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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第五章 待ち受ける者
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339 激闘

「おいっ! すぐに起きるんだ! とんでもなくやべぇことになってんぞ!」


「何よ朝っぱらから……なかなか凄いわね……」



 朝方、まだ辺りは完全に明るくなってはいないものの、感じ取れるのは敵の殺気、殺気、殺気、どちらを向いても殺気ばかりだ。


 あの子豚共が夜のうちに広範囲に捜索を掛け、俺達の馬車がここに停まっているのを発見したのであろう。


 未だ動く気配はないものの、おそらくは日の出と同時に襲い掛かって来るつもりだ、そしてその刻限はもうすぐ目の前である……


 すぐに全員を叩き起こし、戦闘の準備に入らせた。



「カレンだけは馬車の中に残るんだ、四隅を前衛3人と精霊様、俺とマリエルは客車の側面を守る、他は屋根に上って攻撃してくれ」


「勇者さん、私はどうしたら?」


「エリナは朝食の準備でもしておいてくれ、カレンにつまみ食いされないように注意するんだぞ」


「なんという雑な扱い……」



 エリナには申し訳ないが今は遊んでやっている暇ではない、それに馬車の中に侵入されたとき、誰か戦える者が居た方が良いからな。


 とにかく配置に着き、武器を構える……敵はまだ俺達が動き出したことに気付いていないようだ、だがこちらからはその配置が手に取るようにわかる。


 先制攻撃を仕掛けよう、馬車の屋根に上ったセラとユリナに合図すると、2人共意図を汲んでくれたようで、了解の意思表示をもって答えてくれた。


 森の中ゆえ、もちろんユリナの火魔法を使うわけにはいかないし、リリィがブレスを使うことなどもっての外だ。


 敵がまとめて押し寄せてくる分戦い易いものの、地形的にはこちらの力を存分に発揮することが出来ない、つまり行って来いなわけである。



「それじゃあ私からいくわよ、どっちに向けて打とうかしら?」


「街道側の方が敵影が濃い、そっちから撃ってくれ」


「わかったわ……ちょっと待っててね」



 敵が油断している最初の一撃が肝心であると判断したのか、セラはいつもよりも魔力を多めに放出するつもりのようだ。


 膨大な魔力を帯びた杖が振り下ろされると、巨大な風の刃が俺の頭上を通り過ぎる。


 ……凄まじく濃密な、圧縮された空気によって形成されたそれは、木々をスパスパッと、まるで銘刀でアスパラガスでも切るかの如く、ほぼ抵抗を受けずに直進していく。


 その刃が進んでいった先から聞こえたのは数百、いや数千とも取れる断末魔。

 かなりの数を屠ったようだ、街道側には穴が空いたはずだし、もし逃げるとなればそこを突破可能であろう。



「どんどんいくわよっ! ほら、ユリナちゃんも攻撃を始めて」


「火魔法禁止だとあまり役に立たないから恥ずかしいですの……」


「ユリナ、ここでは誰も見ていないから好きにやって良いぞ」


「う~ん、じゃあ珍しく土魔法でも使ってみますわ」



 試しに、とばかりに土魔法を使い始めるユリナ、敵が来る方角の土を盛り上げ、足場を悪くする作戦のようだ。


 先程のセラの攻撃を受けて反撃を開始した子豚共であったが、その土の盛り上がった部分に前列が足を取られ、転倒している。


 当然その場に後列が殺到し、転んだ者は踏み潰され、後ろの者は前に進めず将棋倒し状態になった。


 そこへさらにセラの、今度は連射を意識した小型の魔法が直撃していく。

 物理で戦うべく構えた俺達の所へ到達するよりも前に、子豚共はかなりその数を減らしたようだ。


