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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第九章 残党とすら呼べない
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234 あのお方・そのお方

 崩れ落ち、まるで壊れかけた屋根だけで出来ているような屋敷の残骸に接近する。


 臭い、これは敵ではなく庭にある堆肥が飛び散った臭い。

 不潔系ゴーレム使いの臭いを誤魔化すために置いていたようだ。


 そして、それとはまた違った悪臭が瓦礫の山から漂ってくる、これはそいつ自体によるものなのか、それともしばらくここを使う間に染み付いたものなのか……



「あの~、どなたかいらっしゃいますか~?」


『誰か……誰か助けてくれ……』


「どこですか? 大丈夫ですか?」


『ここ……だ、大丈夫……ではない……』



 声のした地点の瓦礫を退かす、デブだ、すげぇデブが倒壊した屋敷の残骸に押し潰されている。

 パトラに創らせたフィギアにそっくり、コイツがマイクロゴーレムマニアとか何とかだ。



「ここに居られた方はとある組織の一員なんですよね、これで全員ですか?」


『いや……幹部の一部だけ……とにかく助けて……』


「そうですか、では構成員リストをご提出頂けるのならお助けしますよ」


『建物が……潰れた……正面から見て……右端……』


「承りました、では死ね」


『ひぶぽっ!』



 瓦礫から露出していたデブの頭に聖棒を突き立てる、これが俺なりの助けだ。

 来世はキモくない奴に生まれ変わってくれよと願いつつ、消えゆく命を見送った。


 さて、構成員リストは屋敷の右端か、臭っせぇ輩もどこに埋まっているのかわからないことだし、まずはそちらを捜索していくこととしよう。



 立ちこめる嫌な臭いの中、先程教えられたスポットの捜索を開始する。


 やはりこの建物全体に臭いが染み付いていたようだ、汚い手でベタベタと色々な所を触っていたわけだし、これは当然の結果であろう。


 しかし今回は臭いだけだから良いが、これが感染症を引き起こす何らかの菌などであったら目も当てられない。

 改めて手洗いの重要性が確認されたな……



 などと考えながら瓦礫を掘り進める、あった、押し潰されて壊れたタンスの中に紐で束ねられた紙。

 捲ってみると、中には名前のような住所のような、俺には読めない文字で何かが書き連ねられている。


 きっとユリナやサリナあたりであれば読めることであろう、臭くて敵わないし、とりあえずこれを持って脱出だ。



 皆の下へ戻り、入手した資料をユリナに渡す……受け取りを拒否されてしまった、臭いらしい。



「ご主人様、ちょっと開いて見せて下さいですの、でもあまり近づけないで」


「はいはい、こんな感じか?」


「いやぁぁぁっ!」


 生意気なことを言うユリナの顔面に臭っさい資料を擦り付けてやった。

 涙目になってむせるユリナ、俺はそこまで臭いと思わない、あの屋敷の周辺に居たから感覚が麻痺したのか?



「ほらユリナ、早く読むんだ、上から順番にな」


「酷いですの、涙で字が読めませんわ……」



 情けないユリナはダウンだ、ここはサリナに読ませよう。


 後退りするサリナに迫り、顔の前に資料を突き出す。

 全くどいつもこいつもこの程度の臭いにビビりやがって……



「ご主人様、ここに書いてある1番の人、それから2番目の人も名前じゃありませんよ」


「名前じゃない? じゃあ何が書いてあるんだ?」


「最初の人は『あのお方』、次は『そのお方』です、3番目も汚い奴としか……」



 なんと、万が一誰かに奪われても情報を秘匿するためなのかは知らないが、意味不明なコードネームで記載された名簿であったようだ。


 しかも明らかにわかる不潔系ゴーレム使いの名前が3番目だと? あいつがナンバーワンではなかったということだ……つまりその上に君臨する2人をどうにかしない限りリスクから解放されないのか……



「とりあえず勇者様、不潔系ゴーレム使いを殺さないとよ」


「だな、だが埋まってしまって居場所がわからん、生きているのはおそらくそいつだと思うんだがな」


「困ったわね、臭いから近づきたくないし」



 と、そこへ様子を見に来たと思しきゴンザレスが現れた、ちょうど良い、あとの処理は筋肉団に全て任せてしまうこととしよう。


 ゴンザレスに状況を伝え、残った例のゴーレム使いを始末、または捕獲して欲しいと頼んでおく。

 この連中であれば失敗することもないであろう、俺達は帰っても良さそうだな……



「じゃあゴンザレス、あとは頼んだ、敵は一応生きているから気を付けるんだぞ」


「おうっ! 任せておくんだ!」



 ただの残務処理だというのに気合を入れるゴンザレスを残し、臭い臭い構成員リストを袋に入れて屋敷へと戻った……



 ※※※



 屋敷に帰り着くとすぐ、地下牢に放り込んであったパトラを連行する。

 もちろんラフィーが居るため目隠しをしたままだ。



「うひょっ! お姉さまの香りが漂っていますね、どこですか私のお姉さまは?」


「少し離れた所でドン引きしているぞ、お前がキモすぎてな……」



 なかなか可愛らしい顔立ちをしているというのに、どうしてこうなんだこの女は?

