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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第八章 ゴーレムの城
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222 たったひとりの戦い

「おいっ! めっちゃキモいぞ、誰かどうにかしろっ!」


「勇者様、こういうのは男性の出番です、さぁ早く行ってあの不快なGを退治して下さい!」



 土くれから形を成した全長2mを超える巨大なG、前回は芋虫だったか? どうしてこの異世界ではかように気色の悪い何かをモチーフにした敵が多いのだ?


 というかGなんて魔将にも似たような奴が居ただろうに……



「きゃぁぁぁっ! こっち来ます、勇者様早くっ!」


「おいミラちょっと、あっ、うわっ!」



 前に居たミラに腕を引っ張られ、躓いて転ぶ。

 その拍子に突き出された聖棒が先頭のGの頭に直撃してしまった。



「ぎぃやぁぁぁっ! 足がバラバラになりやがったぞ……おえぇぇっ」



 頭からどこを経由してどう力が伝わったのか、6本あったGの足は全てもげ、その場でピクピクと動き続けている。


 ここまでに出現した敵はどれも雑なものばかりであったが、ここに来て究極のリアルを追求してきたようだ。


 要らない、こういうのは他のところでやって欲しかったぜ、Gに関してはデフォルメされたもので十分なのである。



「勇者様、その調子で残りも全部倒して下さい!」


「そうだぞ主殿、私達は少し後ろに退く、1人で頼んだぞ!」


「あ、私もそうするわ、頑張ってね」



 ミラとジェシカに続き、マーサまで後方へ行ってしまう、カレンはタオルで口と鼻を押さえて戦闘どころではない、マリエルは……黙って逃げやがったか……



「おいセラ、せめて後衛だけでもフォローしてくれよな」


「イヤよ、魔法が汚れちゃうわ」


「意味わかんねえよっ!」



 セラの言葉にユリナもウンウンと頷き、精霊様はそっぽを向いている。

 リリィはその辺で遊んでいるし、サリナは倒れたルビアの看病をしているようだ。


 誰からのサポートも期待出来そうにない、ここは俺1人で切り抜けるしかなさそうだな……というか覚えておけよ、そんな役回りを押し付けやがって……



 仕方なく倒れたのとは別のゴキブリに聖棒を突き立てる、また脚が取れた、今度は羽もポロリと落ちた、そして首も……気持ち悪っ!



「いいわよ勇者様、その調子で早く全部片付けてちょうだい」


「勝手なこと言いやがって、でもこの調子ならすぐに終わりそうだぞ」



 次から次へとGG|(ゴ○ブリゴーレム)を片付けていく、通常のGと同じくかなりの素早さを持っているものの、その巨大さゆえ狙いを絞るのは簡単だ。


 だが敵の親玉、唯一魔族であるストーンGは余裕の表情である。

 そしてニヤニヤしながら衝撃の事実を告げてくるのであった。



『ぶははっ、貴様それで勝ったつもりか、仲間達よ、再び形を成してその者を殺せ!』


「え……再生するの?」


『当たり前だ、ゴーレムを舐めるんじゃない』


「知らんがな」



 その時点で大半のGGには脚や羽、そして首が落ち、ボディーにもヒビが入っていた。


 ヒビが修復し、地面でピクピクしていた体のパーツが本体のところへ近付いて行き、接続する……見る見る間に出現したときと同じ状態、つまり完全なGの姿に戻ってしまったではないか。


 もしかしてコレ、何度でも再生するってやつか? 卑怯じゃない?



