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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十四章 瘴気集めの魔族
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284 次から次へと

『じゃんけんぽんっ!』



「はいカレン負け、中ボスの始末は任せたぞ、何か脂ぎってて臭そうだし、俺は触りたくないからな」


「うぇ~、気持ち悪いです、どうしてあんなにハゲてるんですか……」



 迫り来るのは元々森で見捨てた商人のおっさん、呻きながら、ゾンビのような動きで攻撃を仕掛ける。

 じゃんけんに負けたカレンはそれを一撃で沈め、精霊様に水を出して貰って武器を洗う。


 商人のおっさんは斬り捨てられると同時に瘴気が溢れ出し、徐々に小さくなってそのまま消えてしまった。


 ちなみにカレンが負けたのは偶然ではない、『じゃんけん』の段階で振り上げた手が既にチョキを形成しており、それを見た他の者は皆グーを出したのである。



「さて、これで中ボスは……あれ?」


「また何か出て来るみたいよ、今度はどんな奴かしらね」



 商人のおっさんを倒したというのに、現れたのは宝箱ではなく新たな魔方陣。

 つまり今のは前座で、本命はこちら……いや、そうでもなさそうだな。


 床からせり上がって来たのはモヒカンのチンピラ、もちろん商人のおっさんと同様、瘴気に包まれて真っ黒になってしまっている。


 こいつも確かどこかで見たことがあるな、そうだ、伝説の薬草を採取する際に活き餌として木に吊るしたチンピラのうちの1匹だ。


 となると、王都北の森で最近殺されたり何者かに喰われたりといった奴が、何匹もあの漆黒のバケモノによって回収され、ダンジョンの中ボスとして再利用されているということだな。


