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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第六章 決着の時
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341 最初の試練

ここで一旦章を変えます。

「は~い、ちょっと休憩だぞ~っ」


「遠いわね、まだこれっぽっちも進んでないわよ」



 これで何度目の休憩か、四天王の城を目指して東に向かう俺達であったが、頭巾ちゃんから話を聞いて作成した簡易版の地図では、まだ全行程の10分の1も進んでいない感じだ。


 そろそろ日が落ちそうだし、今日はこの辺りで良いにしておこうかな……



「そういえば頭巾ちゃん、この地図に打ってある×印は何だ?」


「ああ、それは試練の場所です、当該ポイントでは試練に挑戦し、クリアした者しか先へ進めない仕組みになっています、ちなみに5ヶ所ですね」


「この期に及んで試練かよ、で、何をするんだ?」


「それは専属の試練委員に聞いてみないとわかりません、ちなみに過去問は3回分で金貨5枚です」


「たけぇよ、ボッタクリもいいとこだな、てか魔王軍って『試練』とかそういうの好きだな……」


「おそらくネタが枯渇気味なだけです、使えるものは繰り返し使っておかないと」



 そもそも試練委員って何だ、まぁ資格試験の試験委員みたいなものなのか? とにかく課された何かをクリアしないと先へ進めないというのであれば、真っ向から勝負していく他選択肢はないのだ。


 そしてそれが頭を使わなくてはならないものであった場合、俺達にとってはかなりハードルが高い。

 逆にパワーでゴリ押し出来る試練であれば造作もないと考えて良さそうだな。


 もう一度地図を確認してみたところ、『第一の試練』が待ち受ける場所はすぐそこのようだ。

 明日にはそこに辿り着きそうだな、まずはどんな出題がされるのかの確認も兼ねてチャレンジしておこう。



「ちなみにこの試練ってのは東の四天王が設置したものなんだよな?」


「今の、ではありませんが、確か500年位前の方で、当時の勇者に敗れたとか、その方が設置したのが今でも残っているんです、異世界人の気配に反応して発動するシステムですね」


「てことは当時の勇者はそれをクリアしたということか」


「ええ、ちなみに試練が執り行われる場所は派手目のゲートが存在していますから、気付かずにスルーしてしまうことはないかと、道もそこにしかありませんし」



 当時の勇者というのは間違いなく元足軽の始祖勇者とやらであろう、そんな昔の人間でもクリア出来たと捉えるべきか、先人の知恵でないと敵わないものと捉えるべきか……



 ※※※



 翌日、朝から馬車を走らせ、昼前にはそのゲートとやらが遥か彼方に見えてきた。

 ゲートというよりもストーンヘンジのアレだ、宇宙人との交信が出来そうな雰囲気を醸し出している。


 近付いて行き、ゲートを潜ろうと……空から光の輪が現れたではないか。

 上空へ続く柱の如き光の輪、その上から、変なおっさんが1人、ゆっくりと降りて来た……



『ヨウコソ、ワレハウチュウマゾクダ』


「何が宇宙だよ、ただのハゲじゃねぇか!」


『む、良くぞ見破った、バレては仕方が無いな、我はこのゲートの管理者、つまり試練委員の1人だ、名前はゲハルト、よろしくね』


「で、そのゲーハーが何の用だ? 試練とかならさっさと済ませろ、俺達は忙しいんだからな」


『よかろう、では早速試練を開始する、今回の試練は我をもてなして満足させることだ』


「お前、それ自分の願望が100%だろ……」



 明らかにおかしいが、それが試練だと頑なに主張し続けるゲーハー、ここで言い合っていてもどうしようもないため、とりあえずもてなしてやることとした。


 どうせこの見た目では女にももてず、貧乏臭い見た目からも高級なサービスを受けるようなことはなかったはずだ、きっとその辺の飲食店並みのもてなしをすれば満足するに違いない。



「勇者様、ここは王女として数々のもてなしを受けてきた私に任せて下さい」


「わかった、これはマリエルに期待するところだと俺も思っていたぞ」


「では……さぁゲーハーさん、まずはこちらへ座って下さい、まずは王国公認美容師直伝のヘアケアを……」


『あぁぁぁっ! 我に髪が無いのは見ればわかるだろぉぉぉっ! 侮辱する気かぁぁぁっ!』



 いきなり失態を犯すマリエル、髪をセットしたりシャンプーしたりというのは確かに金持ちが頻繁に受ける良いもてなしだと思うが、対象には肝心の髪がほとんど存在しない。


 相手の状況を良く観察し、それに応じたもてなしをするのが基本のはずだが、マリエルの考え方は少しズレていたらしい、高級なら何でも良いというわけではないのだ。



『全く……ちなみにこのメーターを見るのだ』


「何だそれ? 今は真ん中よりちょっと下に矢印があるな」


『その通り、真ん中がゼロ、矢印が一番上まで行けばクリア、逆に一番下まで行ってしまった場合は爆発するのだ』


「何が爆発すんだよ……」



 ストーンヘンジのアレらしきものの柱に現れていたメーター、『ご機嫌メーター』というタイトルが付されている。


 今は真ん中より少し下のイエローゾーンに矢印が、さらに下4分の1がレッドゾーンとなり、地面スレスレの所に『憤怒大爆発』と書かれているではないか。


 逆に真ん中より上はグリーンゾーンとなり、メーターの一番上には『満足大昇天』との記載……満足すると昇天してしまうのか、つまり満足させればこのゲーハーを討伐したことになる、そういうことだな。



