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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十一章 神界騒動
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253 建築クラッシャー

「ダメだ、数が多すぎる……」


「このままじゃ城門を突破されるわよ、そしたら王都は触手に呑まれるわ」



 俺達の屋敷に集まり、女神の持ち込んだ資料で敵の姿を確認した日から3日。

 今度は王都の外、東門付近に触手メデューサの大群が現れたという報せを受け、現場に急行していた。


 既に外は暗く、篝火に照らされて蠢く大量の触手、数千単位の大軍である。

 その後列はまるで見えないものの、もし明るくなったとて見渡す限りの敵の海である事は想像に難くない。


 そして、これが城門を突破して王都に侵入した場合、少なくとも入って来た数と同数以上の人間が触手化され、さらにそれが他の王都民を、という流れで大変なことになりかねない。



「勇者様、城門を閉めてしまうそうです! 朝まで持ち堪えればこちらのものだと!」


「わかった、ここだけじゃなく北と南も閉ざした方が良い、そっちにも回って来るかも知れないからな」



 城壁を見上げると、その上にはもう火魔法使いが横一列に並んで攻撃の準備を済ませているのが確認出来た。

 扉を閉め、延焼を防ぐため水を掛けてしまえばあとは焼き払うだけだ。



 俺達も含め、外に出て応戦していた全員が門の内側へ戻る。

 多少の触手メデューサもそれに付いて来てしまったが、門が閉ざされた時点でその数は20体から30体程度。


 倒し切ることが出来ない数ではない、とにかく1体も見逃さないように囲い込み、確実に動かなくなるまで攻撃を続けた。



 精霊様が木で出来た城門に大量の水を掛け、それを合図に城壁の上から火魔法が浴びせられる。

 高い城壁に阻まれて尚見える炎、外に渦巻く触手メデューサを前列から順に焼き払っていく。


 これで今夜のうちはどうにかなりそうだ……



「とりあえず帰ろうか、眠くて仕方ないわ」


「そうね、でもあの触手軍団、どこから沸いて来たのかしら?」


「確かに、王都の外にあんなに元になる人間が居たとは思えないな……」



 王都近辺の町や村が襲撃を受け、そこの住民が触手化させられたという報告は王宮にも上がっていないはずだ。


 しかしそれ以外であの数、つまり触手メデューサの人間部分を集めるというのはかなり困難なことである。


 最初に誰かが触手化し、それが森や山の中に居た旅人や冒険者に……いや、そうであればこんなに一気に攻めてくることはない、しかも行方不明者が大量に出て騒ぎになっているはずだ


 だとすると今城門の外で焼かれている触手メデューサはどこから来たのか……



「おう勇者殿、あの触手メデューサ共の顔を見たか?」


「ゴンザレス、俺はあんな気持ち悪いバケモノの人間部分を監察する趣味はないぞ」


「そうか、だが奴等、どう見ても帝国人だったぞ、俺の倒したのも、周りに居たのも全部だ」


「またあの連中かよ、しかしまだあんなに居たんだな……」



 帝国に侵入して平民層の地位を乗っ取り、さらに王国領内で犯罪行為を繰り返し、挙句の果てに35万の大軍で押し寄せて来た例の帝国人。


 ほとんどは先の戦争およびそれに続く帝国人狩りなどで殲滅したはずである。

 その帝国人がここまでの大軍で、さらに全員触手化して襲い掛かって来るというのは異常だ。


 どこかでこれらを掻き集め、まとめて触手の種を植え付けたりしない限りは……うん、間違いなくやっている奴が居るな、あの金髪巨乳女か?



「まぁ良いや、とっとと帰ろうぜ、ミラとリリィがもう限界だ」


「でも勇者様、何だか城壁の上が騒がしくなったきたわよ」


「何だろう、敵の増援か?」



 次の瞬間、とっさに伏せるセラ、セラだけではない、城門の方を向いていた全員が防御の姿勢を取った。

 そして城門とは反対側を向いていた俺の体に、粉々に砕け散った木材が横殴りの雨のようにぶつかる。


 轟音などしない、閉ざされた城門は音もなく粉砕されてしまったのである。

 聞こえるのは舞い上がった破片が地面に落ちる音、そして門の外で触手が蠢く音のみだ。



『ハンマー女が出たぞっ! アイツが城門を破壊したんだっ!』



 城壁の上から攻撃していた兵士の1人がそう叫ぶ。


 俺の位置からは既に門を潜って侵入した触手軍団しか見えない、だがその中に、触手だらけの軍勢のどこかにハンマー女が居るのであろう。


 半分寝ていたミラとリリィも今ので目を覚ましたようだ。

 もちろん帰るのは中止、もう一度戦闘態勢を取り直す。



『は~い、皆さ~ん! 皆さんの信じる神はすぐ近くに居られますよ~っ! その御名の下にこの地を蹂躙して下さ~い!』



 女の声だけが聞こえてきた、ついでに言うと高く掲げられたハンマー、というより木槌がチラッと、触手の海の中からその姿を覗かせた。


 そのハンマーの見える位置は動かず、触手メデューサ共もそれを回避してこちらに向かっているようだ。


 しかし『皆さんの信じる神』か、確か帝国人は卑怯だか被教だか言う実態のない神を信じていたのであったな、その神にあの『名もなき神』を据えて奴の命令を聞かせたということか……



