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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十二章 熱血
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262 来ちゃった

「勇者様、いつまで寝ているんですか勇者様」


「何だよミラ、昼間は行軍停止なんだから寝てたって良いだろ」


「……行軍中も寝てたじゃないですか、とにかく精霊様が水を出してくれました、行水をしましょう」



 大魔将の放つ熱で世界中が熱帯となってしまったこの世界、その元凶を経つべく、城のある島に向かう俺達は、暑さの増す日中のみ氷のドームの中で待機する方法でゆっくりと進軍している。


 33名の氷魔法使い、それからセラの杖に封入されているハンナを含む勇者パーティー、さらにはメイ、ドレド、アイリスという大所帯である。


 もちろん食糧は十分に持って来たのだが、風呂となると話は別だ。


 研究所謹製の浄水器はあるものの、泉の水はかなりホットな状態、というかほぼ温泉である。

 これを使って行水するなどこのクソ暑い中では考えられない。


 同行している氷魔法使いの大半はゴリマッチョ漁師であるが、中には女性も居る、そして何よりも俺達勇者パーティーは女の子ばかりなのだ。


 特に隠れる所も無い街道沿いでどうやって清潔を保つのかということに関しては本来先に考えておくべきであった。


 まぁ、精霊様が水を出しさえすれば誰かがそれを魔法で冷やし、浴びるための水は確保できるのであるが……



「おぉっ! デカい布で風呂用のテントを作ったのか」


「はぁ、たまたま馬車に積んであったのを使いました、ちなみに今は女性の魔法使いさん達が入っています、覗いちゃダメですよ~」


「そうかそうか、では早速中を拝見……」


「勇者様、その目に二度と景色が映らないようにするわよ」


「うむ、これはジョークだ、俺は覗きなどするような巨悪ではないからな」


「どうだか……」



 何としてでも風呂を覗きたい、女性氷魔法使いの中には可愛い子も居たしな、残念ながら王都のかき氷店のお姉さんはテストで落選したのだが、それでも同レベルの子が2人は来ているのだ。


 あとは何か悪い魔女みたいなババァばかりであるが、その2人のために風呂を覗いてやる価値は十分にあるといえよう。


 とはいえセラの監視を掻い潜るのは容易ではない、たとえ100km先から望遠鏡で覗いたとしても正確無比な魔法攻撃で射抜かれてしまうのだ、たぶん。



 いや待てよ、布で囲われているのは四方、つまり上ががら空きということだ。

 ここは精霊様かリリィの協力を取り付けて上空から攻撃を仕掛けるとしよう。


 リリィにそのようなことをさせるのはまだ早い、ガキは帰ってジェシカのおっぱいでも吸っておけ……いや俺もおっぱいにはしゃぶり付きたいのだが。


 とにかくここは精霊様の出番だな、不当な要求をしてきたら後で払うと言って踏み倒してしまえば良い。



「精霊様、ちょっとこっちへ来て欲しいんだが?」


「どうしたの、お金かお酒が貰えないなら微動だにしないわよ」


「ああ、それなら後で渡すよ、ちょっと風を感じたくなってな、今すぐに」


「抱えて飛べってことね」



 精霊様に手付金である鉄貨2枚を手渡す、後程残りの鉄貨8枚を支払うと約束し、その腕に抱かれて大空を舞った。


 だが少し高すぎる、これでは魅惑の女子風呂など米粒のようにしか見えないではないか、あと落ちたら確実に死ぬ。



「精霊様、少し高度を下げてくれないか、それと安全に配慮して出来れば水の張ってある風呂の上を飛んでくれ」


「わかったわ、それとね、あんたが風呂を覗こうとしたらこうするってセラちゃんと契約してるの、それっ!」


「え? あぁぁあぁぁぁっ!」



 上空で手を離され、捨てられてしまった、精霊様の奴、敵であるセラとも契約していたとは、まるで二重スパイではないか。


 だが今の高度からなら余裕で助かる自信がある、負うべきダメージはせいぜい両脚複雑骨折ぐらいのかすり傷であろう。


 その程度のコストで女子風呂にダイブ出来るのだ、これは感謝しないといけないな……



 目を瞑り、可能な限り風を受けて落下速度を殺しながら下へ下へと突き進む。

 3……2……1……ここだっ! 今こそ着地のときなのだ!