 再びこちらへ向かって来るGG、もう一度聖棒の突きを喰らわせて破壊するものの、今度は親玉の命令なして自らもとの姿に戻っていく。


 相手は疲れとか何とか、そういったものを知らないゴーレムだ、このまま延々とこの動きを繰り返した場合、先にへばって敗北してしまうのは間違いなく俺である。


 拙いな、こんな薄汚い奴に負けてほうほうの体で逃げ帰ったとなれば異世界勇者の沽券に関わるぞ。

 そもそもここから逃げ出せるのかどうかすら怪しいが……



「勇者様、こうなったらもう親玉を叩くしかないわよ! もうちょっと気合入れなさい!」


「だけどよ……」



 親玉であるダンジョンボスを狙った方が効率が良い、というかそれ以外にこのG集団を殲滅する方法はない。


 それはわかっているのだ、だがな、そうするためにはこのGG(ゴ○ブリゴーレム)の間を掻き分けて進む必要がある。


 当然親玉に到達するまでの間に攻撃を仕掛けてくるであろう、その見た目でシャカシャカと。

 その光景を想像しただけでも鳥肌が立つ、これはどう考えても無理だ……



 逃げ回って相手を散らそうかとも考えたが、さすがに移動スピードだけ考えれば俺よりも奴らの方が数段上だ、翻弄することは出来ないであろう、むしろ追いつかれて齧られる。


 しかし雑魚を交わすとなると翻弄するのは良い作戦のはず。

 先程から見るに、単純に近くで動くものに反応して追跡、そして攻撃するだけの単純な仕組みのようだしな。



 となるとここは後ろに逃げた素早い連中を……いや、絶対に拒否するはずだ、どう考えてもG型の何かと追いかけっこなどしたい女の子が居るはずがない。


 仕方が無い、効果は薄くなりそうだが魔法を打ち込んで敵を撹乱する作戦に出よう。

 地面に風魔法だの火魔法だのがぶつかればGG共はそちらに反応するであろうし。



「セラ、ちょっと良いか?」


「お断りよっ!」


「まだ何も言っていないのだが……」


「言わなくてもわかるわよ、とにかく私達はこの線から出ないから、あとGがこっち来たらさらに後退するわね」



 杖の先端で地面に線を引くセラ、さらにそこへ風防を張り、その後ろには精霊様の水壁まで構築している。

 自分たちだけ助かればあとは野となれ山となれ、といった感じだ。


 その箱舟の中に俺を入れてくれないのはどういうことなのか? 後で問い詰めておこう。



 とにかく魔法による遠距離サポートも期待出来ない、こうなったらもうあの巨大G軍団の中に突入するしかないか……


 親玉さえ討てば奴等はただの土くれに戻るであろうし、ここは気合を入れて一気に片付けることとしよう。



 決意を固め、GGの群に突入する……個々は信じられないまでに弱く、アタッチメントを取り付けた聖棒が体のどこかに触れただけでバラバラに崩れてしまう。


 問題になってくるのはその再生能力だけだ、倒して通過した後に再生され、後ろから襲われでもしたらひとたまりもない。



 だが今はそれを考えている暇ではない、ひたすらに前進し、親玉であるType-Gを目指す。

 間合いに入った、あとはこの聖棒を前に突き出すだけで……



『仲間達よ、我を守れ!』


「うおっ! 捨て身で庇うのかよ、もう1回喰らいやがれっ!」


『我を守れ!』


「まだまだっ! 連撃をお見舞いしてやるっ!」


『我を守れ、我を守れ、我を守れ、再び形を成せ、我を守れ、我を守れ』



「ちょっと待て、疲れた」


『うむ、それはこちらも同じことだ』



 どれだけ連続攻撃を繰り出そうとも、その都度部下のGGが間に入ってストーンゴーレムType-Gを庇ってしまう。


