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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第三部 第一章 寒村大騒動
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306 新村長選当日

『ワハハハッ! どうだ、この連続攻撃を全て避けることなど出来まいっ!』


「主殿、敵が何か言っているぞ、答えてやらなくて良いのか?」


「こらジェシカ、喋るときには口元を押さえろ、何を飛ばしてきているかわからんのだぞ!」


「おっと、危ない危ない……」



 宿主のケツから飛び出したサナダムシ風の白い帯、それがサナダの本体なのである。

 伸縮し、当たりもしない攻撃を何度も繰り出しているように見えるが、おそらくそれはフェイクだ。


 きっと小さな幼生体を飛ばし、それで俺達の口を狙っているに違いない。

 松明の明かりのみが頼りの戦いゆえ、個別に見極めて防御または回避することは出来ないのだが……



 先程からユリナが攻撃を仕掛けているのだが、宿主を破壊してしまうと本体が誰かに移りかねない。

 ゆえにケツから飛び出た本体を狙うのだが、細すぎて狙いを絞るのが容易ではないのだ。


 おそらく動きの遅い、周囲を囲んでいる王国兵が狙われるはずだが、出来ることなら犠牲ゼロで切り抜けたい。



『オラオラどうしたっ! そんな攻撃が当たると思っているのか? 逆にこちらの技が貴様等を屠るのはは時間の問題だがな』


「・・・・・・・・・・」


『何とか答えたらどうだ、それとも恐怖に支配され、言葉すら忘れてしまったというのか?』


「……普通に喋りたくないだけだ、良いから黙っておけこの寄生虫野郎」



 そのとき、公民館の建物の入口ドアが開く、出て来たのは眠そうな顔をしたカレンとリリィ。

 地下にいるミラとは違い、この2人は音を聞きつけて起きてしまったのだ。



「ふぁ~っ……」


「馬鹿! 口を開けるんじゃないっ!」



 大あくびをしたカレン、慌ててその前に入り、手で口を塞いでやる。

 背中に何かが当たった感触、やはり寄生するつもりであったようだ。



『おやおや残念、なかなか良いボディーが手に入りそうだったのに』


「ふがっ、ふがが? ふぐぐ……」


「喋るな、奴が何か言っても答えたりしなくて良いからな、どうしても発言する際には口で手を覆うんだ、リリィもわかったな」


『は~い!』


「だから喋るなって!」



 この2人は危険だ、いくら忠告しても3歩歩けば忘れてしまう。

 口にガムテープでも貼ってやりたいところだな……


 とりあえず戦闘に参加するつもりの2人、カレンは武器を出し、リリィはドラゴン形態に変身した。

 そしてまだ情報を共有する前だというのに、いきなり敵に向けてブレスを放つリリィ……



『ぬわーっ! 宿主が燃えてしまうではないかっ! 熱いっ、熱いぃぃぃっ!』


「ご主人様、勝ちましたよっ!」


「あ~あ、やっちゃったよ……」



 これまでの雑魚とは違い、宿主が燃え尽きてもほとんどダメージを受けていない様子のサナダ、やはり強さは段違いだ。


 完全に姿を現したサナダ、その全長は20m以上もあると思われ、常にウネウネと動いていて気持ち悪い。

 てかこれも魔族なんだよな、前世で何をやらかしたらこんな姿になって生まれ変わるというのだ?


