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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十三章 全てを知る魔女
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270 2人で目指すあのキノコ

「では主殿、マーサ殿、私達は北へ向かう」


「2人共気を付けろよ、ジェシカはカレンが無茶しないようにちゃんと見ておくんだぞ」



 王都とトンビーオ村のちょうど中間地点にある宿、そこへ宿泊したのは俺とマーサのチーム、そしてジェシカとカレンのチームの2組である。


 翌朝、宿の前で手を振り、馬車で北を目指す2人にしばしの別れを告げた。

 その姿が見えなくなると、俺とマーサは西へ向かって歩き出す。


 全ての荷物を持っているのはマーサだ、最初は俺に荷物係を押し付けようと必死であったこのウサギ、地図係とどちらが良いかと尋ねると、仕方なしに荷物を抱え、歩き出したのだ。



「ねぇ、今日はどこまで行くつもりなの?」


「地図によるとこの先に泉があるからな、たぶん、夜までにはそこに辿り着ける、たぶん、だから今日はそこで野宿になるぞ、たぶん」


「たぶんって、本当に大丈夫なのかしら……」



 地図係はいつもセラかミラがやっている、当然ながら大勇者様であるこの俺様がそのような庶民めいたことをする必要はないのだ。


 だが今回はその俺と、地図に記載されている縮尺の表示すら理解出来ないお馬鹿マーサの2人旅である。

 俺がしっかりしない限り、目的を果たしてトンビーオ村に戻ることなど出来ようはずもない。


 まぁ、この地図が確かならしばらくすれば街道に出るはずだ。

 そこから先は目的の森まで一直線、手前にある町で情報を集め、キノコ狩りをするだけ。


 これは楽勝だな、その森まで歩くのが面倒なだけだ。



「ねぇってば~、やっぱ魔獣を呼んで乗って行こうよ~っ」


「ばっちいからダメだ、ほら、ニンジンやるからさっさと歩け」


「わ~いっ!」



 食べ物で簡単に釣れてしまうマーサ、森の手前にある町で知らない人に付いて行ったりしないか心配である。

 だがその御し易さは今の時点では利用させて頂こう、とにかく機嫌が良いうちに距離を稼ぐのだ。



 しばらく歩くと街道に出る、地図通りだな。


 そしてこの程度の道であればいつか西へ向かう馬車とも遭遇するはず、それを見つけたらヒッチハイクして一気にワープしてやろう。


 と、早速馬車じゃないか、商人風の男が操る荷馬車、1人のようだ。

 護衛も居ないようだし、それを買って出るかたちで便乗させて貰えるかも知れない。



「ちょっと良いですか~?」


「うわっ!? 魔族じゃねぇか! えっと……おめぇさん達もしかして盗賊か?」


「いえいえ、通りすがりの善良な異世界勇者です、ちなみに商人さんはどちらまで?」


「何だペタン王国の勇者か、驚いて損したぜ、わしが行くのはこの街道をしばらく西へ行った所、ほれ、ここだよ」



 何だとは何だ失礼なおっさんめ、だがちょうど良い、今日目標にしている野営スポットの直前までは一緒に行けそうだ。


 交渉し、荷馬車の後ろに乗ることの了承を得る。

 これで今日限りではあるが楽が出来そうだな。


 すぐに荷馬車に乗り込んで出発する、ちょっと狭いな、マーサと密着しないと座れないぞ……



「ところでおめぇさん達はどこを目指してんだ?」


「西にある森でキノコ狩りをしないと世界が滅ぶんですよ、だからとりあえずはこの地図にあるこの町を目指そうかと」