「とにかくそのメーターが上まで行けばお前は満足なんだな?」


『そういうことだ、だが矢印が下に行けば行くほど、我は不機嫌になっていくからな、レッドゾーンでは毎秒の如く責任者にクレームを入れる、わかったな!』


「はいはい」


『ハイは1回!』



 まだイエローゾーンの入口だというのに、かなりご機嫌斜めな様子だ。

 これがレッドゾーンになったら目も当てられないな、その場合諦めて普通に殺そう。


 だが正直言って始めてしまったものはクリアしておきたい、ここは次のチャレンジャーを慎重に選択して……



「主殿、次は私に任せて欲しい、マッサージなら自信があるからな」


「確かに、いつも俺がやらせている分テクがすごいことになっていそうだ、じゃあ次はジェシカに任せることとしよう」



 ゲーハーの前に進み出るジェシカ、次の瞬間を俺は見逃さなかった。

 まだ何もしていないにもかかわらず、ご機嫌メーターが僅かに回復したのである。


 このハゲ、間違いなくおっぱいが好きだ……



「ではゲーハー殿、次はこちらの椅子に座ってくれぬか、特別なマッサージを施そう」


『ほう、我は挑戦者を待つ間家でずっとゲームしているクソニートでな、肩や腰のガッチガチぶりは比類なきものだぞ、それでも我を満足させる施術が可能だというのか?』


「大丈夫だ、甲斐性無しのクソニートに対するマッサージならいつもしているからな、むしろクソニート専門の癒し家だと思ってくれて結構だ」



 ジェシカの言うクソニートとは誰のことだ、少なくとも俺の知り合いにクソニートなど居ないぞ……もしかして精霊様のことかな? そうだ、きっとそうに違いない。


 とにかく椅子に座ったゲーハーの肩に手をやるジェシカ、いつも俺がして貰っているので、誰かにマッサージをしている姿を見るのは初めてだ……あれ? クソニートって俺のことか……



「では参るっ!」


『参られよっ!』



 マッサージを開始するジェシカ、柱のご機嫌メーターがジワジワと回復していくのがわかる。

 さすがに上手だな、金を取れるレベルには達していないようだが、一般的なおもてなしとしては十分な実力だ。



『うむ、なかなかやりよるではないか』


「だがゲーハー殿、ここの関節が少しズレているぞ、だからこうしてボキッと!」


『ぎょえぇぇぇっ! 何をするのだっ!? 整体じゃなくてマッサージを……』


「まだまだズレがあるな、こっちもボキッと!」


『ひょんげぇぇぇっ!』



 調子に乗って勝手に整体を始めてしまったジェシカ、ちなみに帝国では国家資格、または国際的な資格を持たずとも、誰でも整体師を名乗ることが出来る穴だらけの制度が敷かれているらしい。


