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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十五章 真面目なのは結構ですが
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292 苦労しました

「みなさ~ん、島に到着で~すっ!」


「おう、着いたってよ、行こうぜ」



 島の桟橋から洞窟ダンジョンの入口付近へと向かう、エリナがアイテムを使い、昨日探索を終えたセーブポイントまで転移した。


 広間の両サイドには引き戸が設置され、それは動く廊下同士を繋いでいる。

 この先もずっとこの廊下のようだ、立ち止まれば戻されるし、かといって走ると一気に戻されてしまう。


 小走りでもダメなようなので、一度競歩のノリで試してみたのだが、判定がなかなか厳しい。

 誰か1人でも、一瞬でも両足が地面から離れた瞬間、失格とみなされて手前の広間に戻されてしまうのだ。



「よっしゃ、今日も絶対に走るなよ、あと何かを見つけたときも絶対に手を触れるな、確実にルール違反誘発トラップだからな」


「でもご主人様、早速ユリナちゃんが何か拾っていますよ……」



 リリィの指摘を受け、後衛なのに真っ先に廊下へ出て行ったユリナを、首に繋がった鎖を追って確認する。

 確かに何か持って手を振っている、どうやら高そうな剣だ、どこにそんなものが落ちていたんだ?



「ご主人様、良いものを拾いましたの、ってきゃぁぁぁっ!」


「おかえりユリナ、お前は何をやってんだ全く……」


「だって落ちていたんですもの」


「その辺に捨てて来なさい、おそらくそれを持っていたら前に進めないぞ」



 残念そうな面持ちで剣を手放すユリナ、なぜか広間に設置されている傘立てに収納するらしい。

 傘立てに剣が突き刺さっている学校など見たことがない、どれだけ物騒だというのだ……



「さてと、セラ、ユリナと連帯責任の3人にお仕置きしてやれ」


「わかったわ、じゃあいくわよっ!」


『いやぁぁぁっ! ちょっと待っ……ガビビビッ!』



 気を取り直し、今度は全員で廊下を進む……と、この洞窟ダンジョンで始めて、索敵に小さな反応が出た。

 敵の数は3体、相変わらず弱っちい奴のようだが、念のため警戒だけはしておこう。


 薄暗い廊下の先から徐々に近付いて来る敵、そろそろ姿が見えそうだ。



「あ、勇者様、ゴブリンみたいですよ、変な服を着ていますが、何なんでしょうね?」


「おう、アレは学ランだよ、学生服の一種だな、マリエルの行っていた学院はもっと高級な奴だったみたいだが」


「そうですね、黒い学生服なんて貧乏臭いです……」



 何だか学ランをディスられてしまったようだが、俺はもう着ることがないので気にしないでおこう。

 そう話している間にゴブリン3体と接敵する、いずれも俺達には絶対勝てないということを察しているようだ。


 オドオドしながらこちらを見ているゴブリン3体、こういう奴等を殺してもまるで面白くはないからな、誰かにやらせてしまおう。



「ジェシカ、そいつらを殺してやれ、そんな醜い姿で生き恥を晒すのはかわいそうだからな」


「ああ、では私に任せてくれ、ゴブリン共よ、お前達に恨みはないが仕方ない、死んでくれっ!」


『グゲェェェ!』

『おわろばっ!』

『げろっぽっ!』



 ジェシカの放った3連撃の後、首と胴体の間を綺麗に切断されたゴブリン3体が崩れ落ちる。

 ダンジョンの敵などこの程度だ、さて、先へ進む……どうして戻されているのだ?