「へぇ~、勇者ってのも大変なもんだね、だが気を付けなされ、その町は奴隷や獣人に対してえらく厳しい、おそらくそっちのウサギ魔族の嬢ちゃんも差別対象だよ」


「そうなんですか、まぁでも絡んできた奴は全部ぶち殺すんでご安心を」


「……とても勇者とは思えねぇ言葉を吐くもんだ」



 魔族であるマーサが差別対象か、本当に危険なときは戦うこともやむなしだが、出来れば目立たないようにしておきたい。


 その町へ着いたら、マーサには完全に俺に隷属する奴隷魔族を演じさせないとならなさそうだ……果たしてそんな演技がマーサに可能なのかという疑問はあるが……



 その後は商人のおっさんと雑談などしながら街道を進む、マーサは俺に寄り掛かって眠りこけている。

 贅沢な奴め、こんなに休んだのだから明日も荷物持ちをさせてやろう。


 夕方近く、ついにおっさんの馬車とは別方向へ行くべき分岐に到着する。


 おっさん曰く俺達が野営スポットとして目指している泉はここから歩いて30分程度の所にあるらしい。

 大きく目立つため、普通に歩いて行っても見落とすことはまずないそうだ。


 去って行く馬車に手を振り、眠そうに目を擦るマーサの手を牽いて先を急ぐ。


 しばらく歩くとちょっとした林に入り、その中央付近には岩場に囲まれた美しい泉。

 素晴らしいクリアウォーターだ、これなら行水をしても大丈夫であろう。



 とりあえずは食事の準備だ……



 ※※※



「いっただきま~っす!」


「マーサお前すげぇもん食ってるな、ニンジンを串焼きにしてる奴なんぞ初めて見たぞ」



 まるで川魚でも焼くかのごとく、串に刺したニンジンを焚き火の横に並べているマーサ、本人が良いのなら別に構わないが、俺からしたら異常な光景である。


 ちなみに俺は泉でゲットしたマスのような魚に塩を振って焼き魚にしている、こちらは妥当であると言えよう。



「明日の朝から歩いたら例の町には日が沈む前に着きそうだ、マーサ、あの商人のおっさんが言ってたこと、覚えているか?」


「ええ、従順な奴隷みたいに大人しくしてれば良いんでしょ? そんなの簡単よ」


「本当だろうな……じゃあちょっと練習してみるか?」


「良いわよ、あれ~、ご主人様~、おゆるしを~……こんな感じよね?」


「……うん、大根役者にも程があるぞ」


「あら、大根は美味しいから大好きよ」



 これはもうダメかも知れない、とりあえず無闇に暴れないことだけは注意し、従順な奴隷魔族作戦は諦めることとしよう。



「さ~てお腹も一杯になったし、水浴びをするわよ、背中と尻尾を洗ってよね」


「おいおい、ご主人様に何てことさせるつもりだ」


「良いじゃないの、ほら早く早くっ!」



 素っ裸になって泉に突撃して行くマーサ、誰か来たらどうするつもりだこの変態ウサギが。

 まぁ呆れていても仕方が無い、俺も水浴びをしておくこととしよう。


 結局髪と耳、尻尾と背中まで俺が洗ってやり、ついでに言うと水場に持って行くのを忘れたタオルまで取りに行ってやったのである、至れり尽くせりだ。


 泉から上がって体を拭き、荷物に忍ばせておいた酒を飲んでいると、今度はパンツも穿かずに近付いて来るではないか……



「次は尻尾を乾かして、いつもはマリエルちゃんにやって貰ってるけど、今日は居ないからお願いね」


「へいへい、わかったからそこへ四つん這いになれ」


「え~、もっと密着した方が好みよ、お尻ペンペンのときの格好で良いかしら?」



 良いかしら? などと聞きつつも既に乗っかる態勢に入っているマーサ。

 体をしっかり拭いていないようだ、俺の寝巻がビチャビチャになってしまった。