「うぉぉぉっ! あれっ!?」


「どっせい! どうだ、上手く受け止めてやったぜ! まぁ1本釣りのマグロよりは軽かったな」


「ちょっ、え? えぇぇぇっ!?」



 何者かに受け止められ、傷の1つすら負わなかった俺の体、目を開く、そこにあったのは山のように隆起した上腕二頭筋……漁師のおっさんじゃねぇか!


 嵌められた、俺が精霊様と共に空中散歩を楽しんでいる間に、ここは魅惑の女子風呂から地獄の漁師鍋に切り替わっていたのである。


 見渡す限り、どこもかしこも筋肉筋肉筋肉筋肉、俺は気を失った……



 目を覚ます、どうやら氷ドームの中で寝かされていたようだ。

 やけに枕が固いと思ったらセラに膝枕されていた。


 どうせならルビアのおっぱい枕にしてくれれば良かったものの、こんなに固いと健康に悪そうだぞ。



「あら、起きたのね覗き魔さん」


「クソッ! 俺の壮大な計画を邪魔しやがって、もう少しで世界を救えるところだったのに」


「女湯を覗いて救われるのは勇者様だけでしょ……で、そろそろ涼しくなってきたから出発よ、この氷ドームはどうする?」


「かき氷にして食べちゃえば良いだろうに」


「こんなに食べたらお腹壊すわよ」



 結局氷ドームは放置することに決まった、食べたい奴は勝手に削って好きなだけ食べれば良い。

 まぁ、日中の暑さを鑑みれば明日までには自然に溶けるであろう。


 色々と準備をしている間に外は完全に涼しくなった、今夜一晩頑張ればトンビーオ村に到着するはずだ。

 馬車に戻ったらもう一度寝ることとしよう……



 ※※※



「あっついわね、王都なんかと比べ物にならないわよこれは……」


「どうでも良いけど精霊様、どこに居るのかぐらいはっきりしろ」



 トンビーオ村の港付近で今日の氷ドームを張る、村の様子を見に行くといって出掛けた精霊様は、気を抜いた拍子に蒸発してしまったらしい。


 今は空中から声のみが聞こえてくる状況なのだ。


 しかしその精霊様の言う通り、この暑さは尋常ではない。

 アイリスがうっかり馬車の中に置き忘れた食材の卵が全てゆで卵になっていたほどである。


 ちなみに氷ドームの中もまだ地面が熱く、馬用のドームでは下に落ちた馬糞が香ばしい匂いを醸し出していると言うから笑えない。


 というよりも、村全体に腐敗臭が立ち込めている、海の魚が暑さで大量死してしまったらしい。

 それが腐り、強い海風に乗ってこの周囲一帯に広がってしまったようだ。



「勇者様、海が凄く荒れていますよ、風も信じられないぐらい強いです」


「向こうに熱源があるからな、こりゃ船で行くのも一苦労だぞ」



 目の前に広がる海は、普通のフェリーや定期船であれば運休確定の大荒れ。

 いくらドレドの魔法船とはいえ、この状況で出航すればただでは済まない。


 夜になって大魔将が熱を発しなくなればこれは収まるはずだが、昼の間は沖合いに停泊するのだ、かなり気を付けていないと流されてしまいそうだな。


 とりあえず出発は今日の日没後だ、それまではこの異常に臭い灼熱の地、ついこの間までのどかな漁村であったここに滞在する他ない。



「そうだ、俺達のコテージはどうなってんだろうな?」


「さっき見てきたわよ、ドアは腐って崩壊していたけど、一応立ってはいたわね」


「……ダメじゃん」



