四天王であるブギーと話すサキュバスメイド、『今の貴様は』というフレーズが気になるが、おそらく本来は『ただのメイド』ではないということなのであろう。


 まぁ、この状況で落ち着き払っている時点でまともではないのだが、一体コイツは何者なのだ?



「フハハハッ! そうこうしている間に準備が整ったぞ! ゴミ共め、我のアイスバーストを喰らって滅するが良いっ!」


「あ、もうダメねコイツ、死になさい」


「ブギッ……」



『え? えぇぇぇぇっ!?』



 驚愕の光景が広がった、デコピン、しかも軽く打ったとしか見えない一発である。

 サキュバスメイドの放ったそのたった一度のデコピンは、ブギーの頭だけでなく、上半身を丸ごと吹き飛ばしたのであった。


 俺達が全力の攻撃を散々ぶつけて死ななかった四天王のブギー、今は下半身だけになり、先程まで高笑いしていた上半身は血の霧となって舞っている。



「粗末な下半分が残ってしまったわね、さすがにデコピンじゃ弱すぎたかしら、えいっ!」


『えぇぇぇぇっ!?』



 今度は靴の先でちょんっと、残されたブギーの下半身を小突いたサキュバスメイド、その下半身が消滅したどころか、その先にあった城の壁に巨大な穴が空き、隣の部屋どころか空が見えているではないか……



「お……おい、一体どういうことだ?」


「あぁ、私、本当は南の四天王なの、サキュバスちゃんといえば南国の夜、そして四天王第二席の人気者よ」


「意味わかんねぇよ、どうして四天王が、別の四天王の城でメイドやってんだよ?」


「それね、いやぁ~、異世界勇者が攻めて来るって聞いたからさ、気合入れて城を改装したの、そしたらお金なくなっちゃって、で、コイツ……もう消えちゃったけど金持ちだったからさ、ちょっと雇って貰ったの」


「ゴメン、色々と理解出来ないからもう良いや」



 ここまでの流れでわかったことは2つ、1つはこのメイドが南の四天王であること、2つ目はその力が、同じ四天王であったブギーをデコピン1発で殺害することが出来る程度のものだということである。


 ブギーに対する評価が『四天王の面汚し』であったことは俺達も認識している、だがここまで力の差があるのか? そしてコレが『第二席』、じゃあトップの奴はどういう状態のバケモノなのだ?



「じゃ、私はこの城の金銀財宝を全部持って帰るから、あと従業員も貰っておくわね、でもあんた達も頑張ったし、メイドを1人だけあげるわ」


「そ……そうか、じゃああの厩舎に居た冷たい感じの子で……」


「おっけー、では私は南の四天王城に居るからね、ご来店おまちしてまーっす!」



 立ち去ろうとするサキュバスメイド改め南の四天王、もちろんここで引き止めて戦おうなどという発想には至らないのだが、コイツはかなり気さくな性格のようだ。


 今のうちに聞けるだけ聞いて、四天王に関する情報を引き出しておくこととしよう……



「あ、ちょっと待ってくれ、お前は第二席だと言ったが、あと2カ所、どっちが3でどっちが1なんだ?」


「西が第三席のおっさんよ、もちろんブギーの奴よりは強いわ、それと私はそっちの悪魔の子と同じで幻術系の魔法使いなの、だから物理戦闘だとそいつに負けちゃうかもね」


「ちょっと待ておかしいだろぉぉぉっ!? 何? お前サリナと同じポジションなの?」


「そうよ、だから近接戦はからっきしなの」


「いやいやいやいや、デコピンでブギー屠ってたじゃんかっ!」


「アイツは弱すぎなのよ、正直四天王って言っても『三天王プラス補欠』ぐらいのノリだから、もちろんあんた達もまだまだだからね、もうちょっと修行した方が良いわよ」


「・・・・・・・・・・」


「あと第一席、北の四天王ね、あの子は究極のヴァンパイアで魔力も私より強いし、物理なんかもう比べるまでもないレベルよ、今のあんた達じゃ、近付いただけで気迫にやられて消滅するわね」


「・・・・・・・・・・」



 呆れて物も言えないという状況の見本はこちらです、束になって掛かってもまともに戦うことさえ出来なかったブギー、を、軽めのデコピン1発で半ば消滅させる南の四天王、を、物理では上回るという東の四天王と、それから比べ物にならないという北の四天王。


 正直言って未知のレベルだ、大魔将もかなり強いとは思ったが、まさか四天王という連中がここまでとは……てかこの上に『副魔王』ってのが2体居るんだよな……



「じゃあね、今度こそ帰らせて頂くわ、約束通りメイドさんは1人置いて行くし、この城のコア……については話さなくて良いことだったわね、とにかく自由にして良いから、またねっ!」


