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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第八章 ゴーレムの城
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227 作業系美女

 無駄なモグラ叩きゲームに興じた後、城の5階にあるカラクリ女王の部屋へと駒を進める俺達。

 階段を上った先には巨大な扉、緻密な彫刻が施され、その技術力の高さが一目でわかる逸品だ。


 正直言って美術品の類に理解のない俺でもこれは凄いものだと感じる、もし俺が元居た世界にこれを持ち帰ったとしたら、おそらくこの分野に造詣の深い人々を唸らせることが出来るはずである。


 これを外して持ち帰れば、新たにサイズに合う枠を造るだけの価値がありそうだ、後で差押さえシールを貼っておこう。



「良いかカレン、マーサ、絶対に壊すなよ、そっとあけるんだ、そっと……」


「大丈夫よ、見るからに高そうだもの、私なんかほら、謎の白い手袋をしているわ」


「うむ、それで良い」



 凄そうなものが鑑定番組に持ち込まれたときに専門家が使う白い手袋、どこにそんなものを持っていたのかは知らないが、とにかくマーサはそれを付けて扉を開けるらしい。


 一方のカレンは先程まで食べていた肉サンドウィッチの脂で手がべったりのままだ。

 こうなってしまえばもうマーサの努力は水の泡である……



 2人の手が扉に掛かった、重苦しい音を立てて外側に開く扉、その向こうには白と黒、色違いのタイルが互い違いに敷き詰められた広い部屋。


 柱などの装飾も凄く凝っている、これはきっとカラクリ女王とやらが自分で施したに違いない。

 とっ捕まえて屋敷の改装、いや、プレハブ城の再築でもさせようかな。



 とにかく中へ入る、部屋の奥にはいつものごとく巨大な索敵反応があるものの、暗くてその姿を視認することは出来ない。


 しかし、それとは別の反応がこちらへ向かってくるのがわかった。

 カタカタと音を立てながら徐々に近付いて来るそれは、明らかに生物の類ではない。


 ゴーレム……というか茶運び人形だ、かなり大きく、全長は1m以上もあるではないか。

 そして、当然のことながら茶を持っている、緑茶ではなく紅茶だが……



『ようこそおいで下さいました、お茶をどうぞ』


「おっ、喋る機能まで付いているのか、ではありがたく……」


「やめといた方が良いわよ、巨獣すらもグズグズに溶けて死ぬ猛毒が入っているわ」


「マジかよ!? ちょっと良い奴だと思ったのに、粉々にしてやるっ!」



 聖棒を振り回し、茶運び人形を粉砕しようと試みる。

 だが、俺の攻撃は悉く回避されてしまった、茶運び人形如きに……


 同時に飛び上がる人形、もはや何を目的として創られたものなのかわからないレベルの俊敏な動きだ。

 というか先程までのカタカタカクカクはどこへ行ったのだ?



 上から毒入りの茶をぶちまけて攻撃してくる人形、サッと後ろに引いてそれを交わし、空中で移動が出来ない隙を狙って叩き落としてやった。


 体が半分に折れ、さらには床に叩き付けられたことによって粉々になった人形をさらに踏み付け、もともとの形状がわからなくなる程度にまで粉砕する。



「やいっ! 奥に居るのはわかってんだぞ! くだらないおもちゃで遊んでないで出て来やがれっ!」


「あちゃ~、やっぱバレてたッスか、あのお茶を飲んでくれればラッキーとか思ったんスけどね……戦闘用茶運び人形じゃダメみたいッス……」



 暗がりからツカツカと歩く音が響く、現れたのは油まみれの作業着を着込み、キャップのつばを後ろに回して被った女性。


 胸元がザックリ空いているのがエロい、ルビアやジェシカには及ばないものの、ミラと同程度には発達したおっぱいを持ち合わせているようだ。


 髪の毛は長いものの後ろで束ね、作業向きのスタイルである。

 もちろん顔は凄まじく美しい、鼻の頭に黒い油が付いているのもナイスだ。


 だが、下がスカートではなくズボンであるのがわずかにマイナスポイントかな、パンツを見せやがれパンツをっ!