「どうするの勇者様、ボケッとしてないで早く対応しないと、完全に王都の中に入られちゃうわよっ!」


「おっとそうだった、リリィ、もう城壁が焦げようが関係ない、入って来る触手野朗共を全部焼き払うんだ!」


『はいは~い!』



 リリィのブレスにより巻き返しを図る、王都内でここまでするのは珍しいし、飛び散った燃えカスなどが火災の原因にならないとも限らない。


 だが背に腹は変えられないのだ、ここで触手軍団に突破されれば王都は朝まで触手パラダイス、そして明日の夜以降もまt動き出した触手が暴れ回ることであろう。


 既に黒々と焦げてしまった城壁であるが、この程度の被害は許容すべきだ。



「ではご主人様、私も火魔法で戦うべく前に出ますの」


「おい待てユリナ、お前が何かすると二次的な被害の方が大きくなる、そこで大人しくしておけ」


「……つまらないですの」



 とはいえユリナの特殊火魔法、即ち大爆発をこんな所で使わせるわけにはいかない。

 もう少し敵を押し戻すことが出来れば考えなくもないが、その頃にはもう大規模魔法など不要な数になっているはずだ。


 残念そうにするユリナをお仕置き用強力クリップで脅し、俺達と共にリリィが取りこぼし、王都内部への侵入を図る触手メデューサをチマチマ潰す役目に留まらせた。



『ご主人様、あのハンマーの人の所だけ炎が弾かれますよ、どうしますか?』


「気にするな、今はとにかく触手を焼かないと、奴への対応はその後だ」



 確かにあのハンマーが掲げられている位置だけは炎の影響を受けていない。

 良く見るとその付近は丸い光のたまに包まれているようだ。


 だから触手軍団もあの場所を避けて進んでいるのか……



 そのハンマーを見据えながら戦いを続ける。


 敵の数はかなり減ってきたようにも思えるのだが、防御の要であるリリィの力も弱まってきている感が否めない。


 徐々に打ち漏らし、後方で待機する俺達や筋肉団、そして応援のため駆けつけた王国軍精鋭部隊の所まで到達する触手メデューサが増えてきた。



 そろそろ限界か、城壁の上で奮戦していた火魔法使い達も魔力が枯渇し始めているようだ、次々にリタイアし、その場にへたり込んでいる。


 こうなってしまったらもう肉弾戦しかない。

 敵の群れに突っ込んで行き、気合で押し戻すのだ。


 すぐ近くで戦っていたゴンザレスも同じ考えに至ったようである……



「おう勇者殿、俺達は前進するが、そっちはどうする?」


「こっちも出るよ、だが女の子ばかりだ、服を溶かされると困るから出来るだけ後ろに隠してくれ」



 気持ちの悪い触手にはなるべく触れたくはない、あと服を溶かす白い液体にも要注意だ。


 だがこのデカい連中の後ろであればさほど気にすることもないであろう。

 俺達は後ろにこぼれてくる敵を地道に撃破していくのみである。



 王都への最終防衛ライン、それから疲れ切ったリリィの面倒を王国軍の連中に任せ、前に出た。

 触手の撃退もそうであるが、遠くに見えるあのハンマーの主をどうにかすることも目的の1つだ。



 敵を蹴散らしながら進むゴンザレス達に続く、俺達より後ろには1体たりとも通さない心構えである。


 ……心構えは良いのだが、ボトルネックになった城門を抜けた途端、それを守り抜ける可能性はゼロになった。


 敵が分散しすぎているのだ、俺達が少ない人数でどれだけ頑張ろうとも、離れた所をスルーして城門の法に向かってしまう触手メデューサも多い。


 となれば雑魚は城壁の上の火魔法使い、そして前進して城門の手前に現れた王国軍精鋭部隊の一部に任せることとしよう。


 俺達は親玉であるハンマー女の居る地点をまっすぐに目指すべきだ。

 アレなら気持ち悪くないから十分に戦えそうだしな……



 敵を掻き分けながら進んでいたゴンザレス達がハンマー女のラインに到達し、それを抜ける。


 近くを通った筋肉団員が攻撃を仕掛けたようだが、まるで効果は得られなかったようで、そのまま後方の触手を全滅させる作戦に出たようだ。


 巨大な筋肉団員が通過した後にはほとんど触手メデューサが残っていない、その空白となったエリアのど真ん中に……見えた、あれが敵の首魁、ハンマー女だ。



 女神が着ているようなギリシャ神話風の衣に身を包み、黒髪で細目、確かに優しそうな雰囲気ではある。

 だが手に持った得物はその体の倍以上、普通の女性であればのハンマーを持ち上げることすら叶わないはずだ。



「あら~、遂にここまで辿り着いたのですか、ちなみにあなたが異世界勇者で間違いありませんね? さっき通って行った人間ではなく」


「そうだ、てかさっきのムッキムキマッチョマン達が勇者なわけなかろう、ビジュアルに問題があるぞ」


「まぁ、そう言われればそんな気がしなくもありませんね、それで、あなたは何をしにここへ?」


「お前を張り倒しに来たんだ、その衣を剥ぎ取っておっぱい丸出しにしてやる、覚悟しやがれっ!」


「あらあら、噂通りのエッチな方でしたね」


「黙れ、これでも喰らいやがれっ!」



 お決まりの聖棒による突きを繰り出す……だが手前で、ガキッと音を立てて止まってしまった。

 リリィのブレスも、そして触手軍団の行軍も避けて通った光のバリアに阻まれたのである。


 次いでカレンとマーサの同時に放つ一撃、これも無効。

 後ろから放たれたユリナのレーザー火魔法も反射し、空へと消えて行った。



 振り返ると、精霊様が腕を組んでムスッとしている。


 何もしないところを見るに、通常の攻撃があの光のバリアを透過出来ないことを知っているのであろう。

 極大の雷魔法を喰らわせようと動いたセラを制止したあたりもその説を補完する。



「あなた、それ神の気で練った箱舟よね? どうして神でないあなたがそんなものを使えるのかしら?」


「あら~、バレちゃいましたか、これは名もなき神から貸与を受けた箱舟、使う分には誰でも大丈夫なんですよ」


「で、その中に入ったままでどうするつもり? 攻撃は効かないけど、あなたから攻撃することも出来ないはずよ」


「……そこまでお見通しでしたか~、じゃ、今日はもう帰っちゃいます、まだ触手のストックは沢山ありますし、また明日、今度は別の門から来るかもです、それではごきげんよう」



 そう言い残し、先日の金髪巨乳女同様光の粒となって消えたハンマー女。

 完全に消えたと思いきや、何かを落として行ったようだ……身分証?