「あ、ちょっとまっ……消えちゃったよ……」



 轟音と爆風を残して消えてしまった南の四天王、どこも追加で壊れていない辺り、先程空けた壁の大穴から出て行ったのであろう。


 俺の頭にヒラヒラと紙切れが舞い降りる……『魔王軍南の四天王 サキュバスの()()()()、よろしくねっ!』……キャバクラ嬢みたいな名刺だ……



「参ったわね、これじゃ相当に修行しないと勝てないわよ、というか無理かも知れないわ」


「だな、まぁとにかくここでの一件は終わったんだ、とりあえず『この城のコア』とやらを探そうぜ」



 先程アンジュが口を滑らせた『コア』の一言、おそらくだが、それが東の魔族領域にとっての重要な何かであるはずだ。


 この部屋にはそれがないようだが、そういえば1階に案内図があったな、それを参考に城内の捜索をして、コアとやらを見つけて破壊するなり何なりしておこう……



 ※※※



「あったわ、明らかにコアみたいなのがここにあるわよっ!」


「どれどれ……真っ黒い……玉? 何か不気味だなオイッ、壊したら変な毒とか出ないよね?」


「微妙なところね、もしかしたら世界が終わるかも知れないわ」



 1階の案内板には記載がなく、結局『コア』を求めて城中探し回った俺達、最終的にそれを発見したのは、隠し階段を降りた先の地下室であった。


 真っ黒で、中に瘴気が渦巻いているらしき水晶玉のような何か、直径は1m程度とそこまで大きくはないのだが、パッと見だけでも不快な感じが押し寄せてくる。


 発見者の精霊様が見ても正体がわからないこの玉であるが、この城にとって、そしてこの付近の魔族領域にとっても大切なものであるということだけは何となく伝わるものだ。


 さて、これをどう処理してやろうか……



「ご主人様、何か面白そうなので持って帰りましょう」


「え? カレンお前正気か? 明らかにヤバいだろこんなの、どこに置くんだよ?」


「う~ん、普通にタンスの上とかに?」


「……おう、絶対にイヤだぞ」



 こんなものを屋敷のタンスの上に飾っておこうなどとは露ほども思わない。

 正気が噴出するどころか、何らかの理由で大爆発を起こして王都を消滅させる、などということもあり得る。


 これを異世界転移前の状況に当て嵌めてみよう、部屋のタンスの上に、東京を焼け野原に変えかねない核兵器らしきモノをインテリアとして飾っている、そういう状態だ。


 まともな精神状態の奴がやることではないな、というか頭のバグッたテロリストでもそこまではしない。



「とにかくここに置いたまま帰るのはナシよね……そうだ、厩舎に居るメイドさんに聞いてみましょ」


「ああ、そうだったな、1人だけこっちで貰ったんだ、他の事象が衝撃的過ぎて完全に忘れていたがな」



 早速地下室を出て、馬車を預けてある厩舎へと向かった。

 そこにはあの冷徹メイドさんが1人だけ、馬の世話係の子は既にどこかへ行ってしまったようだ……



「あら、ようやく出て来たのですね」


「おう、南の四天王から色々と聞いていると思うが、お前は捕虜として連れて帰る、わかったな?」


「ええ、聞いております、あなた方が私を選んだせいで、他の皆と違って私だけ再雇用されなかったことも、それからあなた方がアンジュ様にビビッていたことも」


「……何かすんません、でだ、最初に1つ聞きたいことがあってな、この城のコアのことだ」


「ああ、それでしたら……」



 メイドさん曰く、あのコアを破壊すると城は崩壊、そして東の魔族領域が魔界との接続を断たれてしまうのだという。


 だからといって魔族が住めなくなるわけではないのだが、魔界と繋がっていない以上、ここに住む連中はもう魔界の神の加護を受けることが出来なくなってしまう、そして当然フルートの実家もそこに含まれる。


 となるとさすがに破壊は拙そうだな、どこかに移動して、東西南北全てのコアを集めてからどうするかを決めることとしよう。


 もちろんコアを破壊しないとその先に進めない、つまり魔王城や魔界そのものに攻め入ることが出来ないというのであればそうすべきなのだが、まだわかっていないことも多く、その調査結果次第で色々と変わってくるのは明らかだ。



「で、どこかあのコアを保管しておく場所に心当たりはないか?」


「う~ん、魔族領域から持ち出す、というよりもあの場所から移動させると大爆発して世界が消滅するかもですから、そっとしておくのが一番だと思いますよ」


「やっぱりヤバい代物だったか……」



 破壊したらこの地域がヤバい、移動するとさらにヤバい、さてどうしたものか……そうだ、エリナに管理を任せよう、アイツは暇だし、鳳凰に乗ってどこへでも行けるのだ。


 ひとまずは東西南北、全てのコアが集まるまで、つまり全四天王の討伐が終わるまではエリナに管理を委託し、その後調査を経て処分、ということにすれば良いではないか。


 ということで城のコアは持ち出したりせず、俺達はそのままここを発つことに決めた……

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