 しかも素早さが高いようだ、リリィの追加ブレス、それにユリナの火魔法すらも、サッと避けてしまう。

 そしてその素早さで、周辺を取り囲む王国兵を狙って寄生しようと試みる……


 と、パワーはあまりないようだ、セラがあらかじめ張ってあった風防に押し戻されるサナダ、王国兵に近付くことは出来ない。



「セラ、風防で奴の周りを囲むことが出来るか?」


「もうやってるわ、徐々に範囲を狭めている最中よ」



 サナダを中心に、そこへ凄まじい強風が集まるイメージで、ドーム型の風防を張っているのだという。

 このような芸当が出来るのは新しい杖、そして絶賛上昇中の魔力があるためだ。



『むっ!? 何だこれは? ほとんど移動出来ないではないか……』


「ようやく気付いたのね、そこで死ぬまでパントマイムでもしてなさい」


『おのれっ! これでも喰らうが良いっ……あれ?』



 風防のドームに囲まれ、そこから出られなくなったことに気付いたサナダ、またしても幼生体を飛ばそうとするものの、それすらも強い風に阻まれてこちらへ到達することがない。



「よっしゃ、これで決まりだな、リリィ、ユリナ、風上から炎を送り込んでやるんだ、カラッカラに乾燥させてしまえ」


『はいは~い!』

「わかりましたの」



 リリィのブレスとユリナの火魔法が、風防の外側から中心に向かって吹き込まれていく。

 炎はサナダの周囲に集まり、その体をどんどん乾かしていった。



『ぐぉぉぉっ! やめろっ、干物になってしまうではないかっ!』


「食えもしない分際で干物とか言ってんじゃないよ、まぁせいぜい肥やしにでもなるんだな」


『おのれっ! だが甘い、まだ我にはウェッティーな地面という強い味方がいるのだ!』



 なんと、地面から水分を吸収し出したではないか、さすがにこれは想定外だ、炎による乾燥と地面から供給される水分の量が拮抗する……


 しかし、気温が下がり、何となく湿った状態の地表に含まれる水分の量は膨大、それに対し、自らのエネルギーを消費して炎を放つ2人の力の継続には限界があるのだ。


 徐々に弱まるブレスと火魔法、その力は遂に途絶え、まるでガスを使い切ったカセットコンロの如く、最後にポッという音を立てて鎮火する。



『ガハハッ! こちらの勝ちのようだな』


「勇者様、風防もここまでのものだとそんなに長くは持たないわ、何か対策を考えなさい!」


「と言われてもな、誰か良い案は……おい、ルビアの奴、どこへ行きやがった?」



 いつの間にか姿が見えなくなっていたルビア、どこへ行ったのだ?


 ……と、先程出て来たカレンとリリィがきっちり閉めたはずの公民館の入り口ドア、それが半開きになっているではないか。


 まさかルビアの奴、戦闘に飽きて離脱し、布団に潜り込んだのか?

