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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第九章 残党とすら呼べない
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231 スーパーミニマム

「やいてめぇ! 臭せぇんだよ、風呂ぐらい入りやがれ!」


『ぶふぉっ! 臭いのは私ではありませんよ、そのゴーレムです、正確には二層構造の内側部分のみですがね』



 てことはコイツは例の不潔系ゴーレム使いの野郎ではないのか? となると……マイクロゴーレムマニアとか何とかか、そういえばアリみたいなゴーレムが信号を出したのが始まりであったからな。


 視界が悪いうえに目が痛くて開けていられない、だが今喋った影が徐々にこちらへ近付いて来るということだけは確認出来る。


 現状勇者パーティーで動くけそうなのは俺と精霊様ぐらいか、あとは口と鼻を押さえて悶絶するか、完全に気を失っているかだ。


 そして俺も精霊様も動けるとはいえ臭いものは臭い、袖を口元に当てずに過ごしたのであれば鼻の奥の粘膜が焼かれ、しばらく無味無臭生活を強いられることになるであろう。


 いや、アレはキツいぞ、塩の味以外何もしないんだよな、以前風邪をこじらせたときになったことがあるが、全くもって生きている価値を見出せなかった。


 それだけは避けたい、どうにかしてこの臭いままの状態でありながら奴を討伐したい……



『ぶひょ、ゴーレム達よ、再びカラクリ女王様の奪還に向かうのだ!』


「おいっ! マイクロゴーレムマニアとやらっ!」


『いえ、違いますが』


「あ、違うの? すみません」


『私は自爆ゴーレムマイスターと呼ばれていましてね、先程破裂したゴーレムの外側部分は私の作です、どうです? 良いセンスをしているでしょう?』



 初めて聞く名前だが、コイツが例の不潔系ゴーレム使いとつるんでいることは間違いない。


 きっと汚らしい野郎がその薄汚い手でこねくり回したコアを、自爆出来るように設計された先程の小人ゴーレムで包んだのであろう。


 しかし良くそんな臭いのを触る気になったものだ……



 そんなことを考えている間にも徐々に近付いて来る運搬用ゴーレム、このままだと拙い、もうあの2体を討伐出来るだけの力は俺には残っていない。



 しかし、助け舟というのは都合の良いところに来るものである、敵とは反対側から近付くゴーレム並の体型をした変な男、ゴンザレスだ。



「お~う勇者殿! 何やら苦戦しているようだな」


「ああ……ちょっと臭すぎてな……」


「ん? 何が臭いというのだね、こんなのは俺の屁に比べたらむしろお花畑寄りだぞ」


「どんだけ臭いんだよ……」



 とにもかくにもゴンザレスはこの臭いが平気らしい。

 ここは助けて貰おう、それ以外にラフィーを守り切るための選択肢はないのだ。



『ゴーレム達よ、まずはあのゴーレム……人間なのか? とにかく奴を仕留めるのだっ!』



 突然の増援に慌てる敵、檻の方に向かわせていたゴーレムをゴンザレスの方へ差し向ける。

 同時に、サイズ差的に勝てはしないと見込んだのであろう、紫の気体の向こう側の人影が遠ざかり始めた。


 逃げるつもりだ、だが今は追い掛けることが出来ない。

 ここは見送って、討伐は次の機会に持ち越そう。



 あっという間に2体のゴーレムを捻り潰してしまったゴンザレス、続いて全身を振るわせて爽やかな汗を飛ばし、毒々しい紫の気体を中和し始める、きめぇ……



「待っていろ勇者殿、そのうち俺の仲間が現れてこの霧を全部中和してくれるはずだ」


「いつの間に呼んだんだ?」


「呼んではいないさ、ただこの雰囲気なら全員察して集合するはず」


「……ああそう」



 確かに周囲は大騒ぎであるが、遠くで警戒している筋肉団員がこの事態に気付いて集合するなど……そう思って振り返ったときには、既に全員登場していたようだ……