 熱血大魔将エルニーのお陰で全てがお釈迦になってしまった、もしそれを排除したとてこの村の漁業もそうすぐには再開出来まい。


 自分がただ単に気合を入れただけで世界がこのような事態に陥るということを当の本人は認識しているのか? いや、アツくなりすぎて何も見えていないはずだ。


 やめてくれといっても止まるとは思えないし、完膚なきまでに叩きのめしてこの世から退場して頂こう……



 そのまま氷ドームの中で寝転がって時間を潰す、日が陰り、しばらくするとようやく周囲の熱が引き始めたように感じる。


 そろそろ外に出て船の準備を……いや、まだ良いか、それに船に関しては全部ドレドがやってくれるはずだしな。


 俺はここで待機して、港の方に迎えに来させれば良いのだ。



「大変よ勇者様!」


「どうしたセラ、屁をこいた拍子にパンツに穴が空いたのか?」


「違うわよ! 穴が空いたのはドレドちゃんの船、修理しないと航行出来ないそうよ!」


「……ヤバいじゃん」



 トンビーオ村が熱波に襲われて以降、ずっと港の奥のドッグにおいてあったドレドの船、当然水に浸かったままだ、その濡れた部分が腐り、剥がれ落ちて浸水してしまったのだという。


 幸いにも一緒に来ている氷魔法使いには漁師が多く、船を修理した経験がある者も多数含まれている。

 それでも航行可能な状態になるまでには2日、早くても1日は掛るらしい。


 しかもこれは日中も修理をしていた場合の予測期間である、涼しくなる夜のうちしか作業が出来ないとなればその期間はさらに延びてしまうのだ。



「やれやれ、まだここに滞在しないといけないのか、しかも3日? もう臭くて敵わんぞ」


「仕方ないわね、船が動かせなければどうしようもないもの」



 ちょうど出発を予定していた時刻に始まった船の修理、様子を見に行ってみると、想像していたよりも遥かに酷い有様であった。


 海上を彷徨う幽霊船とか大体こんな感じに違いない、無事な部分も苔とか生えまくっているし、これは厄介なことになったな。



 と、そこへ材料を調達しに行ったマッチョ魔法使いが手ぶらで走って来る。

 かなり焦った様子だ、これはさらにろくでもない事案が追加されるパターンに違いない……



『お~いっ! 沖から正体不明の船が近付いているぞ~っ!』



「こんなときにか? ご苦労なことだな」


「主殿、これは普通に考えたらおかしくないか?」


「何が?」


「だって、今ここに接近しているということはだな、昼間のうちにあの灼熱で大荒れの海を渡って来たということだろう」


「確かにそうだな……ひょっとして呪われた幽霊船かも知れないぞ……」


「ひぃぃぃっ! 主殿がそんなこと言うから……その……」



 ジェシカはおもらししてしまった、相変わらずこの手の話は苦手なようだ。


 パンツを洗って戻って来たジェシカを既に無人となっている氷ドームに連れ込み、お尻ペンペンの刑に処していると、外が急に騒がしくなった。



「何だろ? 船はさっき見つかったばかりだし、さすがにまだ来ないよな」


「ああ、かなり遠くに見えたということだしな、だから主殿、もっとお仕置きしてくれ、きゃんっ! いったぁぃっ!」



 だがやはり気になるな、少し様子を見に行ってみよう。


 ジェシカも一緒に行くというので、替えのパンツを穿かせて氷ドームの外に出る……目の前の港に接岸した巨大な船、一体どんなスピードで航行すればそんなに早く到着するというのだ?