 これは尻尾を乾かしてやるまで退きそうもないな、全くわがまま放題しやがって、ちょっときつめにゴシゴシして甚振ってやる。


 などと最初は思ったのだが、やはり可愛いマーサの尻尾は大切にしてやりたい。

 タオルを使って丁寧に水分を拭き取っていると、マーサはいつの間にか眠ってしまったようだ。


 さて、俺も寝るとしよう、明日は丸1日ずっと歩きかも知れないからな。



 尻尾がある程度乾いたマーサを左に寝かせ、上に布を被せて俺もその中に入った……



 ※※※



 朝が来たようだ、少し肌寒くもあるのは林の中に居るからか。


 とりあえず手を伸ばし、横にあるおっぱいを……今日は質感が違うな、全裸でもない。

 そうだ、今はマーサと2人旅、左に居るのはルビアでなくマーサなのだ。



「あ……ん? やけに手つきがエロいと思ったらあんただったわね、てっきりマリエルちゃんが寝ぼけておっぱいを揉んでいるのかと思ったわ」


「悪かったな俺で、さぁ、準備して出発するぞ」



 荷物をまとめ、自分の分だけ持とうとしていたマーサの肩に俺の分も引っ掛けてやる。


 文句を言おうとしたのであろう、こちらを振り向いたマーサであったが、その瞬間に俺が歩き出したため、慌ててそれに付いて来た。


 荷物の擦り付け、完了にございます。



 そこから2時間程歩き、小休止を取る、道端の岩に座り込んでまったりしていると、マーサの耳がピンと立った。


 何かの音を聞きつけたに違いない、今来た方角をじっと見つめるマーサ、丘の向こうから現れたのは馬車5台、どうやらどこかの町へ向かう商隊のようだ。



「ラッキーだったな、今日も歩かなくて済むぞ」


「でも何だか様子が変よ……追い掛けられているわね……」



 確かにスピードが速い、あんなに急いでは馬車の揺れで商品がダメになってしまうはずだ。

 となると彼らの後ろには……出た、モヒカンの盗賊だ。


 商隊には護衛が付くのが普通のはずだが、モヒカン共が持っている鉈だの棍棒だのといったお約束武器には血がべったりと付着している。


 護衛の冒険者や傭兵は全員殺された、そういうことなのであろう。



『そこのお方~っ! 冒険者とお見受けするっ! 助けてくれぬかぁ~っ?』


『ヒャッハー! そんなナヨナヨした奴等に助けを求めても無駄だぜぇ~っ!』



 遠くから叫ぶ商隊リーダー風のおっさん、そしてその後ろから叫ぶモヒカンリーダー風のモヒカン。


 どうしようか、勇者としての選択肢であればモヒカンを始末し、商隊に救助の礼と目的地までの便乗をお願いするところだ。


 だが最もコスパが良いのはモヒカンが商隊を始末するまで待ち、その後運転手役のモヒカンを1人残してあとは殺し、助命したモヒカンに命じて町まで運ばせるという手段だ。


 後者を選択した場合、もちろん運転手役のモヒカンも用済みになったら抹殺する。



「さて、マーサはどうしたい?」


「どうしたいって、助けるに決まってるじゃないの!」


「だが面倒だとは思わないかね?」


「思わないわよ、だってあの商隊、お野菜を運んでるんだもの」



 本当だ、馬車の幌に生鮮野菜がどうのこうのと書かれているではないか。

 颯爽と飛び出していくマーサに釣られ、俺も商隊とモヒカン軍団の方へ向かって走り出す。


 馬車とモヒカンリーダーが乗るデコレーションされたリヤカーのような何かの間に立ち、両者を分断した。



「オラァァァッ! てめぇら俺達が農産物専門の大盗賊、種もみ団の一員だと知っててそんなことしてやがんのかっ!」


「うるせぇボケコラ! てめぇらこそ俺様が伝説の異世界勇者様と知ってそんな口聞いてやがんのかっ! ぶっ飛ばすぞオラ」



