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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第五章 待ち受ける者
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340 剥ぎ取り

「さてと、そろそろ良い感じの時間じゃないか」


「そうね、もうすぐ暗くなってくるはずだわ」



 子豚軍団を悉く始末した俺達は、朝食、そして昼食を経て体力や魔力の回復に努めていた。


 夕食の準備を始めた頃、木々の隙間から僅かに見える西の空が赤く染まり始め、日暮れの兆候を見せ始める。


 今夜は敵軍両翼の、極めて士気が低い部隊に対して夜襲を掛ける予定だ。

 夕食後にここを出発して、朝までに連中を皆殺しにしてしまおう。


 これから戦いということで、夕食は簡単な者で済ませ、もし早めに戦闘を終えることが出来たら夜食を取るということに決める。


 その後馬車に乗り込んで敵陣のある地点を目指し、30分前後でそこに到着した……



「おいおい、左翼の部隊はどこへ行ったんだ? 誰も居なくなっているじゃないか」


「逃げたんじゃないの? それか空いた中央に移動しているとか」


「中央に寄っている可能性が高いわね、私、ちょっと見て来るわ」



 いつもの如く偵察に飛ぶ精霊様、今日はかなり高度を上げ、敵全体を俯瞰するかたちで様子を覗っているようだ。


 すぐに戻った精霊様の報告により、敵軍は居なくなった子豚軍団の穴を埋めるようにして、中央の渓谷に集結しているということがわかった。


 これはチャンスだ、わざわざ両翼に戦力を分散することなく、真ん中を叩けばそれで解決してしまうのだから。



「とりあえず昨日中央に攻撃を仕掛けた場所に移動しようか」


「そうね、見張りが強化されているはずだから昨日みたいに接近出来るとは思えないけど、ギリギリまで近付いてみましょ」



 昨日は気付かれないように接近することが出来た、だがそれは、攻撃開始地点が敵軍の後方であったということに起因しているはず。


 おそらくもう同じ手は通用……しそうだな、全然見張りが強化されていないじゃないか……


 いや、強化しようという意思はあったように思える、昨日俺達が隠れていた場所を見渡せるように、急拵えの櫓が設置されている。


 さらに木が切り倒され、敵軍の背後はかなり見通しの良い状態になっていたのだ。


 だが肝心の『見張り番』が見当たらない、いくら監視のための体制を整えようとも、これでは何の意味もないではないか。


 まぁ、指揮官クラスでは昨日と同様の攻撃に対応するための話し合いが行われ、結果としてこのような状況になっているはず、もちろん監視部隊も配置したに違いない。


 だがやる気のない一兵卒にはその気持ちは届かない、間違いなく面倒な任務を放棄し、どこかで酒でも飲んで油を売っているのだ。



「今回は一貫して敵方の士気の低さに助けられているな、これが殺る気満々だったらもっと苦戦していたはずだぞ」


「まぁ、正直子豚たけで3万、プラス両翼の部隊だものね、普通だったらこっちのこの人数でどうにか出来るものじゃないわ」



 そんな話をしながら、遥か遠くに見える敵軍最後列の様子を眺める。


 篝火は焚かれているものの、それで周囲を警戒するというよりは、何かスルメのようなものを炙って食べるのに用いているようだ。


 兵士の横にはひょうたんのようなものが置かれ、時折それを持って口に付けていることから、あの中身が酒であるのは疑いようがない。


