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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第六章 決着の時
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348 決戦の幕開け

「わはははっ! 残ったのはたったの5人ですか、まだ戦闘は始まっていませんよ」


「クソッ、なんてこった、ユリナ、とりあえず葉巻屋をぶっ殺せ!」


「はいですのっ!」



 敵の謀略によって7人が脱落してしまった俺達勇者パーティー、普通であれば騙されるような罠ではなかったのだが、サリナが言うにはどうも後ろの葉巻屋、というよりも奴の咥えている葉巻が怪しいようだ。


 残った5人のうちで唯一攻撃魔法が使えるユリナが、その葉巻屋に向けて必殺のレーザー火魔法を放つ……ダメか、葉巻屋が吐き出した煙にぶつかったレーザーが霧散してしまったではないか。



「こうなったら防具屋だけでもぶっ殺して5人を救出してやるっ! 喰らえっ!」


「ごふっ! おぇぇぇっ……」


「死なないのかよっ!?」



 俺の攻撃は確実に防具屋の首元を捉えた、だが装備していたチョーカーに阻まれ、一撃では致命傷に至らなかったようだ。


 さすがは防具屋だけあって良い装備を持っているのだな。

 だがもう一撃喰らわせてやれば……と、一番儲かっていなさそうな行商人の1人が間に割って入った。


 コイツも死なない、防具屋が揃えた防具は敵全員が装備しているようだ、いや、宿屋の主人だけはそうでもないように見える……



「おやおや、血気盛んですね、ですがどうでしょう? 私の力を使えば……はい全回復です」


「マジかよっ!?」


「ええマジです、私の宿屋としての能力は『回復』、原理は未だに解明されていないのですが、チャラチャラと音楽が鳴っている間にたちまち傷が癒え、体力も魔力も全回復してしまうのです。まぁ、毒を受けていたり死んでしまった場合にはウチではどうしようもありませんので、別途教会に行かなくてはなりませんがね」



 とんでもない能力だ、確かに一泊するだけで瀕死の仲間も完全復活、どころか『ゆうべはお楽しみでしたね』と言われる程度には元気になってしまう宿屋の機能は異常だ。


 だがそれをこんな所で再現してしまう力の持ち主が居たとはな……


 いや、逆に奴を最初に殺してしまえばどうなる? 回復役を失ったパーティーの相場は全滅と決まっている、それゆえ俺達の中でもルビアだけは特別の保護をする必要があるのだ。


 となれば真っ先に……マリエルも同じ考えのようだ、俺よりも一瞬早く飛び出し、宿屋の鳩尾に槍を突き立てる……



「はぐっ……なんちゃって、実は私、大丈夫なんですよね、これが」


「どういうことですかっ!? 今のは確実に急所を捉えたはず、手応えもあったのにどうして?」


「これですよ、私は防具屋の仕入れた『1回だけダメージを無効化するブレスレッド』、を100個身に着けています、今ので1つ減って99個になってしまいましたが」


「多すぎだろっ!」


「ええ、腕も脚もブレスレッドで埋まってしまいましたので、残りは小さめのものを珍に……」


「その情報は要らねぇっ!」



 不必要かつ不快な情報と共に提供されたのは絶望であった。


 宿屋の主人は俺達の攻撃をあと99回も無効化し、さらに死なない限り宿屋の力で回復可能な他の連中が、その攻撃の射線上に割って入るということなのである。


 こちらの戦力は俺とマリエル、ユリナにサリナ、そして先程からトイレを我慢している様子のルビア、全部で5人だ。


 ルビアとサリナは直接的な攻撃ではあまり使えないし、実質的には3人、しかも飛び道具が出せるのはユリナのみという状況。


 これではどれだけ時間があったとしても宿屋にファイナルアタックを加えることが出来ない、もし可能であったとしても、戦闘が終わる頃にはルビアが盛大におもらししているに違いない。