「ちょっとあんた、それじゃどっちがモヒカンの台詞かわかんないわよ、遊んでないでさっさと殺りましょ」


「あぁぁぁん? この俺様を殺るってっぺっ!」



 一呼吸の間に聖棒を突き出し、戻す……先端が僅かにモヒカンの鼻に触れた、そして顔面に大穴が空く。

 モヒカンリーダーは俺が次にする呼吸を目の当たりにすることなくこの世を去った。


 溜め息をつき、辺りを見渡す、15人以上は居たと思われるモヒカン、種もみ団だったか? とにかく残りは3人である、あとは全部マーサが殺したようだ。



「大丈夫ですか商隊の皆さん?」


「ええ、ありがとうございます、しかしこのような場所で耳と尻尾のあるお嬢さんを連れているとは……」


「というと……やはりこの先にある町の問題ですか」


「そうです、悪いことは言いませんから、せめてフードで隠すなどしておいた方が得策ですよ」



 地味に汗ばむ陽気につき、フードの付いた服やマントなど持っていない、どこかで購入したいのだが、そのためにはまず町に入らないといけないではないか。


 助けた商隊のおっさん達も同じ町に向かうとのことなので、とりあえずは便乗させて貰う。


 礼代わりとして受け取った生野菜を笑顔で齧るマーサであるが、自分のことでこの先困った事態に陥るかも知れないということを認識……しているはずがないな……



 馬車は進み、町の門が見えた所で俺達は降りて別行動をする。


 変なウサギが馬車に乗っていると仲間だと思われかねない、そうなると検問に引っ掛かり、おっさん達は新鮮な野菜を待ちへ届けることが出来なくなってしまうのだ。



「マーサ、一応首輪にリードを付けようか、あと手も縛っておくぞ」


「良いわよ、でも何かあったら引き千切って戦うから、魔力を奪う腕輪はナシね」



 完全に奴隷かペットかと言った状態になるマーサ、荷物を持たせている分どちらかといえば奴隷寄りのスタイルといえよう。


 そのまま町の入口へ近付いて行く……門の前には2人の見張り、そしてその奥には門番の詰所があるようだ、王都と同じような形式である。



「止まれっ! おい、そこのお前だ! 何を連れているんだ? 獣人……ではなさそうだな、ちょっとこっち来い!」


「へへぇ~、これは山で捕まえたウサギのバケモノですだ、めんこい思うて連れ歩いていますだ、どうか堪忍して下せぇ」


「危険はないのか?」


「大変に大人しい子ですだ、なんつってもこんな汚ったねぇ棒切れしか持っておらんひ弱なわしに捕まってしまったのです、ほれ、お前も門番様にご挨拶せぇ」


「こ……こんにちわ……ご機嫌麗しゅう……」



 明らかな作り笑顔でご令嬢みたいな挨拶をするマーサ、俺が頑張ってその辺の農民を演じているのに、もっと上手くやりやがれってんだ!



「う~む、すこぶる怪しい奴だな、この町へ来た目的は何だ?」


「この絵に描いてあるキノコが欲しいんですだ、何でも灰汁抜きして天日干しすれば薬になるとの噂で……」


「ん? これはドクドクカエンモウドクキノコダケではないか、こんなものが薬になるなどあり得ん、だが町の裏の森には腐るほど生えているからな、そういうことなら通れ」



 蔑むような笑みを見せる門番、こんなものを欲しがるような馬鹿には脅威を感じない、そういうことなのであろう。


 マーサも見た目だけなら到底強いとは思えないし、聖棒なんか普通に考えれば物干し竿である。

 見てくれと目的、そのどちらもがショボいことにより、入口でのトラブルは回避出来たのであった……



 しかし町の中でも好機の目で見られているようだ、王都であればそんなことはまずないし、これまで行ったどの町でもマーサ、というよりも悪魔のユリナやサリナまで特に驚かれることはなかったのに。