 そしてバラバラになり足元に落ちたGGの破片は、形を成せとの号令で一斉に動き出し、再びGGの形に戻るのだ、無限使い捨てバリアである。



「ちょっと勇者様! 休んでないで早く倒しなさいよ!」


「無理、というか文句があるなら手伝え……」


「それはイヤよ、見れば見るほどに気持ち悪いもの」



 勝手なことを抜かしながらもヘルプに入るつもりはさらさらないらしいセラ、後で本物のGを顔に押し付けてやろう……



 しかし今の攻防で妙なことに気が付いた、親玉が自分を防御させる指令を出すときのみ個別に行っているのだ。


 攻撃した回数分だけ同じワードを連呼していたし、そうしないと何か不都合が生じるのは間違いない。

 他の指令ではGG一斉に同じ行動を取るのに、これだけ指名された個体しか動かないこともその予想を補完する。



 となると可能な限り素早く攻撃を放ち、敵に一瞬の隙を作らせてそこを突くというのがベストな対応か……よし、やってみよう……



「さて次だ、今度は防御し切れるかな?」


『ふんっ、貴様如きの攻撃、全て無効化するなど造作もないことだ』



「いくぜっ! オラオラァッ!」


『我を守れ、我を守れ、我を……』


「あっ! ゴ○ブリ星人の乗ったUFOがっ!」


『えっ!? どこに?』


「チェストォォォッ!」


『ほげろばっ!』



 あっさり引っ掛かりやがった、後ろの方でマーサが何やら騒いでいる、そういえばマーサを退治したときもこの作戦であったな。



 で、作戦は成功である、親玉の首はアタッチメント付き聖棒で突かれたことにより、繋ぎ目の魔力を失ってポロリと落ちる。


 しかしゴーレムタイプとはいえGである、Gは生命力が桁違いなのだ、このぐらいで死んでしまったりはしないであろう。




 そう思いながら地面に転がるGの首を眺める……



『ぶははっ、この程度で我を倒したとでも思ったのか?』


「え? 首じゃなくて胴体の方が喋るのかよ……」



 てっきり首の方が生きている流れだと思ったのだが、どうやら本体は未だに立っている胴体の方らしい。

 というか顔どころか口もないのにどうやって喋っているのだ? 本気で気持ち悪いぞ。



 と、喋ることは出来ても目は見えなくなったようだ、昆虫タイプなわけだし、触覚も当然地面に転がる頭の方に付いたままだ。


 威勢の良いことを言いながらもそれを手探りで必死に探す親玉、立っている2本の脚以外にもまだ4本あるゆえ効率は良さそうだな。


 だがそうはさせない、しっかりと目が見えている俺が先にその首を確保し、聖棒を使ってこちらへ引き寄せる……



「はいはい、お探しのアイテムはこちらですか?」


『ぐぬぬ、早くそれを帰すのだ、真っ暗で何も見えん』


「この部屋が暗くてジメジメしているのは元からだろ、おっと、大事なアイテムを粉々にしてしまったぞ、暗くてわからなかったから仕方が無いよね?」



 聖棒でコロコロしていたGの首に突きを加え、粉々に砕く。

 ついでにその砕けた砂粒のような物質を足で蹴って散らしておいた。


 コレでそう簡単には再生出来ないはずだ、コイツもGGと同程度の再生能力を持っていなければの話だがな。



『貴様、我の大切なパーツを破壊したのだな? その報い、受けさせてやろうぞ!』


「いやいや、その姿でどうするってんだ? またGGを使って防御を続けるのか?」


『うむ、まずは……来たれ、我が同属よ! 我が一部となりて共に戦わん!』



 同属? 他にも似たような奴が居るのか?