 まぁ良い、パンツは討伐した後にじっくり観察してやろう。



「お前がカラクリ女王だな?」


「そう呼ばれているッス、でもちょっとイヤなんで、()()()()って名前で呼んでくれて良いッスよ」


「じゃあラフィー、死にたくなかったら大人しく降参しろ、あとパンツ見せて」


「……どっちもイヤに決まってるッス、ゴーレムを召喚して戦うッスよ!」



 ラフィーの全身から目に見える程の濃厚な魔力が迸る、同時にその周りを囲むようにして現れた光のサークル、地面からゴーレムが出現するタイプか……


 いや、天井からワイヤーが垂れ下がり、それを伝って10体のゴーレムが降りて来たではないか。

 何が召喚だよ、天井裏に隠れていただけではないか。


 しかも場所がズレている、10体のうちまともに光のサークル内に着地したのは3体のみ。

 だがラフィーはそれを咎める様子もない、そんなことはどうでも良いらしい。



 しかし出現したゴーレム、もはやマッチョの人間と見紛うレベルの作品である。

 美術館にある彫刻を遥かに超えた出来だ、とても岩や土くれから作られているとは思えない



「いいっスか? 敵は超強いッス、皆がバラバラに攻撃しても敵わない、だから最初から変形合体するッス!」


「おいおい、夢の変形合体ロボかよ、俺にも作ってくれないか? あとパンツ見せて」


「それはこのゴーレムに勝ってから、私を捕まえて命令すれば良いじゃないッスか?」


「だな、じゃあ掛かって来いやオラ!」



 10体のゴーレムが一箇所に固まり、合体を始める。


 きっとここからガシャガシャと形を変えて……いや、思っていたのと違う、一度粉々に分解して新たな1体を再構築しているではないか。


 もっとカッコイイ感じで変形合体して欲しかったぜ、というかもうこんなキモいの要らない。

 ラフィーを捕まえたらやらせるのは屋敷と城の再構築だけにしておこう。



 他のメンバーもそのあり得ない変形合体の様子にドン引きしているようだ。

 全員が固まっているうちに合体が終わり、10体分の質量を持つゴーレムが完成する。


 デカい、10mはあるに違いない、というか天井に頭が刺さりそうじゃないか。


 というかジャンプしたら自滅しそうな予感だが、落下物が俺達目掛けて降ってくることも考慮しなくてはならない、それを狙った作戦は危険ゆえ考えるべきではなさそうだ。



「というかラフィー、お前はそこで見ているだけなのか?」


「そんなわけないッス、もちろん搭乗して戦スよ、とうっ!」



 飛び上がったラフィー……搭乗って、ゴーレムに肩車されているだけではないか・

 もっとこう、何と言うか、良い感じの搭乗方法がなかったのであろうか?