 と、そこで兵士共が慌てて動き出し、酒が入ったと見られるひょうたんを荷物の中に隠した……指揮官クラスが巡回に来たようだ……



「ねぇアレ、この間頭巾ちゃんと一緒に純粋魔族の里に来ていた奴じゃない?」


「う~ん、ここからだと顔が良く見えないな、でもそう見えるならそうなんだろうよ、何か偉そうだし、副官クラスなんだろうな」



 正直言って頭巾ちゃん本人はあまり組織的戦闘に拘っていない。

 となると軍全体を実質的に指揮しているのは、今すぐそこに居る副官らしき男であろう。


 これはさらなるチャンスの到来だな、ここで奴を潰せば、頭を失った敵軍は完全に崩壊するはず。


 逃げ出す奴が多くなるというリスクこそあるものの、敵が弱くなるのであればその方が良い。


 すぐに仕掛けて奴を殺害すべきだな……



「よしっ! 出るぞ、最初の目標はあの偉そうな奴だっ!」



 一兵卒共が見張りをサボっていたことを知って怒鳴り散らしている様子の副官をターゲットに定め、隠れていた茂みから飛び出す。


 敵が音に気付いてこちらを見た瞬間に、リリィがドラゴン形態に変身して先行し、一気に間合いを詰める。



『な、何だっ!? あっ、敵襲だ! 敵襲だぁぁぁっ!』



 大声を上げる副官、だがその途中でリリィの放ったブレスを浴び、全身が炎に包まれる。


 もちろん回りで怒られていた雑魚キャラは、その刹那に跡形もなく消滅した。

 副官野郎は燃えながらも原形を留めているだけ、まだその連中よりはまともな力の持ち主といえよう。



『ガァァァッ! クソッ、だから見張りをしっかりしろと言ったのだ、そもそも頭巾ちゃん様も頭巾ちゃん様で……』


「おいこら、喋るか燃えるかどっちかにしろ、独り言なら火を消してからだろ普通は」


『黙れこの卑怯者めが、コソコソと隠れて隙を狙いおって、何? 隙だらけだと? それは部下が無能でついでに指揮官が自己中で、ぜぇ~ったいに我の責任ではないのだ、そこんとこ勘違いしてると痛い目を見るからな、覚悟しとけよっ! だいたいどうしてこの我が……』



 こちらは何も言っていないにもかかわらず、1人で延々と喋り続ける敵の副官。


 どうやらかなりストレスが溜まっているようだ、この状況では無理もないが、まずは自分を燃やし続ける炎をどうにかするべきじゃないのか?



「勇者様、今のうちに殺しちゃいましょ」


「だな、全員攻撃開始だっ!」



『……とにかく我のような頭脳タイプの将官がこうやって陣内を見回らなければならないなど……え? どぉぁぁぁっ! 何だ貴様等は急にっ!?』


「独り言ばっかで気持ち悪いんだよっ! 死ねっ、直ちに死ねっ!」


『いでぇぇぇっ! あげぱっ! ぷぽっ……ぷぺ……』



 全員で総攻撃を仕掛け、フィニッシュの一撃でミラが体をたて真っ二つに切断した。

 雑魚キャラではないかと思うレベルの断末魔であったが、どちらかと言えばその類なので妥当だ。


 そしてそんなことをしている間、軍全体の敗北を察した本当の雑魚共は逃げる準備を……いや、酒や食糧を奪い合って仲間割れを始めたではないか、どんだけクズなんだよ……


 そこかしこで殺し合いの喧嘩が勃発し、敵兵の数がみるみるうちに減っていく。

 俺達は上手く喧嘩を回避し、逃げ出すことに成功した敵のみを狙って殺害しているだけだ。



「全く、これならあのマイクロオーク軍団の方が幾分かマシですね」


「ああ、豚に威張らせていたのは案外正解の選択肢だったのかも知れないな」



 もはや俺達に武器を向けることすらしようとしない敵兵共、四天王の第二軍、つまりメリーさんや犯罪マンの軍よりも上位に位置するはずなのに、どうしてこんな体たらくなのだ?