 となるとこの部屋には……壁やその辺の隙間に夥しい数が居ると思しき普通のGか……



 ゾゾゾゾッと、何かが蠢く音がそこらじゅうから響き渡る。

 Gの大軍が親玉の方を目指して這い、そして飛行しているようだ。


 次第に集まり出す大量のG、良く見るとこれも親玉のGと同じ材質で出来たゴーレム型魔族であった。


 親玉の全身を取り囲むGの軍団、これ以上は見ないでおこう。

 変身の隙を狙う方が効率が良いのは確かだが、さすがにこの光景は精神衛生上良くない。



 後方で何かが倒れる音……ルビアに続いてミラが気を失ったようだ、無理もないか……



 しかし1人だけこちら、というよりも合体変身を続けるG軍団を凝視している者が居る、遊び飽きて戦闘を眺めていたリリィだ、特に気持ち悪いなどとは思っていないらしい。



「リリィ、ちょっとドラゴン形態に変身してアレを焼き払ってくれないか? 気持ち悪く敵わん」


「は~い、いいですよ~!」



「ちょっと待ちなさい!」


「何だ精霊様、あのG野朗に情でも沸いたか?」


「違うわ、さっきまで見てたんだけど、あの素材は火を通すと焼成されてバリカタになるわよ」


「つまりダメージを与えるどころか今よりも強くなってしまうと?」


「そういうこと、だから火魔法やブレスの類は禁物よ」



 まさかの火気厳禁らしい、相手が虫けらタイプだというのに……



 そうしている間にも次第に形が定まるストーンG、色は黒というか茶色というかのGそのもののカラーであるが、形はこの間戦ったメカゴリラにそっくりのものとなった。


 つまり、ガッチガチに装甲を得たのである、Gはスピードが命のはずなのに、この変身合体は失敗じゃないのか?



『がっはっは、見て驚け、我が名は……えっと、ブラックストーンシャイニングアーマードゴーレムType-Gだ!』


「ん、何だって? もう1回言ってみろ」


『ブラックシャイニングストーンゴーレムアーマードType-Gだっ!』


「……さっきと違くね?」



『とにかくだ、こうなってしまったからには貴様はもう終わりだ、我を相手にしたこと、地獄で後悔するが良い!』


「そうかそうか、で、その前に1つ質問良いか?」


『うむ、冥土の土産に答えてやろう』


「お前さ、メカゴリラのフォルムパクッただろ」


『……では死ねぇぇぇぃっ!』



 おっと、そこまでスピードは落ちていないようだ、ダッシュを掛けてこちらへ突進して来た。

 だが攻撃に転じた以上、これまでのように周りのGGを使って自分を防御することは出来ない。


 勝負ありだ……



 突撃は凄まじい重さであったが、どうにか突き出した聖棒で受け切ることが可能であった。

 鳩尾に食い込むアタッチメント、敵の体に網目状の亀裂が入る。



『あがっ! ごっごれは……』


「どうしてさっきので気が付かなかったんだ、お前の繋ぎ目はもう魔力を失ってバラバラだ、じゃあな」


『あぎぃぃぃっ!』



 相手に突き立てた聖棒に力を込める、亀裂にパッと光が走り、それが全身に行き渡る。

 黒光りするGカラーを失った敵の体は、カッスカスの砂となり、崩れ落ちた。


 同時に周囲を固めていた子分のGGも瓦解する、操っていた者の魔力が失われたためだ。

 これでこの部屋にあった索敵の反応は全て消失したようだな……



「あら、やっと終わったのかしら? 30分以上掛かったわね」


「おいセラてめぇ、ちゃんと全員で戦えば3分で終わった戦いだぞ、こいつを喰らえっ!」


「いゃぁぁぁっ!」



 ここまで散々にGGやストーンGの体を突いてきた聖棒でセラの体を突き回す。

 材質は普通のGとは違えどこれは生理的に受け付けないはずだ。


 しかしこの程度じゃ腹の虫が収まらん、俺ばかりに戦わせやがって。

 帰りの船で全員まとめてお仕置きしてやろう。



 そこへ、高い天井から宝箱3つが降りて来る、もうワイヤーですらない、太いロープでぶら下げられてクルクルと回転しながら。


 エリナの奴、完全に仕組みを隠蔽することを諦めやがったか……



「3つだな、真ん中は俺が開けるぞ、あとの2つはどうする?」


「じゃあ私が右側を開けてあげるわ、感謝なさい」


「サボっていたくせに」


「あら、火気厳禁のアドバイスは私が出したものよ、あれがなかったらさらに3分は討伐が遅れていたわよね」



 などと権利を主張してくる精霊様、言い出したら聞かないはずだ、右側の宝箱は精霊様が空けることに決定した。


 残るは1つ、カレンはこの部屋の生臭い匂いにやられてそれどころではない。

 ここは安定感のあるリリィに開けさせることとしよう。


 3人で並び、一斉に宝箱をオープンする……俺の開けた真ん中の箱には謎の紙切れが入っていた。



「やった、また私が鍵を当てましたよ!」


「偉いぞリリィ、それで精霊様は?」


「……Gが入っていたわ」


「何だ、珍しくハズレか、そんなの個人的に貰っちゃって良いぞ、プププッ」


「じゃあ遠慮なく」



 なぜ精霊様はこの状況でニヤニヤしているのだ?