「さてどうしますか? ここで諦めて帰ると言うのなら追跡したりはしませんが……」


「ちょっと待って下さいですの、こっちでどうするか相談しますわ」



 ユリナがちょいちょいと手招きし、残ったメンバーを全員集める。

 何か作戦があるのか? もう諦めようとか言わないでくれよ……



「ご主人様、少し試してみたいことがありますの」


「何だ? もう八方塞がりだし、突破口を見出せそうな妙案があるなら何でも付き合うぞ」


「ええ、ではちょっとトイレ休憩を取りますの、ルビアちゃんも限界みたいですし、で、そこでごにょごにょ……」



 ユリナの作戦は的を得ている、これはもしかするともしかするかも知れないぞ、早速実行に移すこととしよう。



「……わかった、お~い、いったん休憩にしないか? この階にはトイレが無いみたいだし、下の階に行きたい、誰か案内してくれないか?」


「そんなのダメに決まっているでしょう、だいたい帰るわけでもないのにこの階を離れるなど……」


「何でダメなんですかっ!? 私もうおもらししちゃいます! 急いで下の階に行きましょうっ! ね、防具屋さん、個室の中まで付いて来て良いからっ!」


「……こ……個室の中までっ!?」



 ルビアの一言に反応した防具屋、その腕を掴んで強引に引っ張り、階段へと向かう。

 同時にマリエルも同様の方法で酒屋を誘い出した、今回はこの2匹の馬鹿がターゲットだ。



「お、お待ちなさいっ! 2人共この階を離れてしまっては……まさかそれが狙いかっ!?」


「バレたぞっ! 一気に引き摺り下ろせっ!」



 俺とユリナ、サリナの3人も協力し、仲間に呪いのアイテムを装備させたり、怪しい酒で行動不能にした憎き防具屋と酒屋を階段から引き摺り下ろす。


 慌てて追って来る宿屋であったがもう遅い、完全に4階に下りたことを確認し、寄って集ってボコボコにし、殺害してやった、ルビアは普通にトイレを探しに行った。


 宿屋の主人は最初にこう言っていた、この5階が『宿屋』だと、つまり、短期全回復の効果を発動出来るのは5階に居るときのみ。


 俺達の場所移動要請に5階を選んだのも、ガリガリ野郎の部下が暴れ狂ってフロアを破壊しないよう、先立って集中的に討伐させたのも、全てはこの回復効果をフイにしないためのものであったのだ。


 そしてその効果が得られない4階で防具屋と酒屋に攻撃を加えた場合、回復が出来ない以上どんな防具を身に着けていたとしてもいつかは死ぬ。


 これがユリナの立てた作戦、名付けて『おもらし危機一髪作戦』である。


 防具屋と酒屋を順当に殺害したところで、階段の先が妙に騒がしくなった。

 5人が装備してしまった呪いの装備が外れ、さらにはリリィと精霊様の酔いも覚めたのだ。


 上階から聞こえる轟音は、7人が復活して攻撃を開始した音だ、俺達も戻って戦いに参加しよう。

 しかし、ルビアはどこまでトイレを探しに行ったのだ? まぁ、そのうち戻って来るか……



 ※※※



「ひぃぃぃっ! 葉巻屋がっ、武器屋がっ、個室付浴場業の経営者がぁぁぁっ!」



 俺達が5階へ戻ると、復活した7人の手によって既に3体の敵が討伐済みであった。

 予想外の展開に焦る宿屋の主人、そういう状況において臨機応変な対応を取るのも商人のスキルなんじゃないのか?