 筋肉で埋め尽くされる俺達の出店の周囲、もはやこの紫の臭っせえ気体がこいつらの出したものなんじゃないかとも錯覚する光景、それほどまでにむさ苦しいのである。



 だが、その感覚とは裏腹に視界がクリアになり始めた、空気は次第に澄み渡り、周囲の状況もはっきり見えるようになってきたではないか。



「ありがとう、助かったよゴンザレス」


「なぁに、これぐらいのことは王都筋肉団として当然……おっと、屁が出るようだ」


「ぎゃぁぁあぁぁっ! 臭っせえぇぇぇっ! 死ぬ、マジで死ぬからっ!」



 ちょうど風上に立ったゴンザレスの一撃をお見舞いされてしまった、意識が朦朧とする、というかグラグラして……もうダメみたいだ……



 ※※※



 目が覚める、屋敷の天井だ、いつの間に帰って来たのやら。



「あ、ご主人様が起きたみたいですよ」



 ルビアの声がする、同時にパタパタという足音。

 あれはアイリスか、何かをこちらへ持って来るようだ。



「お薬をどうぞ、そのままだと良くないみたいですよ」


「あ……ん?……」



 確かに、返事をしようにも喉が塞がった感じで声すら出ないではないか、かなり派手に炎症を起こしていると見える。


 渡された薬の瓶を1本丸々飲み干す、魔法薬のようで、数秒のうちに全ての症状が改善した。

 完全復活を遂げた俺はその後のことについて近くに居たルビアに尋ねる。



「私も目を覚ましたら王宮の兵隊さんに担架で運ばれている最中でした、その後お母さんが買って来てくれた今の薬を飲んで復活しました、皆同じ感じですよ」



 薬はシルビアさんが調達したのか、後で礼を言っておこう。

 と、何かを忘れているような気がする……



「そうだっ! ラフィーはどうした?」


「地下に居ますよ、皆で見張っているから安心です」


「帰ってきてそのままか?」


「ええ、さすがに入っていた檻からは出してあげましたが……」



 拙い、最初に位置情報を発信したと思われるアリのようなゴーレムは非常に小さなものであった。

 それが体のどこかに付着し、また敵に居場所を、今度はこの屋敷の場所を教えかねない。


 すぐにベッドから飛び起き、ダッシュで地下室に向かう。

 のんびり屋のルビアもアイリスも、小走りで俺の後を追った。



「あら勇者様、おはよう」


「セラは大丈夫か? で、ラフィーは?」


「私も魔法薬を飲んだから大丈夫、ラフイーちゃんならここよ」



 武器を抜いた状態のミラ、カレン、マーサ、ジェシカに四方を守られた状態のラフィー。

 今朝屋敷を出たときの服装のままだ、というか俺達も、すぐに服を洗濯しないとだな。


 ついでに風呂にも入っておこう、特にラフィーは入念に洗っておかなくては……



 ちなみに祭会場は午後も通常営業するらしい、シルビアさんも仕事のためそちらへ、そしてマリエルと精霊様もそれぞれの役目を果たすために広場に残ったという。



「とりあえずラフィー、さっさと全裸になれ」


「な……何をするつもりッスか?」


「洗うんだよ、早く脱がないなら引っぺがすぞ」


「ひぃぃぃっ! 脱ぐッス、脱ぐから乱暴しないで欲しいッス!」



 素っ裸になったラフィー、うむ、良い尻、良いおっぱいだ。


 ついでに俺達もその場に服を脱ぎ捨てる、魔力を奪う金属で出来た地下牢に入れておけば、どれだけ小さなゴーレムが中に潜んでいたとしても活動することは出来ないはずだ。


 すぐに風呂に入り、全ての服を新しいものに取替えて全員で2階に戻る。

 地下だといざというときに逃げられない、こちらの方が帰って安全であろう。



 落ち着いたところで、先程の自爆ゴーレムマイスターとやらについてラフィーから聞き出す。


 どうやらファンクラブ的な組織の中では目立たない存在であったものの、それなりに迷惑行為は行っていたようだ、目立たないといっても他が酷すぎるだけで、普通に考えればヤバい奴である。