 そもそも何の、そして誰の船だ? 船体は完全に黒く塗られ、マストには見慣れない文様の付いた帆が掲げられている。



「あっ、ご主人様、どこへ行っていたんですの?」


「ちょっとジェシカが粗相をしてな、ところであの船は何だかわかるか?」


「……あれは魔王軍の公用船ですの、ちなみに中からエリナの気配もしますわよ」


「エリナかよ、とんだお騒がせ悪魔だな、引き摺り下ろして引っ叩いてやろうぜ」



 と、そのようなことをするまでもなく、船べりから1本の縄梯子が垂らされる。

 それを伝って降りて来る見慣れた尻尾、エリナめ、パンツ丸見えだぞ……


 そしてさらに続くのは謎の黒い魔法少女、誰だよ? 可愛いけど。

 さらにさらに、以前戦った汚泥の魔物に似た何かも、そいつに関しては船から飛び降り、地面にベチャッと着地する。



 魔法少女にしても汚ったねぇ何かにしても魔族のようだ、ちなみにどちらも上級である、キモい方は中級、いや下級でも良さそうなビジュアルだが。



「おいエリナ、何しに来やがったんだ?」


「大魔将様がアツくなりすぎて城が全焼しちゃったんです、洞窟ダンジョンも使い物にならなくなってしまって……だから来ちゃいました」


「来ちゃいましたじゃねぇよっ! で、大魔将はどうしたんだ?」


「焼け跡で腕立て伏せを始めたので放置しました、涼しくなったところを見るにワークアウトして寝ちゃったみたいですね」


「……死ねって言っておけ」



 エリナの横に居るかわいらしい魔法少女はダンジョンボス、そしてもう1つのどうでも良い物体が中ボスであるとのこと。


 洞窟ダンジョンは現在、入口と出口のそれぞれから火を吹いている状態で、さすがのエリナも暑すぎて中には居られなかったそうだ。


 暑い暑いと言いながら勝手に俺達の氷ドームに侵入しようとするエリナ、敵の分際で厚かましい奴である。



 だがそんなことよりも重要な点が1つある、洞窟ダンジョンがダメになり、その中ボスもラスボスもここに来てしまっているのだ。


 今回の大魔将討伐は一体どうなると言うのだ? またこの間のアイドルイベントのときみたいにグダグダな感じで終わってしまうのか?



「あ、そうそう、せっかく来たのでここで中ボス戦を始めて下さい、勝ったら金の鍵をあげますよ、負けないとは思いますけど」


「はぁっ? どんだけいい加減なんだよ……」


「仕方ないじゃないですかダンジョンが無いんですから、それが終わったらダンジョンボス戦も済ませておいて下さいね~」



 よくわからないがここは指示に従うしかなさそうだ、パーティーは既に集合しているし、今すぐにでも戦闘を始められる体勢だ、もちろんギャラリーの氷魔法使い達も揃っている。


 汚泥の魔物に似た魔族がズルズルと歩み出る、色が赤く、近付くとかなり熱さを感じる、溶岩でも使うのであろうか。



「まずはお前だな、ぶっ殺してやるからさっさと掛かって来いや!」


『あの……今日は熱があって調子が悪いのでお手柔らかにお願いします……』


「そういうことなのかよっ! まぁ良い、セラ、生きていても辛いだけだろうから殺して差し上げろ」


「面倒ね、これで良いかしら?」



『ぎょべぇぇぇっ!』



 セラの放った空気の刃が敵の体を切り裂く、だが流動性の高いその体はすぐに修復し、元の形に戻ってしまう。

 痛みは感じているようだがダメージはほとんど入っていないようだな……



『かぺっ……ぷぽっ……痛いですね、ではこちらも攻撃を……えいっ!』


「うおっ!? 危ねぇな、当たったらどうするんだよ?」



 申し訳なさそうに自らの一部を飛ばしてくる敵、かなりの高温だ、俺が避けたため後ろにあった木の板に直撃し、そのまま炎上させている。


 しかも自分で攻撃しておいてすみませんすみませんを連呼していやがる、どれだけ気が弱いというのだこの気持ち悪い魔族は?