「ごめんなさい勇者様、何かにやられていたようで、凄く稚拙な手に引っ掛かってしまいました」


「大丈夫だミラ、お前の姉ちゃんは何もされていないのに素で引っ掛かったことが確認されている、それよりは遥かにマシだ、なぁセラ」


「うぅ……、超ごめんなさい」



 その稚拙な手を実現可能なものにしていた葉巻屋が死亡したことにより、もはや誰も敵の策略に嵌まることはなくなった。


 全員揃った俺達は次々に敵を亡き者にし、遂には宿屋の主人を除いた四天王第一軍のメンバーをこの世から消し去ることに成功したのである。



「さてと、宿屋さん、お前はこのフロアに居る者を短時間で全回復させることが出来るんだよな?」


「え、ええもちろんですとも、何なら皆さんも回復して差し上げましょう、それっ!」



 良くわからないが勝手に俺達を全回復させてくれた宿屋の主人、本当に体力気力、そして魔法を使った者は魔力まで回復している、さすがは異世界だ、実に都合が良い。


 で、ニコニコ顔で揉み手をしながらこちらの様子を覗う宿屋であるが、これで命を助けて貰えると思ったら大間違いである……



「回復して頂きまして誠にありがとうございます、では次にですね、お前の装備している敵の攻撃を無効化するブレスレッドをこちらに渡せ、あ、珍に嵌めてるのは要らないぞ、汚いからな」


「そ……それはちょっと……」


「あっそ、じゃあ100回死ねっ!」


「あぁぁぁっ! 待って下さい、外しますから、お渡ししますから待って下さいっ!」


「おう、さっさとしやがれ」



 腕や脚に嵌めていたブレスレッドを次々に外していく宿屋の主人、凄い数のトンデモアイテムが手に入ってしまったのだが、嵌めていた場所的に汚いと思われるものは破棄し、比較的清潔な20個のみをゲットしておく。


 とりあえず1人1個、足首にでも装備しておこう、これで一度だけとはいえ敵の攻撃を無効化出来るのであれば万々歳だ。


 さて、宿屋の主人に残されたのは珍に嵌めた3つの小型ブレスレッドのみらしいが、これは『あと4回殺せばコイツは本当に死ぬ』と言うことを意味している。


 ブレスレッドの効果分で3回、そして1つしかないコイツの命で1回分だ……



「え~っと、お望みのものもお渡し致しましたので、私めはこれにて失礼させて頂きますね」


「おう、さっさと立ち去ってくれ、この世からなっ!」


「えっ!? はぐっ! どべっ! ふごっ! あ……あ、あぁぁぁっ! 全てのブレスレッドが……」


「それじゃ、達者でなっ!」


「ふんぎょへっ!」



 最後の一撃は、脳天に聖棒を振り下ろす強烈な一撃で決めた。

 頭がパックリと割れ、先程まで調子に乗っていた宿屋の主人、もとい東の四天王第一軍の将は地獄へと旅立ったのである。


 これで残すは6階で待ち構える謎の敵、そして7階に鎮座するこの城の支配者、東の四天王アイシング何某の2体だ。


 長かった今回の旅も、ようやくクライマックスに近付いてきた、ルビアも戻ったことだし次の階へ進もう……



 ※※※



 宿屋の主人の置き土産により、気力体力魔力等が全回復している俺達は、休憩を挟むことなく次の階層へと駒を進める。


 四天王城の6階はやたらと広く豪勢なホールを擁する、ここにボスが居てもおかしくはないような雰囲気の所であった。



「誰も居ないじゃないか、本当にラス前の敵が存在しているのか?」


「ガリガリおじさんのハッタリだったのかも知れないわね、でもスルー出来るものじゃないし、とりあえず捜索だけはしておきましょ」



 索敵にもこれといった反応はない、本当にそのような敵が居るとしたら、どこかへ出掛けて不在にしているか、それとも俺様の強さに恐れをなして逃げ出したかのどちらかに違いない。


 しばらく捜索を続けてみたものの、これといって手掛かりになりそうなものの発見には至らなかった。

 可能性があるとしたらホール横の小さな扉、その先にあるはずの部屋である。


 入口には『城内メイド控え室』との記載がある、もしかして最後の番人はメイドさんなのか?