 だがそれでも数は多い、次から次へとやってくる子豚は、倒れた仲間達の死体を踏みつけながらこちらに迫る……



「そろそろ来るぞっ! 全員気張って……気張って……一体どうしたんだ?」



 接敵するか否かといったところで、今度は突然最前列の子豚が踵を返し、押し寄せる後列に向かって走り始めたではないか。


 再びの大混乱、そして再度発生する将棋倒し、不思議に思って馬車の屋根を見上げると、サリナが魔法を発動していた。



「ご主人様、この子豚には幻術が効くようです」


「そうなのか、馬鹿そうなのにそういうのに騙されるだけの知能はあるってことなんだな」


「まぁ、豚はイメージされているよりも遥かに賢いと聞いたことがありますから、オークに関しても似たようなものなんでしょう」



 確かに、この子豚共の賢さはそこまで低くはないようだ。


 狼に対する恨みがその行動を支配しているゆえそうには見えないのだが、武器を使ったり、この間見たように軍の中で偉そうな振る舞いをするだけの知能はあるということだな。


 とにかく幻術に惑わされ、今度はサリナにその行動を支配されてしまった子豚共、また次々に死んでいく、俺達の所へ到達するのはいつになるのやら……



「ね~、ご主人様~、お腹減ったんで朝ご飯貰っても良いですか?」


「良いぞ、下にエリナが居るから天窓を開けて受け取るんだ」



 やることのないリリィは馬車の中で朝食を準備していたエリナに頼み、天窓から干し肉とハムをテイクアウトして頬張り始めた。


 そう言えば先程からルビアが見当たらない……馬車の中に戻って二度寝しているではないか、後でお仕置きだな……


 精霊様は水の弾丸を放って子豚を虐殺しなっがら笑い転げているし。

 マーサは山芋を掘り当てて大喜びしている、いかん、前衛中衛がグダグダになってきた。



「勇者様、そろそろ魔力が尽きてきたわ」


「私もそろそろ限界です、敵が普通に攻撃し始めるので気を付けて下さい」


「わかった、お~い、皆持ち場に戻れ~っ!」



 バラバラになっていた前衛と中衛を持ち場に戻し、再び戦闘準備をする。


 ユリナが実験している土魔法により、足場の悪くなった敵の進軍速度はかなり遅いものの、魔法による援護が受けられない状態での戦いだ。


 大事な馬車に指一本触れさせぬよう、どうにかして残りの子豚共を食い止めなくてはならない。


 馬車の上に居たセラ達は、まだ魔法が使えるユリナを残して天窓から客車内に戻った。

 先に朝食を取っておくよう告げるとともに、魔力がある程度回復したら戦線復帰するよう要請しておく。


 さて、ここからは俺達の戦いだ……



 ※※※



「来るぞっ!」


「勇者様、もうこっちは来ています、そんなに下がってないでもっと前に出て戦って下さい、少しでもサボろうとしている魂胆が見え見えですよ」


「バレちゃあ仕方が無い」



 俺の考えはミラに見透かされ、やむなく前に出て戦闘に参加した。


 子豚共はかなり弱いのだが、俺の視界全てを埋め尽くしている以上、まだかなりの数が残っているに違いない、油断ならない状況だ。


 だが、次から次へとやって来る敵を倒していると、あることに気が付いた。

 子豚共が徐々に小さく、弱くなっているのだ。


 おそらく同じように見えるオークの中にも序列のようなものがあり、こういう集団での行動では、必然的により強い者が前に出たということであろう。


 この調子で弱くなり続ければ、最後の方はきっとミジンコみたいな雑魚豚野郎になるはずだ、それなら多少疲れたとて問題はなさそうだな……



「ちょっと勇者様、何よアレは?」


「アレって? あぁ……アレか、とんでもねぇのが来やがったな……」



 で、もちろん俺の淡い期待は大ハズレであった、馬車の中から戦いを眺めていたセラが発見したのは、サイズこそ普通であるものの、明らかに他とは違う装備を着けたオークの一団。