 まぁ良い、早速『あのお方』と『そのお方』について聞き出すこととしよう。



 パトラを床に正座させ、質問を始める……



「えっと、そんなお方達は全然知りませんが、本気で初耳です」


「嘘じゃなかろうな、もし嘘だったらお前の目玉を刳り貫いて二度とラフィーのお姿を拝見出来なくするぞ」


「本当ですってば、だからそんな残酷なことはやめて下さい!」




 その後、頬っぺたを抓ったりこめかみをグリグリしたりといった拷問を加えたものの、パトラは本当に知らないの一点張りであった。


 構成員リストでもあのような書き方になっていたわけだし、もしかすると一般会員的な雑魚連中には秘匿されていた情報なのかもな。



 ついでに縛り上げて部屋の隅っこに転がしてあったラフィーにも聞いてみるが、こちらも知らないという。

 ラフィーが嘘をついて隠す必要はないし、こちらは信じても良さそうである。



 しかしそうだとすればそのトップ2を最初から捜索し直さないとだ。

 いや、向こうから動き出す可能性もある、先に襲撃を受けるのはこちらかも知れない……



「勇者様、私思ったんですが、あの儀式に参加していた中にその2人も居るのでは?」


「その結果に終わるのが一番ベストなんだが、もし王都内でそいつらが行動していたとしたらどうしてあんな臭くてイメージの悪い輩を前面に押し出していたんだ?」


「う~ん、確かにアレは人前に出しちゃいけないタイプですよね、あんなのを出すぐらいなら自ら前に出ます」



 トップ2が自らの存在を秘匿しておきたいということはおおよそ見当が付く。

 しかしそれでもナンバー3である不潔系ゴーレム使いを仮のトップにするであろうか?


 あんなのがトップだと知ったら誰がその組織に入ろうと思う? あの屋敷に集合するのも臭すぎて嫌であろうに。



「ダメだ、ここで考えていても埒が明かないぞ、とりあえず構成員リストを持って王宮へでも行こう」


「あのね勇者様、そんなものを王宮に持って行っても誰も読めないと思うわよ」


「何で? あぁ、全員馬鹿だからか」


「その前に言葉が違うのよ……」



 そういえばそうであった、敵のアジトから回収したこのリスト、魔族固有の文字で記載されているのであった。


 ではこれをどこに持って行けばトップ2の正体とその所在に関する調査が進むのか?

 それはおそらく敵方である魔王軍だ。



 そもそもこの件は魔王軍内部から生じた問題である。

 一部の馬鹿共が暴走し、ラフィーを取り戻す、いや、手中に収めるために始めたことなのだ。


 普通であればこれを放置し、魔王軍が内側からおかしくなっていくのをポップコーンでも食べながら眺めているところだが、今回はそうもいかない。


 連中の暴走によって魔王軍も困ることは困る、これに続くようにして命令無視をする輩が現れかねないからな。


 だが実際に襲撃を受ける側であるこちらはさらに損害を被ることになるのは明白、であればこの件は敵である魔王軍と情報を共有してでも解決しておくべきだ。



「ちょっとトンビーオ村に伝書鳩を送ろうか、メイかドレドに頼んでエリナを呼び出して貰おう」


「わかりました、では王宮に書状を預けて送って貰います、イレーヌちゃん、ちょっと来てくれない?」



 天井から飛び降りて来たイレーヌ、気が付かなかったのだが、ずっと上に貼り付いていたのであろう。

 カレンとかが真似すると困るからそういうのはやめて欲しいのだが……



「話は聞いていたぞ王女様、この豚野郎が敵の女の子を呼び出してエッチな悪戯をしようとしていると伝えておけば良いんだな?」


「おいてめぇ、全く聞いてなかっただろ、エリナを呼び出すだけだ、エッチな悪戯はしないぞ……たぶんな……」


「王女様、豚の鳴き声がうるさいから静かにさせてくれ」


「イレーヌちゃん、この豚はちょっと頭が悪いの、許してあげて」



 なぜ俺の扱いはこうも酷いのだ? というかマリエルまで俺のことを豚野郎扱いしやがって、後で100連カンチョーの刑にしてやろう。


 とにもかくにもイレーヌにマリエルがしたためた書状を渡し、これでエリナへの連絡は完了である。

 あとエリナの到着までにこちらで出来そうなことは……



「お~う勇者殿、居るか~っ?」



 ちょうどそのとき、庭に野生のゴンザレスが出現したではないか、敵のアジトを片付け終えたのであろう。

 窓から身を乗り出し、こちらへ上がって来るようにと伝えた。


 テラスへ続く階段が壊れんばかりの音を立てる、ぬっと入室したゴンザレスの手には、血が滴る2つの生首が……入って良いとは言ったがそんなものを持って来て良いなどとは言っていない……