「しかし自爆ゴーレムなんて、とんでもないモノを創る能力があるんだな」


「いえ、そのぐらいなら私も創れるッス、一撃でこの町を瓦礫の山にするぐらいの……」



 意外とポピュラーな能力であったようだ、だが頼むからためしに創ってみたりとかはしないで欲しい。



「というかラフィー、お前はどんなゴーレムでも創れるのか? あの小さいアリみたいなのとかも」


「あの人達が創るもので唯一私に出来ないのは不潔系ゴーレムだけッス、ちゃんと手を洗っているッスからね」



 なるほど、信奉するラフィーにすら創れないゴーレムの作成者であるその汚らしい奴が組織で一目置かれ、リーダー格となった可能性があるな。


 それか単に過激度が最大級なだけかも知れないが……




 とにかく、どこに居ようとまたあの連中がどこかで襲撃を仕掛けてくるのは確実だ。

 だがそれを座して待つよりは、こちらから打って出た方が間違いなく良い。


 そして、城門でのアルコール消毒作戦に何も引っかからなかったということは、既にアジトが王都内にあるものと考えるのが妥当である。


 まずはどうにかしてそれを探さないとだ、と、ここでラフィーのゴーレム作成技術を用いよう。



「ラフィー、ちょっと今日見たような小さいゴーレムを創ってくれないか?」


「良いっスけど、何に使うんスか?」


「大量生産して王都中にそれを放つんだ、ちゃんとあの臭っせえのに反応するようにしておけよ」


「わかったッス、じゃあ可能な限り小さいのを……」


「3億体創れ、今日中にな」


「・・・・・・・・・・」



 直ちに大量の岩が庭に掻き集められる、畑を拡張するときなどに出た邪魔な石や岩だ、ちょうど処分に困っていたところだから使い道が出来て良かったぜ。



 2階のテラスの柵から身を乗り出すようなかたちでラフィーの体を縛り付け、そこから魔力を送ることによって徐々にその岩石をゴーレムに変えていく。


 縛り付けたのは面倒臭そうな表情を見せたためだ、それでも最初はノロノロと作業していたラフィーであったが、馬用の鞭で尻を撫でてやると慌てて動き出した。


 今の時間は正午を回ったあたり、このまま放っておいて今日中に何体出来るのかは知らないが、とにかくその日に完成したものから順に王都に放っていくこととしよう。


 特に、今日の紫小人ゴーレムは王都の南側から広場へやって来たのだ、ということは敵のアジトもそちら側にある可能性が高い。


 南から北へと、徐々にサーチして行く方針でいこう……



「さて、私とミラで広場の出店を片付けに行くわ、コリンちゃんはもう行っているし、手伝ってあげないと」


「すまんなセラ、ミラ、食材は全部ダメだろうし、コリンに今日の赤字分をきっちり多めに計上するように言っておいてくれ」



 コリンには日頃から損失は計上すれども利益は計上せずに徹するよう指導してある。

 やはり経営は保守的に進めないとだからな。


 そして今回はそうすることにより、敵を倒した際にその残余財産から回収出来る俺達の損失補填分が増えるということになる。


 例えば今日の午前中だけで出店に携わった俺達全員の給与賃金がおよそ銀貨6枚分、これも費用計上してしまおう。



 セラとミラを見送り、しばらくラフィーを監視しながら護衛することとした。

 馬用の鞭は手に持ったまま、時折振り返ってこちらの様子を覗うラフィーを脅すのには効果覿面だ。


 だがこれの威力にはちょっと疑問を感じるな、短いし、その辺でゴロゴロしているルビアで試してみよう……



「ルビア、お前またグダグダしやがって、お仕置きの鞭を喰らえっ!」


「きゃいんっ! もっとお願いします!」



 ルビアの背中を捲って様子を見ると、先端が当たった所が幅広い蚯蚓腫れのようになっていた。