 落ちているものは拾得する主義のミラがそれを拾い上げる。


 肖像画ではなく写真付き、どう考えても身分証の類だが、俺達の誰にも書いてある字が読めなかった。

 辛うじて精霊様が判読したのは、奴の名前が()()()であるということのみ。


 これは女神の所へ持って行こう、女神であれば神界の文字が読めるはずだ。

 ついでにあの箱舟だか何だかに対抗する術がないかも聞かなくてはならないな。



 俺達がウテナと話している間、戦いを続けていたゴンザレス達が戻って来る。

 いつの間にか触手軍団はほぼ殲滅されていた、今日の戦いはこれで終わりか。



「俺は屋敷に戻る前に王宮へ寄る、セラは皆を連れて先に帰ってくれ」


「わかったわ、先にお風呂に入って寝ているかもだから、夜食は残しておくようにアイリスちゃんに頼んでみるわね」



 軍に頼んで馬車を出させ、ハンマー女の落としていった身分証を持った俺は王宮へと向かった……



 ※※※



「ちぃ~っす……あれ、女神も居ないし駄王もババァも……どこへ行った?」


「これは勇者殿、東門の敵襲に行っていたのでは?」


「そっちは終わったんだ、ちょっと女神に用があってな」


「左様か、では案内するゆえ付いて来てくれ」



 高級な鎧を装備した上級の兵士に連れられ、女神が居るという豪華な部屋の前まで案内された。

 女神の他にも駄王やババァ、そして将軍が1人この部屋に居るという。


 何か秘密の作戦会議でもしているのか? だとしても俺が入ることで不都合が生じるものでもないはずだ。

 兵士が去った後にドアに手を掛け、ゆっくりと開く……



「リーチです!」


「なんとっ! このリーチは全く手が読めませぬぞ」


「さすがは女神様! 素晴らしい!」



「……こんなときに接待麻雀してんじゃねぇよボケェッ!」


「ふごべっ!」



 とりあえず駄王をぶん殴っておく、その拍子に飛び散った血潮が手牌を赤く染めた。

 赤ドラが増えたようで何よりだ、貴様はしばらく気でも失っておけ。



「おい女神、ちょっとコレを見るんだ、俺には書いてある文字が読めんが、どうもウテナとかいうハンマー女のものらしい」


「ウテナ……確かに彼女ですね、ということは今日発生していた襲撃に現れたと……」



 どうやらこの身分証は神界に入るためのものであるようだ、女神も懐から同じもの、いやウテナのは銀、女神のは金だが、とにかくそれ以外は全く同様のものを取り出した。



()()()に続いてウテナまでもが現れたとなると、あの神は本格的にこの地を手中に収めるために動き出しているようですね」



 サテナというのはあの金髪巨乳女のことか、ウテナにサテナ、どちらも今回の主敵であるぬらりひょん神の配下であるとのこと。



 ウテナは古くからぬらりひょんに使われていた存在で、あのハンマーを使って奴と敵対する神の事務所にカチコミを入れていたらしい、明らかに神のやることじゃねぇだろ。


 一方のサテナ、つまりあの金髪巨乳女は最近、といっても1,000年程度前にぬらりひょんに拾われ、ウテナにちなんでサテナという名前を貰い受けたそうだ。


 元々は神界でスリや空き巣を繰り返すケチな犯罪者であったらしい、清く正しい神界のイメージは脆くも崩れ去った。



「とにかくだ、あのウテナとかいう女は箱舟だか何だかを使っていて、こっちの攻撃がまるで通用しないんだ、どうすれば良い?」