 などと考えたのだが、次の瞬間には何かを手に持ったルビアがそこから現れる。



「おいルビア、何勝手に抜け出してんだ、後でお仕置きだからな」


「ごめんなさい、でもサボっていたわけじゃないんです、中でこれを借りてきました」



 薬剤でも入っていそうな、色が入ったやや大振りのガラスのボトル。

 その蓋を開けたルビアは、中身の粉を風防の風上から撒き、サナダの下へと送り込む……



『へ? ヴァッ!? ぎょべぇぇぇっ! 何だこれは? まさか毒なのか、毒なのかぁぁぁっ!?』


「すげぇ、めっちゃ効いてるみたいだぞ、何だったんだ今のは?」


「ムカデ避けのために建物の周りに撒く殺虫剤みたいなのです、見た目的に効きそうでしたが、やはり効果抜群ですね」


「でかした! 残りも全部喰らわせてやれっ!」


「はいはいっ!」



 瓶の中身が空になるまでそれを振り撒くルビア、サナダは徐々に萎れ、素早かった動きも鈍り始める。

 長い体は所々切断されてしまっているようだ、まるでイトミミズにニコチンを、みたいな図だな。



『ク……クソッ……我が死んだとてゲリマンダー様の覇道は……つい……え……』


「お、死にやがった、害虫らしい無様な最後だったな、今度は清潔な奴に生まれ変われよ」



 念のため公民館の回りの土は火で炙られ、その後水による洗浄が行われた。

 まだサナダの幼生体が残っていないとも限らないし、用心しておくに越したことはない。



「やれやれ、どうにかなったみたいだな、ルビアは良くやった」


「ふふんっ、もっと褒めて下さっても良いんですよ」


「調子に乗るんじゃねぇっ!」


「あいたっ!」



 とりあえずもう一度風呂に入り直し、既に敷かれている布団にダイブする。

 これで目の前の危機は去った、あとは選挙当日を無事に迎えるだけだ。


 翌日、寝不足の俺達は警護対象に敵を倒したことを告げ、もう一度布団に戻った。

 ミラとアイリス、それからエリナはずっと寝ていたため、精力的に活動しているようだ。


 新村長を決める選挙は3日後、それまでは俺達もダラダラしておこう。

 一応の警戒は怠るべきではないが、ゲリマンダーが出て来ない以上はやることがない。


 結局あとのことは王国軍に任せ、遂に選挙当日を迎えた……



 ※※※



『投票は朝日が昇ってからです、そこから日没までの間に、それぞれに配った陶器の破片に候補者の名前を書いて出して下さ~い』



 公民館の前では選挙のアナウンスが発せられ続けている。

 しかし陶片とは、ある程度票を集めると追放されそうな勢いだな……



 有力候補の2人は未だに公民館の地下室に引き篭もっているのだが、目立ちたいだけの泡沫候補は昨日の晩、選挙運動が出来るギリギリの時間まで村中で大騒ぎをしていた。


 もちろん当選どころか1票も入らない可能性が高いのだが、それだけ大々的にやって殺されたりしなかったということは、もはや暗殺者の類などは潜んでいないと考えて良さそうだ。


 あとはゲリマンダー候補が姿を現すかどうかだな、もし出て来たら捕らえることになるのだが、おそらく落選したと知ればそのまま逃げてしまうであろう。


 ここはひとつ、罠を張っておくこととしようか……



「あ、お忙しいところすみません、ちょっと良いですか?」


「はい、何でしょうか?」



 一通りアナウンスを終えて建物に入って来た事務の女性を呼び止める。

 ゲリマンダー捕獲のため、協力を要請するのだ。



「実はですね……」


「うんうん、なるほど、ではそうしてみましょう、ただししばらく待って出て来なかった場合には諦めましょう、色々とおかしくなってしまいますから」


「ええ、ではそのタイミングはお任せします、地下室に居る有力候補の2人にもこの件は伝えておきますんで」



 暫定的に村の事務を担当しているこの女性は、今回の選挙管理委員会のトップも兼ね備えているらしい。

 つまり、彼女の協力を取り付けることが出来た時点で、もはややりたい放題なのである。


 すぐに地下室に降り、セラ達のオヤジとマジメダス候補にも俺の作戦を伝えた。

 朝っぱらから酒を飲んでくつろいでいる2人、このどちらかが村長になるというのは果たしてどうなのだ?



