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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第八章 ゴーレムの城
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220 ゴーレム出現

「はい、それでは出航しま~す! ちょっと傾くんで気を付けて下さ~い!」


「傾く? うおっ!? そういうことか」



 ドレドが魔力を込めると同時に、船首が高く上がった。

 このまま滑走状態に移行しようというのだ、これなら速いというのも頷ける。


 徐々に平行を取り戻していく船、海面に乗り上げるようにしてスピードを上げ、完全にトップスピードに乗った。



「ドレドちゃん、今の面白かったです! もう1回やって下さい!」


「カレンちゃん、帰りにまたやってあげるから今は我慢してね」


「そうだぞカレン、もう一度やるには一旦スピードを落とさないとならないんだ、そうすると帰りの魔力がヤバくなる」


「へぇ~、そうなんですね、じゃあ帰り、また楽しみにしておきます!」



 しかし木造船でプレーニングさせるとは、船首部分の板が割れたり……どうやら鉄板で補強してあるようだ。

 これが曲がってしまったら取り替える、そういうことなのであろう。



 しかし馬車に続いて船もグレードアップしたな、これで大魔将討伐もかなり捗ることであろう。

 おっと、ドレドを褒めてやるのを忘れてはいけないな……



「良くやったぞドレド、これで快適な船旅が出来る、苦労したんだろう?」


「ええ、試行錯誤の末に何とか、あとはコテージに届いている請求書の山を処理するだけです」


「……今何て言った?」


「請求書がコテージに沢山来ています、だいたい金貨7枚分ですね」


「・・・・・・・・・・」



 うん、ドレドだって俺達の活動を効率化するために頑張ったのだ、今回は許してやろう。

 しかし金貨7枚とは、どれだけ気合を入れて改造に勤しんだのだ……



 海のの風を感じながら航海を続ける。

 やはり高速船は良い、パッと見で水を切っているのがわかるし、何も見えない大海原でも進んでいる感がある。


 そして本当に2時間も経たないうちに島が見えた。

 これまでと同じような小さな島、中央に聳え立つ城は中世ヨーロッパ風に近い雰囲気だ。



「おっ、桟橋の辺りに人影が見えるぞ、エリナが出迎えてくれるんじゃないか?」


「ご主人様はどうしてアレがエリナに見えるんですの? どれだけ視力が悪いというのかしら」


「何だ、違うのか?」


「どこからどう見てもゴッツゴツのゴーレムさんですわよ、しかもめっちゃ威嚇していますの」



 そうなのか、まぁ今のところぼんやりとしか見えていないのだが、確かに忙しなく動いているような気がしなくもない。


 聖棒にアタッチメントを装着して戦闘の準備をしておこう。



 バッグから魔力を奪う金属で出来た細い矢筒状のアイテムを取り出し、聖棒の先端に嵌め込む。

 カチッと音がすれば装着完了らしい、引っ掛かるような突起はないのに、一体どうなっているのだ?



「良いか、そんなに強くはないと思うけど、万が一のことがあったら身を呈して俺を守るんだぞ」


「情けない異世界人ね、あのぐらい1人でもどうにかなるわよ」


「だから念のためだってば、俺の弱点属性かも知れないからな」


「弱点属性って……」



 セラには呆れられてしまったようだが、とにかくはじめて戦う敵である。

 用心しておくに越したことはないであろう。



 徐々に近付く島、俺の目にも奴がゴーレム、というか岩で出来た人型の人形であることが把握出来るほどに近付いてきた。


 うむ、威嚇しているようだ、やたらとマッスルポーズを取り、さらにはこちらを指差したりしているではないか。


 だが動く度にパラパラと砂や小石のようなものが体から剥がれ落ちている。

 しかもそれでダメージを負っているようだ、欠陥商品なのか?



「桟橋に着けたら勇者さんだけ降りて下さい、船を攻撃されるとさすがに拙いんで一時離れておきますね」


「え? ちょっと怖いんだけど……誰か付いて来てくれないかな……」


「大丈夫よ、シャキッとしなさいシャキッと!」


「う……うむ」



 確かに強くはないであろう、強くはないであろうが……どう考えても5m以上あるんだよな、横幅もそれなりだし。


 ちなみに俺は大仏とかそういった巨大な像が怖い性質だ、高所恐怖症みたいな感じで生理的に受け付けないである。


 だからアレと1人で戦うのはちょっとな……



 などと考えている間に桟橋に到着してしまった。

 こちらに迫り来る巨大なゴーレム、遅い、でんでん虫より遅いんじゃないか?