「う~ん、そうですね、箱舟を使っている間は攻撃が出来ませんので、何かをするために出て来たところを狙撃、とかどうでしょう?」


「無理に決まってんだろ! もっと現実的な対策を用意しろや」


「そう言われましても……あれ? 何でしょうかこの音は……」



 俺も思った、既に夜中であるというのに、どこかで建築工事をしているような凄まじい音。

 それが数秒前から鳴り始め、徐々に大きくなってきているのだ。


 いくら救い難い馬鹿の巣窟であるこの国の王宮であってもこれはおかしい、近所迷惑の域を超えているではないか。


 そもそも馬鹿の筆頭は俺に殴られて麻雀マットの上に突っ伏して気絶している。

 となるとこの音は……やはり大慌ての兵士が飛び込んで来た……



「申し上げますっ! 何者かが王宮に侵入、おかしなハンマーで壁をぶっ壊しながらここへ向かっています!」


「来やがった! でも何でここがわかったんだ?」


「あ、その身分証、GPS機能が付いていますよ、失くしたときのために、それを辿って来たんじゃないでしょうか?」


「……先に言えこのクズ女神」



 次の瞬間、俺達が居る部屋の壁が何の前触れもなく粉々になる。

 辛うじて残った部分も崩れ落ち、それが先程まで聞こえていた凄まじい音を立てた。


 その崩れた壁の向こうにはウテナ、俺の顔を見て何かホッとしたような表情を見せ、近付いて来る。



「ようやく見つけました、あら、この世界の女神様もご一緒でしたのね」


「何しに来たんだお前は、てか壁弁償しろや、ここ俺んちだからな!」



「……勇者よ、ここはおぬしの屋敷ではないのじゃが」



 せっかく見栄を張ったのに冷静なババァに突っ込まれてしまったではないか。

 そして何も答えずに辺りを見渡すウテナ、机の上にあった身分証を発見したようだ。



「あったあった、もう私ったらすぐに落とすんですよ、また叱られる前に見つけられて良かったわ」



「ウテナよ、あなたは一体何をしているのですか? どうしてあのような腐った神に従い、この世界を襲うのですか? 何かおかしいと思いませんか?」


「え~っと……ごめんなさい、私は使われている身なので、主である神に逆らうことなど出来ませんから、物理的に……とりあえず失礼しますっ!」



 そう言ってまた消えてしまったウテナ、どうやら自分の意思でこのような悪行に手を染めているというわけではないようだ。


 だが本人の言う通りであれば、何らかの力によってその行動に制約が掛かり、たとえ自分のやっていることが悪だという認識があったとしてもそれを止めることは出来ないのであろう。


 つまり説得の余地はないということだ、ウテナにしてもサテナにしても、暴力で制圧して言うことを聞かせるほか道はない。



「勇者よ、今のを見ていましたか?」


「見ていたって、何を?」


「あなたの目は節穴ですか? それともおっぱいしか映らないガラス玉ですか? ウテナの使っていた箱舟ですよ……」



 女神曰く、ウテナが壁を打ち壊す瞬間、自ら箱舟から前に出てハンマーを振るい、その直後に箱舟が追いつくような格好でウテナを包み直したという。


 つまり、ウテナが無防備でいるのはその瞬間、ハンマーを振るって何かを打ち壊した一瞬であるということだ。


 それ以外にやつを叩く術はない、これは少し作戦を考えなくてはならないようだな……

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