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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第四章 東の火山
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332 安定の賊

 頂上の書庫を目指すべく、それはそれは高い、雲よりも高い山に登らんとする俺達。

 あまり期待はしていなかったのだが、馬車で行けるのは3合目ぐらいまでであった。



「さて、馬車をここに置いて行くんだが……ちょっと心配だな、熊とかUMAとかが出たら馬が喰われそうだ」


「誰か見張りを残すべきね、超巨大生物が出ても物理でどうにか出来る子じゃないとダメだけど」


「あ、それでは私が残りましょう」


「女神、お前は付いて来る義務があるからな、てか歩きたくないだけだろ」



 女神の謀略を打ち払い、誰がここに残るのかを決めるべく相談を始める。

 大半の者は残りたい、というか登山したくないのだが、残るのは2人で十分だ。


 もちろんメリーさんとフルートは特に関係がなく、強制的に連れて行くようなことはしないので居残りだが、それに加えてあと2人なのである。


 何か発見したときのために賢いミラとジェシカ、ユリナサリナに精霊様なんかは連れて行きたいし、暑さでへばっているカレンを置いて行っても役には立たない。


 協議の結果、ここにはマーサとマリエルを置いて行くこととした。

 この2人なら戦闘もこなせるし、頂上の書庫を調査する際にも邪魔しかしなさそうなので惜しくはないのだ。



「じゃあ2人共、馬車の護りを任せたぞ、万が一ピンチになったらフルートとメリーさんの魔力を解放して戦わせるんだ」


『は~い、いってらっしゃ~い』



 手を振りながらも既に菓子の袋を取り出しているマリエルが気になって仕方ないのだが、とにかくこの2人を信頼して馬車を任せることとしよう。


 グネグネと曲がる狭い登山道を歩き出す、下は一応均されているものの、所々に木の根が出ていたりして油断ならない。



「あう~、ご主人様、どうしてこの道はまっすぐじゃないんですか」


「良いかカレン、まっすぐ山頂に向かう道を作ったら凄い傾斜になるからだ、普通の人は狼獣人と違ってそんな道を進むことが出来ない、だからこうやって曲がりながらだな……」


「ぜ~んぜん、何言ってるのかさっぱりです、なのでおんぶして下さい」


「・・・・・・・・・・」



 カレンには何を言っても無駄だ、しかも今ので頭がオーバーヒートしたらしく、歩く体力すらなくなってしまった。


 仕方ないので背負って歩く、地味に辛い、だがもう少し標高が高くなれば涼しくなるはずだ、そうすればカレンは元気を取り戻す、それまでの辛抱だ。



 そこからしばらく歩くと、そのカレンが何者かの存在に気付いたような素振りを見せる。


 人が居ると思しき場所まではまだ距離がある、しかしその直後、正体不明の敵が1体だけ、すぐ先の茂みに隠れていることがわかった……かなりの雑魚だな、人族か?