「おいおいっ!? 誰か何らかの違反行為をしたか?」


「主殿、もしかしてだが、敵を一方的に殺したのが拙かったのでは?」


「そんなこと言ってたらどうにもなんねぇだろぉが! マジでファックなダンジョンだな! ウ○コ野郎! 毎秒ぶっ殺してやんよこのハゲッ! え? どわぁぁぁっ!」



 どうやら暴言を吐くのもルール違反らしい、床の移動するスピードに付いて行けず、ひっくり返った俺の頭上がパカッと開き、上から100tの分銅が落ちて来た。


 もちろん押し潰されてしまった、なかなかの重傷だ。

 そもそも100tの分銅を自力で排除することが出来ない……



「タスケテ……誰かタスケテ……」


「勇者様は口が悪すぎるのよ、ちょっと休憩するからしばらくそのまま反省してなさい」


「……タスケテ……お願いタスケテ」



 分銅に潰されてぺちゃんこになったままの俺を放置し、軽食を取り始めるメンバー達。

 いや、放置ではない、先程から100t以上の重さが掛かっているように感じるのだ。


 誰かが上に座っていやがるな、どうにかして体をズラし、上を見る……この靴はルビアのものだ、クソッ、ご主人様に向かって何たる無礼を……



「さて勇者様、あのゴブリン、どうせもうリポップしているわよね、どうやって通過するべきかしら?」


「……タスケテ……あとルビア許さん!」



 ようやく100tの分銅から解放され、ルビアから治療を、そしてその間、俺からルビアに対しては軽めの拳骨を与え続けた。


 全回復した俺は軽食として皆が食べていた干し肉を1つ齧り、対ゴブリン会議に参加する。

 ゴブリン如きに会議をする羽目になるとは、まぁ状況が特殊ゆえ我慢することとしよう。



「で、こちらから一方的に攻撃してってのは完全にダメってことだよな」


「ええ、暴力を振るうこと自体が違反だってなら終わりだけど、おそらくこっちから手を出さなきゃ良いと思うの」


「そうかそうか、それなら簡単な話だ、俺に任せておけ」



 要するに、あの薄汚いゴブリン共を挑発し、向こうから俺達に攻撃を仕掛けるように仕向ければ良いということだな。


 あんな脳みそが入っているのかいないのかわからない連中に、俺達の言葉や行動が理解出来るのかは少し疑問なのだが、とにかくめっちゃ馬鹿にしてやれば襲って来るに違いない。