 そしてそれが真であるならば、先程の馬鹿商人やコイツのみならず、数多くの馬鹿がこれから敵として出現するに違いない。


 しかも現れるのは1匹ずつのようだ、これはかなり面倒だな、どうにかまとめて始末する方法はないものか……



「ご主人様、次は誰が退治するんですか?」


「そうだな、ここからは順番にしよう、次はマーサ、その次はミラな、俺は一番最後だ」


「ちょっと勇者様、どうして勇者様が最後なんですか、サボりたいだけでは?」


「おいおいミラさん、人聞きの悪い事を言うもんじゃありませんよ、総大将は最後って相場が決まっているんだ、文句あるか?」


「……こんなに頼りない総大将など見たことがないのですが」



 好きなだけ言うが良い、最後に回れば俺の順番が来ることなく向こうの鉄砲玉が尽きるかも知れないからな、こういうのは後ろの方が有利なのだよ。


 ルビアを四つん這いにさせ、椅子として活用しながら戦いを眺める。


 モヒカンを倒すとまた新たなモヒカン、それを倒すとまたモヒカン……活き餌は必要最小限に抑えておくべきであったな、まぁ今更何を言っても変わりはしないのだが……



 前衛組に続き、マリエル、セラやユリナ、サリナ、精霊様も敵1体をそれぞれ討伐する。

 セラにはもう一度やらせよう、杖の中に入っているハンナの分だ。



「はいお終い、次はルビアちゃんよ」


「ほらルビア、行って来い!」


「あう~、どうやって戦えば良いんですかぁ~」



 床から出現する敵、またモヒカンのチンピラか。


 グダグダと文句を言うルビアであったが、それに近付き、格闘で仕留めようとする。

 鎧を装備していないルビアが1つ動作をする度に、デカいおっぱいがプルンプルン揺れて最高だ。



「えいやっ! とうっ! あいてっ!」


「な~にやってんだ~っ! しっかり戦え~っ!」



 回し蹴りを繰り出そうとして転倒するルビア、スカートが捲れ上がってパンツモロ出しである。

 そのまま起き上がろうとしたところに敵のモヒカンがチョップを振り下ろした……



「必殺、お尻ソードブレイカー!」


「おぉっ! 尻で白刃取りとはなかなかやるじゃないか!」



 ルビアは尻を高く突き上げ、その谷間で敵のチョップを押さえ込む。

 そのまま腰を捻り、手首の関節をベキッとへし折ったのである。


 瘴気に汚染され、とても生きているとは思えない状態のモヒカンチンピラであるが、ダメージには反応するらしい。


 これまでは全て一撃で葬ってしまったため、そういった行動を取ることには気が付かなかったのだが、とにかく折れた手首を押さえ、呻き声を上げながらその場にへたり込んだ。


 そこへ今度は成功したルビアの回し蹴りが炸裂する、首が千切れ、モヒカン付きの頭部がサッカーボールの如く吹っ飛び、壁に直撃してグチャグチャに潰れてしまった。



「良くやったぞルビア、褒めてやるからこっち来い」


「でもご主人様、次の敵がもう出現しますよ、今度はご主人様の番です」


「チッ、今ので打ち止めだったらどれだけ良かったことか、あ~面倒臭せぇ、パス1とか使えないのかな……」



 これまで通り床に魔法陣が現れ、そこから敵がせり上がって来る、最初に見えたのはモヒカン、また雑魚のチンピラかよ……ん? いや、これは何か違うぞ……



 現れたモヒカン部分は兜に付けられた飾りであった。

 完全に姿を現した敵を確認する、鋼鉄の鎧まで着込んだ完全武装のガイコツ、しかも両手に剣を携えているではないか。



『グハハハッ! 貴様等、良くぞ我が死霊兵を全て討伐したな、褒めて遣わそう』


「おいちょっと待て、コイツが親玉のようだぞ、やっぱり全員で戦うべきじゃ……」


「勇者様、総大将なんだからここはバシッと決めて下さい、もちろん1人で」

「そうだぞ主殿、そもそも勝手に順番を決めたのは主殿だからな」


「薄情な奴等だな、良いよ、もう俺1人で戦うから、どうせ雑魚だし」



 二刀流ガイコツを見据える、確かに雑魚だが、今までのモヒカンとか商人とかよりは遥かに強い。

 それにあの剣、真っ黒な瘴気が溢れ出し、少しでも斬られれば終わり感を醸し出している。



『ふむ、我と戦い、この剣の錆になるのは貴様でよいのだな? では始めよう、苦しまぬよう、一瞬であの世に送ってやる』


「黙れボケ、ガイコツの分際で粋がってんじゃねぇよこのクソがっ! もう死んでるのかも知れないがギッタンギッタンにしてもう1回ぶっ殺してやるからさっさと掛かって来いこの雑魚め!」


『ぐぬぬっ! 貴様っ! 我に対してそのような侮辱を……覚悟するが良いっ!』



 斬り掛ってくるガイコツ、だが遅い、というか肘とか膝とかが取れそうになっているのだが。

 二刀流の攻撃をきっちり2度回避し、後ろに回って敵の右肩に聖棒を押し当てる。



『がっ! がぎゃぁぁぁっ!』


「おっと、ごめんごめん、腕が取れてしまったようだな、あ、ついでにうっかり踏みつけて粉々にしてしまったぞ、いやはや申し訳ない」


『貴様ぁぁぁっ! 舐めたマネをして……あげっ!』



 右腕を失い、おそらくご自慢であったはずの二刀流が使えなくなってしまったガイコツ。

 いきり立って襲い掛かろうとするが、そこへ聖棒を差し出し、今度は左の膝を破壊してやった。



「どうした? 脚が粉々じゃないかっ! これは無理をしないほうが良いぞ、今日は諦めてさっさと成仏するんだ、地獄で俺様に楯突いたことを悔いるとGOODだぞ」


『ぐぬぬ……もはやこれまで、だが貴様も道連れだぁぁぁっ!』



 左手に持った剣を投げるガイコツ、だがどうやら右利きであったらしい、コントロールもクソもなく、明後日の方向へと飛んだ剣は壁に当たり、無様に砕け散った。



『なんと……なんという不運、まさか今の攻撃を失敗するなど……』


「いやいや、不運とかじゃなくてお前が雑魚なだけだから、残念だったな……ちなみにエリナ、コイツはどうやったら倒したことになるんだ? 不死キャラみたいなんだが」


「え~っと、とりあえず砕いてこの骨壷に収納して下さい、後でお経でもあげておきますから」


「わかった、ではそうさせてもらおう、おい、まずはどこから砕いて欲しい? 頭か? それとも先端からジワジワいくか?」


『待て、待つのだ、やめてくれぇぇぇっ! はげろぽっ!』



 とりあえずやかましい口を塞ぐために頭から砕いていくこととした。

 兜を外してやり、頭蓋骨を足で踏んで粉々にしていく。


 喋らなくはなったものの、踏みつける度に全身がビクンッと反応している。

 おそらく痛みなども感じているのであろう、良い気味だ、ざまぁみやがれ。



 10分以上掛ってようやく全ての骨を砕き終える。

 エリナが準備した骨壷に、その辺にあった箒と塵取りを使って骨の粉を収納していく。


 最後に蓋をし、葬式のときに骨壷を入れるあの白いケースに収納して討伐完了だ。

 エリナがハンドルを操作し、天井から宝箱が3つ降りてくる……



「今回はルビアに開けさせてやろう、面白い新必殺技を見せて貰ったし」


「あれは凄かったです、ご主人様、私も練習した~い!」


「リリィは真似しちゃダメだ、あんなもん恥晒し以外の何物でもないからな」



 あんな恥ずかしい技を他のメンバーにやらせるわけにはいかない、特にリリィは本当に真似しかねないから注意が必要だ。


 とにかく宝箱を開けることになったルビアは前に出る、1つ目、金に鍵が入っていた。

 2つ目を開ける……首を傾げて固まるルビア、何が入っていたのだ?