 それに気付いたラフィーの作業速度が格段にアップする、まだ本気ではなかったというのか。



 だがペースを上げすぎたようだ、1時間程経ったところでラフィーの手が止まる……



「どうしたラフィー、サボるなら覚悟は出来ているんだろうな?」


「違うッス、もう魔力切れなんスよ……」


「だらしない奴だな、そんなことでゴーレム道を極められると思ったか、喝っ!」


「あいたぁぁぁっ!」



 ラフィーの尻を鞭で引っ叩く、だが魔力切れというのであれば仕方が無い、ルビアに頼んで魔力回復薬を持って来させ、それを一気に3本飲ませておいた。


 ちなみに魔力回復薬のストックはまだまだ沢山ある、今日はそれを前放出するつもりで製造させよう。




 そのまま2時間、3時間と経過し、夕方になる頃にはラフィーの周りに大量の空き瓶が散乱する状況となっていた。


 まるで連日徹夜して何かを仕上げるブラック企業の社員の如くだ……



 そこへセラとミラ、そしてマリエルと精霊様も帰宅する、シルビアさんも一緒のようで、犬のように鎖に繋がれたコリンも連れられている。


 夕食用に大量のお土産を購入して来たようだ、そろそろ休憩にしてそれを食べよう、あともう一度風呂にも入っておくべきだな、そろそろ時期的に汗ばむ陽気だし。



「おいラフィー、今ゴーレムは何体ぐらい完成したんだ?」


「……3,000ぐらいッス、ついでにまた魔力が空っぽッスよ」


「3億創れと言っただろうが! だが今日はもう良い、明日も頑張れよ」


「ひぇぇ……」



 食事を取り、風呂にも入った、その後は今日ラフィーが完成させたマイクロゴーレムを王都に放つ作業だ。


 今朝広場で見たものよりはるかに小さい、ダニかノミみたいなサイズのゴーレムを窓から風に乗せて飛ばす、なんと自分で方角を判断し、王都の南半分に溜まるようにプログラムされているようだ。


 これをどんどん増やしていけばそのうち不潔野朗のアジトも見つかるはず、それまでは屋敷への襲撃を警戒して引き篭もるべきだな。



「さてそろそろ寝るぞ、アイリス、ラフィーの布団も準備してやってくれ」


「はぁ~い、わかりました~」



 この方が何かあったときすぐに対処出来る、当分はラフィーもこの部屋に住むべきであろう。


 結局その日も、その翌日も敵の襲撃はなかった。

 このまま諦めてくれればどんなに良いことか……



 ※※※



 祭の日から3日後、今日も今日とてマイクロゴーレムの製造と放流をしていた。


 ラフィーも創るのにかなり慣れてきたようで、今日1日でおよそ7,000体は作成可能とのことである。

 もっとも、目標の3億体には遠く及ばないがな、ちなみに3億とした根拠は一切無い。



 そしてその日の夜、通常通り食事をして風呂にも入り、布団を敷いて就寝した。


 今日も何もないのかと目を瞑り、しばらくすると寝てしまったようだ……だが夜中、敵の反応が接近して来たことで目を覚ます……



 屋敷の庭からまっすぐこちらへ向かって来る、単体のようだ。

 そんなに強いわけではないようだし、ここはしばらく様子を見よう。


 横でうつ伏せになって寝ていたカレンも気が付いたようで、ピクッと反応して起き上がろうとする。

 それを手で制止し、しばらくそのまま待機した。



 庭から2階のテラスへと続く階段を上がってこちらを目指すようだ、まっすぐ目的に向かうということはここにラフィーが居るのを知っているのかもな。



 階段を音も無く上がる敵、何かのツールを使ってこの部屋の壁に穴を空けているようだ。

 わざわざそんなことしなくとも、テラスの鍵は開いていますよ、穴の空いた壁は後で弁償させよう。



 直後、パキッと壁の外れる音、そこへゴソゴソと体を突っ込む敵……止まった?