 そこで小休止を終え、再びゴブリン3体の待つ廊下へと足を進めた……



「居たぞ、やっぱり3体共復活していやがる」


「いえ、何か違いますね……あ、襟の所に付いているバッジ、さっきは『Ⅰ』だったのに『Ⅱ』に変わっていますよ」


「一階級特進しやがったか……」



 だが強さが変わったとか大きくなったとかそういうことではない、1年生が2年生になろうとも、元々雑魚なのは雑魚のまま、変化するのはその所属ぐらいのものなのだ。



「じゃあ勇者様、作戦があるのならどうぞ」


「わかった、この俺様に任せておくんだ」



 道を開ける前衛組の横を通過し、ゴブリンの前に出る。

 そのおまま仁王立ちし、聖棒で床をトントンと叩き続きた。


 なるべく舐め腐った表情をしておこう、完全に馬鹿にしているのが相手に伝わるようにだ。

 しばらくそのままこちらを見ていたゴブリン、だが、遂に中央の1体が動いた……



『ペッ、オマエジャマ、ドッカイケ』


「何じゃとゴラァァァッ! 死に晒せこのクソゴミ野朗がっ!」


『グゲェェェッ!』



 地面に唾を吐き捨て、逆に挑発してくるゴブリン、雑魚の癖に生意気な奴だ、思わず聖棒を振り回し、一撃で3体全てを葬り去ってしまった。


 もちろん俺は悪くない、異世界勇者様であるこの俺様に対して不遜な態度を取った方が一方的に悪いはずだ、おそらく進級したせいで図に乗ってしまったのであろう。



「ちょっと勇者様! 何やってんのっ!? あ、ほら戻された……」


「すまん、さすがに今の態度は看過出来なかったんだ、今回は失敗だな」


「全く、次は別の誰かがやるから勇者様は下がっておいて」



 もう一度先程の広間、というか今朝転移して来た広間に戻される。


 つまりここまで来て1歩も進んでいないということだ、こういうダンジョンは自由度の高い俺達勇者パーティーにとってはかなり攻略難易度の高いものであることがわかった。



「次は私がやるわ、あんたみたいな失敗はしないから見ていなさい」


「おいおい精霊様、調子の良いこと言っておいて、ダメだったら超恥ずかしいんだぞ、今のうちに撤回して謝罪しておくべきだと思うね」


「黙りなさい、私にだって策はあるの」



 自信満々の精霊様に続いて廊下へ出る、しばらくするとまたしても遭遇するゴブリン3体。


 襟元に燦然と輝くのは『Ⅲ』のバッジ、最高学年になったようだ。

 そしてそれゆえか態度がデカい、廊下の真ん中に揃ってウ○コ座りしている。


 もちろん強くなどなっていない、だがゴブリン達の中では、自分が最強の存在になったと思い込まれているに違いない、それが3年生の特徴だからな……



「じゃあ1発ブチかましてくるわね」


「おう、ホドホドに頑張るんだぞ」



 そう言って俺の横を通過していく精霊様、いつの間にかスケ番の格好に変わっていた。

 というか、武器はヨーヨーじゃないといけないのか? とても攻撃力があるとは思えないのだが。


 舐め腐った態度のゴブリン共に近付いて行く精霊様、そのまま両手に持ったヨーヨーを構える……



「往生せいやぁぁぁっ!」


『グゲェェェッ!』



 そのまま3体共ぶっ殺してしまったではないか、しかしヨーヨーも使いようによってはなかなかの危険物だな、いや、いまはそんなことどうでも良い。



「おいコラ、精霊様! 何やってんだ!?」


「何って、殺したのよ、男子から女子に手を挙げるのはNG、でも女子は男子に対して何をやっても良いのよ、たとえ殺してもそれ……ふごっ!」



 500tの分銅に潰された精霊様が、動く廊下の効果によって押し戻されて来る。

 もちろん俺達も戻された、あんなものは作戦とは言わない……



「あてて……どうしてダメだったのかしら?」


「当たり前だ、精霊様の理論は狂っている、てか500tの分銅から自力で抜け出したのか、凄いな」


「私の力をもってすればそのぐらい余裕よ、で、これからどうするの?」


「う~ん、どうしようか……」



 敵は雑魚だがこちらから攻撃するのはダメ、しかも先程から調子に乗っており、目の前に立てば手を出さずには居られない。


 となると、ここは逆に弱そうな感じを醸し出していくのがベストではなかろうか?