 いや、もしメイドさんであったとしても、ラスボスの前を張るぐらいだからトップ人材だ。

 つまりババァに違いない、超怖そうな巨大ババァが出て来ると推測出来る。



「まぁ、とりあえず開けてみようか、中でメイドさん達がお着替えしているかも知れないからな、してたらラッキーだな」


「勇者様の発想の下劣さが四天王よりも怖いわ……」



 何かディスられてしまったのだが、とにかく鍵の掛かっていないその扉に手を掛ける……残念、誰も居ないではないか、そして狭い部屋の中央には、書置きのようなものが残されているではないか……


 内容は『指令:卑猥な輩を筆頭とする敵性集団の侵入につき、当該フロアの従業員は全て最上階へ避難のこと』だそうだ、卑猥な輩とはもしかして俺のことか?



「おいおい、じゃあここの番人も避難して居なくなったってことだろ?」


「そう考えるのが妥当よね、このまま上の階に行ってみましょ」



 6階の探索はスカである可能性が限りなく高まったため、ここは通過して、いよいよ四天王の待つ7階へと足を踏み入れることとした。


 回復ヨシッ、瘴気避けの魔法薬ヨシッ、やる気も十分全てヨシッ! 7階へ続く階段はこのフロアの中央ホール、そのど真ん中だ、階段ではなく安定のスロープであったが……



 ※※※



「よいしょっ、ここは手摺があって良かったわね」


「ああ、また精霊様の悪戯に付き合わされなくて助かったぜ」


「で、登り切った先に誰か居るわよ……」



 本当だ、スロープの上に佇み、こちらをじっと見つめる人物を認めた……メイドさんのようだ、そしてユリナやサリナに近い容姿をしているのが特徴といったところか。


 だが似ているとはいえ若干の違いがある、当該人物は尻尾が赤のようなピンクのような、そして頭から2本生えた角も形が丸く、悪魔のように尖ってはいない、ついでに背中から羽が生えている。



「……サキュバス、ですわね」


「アレが? 初めて見たがやはり可愛らしいな、捕まえて飼おうぜ」


「やめた方が良いですわよ、ご主人様みたいな節操のない男はすぐに魅了されて、簡単に骨抜きにされてしまいますの、残るのは骨と皮だけですわ」


「そんなにヤバい奴なのか……」



 こちらを見つめるサキュバスメイドと目を合わせないように注意を払いながら、急なスロープを登る。

 ようやく上まで辿り付くかといったところで、そのメイドが深くお辞儀をしてこちらを出迎えた。



「は~い、ようこそで~す、この先が東の四天王、アイシングカクラ=ブギーの居室になります」


「ど、どうも……」


「あと面倒なんで敬語使うのやめて良いですか? 良いですよねお兄さん、いやシャチョーさん」


「あ、はい……」


「じゃあ案内するから付いて来てね」



 メイド服なのにやたらとノリの良い感じに気圧されてしまったが、とにかくサキュバスメイドの後に付いて7階の奥へと向かう。


 6階よりもさらに豪華な装飾が施された廊下、壁の模様なんかは金箔で描いてあるんじゃないのか?

 その廊下をしばらく進んだところにあったのはこれまた豪華な扉、それ自体が純金製なのかも知れない。



「じゃあ開けるから、中にブギーの奴が居るけど、失礼のないように、なんて野暮なことは言わないわ、まぁ、負けないように頑張って」



 そう言いながら、片手で扉を引いて開けるサキュバスメイド、やはり純金ではなさそうだな、あの細腕で開けられるということは中身は木製か何かであろう。


 部屋の中を覗き込む……高い天井にはシャンデリアがいくつも設置され、全ての壁は上手いのか下手なのか良くわからない絵で埋め尽くされている。


 天井に描かれているのは、いつも巨大な幻術を出して演説をしている魔王の肖像画だ、ちなみにパンチラバージョン、どうして怒られないのだ?