 ラフィーが乗ッたのを確認し、攻撃を開始するゴーレム、腕を振り上げたパンチはその大きさからは想像も出来ない速さであった。


 マリエルと俺の間を抜け、おそらくセラかルビアを狙ったと思しきパンチ、その後ろに居た精霊様が2人の襟を掴んで避けさせる。


 空振りに終わったゴーレムの攻撃、繰り出すのはかなり速かったが、その重さゆえ戻すモーションに入るまで一瞬の隙が生じるのであった。


 そこを逃す手はない、すかさず1歩下がり、その握り締めた拳を狙ってアタッチメント付きの聖棒を突き立てる。



 ……ここまでのゴーレムであればこれで指がバラバラになったのであるが、どうやら今回はそうもいかないらしい。


 ヒットした部分の表面だけがポロリと剥がれ、俺のとっさの攻撃はそれだけのダメージを与えたに過ぎなかった。



「何だ? 関節の魔力が途切れた感じはなかったぞ!」


「当たり前ッス、このゴーレムは最新式、関節ではなく全身に魔力の糸を張り巡らせるようにして構築されたゴーレムなんスから、合体のときにそうしたんスよ」



 なるほど、あのように粉々になって合体したのには関節だけに通っていた魔力を分散させ、細かい粒を塊にしたような感じにするためであったか。


 その仕組みで出来ている以上、今のように魔力を奪う金属を押し当てたとしてもその付近で魔力の流れが途切れるだけ。


 そしてこのサイズのゴーレムに対してその範囲はたかが知れている。

 デカいのにも訳があるということか……



「ちなみに攻撃も回復も自立型、だから壊れた部分の修復も自分で判断してちゃんとやる賢い子なんスよ」



 本当だ、剥がれ落ちた拳の一部を拾い上げ、破損箇所に貼り直しているではないか。

 ついでにどこから取り出したのか、絆創膏まで使って補強している……



「というかラフィー、全部自動ならお前もう乗ってる意味無くないか?」


「……確かにそうッスね、やっぱ降りるッス」



 ゴーレムの上から降りて来たラフィー、足が小刻みに震えている。

 高所恐怖症なのか、それともアル中か何かであろうか。



 とにかくこの超巨大ゴーレムをどうにかしないとだ。

 今までの戦略は通用しない新たな手を模索しないとだな。



「ねぇ勇者様、このゴーレムも大元は暗黒博士の技術なのよ、だったら雷魔法が効くんじゃないかしら?」


「だがセラ、それは内部の話だ、外側は完全に石で出来ているからな、雷魔法は弾かれる気がするぞ」


「そうかしら? ちょっとやってみるわ」



 ラフィーが乗っている間にやれば良かったのかも知れないセラの雷魔法。

 強烈ではあるが、ゴーレムの装甲によって完全に無効化されてしまった。



「ダメみたいね、じゃあ次はユリナちゃんの番よ」


「わかりましたの、この部屋ごと吹き飛ばして差し上げますわ!」



「おいこらユリナ、やべぇことするんじゃないぞ」



 やる気満々で前に出たユリナは一瞬ビクッとなり、魔法の発動を止めた。

 広いとはいえ、室内で大爆発を起こすつもりであったようだ、危険極まりない。



「仕方が無い、ここは地道に戦うぞ! 修復が間に合わないぐらい削って削って削りまくるんだ!」



 自動で修復するとは言ったものの、それはラフィー側から見て自動というだけだ。

 ゴーレムを主体とした場合、自分で破片を拾って張り直す作業が必要、つまり手動である。


 そしてその手動による修復が追い付かなくなるペースで破壊を続けていけば、完全に破壊し切るのは無理であろうが、もしかすると内部の重要なコアだのチップだのが露出する可能性がないとは言えない。