 どうもこの町はおかしい、露店でフード付きのマントを購入して羽織らせたことによってある程度は落ち着くことが出来たが、他の町と比較しての違和感だけは残り続けた……



 ※※※



「何かすげぇ疲れちゃったな、もう宿を取ろうか」


「そうね、キノコのことを町の人に聞ける雰囲気でもないし……」



 適当に安そうな宿を探し、空室アリの札が挙がっている所に入る。

 ちょっとボロいが仕方ない、部屋に風呂もあるようだし、昨日の野宿よりは遥かにマシだ。



「いらっしゃい、大人1人と奴隷1匹だね、奴隷は床に寝かすか、それとも枕を1つ追加するかどちらにするね」


「じゃあ枕1つ追加で」


「おやおやお兄さん、なかなかムフフだねぇ、じゃあ203号室、完全防音だからお楽しみあれ、キヒヒ」



 受付に居た不気味なばあさんに銅貨5枚を支払って部屋に向かう、ついでにカウンターに置いてあった周辺散策マップも貰っておいた。


 部屋に入ると早速、狭苦しい風呂釜に水を張り、お風呂セットと一緒になっていた火魔法の込められた石を投げ込んでおく、すぐに良い湯加減になるはずだ。



「ちょっと、一旦縄を解いてよ、荷物が置けないじゃないの」


「すまんすまん、しかしマーサ、昨日から思っていたんだが何をそんなに持って来たんだ、荷物の量が俺の倍はあるぞ」


「え? お仕置きセットよ、鞭でしょ、これも鞭、こっちはお尻叩き用の革の板ね、木の板もあるわよ」


「……余計なものばかり持って来やがって、風呂から出たらそれでお仕置きだな!」


「元々そのつもりで~っす!」



 まずは町の市場で買っておいた夕食を冷めないうちに頂く、その後は既に沸いていた風呂に入り、マーサの髪と尻尾を丁寧に乾かしてやる。



「ほらもう良いだろう、十分に乾いたぞ」


「ん、ありがと、じゃあこのままお仕置きタイムね」


「そうだな、いつも生意気な態度ばっか取りやがって、覚悟しやがれっ!」


「きゃんっ!」


「ついでに耳もこちょこちょしてやるっ!」


「いやぁぁぁ……」



 結局寝るのが遅くなってしまった、翌朝宿を出る際、受付のババァが『ゆうべはおたのしみでしたね』などと呟く、完全防音じゃなかったのかよ……


 そのままババァにキノコが生えているという森への行き方を聞く。

 絵に描かれたキノコを見せたらこちらも馬鹿にしたように笑っていた。


 よほど価値の無いものなのであろう、だがそれゆえ誰にも取られていないはず、すぐに見つけることが出来るに違いない。



「アレは触ると全身が焼けるように熱くなって死ぬからね、食べたらもちろん死ぬし、近付いただけでも死ぬことがあるのじゃよ、せいぜい気を付けなされ」


「何それヤバくない?」



 何だか嫌な予感しかしないのだが、これを持って帰らないと精霊様とかに処刑されて確実に死ぬことになるからな、どうにかして死なずにゲットしなくては。


 ババァが教えてくれたルートで町を出る、森はすぐ横、普通に狩りや薬草採集に来ている人も居るようだ。



 森へ入ってすぐ、マーサが俺の袖を引っ張る、トイレにでも行きたいのか?



『ねぇ、ちょっと気を付けて、狙われてるかも知れないわ』


『どこからだ?』


『まずはあっちの木の上、それから向かう先、後を付けている奴も居るわね』


『このまま進むと囲まれるってか?』


『間違いないわ、後ろに居るのは宿を出たときからずっとだし、何か罠に嵌めるつもりかも』



 価値など無い毒キノコを取りに来た俺達に何の用なのであろうか? 特にこれといったトラブルは起こしていないし、盗賊とかそういった連中か?


 とりあえず感付いたことに感付かれないよう、そのまま林道を進んで行く。


 しばらく歩いた所で、俺の索敵にも反応が出た。

 敵の数は15から20程度、まずは姿を確認してやる必要がありそうだ……

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