「じゃあそういうことで、よろしくお願いします」


「了解、まぁ何だって良いさ、酒があれば俺は幸せだぜ」

「わしもそれで良い、ではこのまま夕方まで飲んでいるとしよう」


「一応選挙当日なんで、飲み過ぎないように願いますよ……」



 こっちのオヤジはともかく、マジメダス候補は名前からして真面目なんじゃないのか? ただ頭が良いだけのクズ、そんな気がしてきた……



 候補者の2人と一緒になって酒を飲んでいたルビアとリリィ、それに精霊様の3人に拳骨を喰らわせ、ルビアの耳を引っ張って1階へ戻る、どうやら投票が開始されるようだ。


 先頭に立つ無駄にやる気のあるジジィが勝手に投票箱を開け、零票確認をしている。

 警備の方は王国軍がやってくれるみたいだし、俺は来るべき作戦開始に向けて少し休んでおこう……



 ※※※



「ご主人様、そろそろ投票が終わるみたいですよ」


「そうか、じゃあ事務の女性に作戦はこのまま決行と伝えておいてくれ」


「わかりました」



 日没と同時に投票が締め切られる、出稼ぎに出てしまっている人間を除き、有権者はほぼ投票を済ませたらしい、こんな世界なのに意外と意識が高いようだ。


 投票終了からおよそ10分後、集計作業を抜け出した事務の女性が、公民館の前に設置された壇上に立つ……



『え~っ、まだ開票作業の途中ではありますが、ここでお知らせです、え~っ、出口調査の結果ですね、本日行われた新村長選では、候補者番号3番、ゲリマンダー候補が当選確実となりました、広報部よりは以上です』



 集まった民衆からどよめきが巻き起こる、当たり前だ、あんな得体の知れない候補に投票した馬鹿は誰一人としていないのだから。



『続きまして、候補者番号1番および2番の方から、敗戦の弁を頂きたいと思います、では1番の方どうぞ』


『いや~、天才であるこのわしもあの候補には勝てんかったということじゃ、こればっかりは仕方が無いの』


『ありがとうございます、では2番の方……は泥酔状態のようですね、意思能力が欠如しているためスピーチはナシとします、では最後に、当選確実となったゲリマンダー候補、居られましたら壇上へどうぞ、ゲリマンダー候補……』