「何でしょうこれは……油のようなんですが……」


「どれどれ……あ、これはマー油だな、焦がしニンニクをああしてこうして、とにかく調味料だ」


「へぇ~、出来れば甘いものの方が良かったです」


「まぁ、こんな所に菓子を置いておいたら腐ってしまうからな、あまり期待しないことだ」



 もう1つの宝箱には海苔が入っていた、しかも超湿気ている。

 どうやらこのダンジョンの宝箱からは黒いものが出るようだな、瘴気のイメージなのか?



「さてと、じゃあ今日はもう少し進んで終わりにしようか、セラ、今日中にどこまで行けそうだ?」


「そうね、頑張ればダンジョンボスの部屋まで行けると思うわ、途中で妨害が入ったら無理でしょうけどね」


「うむ、じゃあ目標はボス部屋の手前、そんな感じで進んでみようか」



 お経をあげてガイコツ野朗を供養していたエリナを引っ張り、中ボス部屋を後にした……



 ※※※



「おい、何か知らんがどんどん狭くなってないか?」


「そうですね、そろそろ這い蹲らないと進めなくなってきました」



 ジワジワと狭まる通路、マップによるとここから先に抜け穴のようなものはない。

 つまりはここが正規のルートで間違いないのだ、しばらくすると完全に立って歩ける状態ではなくなってしまった。


 1列に並び、這い蹲って先へ進む、俺の前を行くのはマリエル、その尻が目の前でプルンプルンと動いているのが、ユリナによって後ろから照らされる明かりで確認出来る。


 今急に止まったりしたらどうなるか? わかりきっている、俺の顔がマリエルの尻に突っ込むという超ラッキーイベントが発生するのだ。


 そしてそのときは間もなく訪れた、マリエルの前を行くジェシカの剣が壁に引っ掛かり、それを外すために少し下がったのである。


 同時にマリエルも後退する、もちろん俺は気付かないフリをして前に出た……



「きゃっ! ごめんなさい勇者様」


「むがっ、ふんががふんがが(いや、良いって良いって)」



 絶対にわざとだろうと語りかけてくるかのような皆の視線が痛い、まぁ気にしないんですけどね。

 とにかくこれで目的は達したのだ、あとはこの尻を眺めながら、行ける所まで探索を続けることとしよう。


 しばらく進んだ所でまたしても列が停止する、もう一度マリエルの尻に顔を突っ込もうかと思ったのだが、索敵に反応があったためそれはやめておいた。


 敵を見つけたのは先頭を行くミラ、前方に何か蠢いているのを確認したという。



「ミラ、敵のサイズとか形状はわかりそうか?」


「いえ、ちょっと暗くて見えませんね、でも大きくはないはずですよ」


「このままで倒せるなら倒してくれ、無理なら横に避けるんだ」


「大丈夫、やってみます」



 そのまま1人で前に進んで行くミラ、接敵したようだ、這い蹲った状態のまま器用に剣を抜き、それを敵に向けているのがわかる。


 俺の後ろに居たユリナが皆を追い越し、前に出た。

 尻尾の明かりで戦っているミラと、敵の何者かを照らし出す……



「おいおい、何だよアレ……」


「腕だけ……ですわね……」



 瘴気に包まれた漆黒の腕、それがミラと戦っている、というか明らかにおっぱいを掴もうと狙っている。


 なんとエッチな敵なのだ、だがそう上手くいくはずがない、おっぱい目掛けて飛び掛かろうとした隙に、ミラの剣を使った突きがその手の平を突き破った。


 力を失ってダランと垂れ、徐々に消滅を始めた腕。

 魔物なのか何なのか、とにかく良くわからない敵であったな。



「ミラ、怪我とかはしていないか?」


「平気です、さすがにこの姿勢でもあんな弱い奴の攻撃を喰らったりはしません」


「そうか、じゃあこのまま進もう、広い場所に出たらちょっと休憩するぞ」



 ミラにとってみれば単なる雑魚であったに違いないが、ダンジョンの敵はそれなりの強さに設定されているのだ。


 おそらくそん辺に居る普通の冒険者や兵士であれば、あっという間に首を掴まれ、そのまま絞め殺されていたであろう。


 精霊様やリリィ、カレンなどが強すぎて目立たないのだが、ミラだって相当に強いのである。

 少なくとも、王都で剣技を競えばジェシカと2人で優勝と準優勝を占めるはずだ。



 再び隊列が進み出す、それ以降は敵らしき敵にも遭遇せず、途中の広間で何度か休憩を挟みながら最後の広間を目指した。


 しばらくすると洞窟の道は極端に狭くなり、もはや匍匐前進でないと前に進めなくなってしまう。

 だがこれは良い、マリエルのパンツが超丸見えなのである。



「おいマリエル、パンツが食い込んでいるようだが、大丈夫か?」


「いえ、かなり不快です、でも自分では出来ないんでちょっと直して下さい」


「よかろう、少し止まってくれ……よいしょっ、はい終わりっ!」


「きゃいんっ!」



 マリエルのパンツに手を掛けて引っ張り、食い込みを直してやる。

 ついでにその尻を1発引っ叩いておいた、予想外の一撃に良い反応を見せるマリエル。


 後ろでセラが呆れているのが感じ取れたが、ここは無視することとしよう、俺に攻撃を加えんとすればそれより前に居る皆が犠牲になってしまう、ゆえにそれは出来ないはずだからな。