 ……その精霊様が宝箱ののかから取り出したのは……紛うことなき純金製のGであった。

 金鍍金などではない、5オンスはあろうかという外から中まで完全に金のGだ!


 卑怯者めがっ!



「は~い皆さん、薄汚いG野朗の討伐は終わりましたね~っ」


「エリナ、来たなら早くこの部屋を出るぞ、臭くて敵わん」


「じゃあリリィさんが持っているミスリルの鍵を使って奥の扉から退室して下さい」



 リリィが楽しそうに掲げるミスリルの鍵、それを使わせてどうにかジメジメしたGハウスを脱出することが出来た。

 ちなみに宝箱の中にあった変な紙は回収しておいた、何なんだコレは?



 未だに気を失っているルビアは俺が、ミラはマーサがおんぶして洞窟ダンジョンを出る。

 臭いダメージを受けたカレンも念のためジェシカに運ばせた。



「この先がようやくカラクリ女王の城か、様子見に行く前にちょっと休憩しよう」


「あ、ちなみに今回の城からは入口にもボスクラスを配置しておきました、お楽しみ下さい」


「余計なことしやがって、じゃあ休憩が終わったら帰ろうか」



 ミラとルビアを城の手前の芝生まで運んで寝かせる。

 カレンは既に復活して遊びまわっているし、この2人もすぐに目覚めるであろう。




「ユリナちゃん、ちょっと火魔法を使って貰えるかしら、さっき手に入れた気持ち悪い物体を鋳潰しておきたいの」


「ええ、わかりましたの」



 精霊様がゲットした、いや騙し取った純金製のG、それをユリナの尻尾から出る熱で加工し、普通の金塊にして持ち帰ろうということらしい。


 ユリナの尻尾が光る……



「あっ! ユリナなんてことをっ! ここでそんな攻撃魔法を使ったら……」



 遠くにある城の扉がバタンと開く、中から数十体のゴーレム、それも洞窟に居たのとは違う、精巧な作りの強そうなゴーレムが出現した。



「何アレ? こっちに向かっているように見えるんだが?」


「城の敷地内で使われた攻撃魔法に反応して迎撃を開始する仕組みです、襲われますよっ!」


「……逃げよっか」



 メンバーを一箇所に集め、寝かせてあったミラとルビアも回収する。

 エリナが転移のアイテムを使用し、そのまま洞窟ダンジョンの入口へと戻った。



「全く、ああなるのなら先に言いなさいよね」


「ごめんなさい、私もちょっと気が抜けていました」



「しかし困ったな、城の中で攻撃魔法を使うとああやって迎撃用ゴーレムが集合して来るんだろ?」


「そうなんですよ、なので私を巻き添えにしないよう身長に戦って頂きたいです」



 これはちょっと作戦を考えないとだな、下手に先を急ごうとセラやユリナの魔法を連発したら余計に時間が掛かってしまう。


 とはいえゴーレムの数も無限ではないはずだ、狭い場所に殺到させ、まとめて破壊してから悠々と先に進むという手段も考えられる。


 とりあえずその会議は夜だな、風呂にでも浸かりながらゆっくり話をしよう。



「あの……ちなみに私は明日お休みのはずだったんですが……」


「そうなのか? じゃあ俺達も休みにしよう、1日だけな」



 全員がその案に賛同する、ついでに今日もエリナが泊まりに来ることも全会一致で可決した。

 ドレドの船に乗り込んでトンビーオ村に戻る。


 今夜はゆっくり話す時間が取れそうだな……

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