 そこへ近付いて行くと、左側の茂みが一部不自然な形に盛り上がっているのが確認出来た……



「ちょっと止まろう……おいそこのお前っ! 隠れてないで出て来やがれっ!」


「……おっと、俺様の偽態術を見抜くとはなかなかの者だな」



 姿を現したのはカエル顔のおっさん、手に持った木の枝を捨て、無駄にファイティングポーズを取っている。



「おいおい何が偽態術だ、木の枝持って隠れてただけじゃないか、てか誰だお前?」


「俺様はヤマガエル、自然の色に身を隠し、背後から獲物を捕食する究極の忍だ、俺の間合いに入って生き延びた者は居ない」


「どうでも良いけどお前、後ろにアナコンダ居るぞ」


「え? あっ、だぁぁぁっ! た……助けてくれ……」


「知るか馬鹿、じゃあな」


「ぐぉぉぉっ! も、もうダメ……だ……」



 カエル顔のおっさんはアナコンダに喰われてしまった、俺達が間合いに入るのを狙っていたつもりだったのであろうが、自分もまた捕食者の間合いに入っていたということだ。


 しかし一体どういう属性の奴であったのか? 聞き出す前にヘビの腹に収まってしまった以上確認のしようがないが、敵であったのは間違いない。


 この先に居ると思しき連中の仲間なのかも知れないな……



 だがとにかく今は先へ進もう、奴が何者であったのか、そして単独で行動する賊なのか、それらは進んでみればわかることなのだ。



「あら、やっと4合目の看板よ、まだまだ先は長いわね」


「煙が見えていたのは5合目付近か、誰も降りて来ないどころか見張りも居ないところを見るに……なんて話したら現れやがった、今度は5人だぞ」



 今度は山肌の斜面の上に隠れている一団、気付かないフリをしてそのまま真下まで歩く。


 ガサガサと斜面を下る音、もちろんそれを立てているのは山賊の類である。

 きっと上から監視していたのであろう、で、俺達が通りかかった隙に横から襲い掛かったと。



「ヒャッハーッ! なかなかの上玉揃いだぜ」

「おうよ、特にあのおっぱいのデカい奴は高く売れそうだ」

「けどよ、どうしてヤマガエル先輩はこいつらを襲わなかったんだろうな?」



「あの~、もしもし? 盛り上がっているところ悪いんだけどさ、そのヤマガエルとかいう人、さっきアナコンダに喰われてたぞ」


「へっ、何言ってやがるんだコイツは、ジャングルでもねぇのにアナコンダなんて居るわけがないだろうよ」


「いや居たんだって、こ~んなでっかいのがさ、なぁカレン」


「どうでも良いから早く涼しい所へ……」



 カレンの体力がどんどん低下している、このままだと涼しい所に入ってもすぐに回復出来ない状態に追い込まれてしまいそうだ。


 ここはさっさと切り抜けるべきだが、とりあえずこの連中は殺す前に所属を聞いておこう、先程のカエル野朗のことも知っているみたいだし、同じ組織の一員なのは間違いない。



「えっと、戦う前に1つ聞きたいんだが、お前等の組織名は? ボスの名前は? 5合目付近で野営しているのはお前等の仲間か?」


「ヒャッハーッ! いかにも、俺達は盗賊団にして山賊団にして盗掘団にして窃盗団、ついでに特殊詐欺集団だ、しかも親分は超絶美少女、それに何か知らんが超頭良い参謀も付いた最強犯罪集団よっ!」


「5合目には親分達が居るんだがな、残念ながらてめぇはここで死ぬ、親分のご尊顔は拝めねぇぜ!」


「そうかそうか、ちなみにお前等の後ろ、アナコンダ居るぞ、しかも5匹」


『あなっ? ぎゃぁぁぁっ!』



 盗賊団だか山賊団だか知らないが、またしてもアナコンダに喰われてしまった。

 もしかするとこのアナコンダ達は正義怪獣で、俺達の面倒を省くために存在しているのかも知れないな。



「またアナコンダに助けられちゃったな、ということでさっさと上を目指そうぜ」


「ええ、ちなみに勇者様、今のはアナコンダじゃなくてアミメニシキヘビよ」


「何それ? 違う種類だってのか」


「全然違うわ」



 デカいヘビは全てアナコンダだと思っていたのだが、その勘違いをセラに指摘されてしまった。

 まぁどうでも良い、おそらくそんなヘビに遭遇することは今後ないはずだからな。



 またしばらく歩くと、ようやく5合目が見えてきた、時間帯はちょうど昼時、つまり俺達の向かう先に見えている煙は、何も知らない盗賊団が呑気に食事の準備をしているものということだ。