 と、部屋の奥の玉座に人影がある、やたらと長い白髪、キザッたらしい服にギラギラと光り輝く銀縁の眼鏡、それが足を組み頬杖を付いて座っているのだ。


 サッと、かなりオーバーなアクションで足を組み直したその男が喋り出す……



「ようこそ我が城へ、我の名前は貴様等のような底辺キャラであっても聞き及んでいることとは思うが……しかし異世界勇者とは実にマヌケ面だな、とても人語を解するとは思えない顔だ、フフフ……フハハハハッ!」


「黙ってりゃ馬鹿にしやがって、秒でぶっ殺してやるから覚悟しとけよっ!」


「よかろう、では早速我が相手をしてやろうではないか、あ、貴様等如きが我と剣を交えることが出来るのは大変に名誉なことだからな、その点、理解しておくように、では参るっ!」



 参るっ! とか叫んでおいて手を前に突き出しただけである、一体何がしたいと……足元が凍ってきたではないか、靴が床にへばり付いて移動出来ない……



「何だよこれっ!? クソッ、下手に防寒性能が高いブーツを履いていたせいで全然気付かなかったぜ」


「ねぇ、どうするのよコレ? しかも近付いて来るわよ……」



 玉座から立ち上がり、ゆっくりと俺達の方へ近付いて来る東の四天王、アイシングカクラ=ブギー(以下ブギーとする、次話に同じ)、いつの間にか氷の剣、そして氷の盾を装備している。


 しかも歩を進める度に、俺達が現状なっているようにその足元がバッキバキに凍っているのだが、それを全く意に介さず、当たり前のような顔をして氷を砕きながら歩く。


 俺達は動くことすら出来ないというのに、どうしてコイツはこんなに平気なのだ? パワーか? 脚のパワーが凄いだけなのか?



「おいマーサ、どうにかして足を剥がせないか?」


「やってみるわ……ふぬぬぬっ! あっ、取れたっ……また貼り付いた……」


「ダメじゃん」



 マーサの脚力をもってしても、全力で力を込めてようやく靴が剥がれる程度、次にどこかに足を着けば、たちまちまた貼り付いてしまう。


 この氷を溶かさない限り勝機はないな、だがその前に別の氷だ、もうすぐ傍まで近付いて来ているブギーの装備をどうにかしてやらないといけない。



「リリィ……は変身する前に固まったのか、じゃあユリナ、奴の装備を火魔法で溶かしてやれ、ついでに足元もアッツアツにしてやるんだ」


「わかりましたわ、じゃあちょっと伏せてて下さいですのっ!」



 射線上に居た俺とジェシカがしゃがんで避けると、その上を高温の火の玉が飛び越えて行く……それを盾で受けるブギー、なんと、表面が少し解けただけではないか。



「なんてこった!? 普通なら今のでドロドロのはずだぞ、てかしゃがんでいるとケツが床に貼り付きそうだ、ジェシカ、立った方が良いぞ……ジェシカ?」


「……すまない、尻が床に貼り付いた」


「なんてこった!」



 この重要な一戦において、最前衛に配置されているにも拘らず醜態を晒すジェシカ。

 ブギーはそのジェシカを目指していたようなのだが、状況を察してミラの方へと方向を変えた。



「さて、あのかわいそうな女に攻撃するのはちょっとアレだからな、我が力を最初に見せ付けるのは貴様にしよう」


「どっからでも掛かって来て下さい、逃げたりはしません、てか出来ませんから」


「良い心意気だ、ではコイツを喰らえっ!」


「グッ、いやぁぁぁっ!」



 剣の一撃を盾で受けたミラ、衝撃で床から靴が剥がれ、たところまでは良いのだが、そのままの勢いで飛んで行き、壁にぶち当たって気を失ってしまった。


 ちょっと待とう、四天王、超強いじゃないですか……

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