「勇者殿、これが自爆ゴーレムマイスター、それからこっちのハゲがマイクロゴーレムマニアで間違いないな?」


「お……おう、出来れば早くしまってくれ……というかメインの不潔野朗はどうしたんだ?」


「アレは生け捕りにしたのさ、今頃王宮でアッツアツのピンセットを使って肉をちねる拷問を受けているはずだぞ、ちなみに全身消毒済みだ」


「そうかそうか、ならそこからもトップ2の情報が得られるかも知れないな」


「うむ、ひたすら命乞いをするような腑抜けであったし、すぐに口を割るだろうよ、では俺は王宮へ行くとしよう」


「おう、何かわかったらまた連絡をくれ」



 これで『あのお方・そのお方』の探索ルートが2つに増えた、だがこれではまだ少ない、もう1つ手を打っておこう……


 そういえばラフィーに大量生産させた超小型ゴーレムは役に立っていないままであった。

 これを流用しよう、王都内で『あのお方・そのお方』と呼ばれている奴を片っ端から摘発してみるのだ。



「ラフィー、マイクロゴーレムの設定を変えて別のターゲットを探すことが出来るか?」


「ええ、出来るッスよ」


「じゃあこのリストに書いてある2人、つまりこの呼び名を誰かが発したのに反応するように変えてくれ」


「わかったッス!」



 ラフィーが魔力を送ってマイクロゴーレムの設定を変える、途端に複数の反応……一番近いのは近所の公会堂だ、まずはそこへ行ってみよう……



 ※※※



「どうも~、新進気鋭の漫才コンビ、あのお方・そのお方でぇ~すっ!」


「いやっ、自分で新進気鋭とかいっとるんやないでっ!」



 営業に来ていた売れない芸人であった、しかもすげぇつまらん。


 こいつらは間違いなくハズレだ、次行こう次!