 どこかの国も同じであったな、ゆえにこういう素人が調子に乗って危険な施術をやることに……おや、ご機嫌メーターがまた下がり始めたではないか……


 マッサージによって回復させた分、さらにはジェシカ自身のおっぱいパワーで稼いだ分も完全に打ち消し、矢印はイエローゾーンの半程にまで達してしまった。



『ぎぃぇぇぇっ! 痛い、痛いぃぃぃっ!』


「まだまだ、今度はこっちの関節が……」


「おいジェシカ、もう良いにしてやれ、そうしないとおもてなしの対象が死んでしまう」


「そうか? まだ施術の途中だったのにな、まぁ良い、来週にまた予約を入れておくからちゃんと来るんだぞ」


『誰が行くかぁぁぁっ!』



 ジェシカの施術は強制終了である、というか良く見るとゲーハーの腕や首などがあり得ない感じに湾曲してしまっている。


 普通の人族が相手ならとっくに死んでいたな、恐るべき殺人偽整体師だ、今度やったら憲兵に通報しておくこととしよう。



『貴様等! どうしてそう顧客様にご迷惑を掛けるのだっ! 我は怒り心頭だぞ、これ以上やったら責任者を呼び出して土下座させてやるっ!』


「おいこら、それは強要罪に問われるぞ……だがこっちが悪いのも事実だな、マリエル、ジェシカ、ちょっとそこに正座しろ」



 やらかした2人を正座させ、ルビアのバッグから鞭を取り出す、馬鹿は当然にお仕置きだ。



「きゃいんっ! ごめんなさいっ!」

「あいてっ! 本当にすまなかったと思っている……あうっ!」



 と、マリエルとジェシカが鞭で打たれているのを見たゲーハーの顔に笑みが浮かぶ。


 ご機嫌メーターも少し回復しているではないか、全てを取り戻すとまではいかないが、2人でやらかした分の4分の3程度は帳消しにされている。


 どうやら自分の機嫌を損ねた者が罰を受けていることで気が晴れたようだな。

 よし、ここから先は失敗してもそのダメージを軽減することが出来そうだぞ……



「勇者様、次は私に任せて下さい」


「おう、ミラがいくのか、てことは庶民的なおもてなしで攻めようってわけだな」


「ええ、おもてなしといえば料理、料理といえばこの私、いつも皆に作っている家庭的な料理で奴の心臓を掴みます」


「掴むのは胃袋にしてやってくれ、心臓を掴まれるとさすがに死ぬぞ」



 エントリーナンバー3のミラがゲーハーの前に進み出る、当然調理セットを持ってだ、ちなみに俺のような脇役は必死で調理に使う火の準備をしている。


 ミラの姿を舐めるような視線で見定めるゲーハー、もちろんご機嫌メーターも……何だろう、ジェシカのときよりも遥かに多く回復したではないか。


 ミラも確かに巨乳だが、おっぱいの力(以下ぱい力とする)に関してはジェシカの方が上回っているのは明らかなことだ。


 となるとゲーハーには、ぱい力だけでなく、それ以外にも何かツボに嵌まるような要素があるに違いない。

 それを探り当て、徹底的に突いてやることで、もしかしたら一気にご機嫌がMAXになるかも知れないな……


 だが今のところは既に判明しているぱい力を使った攻撃をしていくのがベストだ。

 ミラにはぱい力全開調理師としてゲーハーにおもてなしをして貰おう。



『それで、我にどのような料理を提供してくれるのかな?』


「う~ん、あまりお待たせするのも申し訳ありませんから、即席野菜と豚骨出汁のスープ~甘辛く焼き目を入れた豚肉を添えて~としましょう」


「それ絶対に即席じゃねぇだろっ!?」



 というか良く考えてみよう、出発の前には馬車の中に『豚骨』も『生の豚肉』も存在しなかった。

 ミラがその食材をどこで調達したのか……アレか、間違いなくアレだ、もし美味そうでも食べるのはやめておこう……



「おいミラ、火の加減は良い感じになってきたぞ」


「今は『シェフ』と呼んで下さい、それと、鍋をしっかり固定して絶対に倒れないようにして欲しいですね」


「わ……わかりました……シェフ……」



 どうでも良いが怒られると嫌なのでシェフと呼んでおく、そのシェフの指示通りに、水を張った鍋をしっかり固定する。


 その中に材料……やっぱ子豚の肉と骨か……それと野菜を全てぶち込み、蓋をすると、シェフは徐にその蓋に足を掛け、上に乗ってしまったではないか。


 圧力で煮込むつもりか、確かに良い時短作戦だが、火に掛けられた鍋の上に居ればかなり熱いはずだ。

 それでもお客様をお待たせさせないという、シェフの心意気が伝わってくる……


 そのままおよそ30分、ずっと腕を組んで鍋の上に立っていたシェフがそこから降り、蓋を開けて中の様子を確認する。


 ふわっと漂う良い香り、豚骨から出た出汁が乳化して白く濁ったスープ。

 とてもあの薄汚い子豚共から作ったものとは思えない、店で食べるものと比べても遜色ない見た目だ。


 さらにそこからばら肉の塊を取り出し、秘蔵の調味料に浸していく。

 チャーシューも完璧だ、これはもうラーメン屋が開けるぞ……麺が手に入ればだがな……



「さて、これで完成です、あとは器によそって……へいお待ちっ!」


『だぁぁぁっ! ちがぁぁぁうっ! それじゃダメだっ! そんなのはサービスとは言えないだろぉぉぉっ!』


「あの……自信作なんですが……」


『器を持って来るときに指が入ってないのはおかしいだろっ! 我は以前な、鶏がらと魚介のあわせ出汁に細く伸ばした小麦を入れて出してくれる店に行ってな、そのとき店のオヤジの指がスープに入っていてそれはそれは幻滅したものだ、だが今回、それと同じように美少女の指が浸ったスープが出てくると思ったのだ、今回は逆に期待したのだっ! それなのに……それなのにっ!』