 高級そうな鎧を身に纏っている者、自分の背丈を遥かに超える大剣を携えている者、見慣れない乗り物に乗っている者など様々だ。


 その中の1体、鎧兜を装備し、豚の分際で馬に乗ったオークが前に進み出る。

 同時に迫って来ていたその他の豚も攻撃をやめ、俺達から少し離れた場所に整列した……



『やぁやぁ我こそは! 豚の地より参りし豚の武者、豚目豚科マイクロオーク、豚野出汁守豚右衛門ぶたのだしのかみぶたえもん也! 我と豚骨肉の戦いをせんとする者は前に出よっ!』



 いきなりキャラの濃い奴が登場してしまった、豚骨も豚肉も大好きだが、コイツのものだけは遠慮しておきたいところだ。


 そしてもちろん、いきなり名乗りを挙げられても誰もそれに対応することは出来ない……



「おい何か言ってるぞ、誰か答えてやれよかわいそうだから……」


「は~い! じゃあ私が戦いま~っす!」


「良いのかリリィ? 別に勝っても食べられないんだぞ」


「え? 焼けば何とかいけそうですよ、とにかく私が戦います」



 絶対に喰うつもりだろ、颯爽と馬車から降りるリリィ、後で口にガムテープでも貼っておこう。



『何っ!? うぬが我と戦うとでも言うのか? えぇいそんな細腕では力不足、他の者に、もっと良き相手に交代せいっ!』


『じゃあこれならどうですか?』


『ぎぇぇぇっ! うぬは昨日空を飛び交っていた恐怖の竜だったのかぁぁぁっ!』



 威勢の良かった豚武者、リリィの『本当の姿』に驚き、腰を抜かして這うように逃げ出した。


 というか武者風の格好と口調は単に形から入っただけか、中身は雑魚で弱虫のオークのままである。



『ちょっとどこ行くの? 早く戦って私に豚肉と豚骨を……』


『ひぃぃぃっ! 勘弁して下さいっ!』


『う~ん……う~~ん……ダメ』


『ぎょぇぇぇっ! ぷちっ……』



 這いつくばっていた豚武者を巨大な足で押し潰すリリィ、これでは豚肉にしろ豚骨にしろグッチャグチャのバッキバキだ。


 さすがにこれを食べたいとは言い出さないよな……あ、匂いを嗅いでやがる、あの死体は早めに片付けた方が良さそうだな……



『は~い、それじゃ次の豚さ~ん、う~ん、そっちの変なマシンに乗っているのにしようかな~』


『い……イヤだぁぁぁっ! 俺はこの機に乗って空を飛ぶのが夢だったんだ、飛べるまで死にたくないっ、このままただの豚として死にたくはなぁぁぁいっ!』


『それなら私に任せて、そぉ~れっ!』


『あぁぁぁっ! あ? お、俺飛んでろっそっ!』



 アレは飛行機か何かのつもりであったのか、その『機』ごとリリィに投げ飛ばされ、大木に激突して命を散らした豚、一瞬でも夢が叶って良かったじゃないか。



『はいつぎ~っ!』


『ふんっ、ドラゴン如きに臆するとは情けない方々ですね、ちなみに僕は羊飼い、牧羊豚とでも呼んで欲しい』



 また変なのが登場した、秘密の言葉で羊に言うことを聞かせるタイプの豚か、だがドラゴンはその程度でなびくような存在ではないと思うぞ。