 集まった村人達はガヤガヤし続ける、この中の誰もが、今当選確実と発表された候補の顔を見たことがないのだ、そしてその中から名乗りを上げる者も居ない。



『え~っ、ゲリマンダー候補、もしこの場にいらっしゃるのでしたら壇上へどうぞ、居ないのであれば失格とし、第二位の候補が繰り上げ当選となります』



 集まっていた村人が急に静かになる、しばらくの静寂、ここで奴が姿を現さなければ作戦は失敗だ。

 事務の女性がこちらに目配せをし、おれは黙って頷いた、もうダメみたいだな……


 次のアナウンスを入れようと、壇上の女性が大きく息を吸い込む、次の瞬間、観衆の一番後ろで動きがあった。


 来たっ! 当選を無効にされると聞き、慌てて名乗り出ようとする1人の男、デブでハゲ、そして高級そうな紳士服を着た、この寒村には似つかわしくない男だ。



「待ってくれ、わしがゲリマンダー候補だ、いや、新村長とでも言うべきかな」


「……で、では壇上にどうぞ」


「ほいほい、ちょっと退きたまえ愚民共、村長様のお通りだぞ」



 何人かの村人達はイラッとしたような表情を見せたものの、その場で暴れ出すようなことはしなかった。


 なぜならば、意気揚々とステージに向かうゲリマンダーを待ち受けているのは、武器を抜いて戦闘態勢に入った俺達と王国軍の兵士なのだから……



「む? 護衛にしては物々しいな、村長命令だ、武器は収めてそこに跪いておくのだ」


「そうはいかねぇ、この武器は貴様を守るためのものじゃない、ぶっ殺すために用意してんだ」


「何だとっ!? そこのお前、選挙の結果に物言いを付けようというのか?」


「選挙の結果はまだ出ていないぞ、出口調査の結果なんぞときには覆ることもあるんだ」


「な……な……何を言う、もしかしてお前ら、このわしを騙したのか!?」


「ご明察だ、ちなみに貴様がこの村の住民でないことは皆知っている、どのみち当選は出来ないぞ」


「……おのれっ! ならばここに居る全員を殺してやるっ! うぉぉぉっ!」



 力を解放したゲリマンダー、もちろん正体は魔族だ、胸元には魔王軍の認識タグが輝いている。


 ただし超弱い、この場で殺してしまうのは簡単だ。

 とはいえ本人から目的を聞くまでそのようなことをするわけにはいかない、ここは適当に痛め付けるだけにしておこう。



「ミラ、ジェシカ、剣の腹でも使って適当に気絶させるんだ、それ以外の攻撃では即死してしまうレベルの雑魚だからな」


「ふんっ! 人族の小娘如きが剣を持ったところで、上級魔族であるこのわしに勝てるとべぎゃほっ! おぇぇぇっ! うっ……」



 同時に入った2人の一撃で気絶するゲリマンダー、戦闘時間はおよそ0.5秒、上級魔族討伐の世界新記録としてどこかに申請することとしよう。


 一瞬で大騒ぎになってしまったが、事務の女性が再び壇上に立ち、事情を説明して観衆を落ち着かせる。

 俺達は気絶したゲリマンダーを運び、公民館の地下に収容しておいた。


 明日以降、コイツを拷問して魔王軍の目的を吐かせることとしよう。

 全てを引き出した後は、迷惑を被った村人全員を集めて公開処刑だ。



『え~っ、住民の皆さん、そろそろ選挙の結果が出そうです、今度は本物の開票結果ですから安心して下さい……と、全ての集計が終わったようです』



 ガヤガヤしていた観衆がまたしても黙り込んだ、皆が固唾を呑んで見守る中、新村長を決める選挙の結果が告知される……



『え~っ、集計の結果ですね、え~っと7票差です、新村長に当選したのは、マジメダス候補、候補者番号1番のマジメダス候補です、はい拍手!』


『うぇ~い!』


『今回の新村長選は色々と問題もありましたが、これで終了とさせて頂きます、明後日ですね、新村長の就任会見をこの場で行います、それではまた、本日はご協力ありがとうございました』



 どうにか無事に終えることが出来たセラとミラの故郷の村における新村長選挙。

 とりあえず当初の目的である、ダメオヤジの当選回避は成し遂げることが出来た。


 たったの7票差だが、少なくとも現時点で酔い潰れて寝ているあのおっさんに村長など勤まるはずもないからな、マジメダス候補の方が幾分かマシであったのは確かだ。



 しかし就任演説は明後日か、となると明日中にゲリマンダーをボコッて口を割らせ、どうせ演説の後にやるであろう宴会の席で公開処刑を執り行う必要がありそうだな。


 明日は朝一番でゲリマンダーの顔面に強烈な一撃をお見舞いしてやることとしよう……



「やれやれ、わしが新村長なのは良いが、あのセバスチャンと7票しか差が付かぬとはの」


「あらマジメダスさん、私もお姉ちゃんも、それからお母さんもマジメダスさんに入れたのよ」


「あとお父さん自身もマジメダスさんに投票していたわね、やっぱ村長なんて面倒だったみたい」


「なんと、最悪あの大馬鹿者に負けていたというのか、昔は整備不良の馬車で夜中に暴走しておったというのに……」



 2人のオヤジは昔からどうしようもない奴であったようだ、村一番のドヤンキー、盗んだ馬車で走り出し、自損事故を起こして大目玉を食らったこともあったという。


 目が覚めると同時に酒のボトルを探すおっさんを侮蔑の目で眺め、ついでに今日の予定が全て終わったことを告げておく。


 帰って飲み直そうなどと言っているが、おそらくそれ以上飲んだら奥さんに殴られるぞ。



「さて勇者様、ここを引き払って私達の実家に戻りましょ、まだしばらくはこの村に滞在するわけだし、ずっと公民館を使うのも申し訳ないわ」


「ああ、それじゃあまた厄介になるよ、荷物をまとめて出発だ」



 とりあえず本日は解散、ゲリマンダーの見張りはこの場で野営する王国軍に任せ、明日の朝もう一度来ると伝えて公民館を離れる。


 当選したマジメダス新村長も、護衛に当たる一部の兵士を引き連れて自宅に戻ったようだ。



 村長選は終わったものの、未だに魔王軍の狙いが見えてこない、とりあえず攻め込んで来た敵は倒したのだが、まだしばらくは安心出来そうもないな……

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