 まぁ、強いのは『軍全体』ではなく『頭巾ちゃん単体』であり、それが評価されているだけだと考えれば妥当なのかも知れない。


 しかしだとすると、頭巾ちゃんの強さは俺達が現状で予測しているレベルを遥かに上回る、などということも考えられる。


 そしてその仮説が真であった場合、それよりもさらに上位者である四天王の力は計り知れない……



「かなり片付いてきたようだな、精霊様、そろそろアレをやってくれないか」


「良いわよ、その前にリリィちゃんのブレスで汚物を消毒しましょ」



 リリィが単体で飛び立ち、バーナーで寿司ネタでも炙るかの如く地表にブレスを浴びせる。

 チリチリと焦げるのではなく、一気に炎上する敵兵、中級魔族はさておき、下級魔族は骨も残らない。


 一通り炙りを入れた後、今度は精霊様が水のクラスター爆弾を渓谷全体にぶちまける。


 特に狙いを定めていないため周囲の森にも突っ込んでいるが、おそらくその辺りにも逃げ切ったと思って安心し切っている敵が居るはずだ、それもここで始末しておくのがより効率の良い選択であるといえよう。


 精霊様が戻って来る頃には、渓谷の中で命を持って動いているのは俺達だけという状況になっていた。

 例外はたった1人、主敵であるジェットブラック頭巾ちゃんだ……



「よし、思ったより早く片付いたな、ということで約束通り頭巾ちゃんのテントを訪問しようか」


「……たぶんそれも壊しちゃったわ、蜂の巣になっているはずよ」


「マジか……怒ってないと良いけどな……」



 恐る恐る、精霊様がテントを破壊した位置に近付くと、見る影もなく破壊されつくした豪華なそれと、横に立ち尽くす激オコ頭巾ちゃんの姿が目に入った。



「あなた達、私は軍を殲滅したらここに来て欲しいとは言いました、ええ、確かに言いました、ですがノックをして入れとお願いしましたよね、で、アレは何ですか? あの空からの強力無比な連続攻撃がノックだとでも言うのですか?」


『す……すみません……』



 静かにキレるタイプのようだ、通常よりもかな厄介な怒り方なのは明らかだ。

 とりあえず謝るだけ謝っておいたのだが、謝るだけでなく殺められでもしない限りこの怒りは収まりそうにない。



「とにかくあなた達、特にそこの狼さんには私の力を存分にお見せしましょう、覚悟は良いですか?」


「おうっ! 上等だぜ、その頭巾を剥ぎ取って全裸に剥いてやんよ!」


「ちょっと勇者様、雑魚じゃないんだから挑発しないのっ!」


「おっとそうだった、って来るぞっ!」



 目にも止まらぬ速さで横移動した頭巾ちゃん、そのまま斜めにこちらへ向かい、中衛と後衛の間に挟んで守っているカレンを狙うつもりのようだ。


 マリエルがすかさず槍を入れ、頭巾ちゃんの体をその柄で受け止めようとする……確かに止まった、だが槍の柄は棒高跳びの棒よりも激しく湾曲し、それが戻った反動でマリエルは転倒してしまう。