「そんなの知ったことかよ、てかクソニートの分際でラーメン屋なんか行ってんじゃねぇ、薄暗い部屋でダニでも食っとけや」



 とんでもない変態野朗である、もはやコイツを救う手立てはないようにも思えてしまう。

 ご機嫌メーターはまたしてもダダ下がりだし、別にやらかしていないミラを鞭で打つことも出来ない。


 仕方が無い、ここは俺直々に勝負してやることとしよう……



「はいはいお客さん、そうカッカしないで、ね、これからが本番だからさ、良い娘、揃ってますよ」


『何だ貴様は、野郎の分際で我に何をしようというのだ? しかもそれ、違法な客引きではないのか?』


「そう固いことおっしゃらずに、で、残った中ではどの子が好みなんですかね?」


『む? う~む、今の娘も幼くておっぱいもあってなかなかのものであったが、もう少し小さい子の方が……うむ、そっちの悪魔っ娘だな』



 どうやらロリコンであったようだ、おっぱいも好きだが、どちらかと言えばそれよりも幼い方を選択するのであろう、そこで選んだのはサリナであった。


 しかしもう少し早くそのことに気付いておくべきであったな、おっぱいと幼いを掛け合わせた存在であるミラは、使いようによってはドストライクのはずだ。


 それを失った今、一気に勝負を掛けるためには……



「ちなみにお客さん、今日は特別サービスでしてね、あと2人、好きな娘を選んで貰って構わないっすよ」


『なんとっ!? ではそっちのドラゴンと……狼獣人にしよう、うん、そうしよう』


「へっへっへ、お客さんもお目が高いようで、サリナ、リリィ、カレン、準備をなさい」



 ゲーハー、もとい変態ゴミ野朗を先程ジェシカが用意したマッサージ用の椅子に座らせる。

 さて、勝負の始まりだ、3人にはとことんサービスさせることとしよう……



「はいお客さん、私が肉だけ食べたサンドウィッチの残り、あげます」


『むぉぉぉっ! 美少女の食べかけっ!』


「私も~っ、胃が抜けちゃったお酒の飲みかけ、あげま~っす」


『のぉぉぉっ! 美少女と間接キッス!』



 良いぞ、良い感じでしかない、ご機嫌メーターは2人の体を張った攻撃により、グリーンゾーンの半分より上まで、それはもう見事に上がった。


 あとはトップでご指名のサリナがどう出るか……ジェシカと同じ、マッサージをするようだ、後ろに回り、ゲーハーの肩に手を当てる……



「あの~、お客様はいまおいくつなんですか?」


『我か? 我は870歳だが……』


「まぁ、それじゃあ私よりもお兄ちゃんなんですね、お兄ちゃんっ!」


『どぇぇぇっ! 美少女にっ! 美少女にお兄ちゃんって呼んで貰えたぁぁぁっ! も……もうだめだっ!』



 柱に掲示されたご機嫌メーターは上に振り切り、矢印は遥か上空へと飛び去っていった。

 これで『満足大昇天』が始まる……と、ゲーハーの体が光を帯び始めたではないか……



『あぁ……今回は満足であった、前回の成功者をさらに超えるその力、認めなくてはならぬ……では我はこれにて昇天する……さらばだ悪魔の娘よ……』



 そう言い残し、ゲーハーは最初に登場したときと同じ、光の柱に乗って空へと帰って行った。

 ここから先、次の勇者パーティーが現れるまで、奴は家でのクソニート生活に戻るのであろう。



「やれやれ、どうにかなったが面倒な試練だったな、てかこれのどこが試練なんだよ……」


「勇者様、こんなのがあと4つもあると思うと帰りたくなるわ」


「だな、しかも始まる直前まで出題内容がわからんとか、いい加減にして欲しいぜ……あ、そうだ、おいエリナ、この試練の過去問、どこかで調達出来ないか? もちろん無料で」


「私でも無理ですよ、大魔将様達との戦いではヒントを出せましたが、こっちは別の事務官が担当しているんです、だからな~んにもわかりません」



 この役立たずめ、とでも言ってやろうかと思ったが、へそを曲げられると困るのでグッと堪えた。

 だがエリナも知らない、頭巾ちゃんも知らないとあっては、このまま地道に試練をクリアしていく他ない。


 かなり面倒だが、このまま第二の試練会場へ向かうこととしよう。

 少し休憩した後馬車に乗り込み、そのまま地図通りに道を進んだ。


 ちなみにミラが作ったスープは途中の魔物除けとして凄まじい効果を発揮したのであった。


 地面に少し撒くだけで肉食の魔物、野獣、さらには謎の超生物までもがそれに釘付けになり、争うようにして、というよりも殺し合いの争いをして奪い合うのだ。


 道中の安全を手に入れた俺達は、これまでよりも速いペースで道を行くことが出来た。

 さて、お次は『第二の試練』だ、そしてその会場はもう目と鼻の先である……

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