 2番目に近い場所へと向かう、今度は薄暗い路地裏の怪しげな建物だ。


 これは少し可能性が出てきたな……



「何だお前達は、あのお方に会いたいのであれば合言葉を言え」


「知るかそんなもの、死ねっ!」



 入口に立っていた見張りを殺し、建物の中へと侵入する、奥のソファに座っていたのはしょぼいサラリーマン風のおっさんであった。


 部下を殺した俺達の侵入にも全く動じないその男、かなり場数を踏んでいるようだ。

 だが残念なことに普通の人族である、コイツもハズレか。



「勇者様、この人はたぶん非合法組織のボス、通称『あのお方』ですね」


「何だ、そういう系のあのお方だったか、さっさと殺して次に行こう」



 目の前に居るあのお方、精霊様の放った水の弾丸で頭を吹き飛ばされ、その場に崩れ落ちた。

 すると、奥の部屋からもう1人、全く同じ顔をした男が現れたではないか、影武者であったか……


 当たり前のように死体を退かし、ソファに座ってくつろぐあのお方ver2.0、どうせコイツも影武者だ、放っておいて3つ目の反応を探りに行こう。



 その後も色町のドン、中二病患者、犯罪グループを影で操っていた貴族など、あのお方・そのお方と呼ばれている王都中の人間を当たってみるものの一向に当たりを引かない。


 というかトップ2がこの付近に居る可能性はもうないに等しい、王都だけでなく、付近の町村にも捜索範囲を広げるべきだ。


 だがすぐにというわけにもいかない、ここは残りの2つ、王宮での不潔野朗の供述と、それからそのうちやって来るであろうエリナからの情報に期待しておこう。


 とりあえず屋敷へと帰り、特にやることもなくまったりしておいた。


 念のため敵襲への警戒は怠っていないが、そもそもカレンやリリィが庭を走り回っている時点で十分である、裏の畑にはマーサも居るしな。


 もうここからは単純な情報待ちだ、風呂に入って、それから酒でも飲んで寝てしまおう……



 ※※※



「おはようございます勇者様」


「ん? マリエルか、王宮での拷問はどうなったんだ?」


「今ちょうど報告があったんですが、あの不潔野朗、他のことはペラペラと喋るのにあのお方やそのお方の話になると急に黙り込むそうで……」


「使えねぇゴミクズだな、もっとガンガン拷問してやれよ」


「既に足の先からジワジワミンチにしていく段階に入っているそうで、これ以上やると公開処刑の前にしんでしまうらしいです」



 さすがにそれは拙いか、郊外の方とはいえ屋敷が1つ崩れ去るような事件が発生しているのだ。

 しかも作戦決行時には付近の住民を強制的に避難させている。


 これでその事件の中心に居た敵が生け捕りにされたはずなのに公開処刑されないとなると王都民は黙っていない。


 というかもうこの事件の情報は広まり、王都の皆は奇怪な不潔魔族の残酷な処刑ショーを楽しみにしているのだ、ゆえに奴を殺してしまうのはNGである。



 となると頼みの綱はエリナか、そろそろこっちへ来る頃……



「あら、南の空に鳳凰が飛んでいるわよ」


「おっ、エリナだ、精霊様、すまんがちょっと行って領地の方へ誘導してくれ」


「わかったわ、じゃあいってきます」



 南に向けて飛び立つ精霊様、俺はセラとユリナ、サリナを連れ、例の構成員リストを持って領地のプレハブ城横で待機した。


 地に降り立った巨大な鳳凰、その上からひらりと下りたエリナ……なぜか余所行きの格好をしている、尻尾もパンツの中にしまったのか……



「どうも勇者さん、この間言っていた組織の構成員リストを入手したんですって?」


「そうだ、だがエリナ、その格好は何だ?」


「あ、帰りにちょっとこの町でお買い物でもしようと思いまして」


「敵を王都に入れるわけがなかろう、まぁどうしても入りたいというのであればこの王都Tシャツを着るんだな、ちゃんとシャツインするんだぞ」


「うわダサッ……お買い物は諦めます……」



 さて、そんなくだらない話をしている場合ではない、ここから本題へ入ろう。


 構成員リスト(除菌・消臭済)をエリナに手渡しつつ、『あのお方』と『そのお方』について質問する。

 その質問に対する反応を見る限りでは、エリナもそのトップ2の存在は知っているようだ。



「その2人についてはこっちでも捜索を始めているんです、でも全然情報がなくて……」


「比較的上位の構成員を捕まえて拷問すればどこかからポロッと出るかもな、不潔系はこっちで押さえているが、他を捕まえたら聞いてみてくれ」


「わかりました、あと、そちらで構成員を捕らえた場合、特に問題がなければこちらに引き渡して下さい、軍法会議でこの組織の参加者は全員縛り首と決まりましたから」


「ああ、じゃあそういう方針でいこう、また何かあったらお互い連絡を取り合うぞ」


「ええ、ではまた後日」



 再び鳳凰に乗り込んで飛び立っていくエリナ、引き渡す、とは言ったもののこちらに事情があればそうしなくても良いのであろう。


 たとえば拷問中の不潔野朗とか、そして死刑にするのはあまりにも可愛そうなパトラとかがこれに該当する。


 今後、王都で事件を起こしたり俺達の屋敷に襲撃を掛けたりといった実際の敵対行為をした奴、それから可愛い女魔族に関しては引渡しをしない。


 それ以外、偶然捜査の網に引っ掛かったような奴をエリナにくれてやり、それで満足して頂くこととしよう。



 ではそういうことで帰ろうかと思ったとき、屋敷の方からミラが走って来る……



「大変です勇者様、またマイクロゴーレムが『あのお方・そのお方』をキャッチしたみたいです」


「どうせスカだろうに、そんなに慌てなくても良いぞ」


「それが……屋敷のすぐ近くなんです、さっきから皆で探していますが見つからなくて……」


「マジか!? 急いで戻るぞ!」



 走って屋敷を目指す、そして当然一番足が遅い俺は置いて行かれる。

 ようやく城壁に取り付けたドアを抜け、ふと屋敷の方を見た……空に、何か居る……



 そのまま庭に入る、上空の何かは2つ、かなり高いところを飛んでいるようだが、どちらも羽が生えた中級魔族であることはここからも確認出来ることだ。



「上だぞっ! 上を見るんだっ!」


「あら、あんな所に居たなんて、早速私がブチ殺してくるわね」


「待つんだ精霊様、最低でも片方は生かしておけ、話が出来る程度にな」


「拷問するのね、なら2体とも捕まえちゃうわよっ!」



 精霊様が飛び立つと同時に、敵らしき2体の魔族も急降下してこちらへ攻撃を仕掛ける態勢に入った。

 交錯する両者、だが実力が違いすぎるのである。


 たったの一手で羽をへし折られ、まるで煙に包まれた蚊トンボのようにクルクルと回転しながら墜落する2体の魔族。


 よし、こいつらを痛め付けて『あのお方・そのお方』に関する情報を聞き出そう。

 その話をしていたのは間違いないし、しらばっくれたらさらに酷い目に遭わせれば良いだけだ。



 地に落ちた魔族の頭を掴み、引き摺って屋敷の中に戻った、最高の情報を吐いてくれよな……

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