 メンバーの中で一番弱そうなのは……パッと見はカレンなんだが……


 いや、そういうわけにもいくまい、カレンの場合、敵を目の前にすればムカつくとかムカつかないとか以前に、条件反射で攻撃して殺害してしまうはずだ。


 ではどうすべきか? ここは次点のルビアを使うこととしよう。

 背はそれなりに高いものの、何だかナヨナヨして弱そうだからな。



「よしルビア、次はお前がやるんだ、ゴブリン共にお願いしてあの通路を通して貰えるよう頼むんだぞ」


「えぇ~、私ですか? ああいう気持ち悪いのにはあまり話し掛けたくないんですが……」


「ガタガタ言ってんじゃねぇ、上手くいったら帰りに砂糖菓子を買ってやる」


「わかりましたっ! ルビア、行って参ります!」



 砂糖菓子如きで簡単に釣れてしまうルビア、町で知らないおじさんに付いて行ったりしないか心配だ。

 やる気満々となったそのルビアを先頭に廊下を進む、ちなみにこれで4度目、今朝からまるで進んでいない。


 そして廊下に現れるゴブリン、襟のバッジは『Ⅲ』のままだが、どことなく老け込んだようなイメージとなっている。


 精霊様のせいでダブッてしまったようだ、ここできっちり殺してやらないと、奴等はこのままトリプルに突入してしまいかねない。


 そのゴブリン3体に近付いて行くルビア、相手は先程よりもさらに醜悪な態度、抜き身のナイフをペロペロ舐めながら、ルビアを見てニヤニヤと笑っている。



「あ……あのっ! ここを通して頂けませんか?」


『ゲヘヘ、ヨワソウナヤツ、オイオマエ、チョットジャンプシテミロ』


「あ、はい、こうですか?」



 その場でぴょんぴょんと跳ねるルビア、おっぱいがプルンプルンと上下に揺れる。

 もちろん、それを見て何も反応しないゴブリンではない、3体共興奮してルビアのおっぱいに飛び掛った……



「よしっ! 向こうから手を出してきた、ルビア、もう殺って良いぞ!」


「あ、え……えいやぁぁぁっ!」


『ごえろばっ!』

『ふげぼっ!』

『ごえっぽっ!』



 ゴブリン達に指示されたことを忠実に守り、ピョンピョンと跳ねるのをやめないルビア。

 そこに俺の指令も届き、自身は跳ねながら、手刀を繰り出してゴブリンの首を刎ねる。


 今度こそは……やはり戻されない、向こうが先に手を出してきた、しかも相手が明らかに格下だと思い込んでの犯行だ、もはや良い逃れは出来ず、ルビアの正当防衛が成立したのだ。



「良くやったルビア、ちなみにもう飛び跳ねるのはやめて良いぞ」


「わかりました、約束通り帰りにお菓子を買って下さいね」


「おう、沢山買ってやるから期待しておけ」



 ようやくゴブリン3体の討伐が完了した、たったそれだけにどれほどの時間を費やしたというのだ。

 とにかく先へ進もう、この後もまだわけのわからん仕掛けがあるやも知れないからな……



 ※※※



「勇者様、あそこだけ廊下が動いていませんよ、あとなぜか掃除用具入れが設置されています」


「そうか、あの廊下をピカピカに掃除しろってことだな、ミラ、マーサ、ちょっと雑巾掛けをして来い」



 掃除用具入れからバケツと雑巾を取り出し、精霊様が出した水でそれを絞って雑巾掛けを始める2人。

 腰が入っていて良いフォームだ、もちろん俺は後ろからそれを眺める。



「グヘヘ、おパンツ丸見えだぜ……へぶぽっ!」


「勇者様、そういうことを考えているから酷い目に遭うのよ」


「タスケテ……早くタスケテ……」



 1ktの分銅が落ちて来た、どんどん凶悪なものになっているのは気のせいか?