 そうなれば再びセラの雷魔法で叩く、ユリナがレーザー火魔法で焼き切る、はたまた精霊様が水の弾丸を放って水没させるなど、こちら側の攻撃手段は多彩なのだ。



 再度攻撃を仕掛けてきたゴーレム、そのパンチをミラが盾で受ける。

 だが重さは想像以上のようだ、硬いもの同士をぶつけ合う音が響き、ミラは右斜め後方に飛ばされてしまう。



「ちょっとミラ、大丈夫!?」


「いてて、完全に重さ負けよ、もっと食べて太らないと……」



 それでどうにかなる差ではないと思うのだが? とにかく見た目もアレだし生活習慣病予防の観点からも太りすぎるのはやめて欲しい。



 しかし攻撃を受けるのはNGだな、今のはジェシカが同じようにしたとしても結果が変わることはないであろう。


 ここは先頭をカレンとマーサに切り替えよう、特にマーサは攻撃をまともに受ける可能性がほぼない。

 挑発させてそちらに攻撃が集中するようにすればどうにかなるはずだ。



「マーサ、前に出て何か面白いことをしろ」


「……面白いって、私のセンス次第になるわよ」



 結論から言うとマーサの芸は究極につまらなかった。

 長いウサ耳をクルクルと交錯させ、『ドリル』とか言っている。


 どうしてそこまでつまらないことを思いつくのだ、もう見るに耐えない。

 ゴーレムは鼻くそをほじっているし、ラフィーは別の作業に戻ってしまったようだ。



「もう良いマーサ、普通に攻撃してゴーレムの注意を惹け」


「うぅっ……最初からそうすれば良かったのに……」



 こちらへの興味を完全に失っていたゴーレム、その右の肘辺りにマーサのパンチが直撃する。

 その先の手で鼻をほじっていたがゆえ、指先はに鼻にめり込んでしまった。


 指が折れ、鼻にヒビが入ったゴーレム、一瞬怯んだようだ、ここで一斉攻撃を仕掛けよう。

 マーサに続き、前衛組、そして俺とマリエルの中衛組も飛び掛った。


 後方からは魔法だのブレスだの、水の弾丸だのが連続で飛び、ゴーレムに追い討ちを掛ける。



「ご主人様、炎は全然効いていないみたいですよっ!」


「だな、リリィは前に出て拳で語り合うんだ、それからセラは雷魔法分の魔力を温存しておけよ」



 セラが精霊様よりも後ろに下がり、その代わりリリィが前に出る。


 ゴーレムと組み合うドラゴン形態のリリィ、全くもって押し負けているものの、わずかな時間でもゴーレムの動きを止められたことは大きい。


 その隙に攻撃を連発し、徐々にその装甲を剥がしていく、攻撃の手を緩めさえしなければ修復作業に移ることは出来ない、自分で修理する仕組みの欠点だな……



 徐々に体が削れていくゴーレム、時折パンチを繰り出してくるものの、先程から明後日の方角を向いて放っている、前が見えていないのか?