「今のは良い反応でしたね、あなたはなかなか修練を積んでいるようです、ですがこちらはどうでしょうか?」



 などと言いながら姿を消した頭巾ちゃん、気配を感じて振り返ると、今度は反対サイドから同様のルートで攻撃を仕掛けてくる……俺の速度では間に合わない……



「届きましたっ! 今こそ積年の恨みをっ……あれっ!? あれ? あれぇぇぇっ!? 何なのですかこれは、狼さん、あなた何に入って……」


「ぶひひひっ、それは女神から借りパクした『箱舟』だ、その中に入っていれば攻撃は通じないんだよ、バーカバーカッ!」


「どういうことですかっ!? だって昨日は子豚さんの攻撃がずっと効いてたじゃないですか……」


「こんな奥の手を雑魚相手に披露するわけがないだろ、決してこの作戦に気がつかなかったわけじゃないぞ、そこんとこ勘違いしないようにな」


「クッ、何だか口ぶりがあの鬱陶しい副官みたいですね、あなたもしかしてあの人の霊に憑り付かれいてたりしません?」


「黙れっ! 俺は元々こんな感じだっ!」



 軽い口喧嘩の後、俺達と頭巾ちゃんの戦いは膠着状態に入った。

 向こうの狙いであるカレンへの攻撃は完全に無効、そしてこちらもどう出たら良いのかまだ判断が付いていないのだ。


 俺達の勝利条件は頭巾ちゃんを力でねじ伏せ、降参させることなのだが、それを達成するための近道はあの頭巾を剥ぎ取ることであると想定して動いている。


 実体のない正気で出来ているように見えるが、元々はおばあちゃんから貰った真っ赤な頭巾だったというし、俺達にも触れる可能性がないとは言えない、それに危険がないかどうかは不明であるが……



「……どう足掻いてもその箱舟とやらは破壊出来ないようですね」


「おう、ブリブリだぜっ!」


「わかりました、こうなればもう、狼さん以外を倒すことで溜飲を下げることとしましょうっ!」


「げぇぇぇっ!」



 一瞬の出来事であった、俺の鳩尾に頭巾ちゃんの拳がめり込んでいたのである。

 息が出来ない、というか目の前が真っ暗になるレベルの衝撃だ。


 だが視界の中央、かすかに見えた頭巾ちゃんのトレードマークであるその頭巾、無意識に手を出し、それを掴んで剥ぎ取ろうと試みる。


 ……良くわからないが腕を弾かれたようだ、最後に映った光景は、かなり焦った表情で俺を払い除ける頭巾ちゃんの顔、次の瞬間には仲間からかなり離れた所で意識が戻った。



「動かないでっ! 折れたアバラが内臓に刺さりますよ、そしたら治療に時間が掛かってしまいます」


「す……すまん……」


「喋るのも禁止です!」



 どうやら俺が気を失っていたのは一瞬ではなく10秒、いや30秒以上が経過していたようだ。

 ルビアの治療を受けつつ、先程まで俺が居た位置を確認する。


 マーサと精霊様が2人掛かりで戦って互角、ミラとジェシカはその後ろ、マリエルもそうだが、戦闘速度が速すぎて手を出せないでいるようだ。


 もちろんそこに魔法を撃ち込むことなど出来ようはずがない、そしてこのままだとマーサが疲れ果て、精霊様が押され始める事態になるのは想像に難くない。


 どうにかひとつ手を打たないと、朝までには俺達の敗北が確定してしまいそうだ……と、ルビアが何かを言いたそうな顔をしているではないか。



「どうしたルビア? 何か策がありそうなら言ってみろ」


「ええ、ちょっとコレを試してみたらどうかと思いまして……」


「う~ん、効くとは思えないが、現状これといった手段もないし、試すだけ試してみようか」



 ルビアがバッグから取り出したのは、俺達が魔族領域で活動していくために欠かせない『瘴気避けの魔法薬』であった。


 確かに頭巾ちゃんの纏った衣は全て瘴気で出来ている、瘴気避けの魔法薬は一定の効果があるかも知れない、とにかく試してみよう。


 ルビアと2人で1本ずつ魔法薬の入った瓶を持ち、激闘を繰り広げるマーサ、精霊様、そして頭巾ちゃんの下へ忍び寄る……タイミングを見計らって同時に投擲……当たった!