『では参ろうか、最初から必殺技でいかせて貰うっ! 牧羊呪文、バーラ……べぶっ!』


『そんな呪文効きませんよ~だ』



 その後も騎士風、サラリーマン風、炭火焼風など様々な豚が名乗りを挙げ、一瞬で命を散らしていった。


 もう既に特殊子豚集団の中で残ったのは1匹、武器も鎧も身に着けていない、全裸豚野郎のみだ。



『やれやれ、だからあいつらには付いて来るなと言ったんだ、いくらオークとして強かろうが、昨日の感じではまずもって勝てないとわっからないとはな』


「で、お前は何なんだよ? その豚野郎の一員なのに、どこか違うところでもあるというのか?」


『ああ、紹介が遅れたね、我はマイクロオークキング、東の四天王様に仕える史上最強の豚さ、ついでに言うと肉質も極上だよ』


「最強の豚だと? 強いようには思えないが……」


『それは戦ってみればわかることさっ!』



 拳を握りしめて飛びかかって来る全裸豚野郎、もちろん狙いは俺などではなく、馬車の中で待機しているカレンだ。


 しかも超速いではないか、ついでに言うと拳に火魔法が宿っている。

 この豚、どう考えてもただのオークではない、そもそも魔物が攻撃魔法なんか使ってんじゃねぇよ……


 とりあえずその攻撃を払い、次の一撃に備えて外に居る全員で構えを取る。

 敵もチャンスを覗っているようだ、基本に忠実な良い構えだが、せめて前は隠すかモザイクを入れて頂きたい。



「おいお前、その力はどこで手に入れたんだ?」


『手に入れたのではない、ある人物から授かったのだ、その方の持つ500ある技のうちの80が今我の所有となっている』


「まさか……怪人四百二十面相が……」


『はっはっは! 知っていたとはな、我は以前、彼によって食用として肥育されているただの豚にすぎなかった。だが必死の努力で人語を習得し、気に入られることによって、その不要となった技の一部を受け継いだのだ。それで、今はこんなにも強く、さらには魔王軍の大幹部直属の豚としてセカンドライフを満喫しているのだ!』



 なんと、この豚野郎は宿敵、怪人四百二十面相の劣化コピーバージョンであったのだ。


 その技、というより面相の数は奴の5分の1以下、しかも不要になって捨てられるはずの力を貰って受け継いでいる辺り、その強さは足下にも及ばないであろうが、強敵であるのは間違いない。


 だがちょうど良い、奴を討伐する前の予行演習ということで、今回はこの豚野郎を相手にしてやることとしよう。



「話はわかった、わかったからもうその臭い口を開くのをやめろ、ここからは普通に勝負だ、どこからでも掛かって来いっ!」


「ふんっ! 何があろうと我の狙いはそこに、卑怯にもそこに隠れて出て来ようとしない狼獣人だ、貴様などに用はないわっ!」



 あくまでカレンを狙うつもりか、しかし豚にしては速いとはいえその程度のスピードで……消えただとっ!?