 その後もセラの手が届かないのを良いことに、マリエルに対してやりたい放題好き放題しながら前へ進んだ。


 1時間もすると道が広くなり、サービスタイムは終了を告げる。

 というか、そろそろダンジョンボスの部屋に到達するはずだ。



「うむ、ようやく立ち上がれたな、セラ、目的地はまだか?」


「そろそろ見えてくるはずよ、ほら、先が明るくなっているわ」



 僅かに見える松明と思しき明かり、それに向かって歩いて行くと、おなじみの扉、そしてセーブポイントを確認した。


 今日はこれで終わりにして、明日は朝一でダンジョンボスをぶっ殺しに来ることとしよう。

 セーブポイントからダンジョン入口へ転移し、船でトンビーオ村へと戻った……



 ※※※



 翌日、再びダンジョンボスの部屋の前に立った俺達は、金の鍵を使って扉の鍵を開けた。

 ゆっくりと開く扉、その向こうには薄暗い、広い部屋が待ち受けている。



「ご主人様、ちょっと臭いです」


「カレン、俺はこいてないぞ、マーサが犯人じゃないのか?」


「ちょっとっ! この臭いは私じゃないわよ、断じて!」


「というか、オナラの臭いではなくて……」


「ん? 確かにちょっと臭いな、何かが発酵したような……まぁ良いや、敵が居るみたいだからまずそっちをやっつけようぜ」



 今回は特にこれといった演出などはなく、部屋の中央にボスが待機しているようだ。

 ユリナの尻尾が一際強く輝き、部屋全体を照らし出す……



 瘴気を吸い込んだ真っ黒な体、形状は人と同じ……とも言えないな、明らかにおかしな位置から3本目の腕が生えている、それ以外は普通だ。



『ようこそボスの間へ、挑戦者の異世界勇者ご一行で間違いありませんね? まだ洞窟に入ったという情報はなかったのですが、一体いつの間に来られたんですかね?』


「ちょっと裏技を使ったんだ、貴様等のトップがとんでもないヘタレ野朗で困っていたんでな、でだ、どうしてそんな所から腕が生えているんだ?」


『ああ、これですか、何となくここに腕を生やしたら強そうかなと思いまして、ちなみに珍手拳ちんしゅけんと名付けました』


「……すげぇきめぇからやめてくれ」



 体の中央にぶら下げた腕をぶるんぶるんと回転させるダンジョンボス、しかも全裸である。

 絶対に公共の場に出てはいけないタイプの奴だ、すぐに殺してしまおう。



「勇者様、ちょっと良いですか?」


「どうしたミラ、もしかしてアイツの腕が欲しいのか? それなら千切ってくれてやるぞ」


「いえ普通に要りませんが、あの腕、昨日私が戦ったのと同じものですよ」


「そうなのか? ちなみに昨日の腕は臭かったか?」


「臭くはなかったと思います、かなりキモかったですが」



 となると発酵したような臭いの原因はこのダンジョンボスの変態野朗ではないということか。

 明らかに臭そうなのに、まぁ風呂に入ったばかりなだけかもだし、油断は出来ないが……


 しかしあの腕が昨日の腕と同じ、しかも本人の言ではカッコイイのか強いのか知らんが、勝手にそう思い込んでわざわざ珍に3本目の腕を付けているという。


 つまり、あの腕は着脱可能であるということだ、もしかすると斬り飛ばしたり魔法で消滅させたとしても、スペアとかを出して来て何度でも復活するということもないとは言えない。



「おい貴様、殺す前に1つ聞いておくが、その気持ち悪い腕のストックはどのぐらいあるんだ?」


『腕のストックでしょうか? それなら今は……10本と言ったところですね、もちろん今すぐに全部装着しても構いませんが、まずは様子見、3本でいこうと思っています』


「そうなのか、余計なことを聞いてすまんかったな」


『いえいえ、とんでもございません、では早速戦いの方を始めて参りましょう』



 体の中心にある3本目の腕を振り回し、攻撃を仕掛けてくるダンジョンボス。

 超キモい、さっさと討伐してこの洞窟を抜けることとしよう……

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