「きゃっ! ちょっと何ですかこれっ!?」


「やったぞ! ちょっと赤いのが見えてるじゃないか、マーサ、精霊様、今がチャンスだ!」



 追加でもう1本ずつ魔法薬を投げ付けると、頭巾ちゃんの衣は赤と黒のまだら模様になった。

 徐々に黒がその範囲を取り戻していくが、現状そのステータスはかなり低下している。


 2本目の投擲の後、サッと動いたマーサと精霊様が、頭巾ちゃんの両側から一気に衣を剥がす……その素顔、だけでなくすっぽんぽんになってしまったではないか……



「いやぁぁぁっ! 返して、頭巾だけでも返してっ!」


「あら、見てよこれ、真っ赤になっちゃったわ」


「それが元々の色なんだろうよ、てか頭巾ちゃんの顔も真っ赤だけどな、こっちは恥ずかしくてこういう色になったに違いない」


「お願い返してっ! せめて顔だけは隠させて……」



 どうやら顔を見られるのが恥ずかしくて堪らない様子の頭巾ちゃん、おっぱいも尻も丸出しのまま、手で顔だけを覆って隠している。


 そういえばこの間も素顔を見せたのは謝罪の一瞬だけだ、ずっと近くに居たメリーさんでさえ顔を見たことがないと言っていたし、よほどのことがない限りは頭巾を取ったりしないのであろう。


 そしてその頭巾を、というかそれと一体化した衣全体を奪われた今、ステータスもそこそこ強い魔族という程度まで低下し、性格も少しベクトルのおかしい恥ずかしがり屋さんに成り下がったのである。



「おい頭巾ちゃん、顔を隠したかったら質問に答えろ」


「その前に何か布を……」



 仕方が無いので長い手拭いを渡すと、それを顔にグルグルと巻き付ける。

 顔を隠して安心したのか、頭巾ちゃんはそのままスッと立ち上がった……おっぱいと尻は良いのか?



「どうだ、落ち着いたか?」


「ええ、とりあえず負けを認めて投降します、ですから後でその衣付き頭巾は返して下さい、大切なものなので」


「良いだろう、ただしまた瘴気を纏って暴れたりしたら、今度は引き裂いて焼却処分するからな」


「わかりました、で、質問というのは何でしょうか?」



 その後は顔以外全裸の頭巾ちゃんに様々な質問をぶつけていく。


 そこからわかったのは、やはりこの頭巾が彼女の力の源であったこと、魔王軍に入ったのは狼獣人に復讐するためであったことなどだ。


 四天王に関しては特にこれといった情報が得られなかったが、唯一、城を守る第一軍というのは少数精鋭、十数体の強力な魔族によって構成されているということが判明した。



「さて頭巾ちゃん、降参したからには俺達と一緒に来て貰うぞ、それで良いな?」


「良いでしょう、どうせ軍も失って行く宛てがありませんし、帰還しても四天王様に叱られて『顔出しの刑』にされるのがオチですから」


「何だ顔出しの刑って……まぁ良いか、馬車に戻ろう」



 こんな所に居ても仕方が無いため、素っ裸のままの頭巾ちゃん、今は手拭いちゃんか、とにかく前が見えないようなので手を引いて馬車を目指す。


 馬車に積んであった奴隷用のボロを着せ、ひとまずは目のやり場に困ってしまう状態を解消することが出来た。



「さて、これからどうするか……」


「このまま四天王の城に向かうべきだと思うわ、お留守番の皆には悪いけど、頭巾ちゃんに案内させれば辿り着きそうだし、瘴気避けの魔法薬もまだ沢山あるし」


「じゃあそうしようか、頭巾ちゃん、捕虜としての最初の仕事だ、俺達を四天王の居城まで案内しろ、そしたら良い感じの仮面でもくれてやる」


「それよりも頭巾を返して欲しいんですが……」



 どうにもそこは折れないようだ、ということで真っ赤に戻った頭巾付きの衣、いや衣付きの頭巾を返却する……完全に童話の登場人物になってしまった、したが全裸ということ以外は……



「うん、これで前も見えるようになりました、それと狼さん、襲ってしまってごめんなさい、もう諦めたので安心して下さい」


「……良くわかんないけどわかりました、安心してお肉を食べます」



 今回はまるで活躍の場がなかったカレンだが、四天王の城では存分に暴れてくれると期待しておこう。

 ということでさらに東を目指して出発だ、目指すは今回の旅の集大成、東の四天王討伐である……

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