 ついでに奴等の食事を奪ってやろう、まともなものであればの話だがな。

 どうせ命を奪うのだし、食事の強奪ぐらい誤差みたいなものだろう。


 と、その前に見張りらしき2人組に見つかってしまったようだ……



「おいっ、そこのお前らっ! 何者だっ?」


「何者もクソもあるかよ、勇者様だよ」


「わけのわからんことを……それよりもお前ら、どうやってここまで辿り着いたんだよ?」


「どうやってって、自分の足で必死に歩いてだよ、苦労を称えてくれたまえ」


「……ヤマガエル先輩は……それに新人5人衆はどうしたというんだっ!?」


「アナコンダに食べられちゃった、あと何だっけ? そう、よくわからん変なヘビだ」


「ふ……ふざけんじゃねぇぇぇっ!」



 襲い掛かる2人の男、そのまま棒立ちしてアナコンダの登場を待ったのだが、どうやらここでは現れてくれないらしい。


 仕方が無いので戦うこととし、一度背負ったカレンを降ろし、聖棒を手に取った。

 首か顔面を狙おう、下手に殺し損ねて騒がれると厄介だからな……



「死ねっ!」


「あぐっ……」


「はいお前も死ね」


「ほぐっ……」



 ナイスショットである、1人1撃、2回の突きで盗賊団の見張りを葬り去ることに成功した。


 死体はその辺の茂みに隠し、そのまま敵集団の居る方へと向かう、騒いでいる声が聞こえる、どこの世界でも、ならず者は無駄ともいえる程にテンションが高いようだ。


 だがすぐにまた2人の男がこちらにやって来る、まだ見つかってはいなかったため、すぐに藪の中に身を隠し、様子を覗う……



「拙いな、あいつらきっと見張りの交代要員だぞ、さっきの奴等が居なくなっているのがわかったら大騒ぎしそうだ」


「大丈夫ですよ勇者様、血の跡は完全に消しましたし、ついでに『旅に出ます、探さないで下さい』という書置きも残しておきましたから」



 さすがミラ、用意周到である、これで完全犯罪が成立したと言っても……



『わぁぁぁっ! 脱走だっ! 見張りに立っていた2人が脱走したぞぉぉぉっ!』



 結局大騒ぎになってしまったではないか、しかも性質の悪いことに、まだ近くの茂みに隠れているなどと言い出す奴が居る。


 このままだと隠した死体か隠れている俺達、どちらかが発見されるのは時間の問題だ。



「おいどうするよ、もう出て行って全員殺っちまうか?」


「面倒ねぇ、そうだ、あんた1人で戦ってきなさいよ」


「そうかそうか、じゃあ精霊様、まずはお手本ってやつを見せてくれ」


「えっ、ちょっと!? ひえぇぇぇ~」



『あっ! 不審な奴を見つけたぞっ! 女1人だ、出合え出合えっ!』



 精霊様の襟を掴んで藪から投げ出してやった、当然すぐに発見され、賊共に取り囲まれてしまう。


 およそ50人程度か、どれもたいしたことはなさそうだが、頭の良い参謀とやらと、それから美少女だという頭目は見当たらないな……


 さてこの状況で精霊様はどうするか、敵の首魁が現れるのを待って攻撃するのか、それともひとまずこの場に居る連中を皆殺しにして、それからメインターゲットを探しに行くのか、判断に迷うところである。



『ぎゃぁぁぁっ!』

『死ぬぅぅぅっ! し……しん……だ……』



 おっと、皆殺しルートを選択したようだ、まぁ気の短い精霊様のことだし、そうするのはだいたい予想が付いていたのだが……と、どうして俺の方に向かって来るのだ?



「あんたねっ! いい加減にしないと殺すわよっ!」


「おげぇぇぇっ! ギブ、ギブギブッ! もう半ば殺してるじゃないか……」



 何か知らんが殺害を仄めかす発言をされたうえに関節技までキメられてしまった。

 この程度のことで殺すとか、これだから近頃の精霊は……



「さて、とにかくもう隠蔽出来ないぐらい大量に殺しちゃったんだし、普通に親玉を探しに行きましょ」


「そうだな、しかし美少女だとか言っていたな、期待出来るかはわからんが期待しておこう」



 全員で藪を出て、先程敵がわらわらと走って来た方向へ歩を進める、かなり先に豪華なテントが設置されているのが確認出来た、間違いなくあれが頭目の居場所であろう……



 ※※※



「な……何だ貴様等はっ!? もしかしてさっき脱走した連中ってのはお前らが唆して……」


「ここにも見張りが居るのかよ、ちなみにそいつらなら死んだぞ、もちろんお前もな」


「……けぺぽっ!」



 テントの前に立っていた大柄な男を殺害し、死体を蹴飛ばして脇へ追いやる。

 他の連中は全員この中に居るようだ、布で出来た入口の仕切りを手で避け、中を覗き込む……



「こんにちわ~っ! 死の勇者様のご登場です」


「何なんだお前はっ!? 先程から騒がしいと思っておったら、まさか敵襲なのか?」


「……その類の台詞は聞き飽きたんだが、てか今更気付いたのかよ、とんでもなく馬鹿だなお前、ちなみにそのお前が参謀とやらか? 周りの奴等は……モブキャラですね……」


「そうだ、我こそがこの盗賊団の作戦参謀、怪人四百二十面相様だっ! これでも喰らえっ!」


「危ねぇっ! こら、室内で弓を使ってはいけません」



 テントに顔を突っ込んで最初にお出迎えしてくれたのは変なおっさん、そして話の流れを遮るようにして突如放たれた1本の矢、正確に俺の額を狙ったものであったが、どうにかキャッチして事なきを得た。


 しかしえらく面相の多い奴だな、というかジェシカがわなわなと震えているのだが、もしかして知り合いなのか?



「……主殿、コイツは我が家に出入りしていた彫金師だ」


「本当か? だとすると家紋を盗んであの偽首長に渡したのもコイツかも知れないな、やいお前っ! そこんとこどうなんだ?」


「むっふっふ、偽首長というのはあの集落を牛耳っていた馬鹿のことかな? せっかく同じ盗賊の好みで身分をくれてやったのに、その感じだとどうやら倒されてしまったようだな」


「やはりお前がっ! どうして私の家を侮辱するような真似をしたっ! そしてあの集落を貶めたのは何が目的だっ!」


「そう吠えるでない、家紋はちょうど良かったからパクッただけだ、我が面相の1つ、『彫金師』の力を使って就職出来たのがたまたまあの家であったということだ」


「とんでもねぇ奴だな……」



 思わぬところでジェシカの家の紋章を剽窃した犯人が見つかってしまった。

 そして流れからすると、王家の家紋を模倣して文書を偽造したのもコイツに違いない。



「ちなみにあっちの集落は奴等に絞れるだけ絞らせ、金銭価値のあるものが全てあの馬鹿の屋敷に集約されたところで丸ごと掻っ攫う予定だったのだよ、ローリスクハイリターンの仕事といえよう」