「しょうがないな、ちょっとキモいけど聖棒で突き殺してやるよ、死ねこのゴミクズ!」


『あががががっ! ごわろばっ!』



 聖棒で一撃突くごとに形を崩していき、さらに気持ち悪さが増す。

 5回突いたところで手を止めてみると、既に絶命していることがわかった。



「うへぇ~っ、ベチャベチャになって死にやがったぞ、気持ち悪いったらありゃしないぜ、おいそこの魔法少女、コイツの死体を海に捨てて来い、次はお前だからな」



「わ……私ですか? あの、言うことは聞きますから命だけは……」



 こっちも内気で弱虫のようだ、もちろんこの可愛らしい魔法少女を殺してしまったりはしないが、一応ダンジョンボス戦だからな、少しは痛め付けてやらないといけない。


 アッツアツの死体を平気で手掴みし、海に持って行って捨てる魔法少女。

 コイツは本当に熱や炎の類が無効らしい、ついでに言うと火魔法使いだ。


 戻って来た魔法少女は既に戦う気もないようで、俺の前に正座してじっと目を瞑っている。

 聖棒で叩かれるか突かれるかするのを待っているのであろう、だがそれだとやりすぎだ。



「おい、お前の弱点を教えろ」


「私は……その……熱には強いのですが冷気に弱くて……」


「わかった、マーサ、ちょっと氷ドームをぶっ壊すんだ」


「えっと、まだエリナが中に入っているんだけど」


「構わん、ついでに埋めてやれ」



 良いのかな? などと言いながらもわりと派手目に氷ドームを破壊するマーサ、中でエリナがカエルの潰れたような音を出したような気がするが、もう埋まってしまってどこに居るのかもわからない。


 氷が溶ければ出て来るであろう、死にはしないのだから放置しても構わないのだ。


 そして、その砕けた氷をさらに小さくし、その辺に落ちていたザルに乗せる。

 ついでに海女さん達が舟にしているたらいにもモリモリ入れておいた。



「さて、もうわかっているな? とりあえずその氷の詰まったたらいに入れ」


「はい……ひぃぃぃっ! つめたぁぁぁいっ! もう無理です! いつまで入っていれば許して頂けるんですか!?」


「まだまだっ、次はこうだっ!」


「いやぁぁぁっ!」



 魔法少女の襟を掴み、ザルに入った氷を背中から投入してやった。

 悶絶する姿も可愛いではないか、次は何をしてやろうか……



「勇者様、そろそろ許してあげましょ、一方的すぎてかわいそうになってきたわ」


「そうか? じゃあそろそろ引き揚げよう、ルビア、服が冷たいだろうから全裸にして縛ってやれ」



 震える声でパンツだけは許して欲しいと懇願してきた魔法少女、それぐらいは良いにしてやろう。

 そのまま縛り上げて馬車に押し込み、ダンジョンボスの討伐を終えたことを伝えるためにエリナを捜索する。



「居たぞ、この下に埋まっているみたいだ、おいエリナ、さっさと出て来い」


「うぅ~っ、せっかく涼しい空間を見つけたと思ったのに」


「敵の造った快適空間で和もうとするんじゃないよ……」



 エリナとはこれからのことを相談しないといけない、大魔将の城は全焼、そこへ近付くための洞窟ダンジョンも火の海ではどうしようもないのだ。


 最悪城とは別の場所に決戦場を設けることもやむなしである、どこかに手頃な巌流島などないものか。



「あ、そういえば一応出るときに置手紙はしてあるんで、もしかしたら明日には気付いてこっちへ向かって来るかもですよ」


「え? エリナお前今なんて言った?」


「だから、大魔将様がここへ来るかも知れないと」


「馬鹿かっ!? そんなアツい奴が来たら村の建物が無事じゃすまないぞ! 今すぐに戻って絶対に来ないよう伝えろ!」


「は、はいぃぃぃっ!」



 危うくトンビーオ村を焼け野原にしてしまうところであった、しかし想像していたよりも凄まじい熱を発しているようだな、それにどう対処していくべきか……

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