「どこ行きやがったっ!?」


「上よっ! 空を飛んでいるわ!」


「何っ!? ただの豚の分際で空を……」



『はっはっは、我は飛行のスキルも持っているのだ、ゆえに我は飛べる、ただの豚とは違うのだよ』



 すぐさまリリィと精霊様が上空に上がり、豚野郎キングを追跡する。

 さすがに2人よりは飛行スピードが遅いようだ、逃げる豚に対し、その距離を徐々に詰めていく。


 が、またしても豚が消える、空を必死で探すが見当たらない……ということは地上か? あんな一瞬でどうやって……


 だが地上にも豚の姿はなかった、瞬間移動か、それとも透明にでもなる能力を持っているのか、とにかく辺りを見渡し、奴の姿を探し続けた。



「クソッ、今度はどこに……あっ、居たぞ、地面の中だっ!」


「任せて下さいっ!」


『あんぎゃぁぁぁっ!』



 とっさにマリエルが馬車の下を狙い、槍を突っ込んで一気に薙ぎ払った。


 悲鳴が聞こえたということは攻撃が当たったということだな、さて、一体どんな無様な姿になっていることやら……



『お……おのれ……』


「何だ、腕が破裂しただけじゃないか、もうちょっとこう、まぁ良い、これでも喰らえっ!」


『ブビィィィッ! ぶえっふぉっ!』


「タフな野郎だ、皆、一斉に攻撃してやろうぜ」



 馬車の下から引き摺り出した豚野郎キングを剣で斬り付け槍で突き、顔面にパンチを喰らわせていく。


 なかなか良い感じの見た目になってきたが、どうやらタフさを上げるスキルを使っているらしく、意識を飛ばすことも、もちろん絶命することもない。


 だがそれは愚策、こうなってしまった以上、自ら苦しむ時間を長くしているだけなのである。



「よぉ~し、このまま豚挽肉にしてやろうぜ」


「しかし主殿、コイツは80ものスキルを持っているのだろう、当然回復も……」


「そんなのがあったらとっくに使っているはずだ、またはあったとしても今使っているスキルを解除したら即死だから使えないとかな」



 おそらく前者、『この豚野郎は回復魔法やその他傷を癒やすためのスキルを持っていない』という説が正しいはずだ。


 いくら怪人四百二十面相に気に入られていたとはいえ、希少価値の高い回復系のスキルを譲渡されるなどということはまずない。


 そんなことをしたらスキルの譲渡人である四百二十面相自信が弱くなってしまうからだ。


 受け取った力でどれだけ強くなろうとも、劣化コピーは劣化コピーに過ぎない、やはりこんな奴相手では予行演習にはならなかったな。



『ブピィィィッ! 死ぬっ、そんなことをされたら死んでしまうっ! やめてくれ……』


「死ぬとかじゃなくて殺してんだよ、お前にはぜひ死んで欲しいと思っているからな、だからさっさと死ねっ!」


『ぶ……ブヒッ……せっかく……得た……力がっ……』



 豚野郎は無様に絶命した、ちなみにコイツを喰うのも何かイヤだ。

 だが死体には使い道がある、残った豚共に対し脅しを掛ける目的での使用である。


 リリィがボロボロになった豚野郎キングの頭を掴み、それを高く掲げる……狼に対しての恨みのみで動いていた子豚共も、その光景に我を取り戻したようだ。


 ブヒブヒと喚きながら、逃げ出したりその場に武器を置いて投降したり、個体ごとの性格によって様々な反応を見せたのである。


 もちろん逃げ出した者は、少しばかり回復したセラが魔法を飛ばして始末した。

 それを見てさらに恐怖し、逃げ出すのを諦めて全ての豚がその場に留まる。



「それで、この豚共はどうしようっていうの?」


「そりゃ全部処刑だろ、カレンを襲おうとした以上生かしてはおけないからな、精霊様、後は任せたぞ」


「わかったわ」



 空に上がる精霊様、もうその場から動こうとしない豚共は、それを見下ろす精霊様にとってただの的に過ぎない。


 狙いを定め、水の弾丸を無数に放つ……大量虐殺だ、最初の一撃で1,000を超える悲鳴が森に響き渡り、その大半が命を落としたように見える。


 続けて2発、3発と撒き散らされる水のクラスター爆弾、30分もしないうちに、当初は2万以上居たはずの豚共が一気に数を減らし、そして消滅した。


 これにて敵軍主力の討伐は完了である、あとはここから離れた所にある敵軍陣地、その両翼の、やる気のない部隊の討伐。


 そして主敵にして指揮官であるジェットブラック頭巾ちゃんの始末である。



「さて、今日のところはこんなもんで良いんじゃないか? 疲れたし、少し休憩してからこの後どうするか決めようぜ」


「そうね、今から休憩したら、ちょうど日暮れ時には全回復しているはずよ」


「つまり、夜襲でも掛けようってことだな」



 士気の低い敵軍ではあるが、攻め込めば当然それなりの抵抗はあるはずだ。

 それに戦わずに逃げ出し、山賊化してしまう敵兵も少なからず出てくるはず。


 となると、相手がより油断し易い夜に奇襲を仕掛け、効率良く殲滅していく作戦を取るのがベストだ。


 精霊様の夜襲作戦を採用することとし、かなり遅くなってしまった朝食に手を付けながら休憩を開始した……

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