「もう1回言う、とんでもねぇ奴だな……」


「あ、ひとつ言っておくが、先程我が凄く馬鹿であったのはだな、省エネルギーのために面相の1つ、『穀潰しニート』の力を使っていたせいだ、デメリットとして頭の働きが悪くなること、そして社会保険料が未納になってしまうことが挙げられるが、力の温存にはちょうど良い面相なのだ」


「盗賊の癖に社会保険料納付してんじゃねぇよ……」



 ちなみに今の面相は先程俺に向けて矢を放ったときのまま、『狩人』を選択しているようだ。


 現状力はたいしたことがないのだが、あの弓の腕は確かなものであった。

 そのような面相が420、もしかしたらコイツはとんでもない強敵かも知れないぞ……



「おっと、そういえば頭目はどうしたんだ? ここには居ないようだが」


「あの小娘ならこの山の頂にある小屋みたいなのがどうのこうの言って出かけて言った、我と、それから後ろに居るモブ……あれ? どこへ行ったというのだ……」


「下の隙間から入って来たアナコンダに連れ去られたぞ」


「クソッ、この山はどうしてこんなにアナコンダが多いというのだ、まぁ良い、お前等がここに来たということは、どのみち部下共は皆殺しにされたのであろう、ゆえに我はここを去る、さらばだっ!」


「あっ! 待ちやがれ……消えたぞ……」



 おそらく逃げ足の速い面相に切り替え、目にも止まらぬ速さで逃げたということなのであろう。


 こちら側で素早さの高いメンバーは2人、カレンはダウンしているし、マーサは馬車の所に置いて来てしまった。

 人選をミスったな、こんなに凄い奴が敵として現れるとは思いもしなかったぜ……


 だがこの集団の頭目の居場所だけは吐いて行ったからな、一応の収穫はあったということで良いにしておこう。


 ここはひとまず山頂に向かい、その美少女頭目とやらを捕まえることとしよう。

 さすがにそちらは強敵ではないはずだ、それに拷問すればあの四百二十面相についても何かわかりそうだ。



 外に居た雑魚盗賊共が全滅しているのを確認し、作っていた最中の昼食を奪ったうえで上へ続く登山道に進む。


 敵の中には逃げたり隠れたりしている奴が居ないとも限らないが、どうせアナコンダの餌食だ。

 ここは放置して、山頂に向かった一団をどうにかすることだけ考えよう。


 もたもたしていると俺達の目的である書庫の中身を先取りされてしまうかもしれないしな……



「ん? ジェシカが悔しそうな顔をしているのは理解出来る、だが精霊様、それに女神と天使も、どうしてそんなに難しい顔をしているんだ?」


「あのね、気付かなかったわけ? さっきの奴、内に神気を秘めていたわよ」


「神気? じゃあ何だ、奴が神だってのか? どう見ても普通、いや普通ではないが人族ではあったぞ」


「勇者よ、忘れてしまったのですか? 人族のスキルは原則1人1つ、例外的に2つ持つ者も居ますが、それ以上ということはありません」


「む、それもそうだな……」



 確かにおかしい、奴は今の短い時間で弓術を使い、そしてジェシカの証言から彫金のスキルもあることが予測出来る。


 さらにあの逃げ足の速さだ、これもスキルでないと実現不可能なレベルのものであるといえよう。


 もう1つの穀潰しニートがスキルなのかはわからないが、それを除いても既に3つ、つまり人族ではありえないことが起こっているのだ。



「ご主人様、魔力も凄かったですわ、表には出ていませんでしたが、何と言うか潜在的に……」


「おう、なかなかヤバそうな感じだな」



 もしかしたら奴の420ある顔の中には、『神』だの『最強クラスの魔族』だのといったものが含まれているのかも知れない。


 だとしたらこれから戦う予定の四天王など比べ物にならない程の恐怖だぞ。

 勝てるかどうかの以前に、どうやったら倒すことが出来るのかすら想像することが出来ない。



「まぁ良いや、奴のことは一旦忘れようぜ、これからなんと美少女が手に入るかもなんだからなっ!」


「ちょっと、それで喜んでいるのは勇者様だけよ、こら待ちなさいっ!」



 セラの制止を振り切り、山頂へ向かって全力で駆け出す。

 俺の背中に居るカレンが振動で吐き戻しそうになっていたが気にしない。


 目指すは敵の頭目、美少女……じゃなかった山頂の書庫だ、必ず奴等に先んじて中の重要資料をゲットするのだ……

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