『勇者様、明かりを点けるわよ』


『わかった、ちょっと確認してみるべきだな』



 既に起きていたセラが暗闇の中でそう告げる、ゆっくりと、静かに動いてランタンに火を点けるセラ、途端に部屋の中が明るくなる……



「きゃっ! ちょっと、バレていたのねっ!」



「何だこれは、どういう状況なんだ?」


「壁に女の子が嵌っているわね……」



 そこに居たのは髪を後ろでクルクルと巻いた作業着の少女、というか少女の見た目をした魔族、どうせ年齢はアレなのであろうが。


 とにかく壁を丸く切り落とし、その穴を通って屋敷の中に侵入を試みたということはわかる。


 そして、思いのほか穴が小さく、体の半分まで入ったは良いもののおっぱいと尻が引っ掛かって出られなくなったということも容易に想像出来る姿だ。



「ご主人様、こっちから見るとお尻だけしか見えませんよ」


「そうかリリィ、カンチョーしてやると良い」


「は~い! ていっ!」



「はぅぅぅっ! 待って、やめて欲しいのですけどっ!」


「わかった、リリィ、カンチョーは後にしてやれ、そしてお前何者だ?」


「私はカラクリ女王様ファンクラブの一員、フィギアゴーレムソムリエの()()()よ!」


「そうかそうか、じゃあリリィ、カンチョーを10発お見舞いしてやれ」


「ひぃぃぃっ! はぅあっ! きゃっ! あぁぁっ……」



 念のため明かりを点けるとすぐに後ろへ隠していたラフィーに、パトラの姿を確認させておく。


 どうやらこのパトラ、ラフィーのことをお姉さまなどと呼んで付き纏う変態さんであるらしい。

 当然ラフィーはそういうキャラではない、かなり迷惑していたそうだ。



「この子の創るゴーレムは見た目がかなり良いんスけど、ただポーズを決めさせて飾る以外の用途がないんスよね……」


「うん、フィギアゴーレムがどうのこうの言っていたしな、後で俺のフィギアも創らせて販売しよう」


「たぶん1個も売れないと……何でもないッス!」



 壁に嵌ったパトラはどう足掻いても抜け出せないらしい、このまま拷問して敵の情報を吐かせ、ついでにどうやって子の場所を突き止めたかも聞いておこう。


 だがこんな夜中に拷問を始めたら近所迷惑になる、それは明日の朝からとし、今日はもうこのまま寝てしまうべきだ。



「ルビア、このパトラとかいう魔族を縛り上げろ、朝までこのままにしておくぞ」


「わかりました、では手はこうやって、足はテラスの柵に向かって伸ばすように……」


「ひぇぇぇっ! 体が、体が引っ張られて……千切れる……」



 全く身動きが取れないレベルに固定されてしまったパトラ、この後やかましいと困るので猿轡も噛ませておこう、明日の朝を楽しみにしておくが良い……



 そのまま布団に入り、もう一度、今度は朝まで誰の邪魔も受けることなく寝ることが出来た。


 日が昇り、近所の人々が起きて活動を始めた頃、壁に嵌ったままで疲れ果てて眠っていたパトラを叩き起こす。


 さて、コイツからはどんな情報が得られるのであろうか……

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― 新着の感想 ―
[良い点] 壁尻カンチョー がある! [一言] やっと登場しましたね、壁尻カンチョー いつかいつかと待っていましたよ 毎回ちゃんと見てますんで次回も楽しみにしてます
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