 とにかく押し戻され、1つ手前の広間に流れ込んでしまった。



「クソッ、パンツを見ることもルール違反なのか、だったらどうしたら良いってんだよ」


「勇者様はズボンを穿いているでしょ、つまり、雑巾掛けをするために存在しているといっても過言ではないわ」


「・・・・・・・・・・」



 どうしてこの俺様が雑巾掛けなどしなくてはならないのだ? そうだ、ジェシカもズボンを穿いているな、道連れにしてやることとしよう。


 掃除すべき廊下の前まで行き、無言でジェシカに雑巾の片方を差し出す。

 意を汲んでくれたようだ、黙ってそれを受け取るジェシカは、本当は凄く良い奴なのかも知れない。



「行くぞ主殿、ここをピカピカにすれば良いんだろう?」


「あ、ちょっと待て……」



 先に行ってしまったジェシカ、後ろから良い角度でそれを眺める俺……廊下が動き、戻されてしまった。

 当たり前だ、デカいケツにズボンがピチピチに張り付き、パンツのラインが透けて見えているのだから。


 それに釘付けになってしまった俺の視線がルール違反と判断されてしまうのも致し方ないことだ。



「勇者様、やっぱりジェシカちゃんはナシ、1人で掃除しなさい」


「へへぇ~、大変申し訳ございませんでした」



 もう一度雑巾掛けにチャレンジする、俺1人で情けない格好をし、ひたすら老化を水拭きしていく。


 後ろで蔑むように笑っているのはセラと精霊様か、精霊様は怖いから良いとして、セラには後できっちり仕返しをしておこう。


 10分以上かけて廊下を磨き上げる、もうこれでもかというぐらいピカピカだ。

 これなら皆のスカートの中が反射して……おっと余計なことを考えるのはよそう。



「おっ、何だか勝手に進み出したぞ、合格の判定を頂いたようだ」


「良かったわね勇者様、今後は心を入れ替えて毎日1人で掃除をするのよ」


「イヤに決まってんだろ! しかもそんなことしたらアイリスの仕事がなくなってかわいそうだぞ!」


「それもそうね、じゃあこれからはその他の方法で贖罪なさい」


「誰がするかボケッ!」



 廊下は自動で進み、次の広間へと到着する、ここまで来れば俺の勝ちだ、もう1つ手前に戻されてしまうようなことはないのだから……



「さて……おいセラ、さっきは散々馬鹿にしやがって、ちょっとこっち来い!」


「あら、お仕置きかしら?」


「正解だ! こちょこちょこちょこちょっ!」


「いやぁぁぁっ! もっと……」


『ふげぽっ!』



 2ktの分銅が落ちて来たではないか、ついでに怒ったミラが追い討ちを掛けてくる。

 セーフゾーンでも油断することは出来ないらしい、とりあえず助けて貰った。



 その後、数々の試練を乗り越えた俺達は、かなりの時間を掛けてようやくダンジョンボスの部屋の前まで辿り着く。


 ここまでかなり苦労させられた、特に最後の方で出現した、骨格標本にその辺に落ちているパーツを肉付けし、人体模型に昇華させるゲームにかなり手こずったのであった。



 最後の動く廊下を抜け、ボス部屋の手前となっている広間に到着する。


 ここの広間はかなりの規模……というか体育館のような見た目なのだが?

 そしてその先には小さな扉が1つ、あそこにダンジョンボスが居るというのだな……



「ご主人様、あのちっちゃい扉がボスの部屋なんですよね? ショボいです」


「油断するなカレン、あれは恐怖の間、体育教官室だ! やべぇ奴が中に待っているのは間違いない」


「そうなんですか、じゃあちょっと頑張らないとですね」



 正直言って、あの部屋で出現するダンジョンボスが強いとは思えない。

 だが、生理的に受け付けない部屋であることもまた確かである。


 とりあえず手前のセーブポイントに立ち寄り、今日の探索は終了としよう。

 明日は気合を入れて釘バットで……いや、それはルール違反になりそうだ。



 洞窟ダンジョンの入口へと転移し、迎えに来たドレドの船に乗ってトンビーオ村に戻る、もう日も沈み、夜の早い漁村はすっかり寝静まっている……



「ねぇ勇者様、何だかビビッているみたいだけど、何が怖いのかしら?」


「ああ、アレは超やべぇ、とにかくやべぇんだ、最悪俺は使い物にならないかも知れない」


「というと……どういうこと?」


「とにかく明日行ってみればわかるさ、しかも向こうはかなり手が早いはずだからな、入って即戦闘になると心得ておけ」



 もう二度と入ることも、それから呼び出されるようなこともないと信じていた体育教官室。

 それが今、異世界にまで来た今となって目の前にあるのだ。


 超入りたくないが仕方が無い、ここでダンジョンボス、即ち体教をぶっ攫うことが出来さえすれば、それこそ人類共通の弱点を1つ無に帰すことが出来るのだし、ちょっと頑張ろう。



 コテージで風呂と食事を済ませ、その日は布団に入った。

 翌朝、いよいよダンジョンボス討伐に向け、トンビーオ村を出発する……

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