「やっぱり、勇者様、さっき右目を突いたらゴーレムの狙いがおかしくなりました、左目も潰してしまいましょう!」


「そういうことか、人間に寄せすぎて目でモノを見ているのも変わらないんだな」



 乱戦の中でマリエルがゴーレムの右目部分を破壊していたようだ。

 良く見ると確かに顔の一部の装甲が他よりも大きく剥がれているのがわかる。


 俺の正面にある左目を狙い、聖棒で一突き……目を瞑ってやり過ごしたようだ、瞼と眼球、2回攻撃しないと破壊出来ないということか……



 もう一度、今度は既にボロボロになってしまった右手を使い、目をガードするゴーレム。

 最初にやられて以降、目に関しては自己判断で警戒しているようだ、賢い奴め。


 だが目をガードした状態では腕は一切使えないのだ、今のうちに集中攻撃して打ち砕いてしまおう。


 全員の攻撃がガードに回った右腕に集中する、徐々に形を崩していくゴーレムの右腕、人間であれば骨が見えるような大怪我、といったところだ。




「あのぉ~、ちょっと良いッスか?」


「何だラフィー、お前敵だからってこの熱いバトルを邪魔することは許されないぞ」


「ちょっと休憩にして、向こうでお茶にしようッス」


「毒入りのか? 鬱陶しいから向こうで正座しておけ、1人でな」


「うぅ~、あまり壊さないで欲しいッス……」



 ここでラフィーがブレイクを宣言するということは、今現在ゴーレムがかなりピンチに陥っていると考えて良いであろう。


 というかむしろ勝つことを諦め、その被害を最小限に留めようという意思が感じられる発言も得られた。


 ここで敗北すれば大魔将の地位を失うことは確定なのだが、それでも自分の作成したゴーレムを大切にしたいという職人としての意識がそうさせたのであろう。


 だが俺達は甘くない、このままこの巨大ゴーレムを瓦礫か土くれか、とにかくそういったものに戻してしまうまで攻撃するのを止めない……



 その間にも、さらに打撃を受けたゴーレムの右腕、もはや半ば程度まで破壊され、その力をほとんど失っているようだ。


 そして……肘の辺りに何か青い玉が見える、僅かに光を放つその玉は、明らかにコイツにとっての重要な機関だ。



「セラ、あの肘にある玉に雷を喰らわせてやれっ!」


「了解よ! 皆ちょっとだけ離れてっ!」



 閃光と轟音、露出したゴーレムの肘にある玉を狙った正確な一撃である。

 ゴーレムの腕が肘から下に限って粉々になり、地面にパラパラと落ちた。


 あの玉はおそらく巨体に魔力を循環させる心臓のようなもの、それが肘だけでなくいくつも存在し、全身に張り巡らされた魔力網を居s辞しているに違いない。


 ……合体したゴーレムは10体、となるとあの玉は10箇所にあると踏んで良さそうだ。

 残り9箇所、このまま攻撃を続ければいずれ全てが露出し、攻撃魔法の餌食となるはず。


 さらに左目を狙った攻撃を続ける、今度は左の腕を使ってガードするようだ。

 失った右腕とガードに用いる左腕、さらにはそのせいで前が見えない巨大ゴーレム。


 もはや一方的な展開である、全く攻撃をしてくることがない敵に対し、次々と物理、魔法両面での打撃が加わっていく。



 ボロボロになった左の肘からも同じように玉が現れた、今度は精霊様が水の弾丸を当て、その玉を粉砕する。

 左腕も落ちて粉々になった、このまま目を狙い、次は脚を破壊しよう。



 両膝、脚の付け根、両肩と、青い玉は次々に露出し、セラ、ユリナ、精霊様の攻撃によってその形を失う。

 もはや胴体と首だけになったゴーレム、最後に首を狙った集中攻撃を加えると、そこからも青い玉。



 首が落ちた、これで青い玉9個、10個あるはずのうちの9個を破壊した。

 残りの1つをどうにかすれば確実に仕留めることが出来るはずだ……



「勇者様、もう関節らしい関節がありませんよ!」


「困ったな、残りは心臓ぐらいか?」


「いえ、胸部分も攻撃して既にあの有様です、もうあそこには入っていないかと」



 となると残りの急所は……



「珍です、間違いなく珍が最後の玉です!」


「おいおいマリエル、珍に入っている玉は2つのはずだぞ、それが1個なんて……」



 そのとき、後ろで不安げに戦いの行方を見守っていたラフィーが驚愕の表情を見せる。



「そ……そんな……男の珍に封入されている玉が2つだなんて……」



 どうやら珍の玉は1つだと思っていたようだ、これはもう確定だ、最後の急所はやけにリアルなゴーレムの珍である。



 発見者のマリエルが胴体だけになったゴーレムのソレに一撃を加える。

 パッとその体に光が宿り、次第にひび割れを起こす。


 ひび割れはそのまま大きな亀裂となり、さらにその周囲に小さな亀裂がいくつも生じた。

 最後に残ったゴーレムの体部分が砕け散る、これで討伐完了だ。



「ふぅっ、かなり苦労したが俺達の勝ちだ、おいラフィー、ちょっとこっち来い」


「ひぃぃぃっ、あのゴーレムが負けちゃうなんて……こうなったら仕方がないッス、最終決戦兵器を起動するッス!」



 ラフィーが取り出したのは黄色と黒の縞々模様がプリントされた謎のボタン、明らかにヤバいやつだ。

 どうにかして思い留まらせないと……遅かった、ボタンにラフィーの手が掛かる……



「ポチッと! あ~あ、やっちゃったッス、もう後には退けないッスよ」




 ゴゴゴゴ、というような振動、地震か? いや違う、城が動き出したのだ、途端に白い光に包まれる俺達、一体何が起こるというのだ……

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