「ほら、いつまでそこに突っ立っているのかしら? 行かないなら私が運んであげるわよ!」


「おい精霊様、ちょっとまっ、あっ!」



 放り投げられ、見事にゴーレムの目の前に着弾した俺。

 顔を上げると腕を大きく振りかぶったゴーレム、マジで怖いんですが……



 ゴーレムはそのまま俺を目掛けて腕を振り下ろす、しかしこの動作すら遅いようだ。

 重力に任せていたとしてももう少し速いと思うのだが、その発想はないのであろうか?


 その攻撃は難なく回避することが出来た。

 続いて反対の腕を振り上げるゴーレム、その隙にアタッチメントを取り付けた聖棒を膝に突き立てる。


 ボロッと、何の抵抗もなくゴーレムの膝が折れた。

 軸足を失い、バランスを崩して倒れ込む。


 ここで押しつぶされてはいけない、サッと後ろに引き、安全圏に脱出して様子を覗う。

 おや、まだパンチの動作を続けているようだ、しかも地面に向かって。


 こうなってしまえばただの動く土くれだな、というか地面を殴った拍子に腕が折れてしまった。

 コイツに関してはもう弱いどころの騒ぎではない、チュートリアルみたいなものであったか……



「お~い、やっつけたぞ~っ! もうこっち来いよ!」



 再び接岸するドレドの船、なぜか全員がクスクスと笑っている。



「主殿、凄く腰が引けていたが大丈夫か?」


「もうおじいさんみたいになっていたわよ、プルプル震えてたし」


「黙れ! 未知の敵と遭遇した際には誰しもああなるものなのだ!」



 クソッ、いつもこういうことは馬鹿にしないマリエルまで笑っていやがる。

 これはそのうち汚名を雪いでやる必要がありそうだな。




 と、島の奥から人影が現れた、今度こそ本物のエリナだ。



「はい皆さんいらっしゃい、というかお久しぶりです」


「おうエリナ、久しぶりだな、これ返すよ」



 前回の戦いからずっと俺に付いて回っていた暗黒博士人形をエリナに向かって投げ付ける。

 これで厄介払いは完了だ、俺達の生活にも光が戻るであろう。


 ちなみに暗黒博士が俺達と行動を共にしていることは以前手紙で伝えておいたためエリナも知っていることだ。


 鬱陶しいから回収しに来いと頼もうと思ったのだが、ちょうどリリィの防寒アーマーで必要になったためそれは見送っていた。



「あら、暗黒博士ですね、ご迷惑をお掛け……しましたよね、間違いなく」


「とんでもない野郎だぞ、どこかに封印しておけ、あともう魔改造するなよ」


「ええ、というか良く見たらかなりレベルアップしていますね、一体何をしたらこんなになるんですか?」


「色々だ、ところで今のゴーレムは何だ?」


「あ、あれはチュートリアル用に私が秒で創ったんです、いかがでしたか?」


「次からはもっと小さいのにしてくれ……」



 せっかくの再会であるがあまりここで時間を使ってはいられない。

 早速洞窟ダンジョンの踏破に向けて動き出すこととした。



 エリナ曰く、ここのダンジョンに出現する敵はその全てがゴーレム。


 そして強さは他と同じ、洞窟が中級魔族クラス、城の中では上級魔族クラスが待ち構えているという。

 ちなみにまずは銀の鍵を探し、洞窟の中ボスを討伐することを目指さなくてはならない。



「よっしゃ、エントリーするぞ、セラ、今日は最初のセーブポイントまでで良いよな?」


「そうね、初日だし、小手調べってところかしら」



 洞窟の中へ入る、なぜか外側ではなく入口より先にある2体の石造、甲冑を着て槍に斧が付いたような武器を手に持っているタイプだ。


 当然、横を通ると動き出すタイプでもある……



「カレン、あからさまなのが来るぞ!」


「えっ? うわっ!? これが動くなんて聞いてないです!」


「聞いていなくてもそれぐらい察しなさいよ……」



 全く警戒することなく先頭を歩いていたカレンに2体のゴーレムが襲い掛かる。

 とっさに後ろへ退き、その際に向かって右の1体へ攻撃をしていたようだ。


 脛の辺りが半分砕け、右のゴーレムは既に立っているのがやっとの状態、エリナが作った即席のものとは違い、バランスを保とうとする意思らしきものが働いているようだ。



「ご主人様、この人凄く固いです、今のは脚丸ごと落としたはずなのに」


「何というか鉱物だからな、巨岩でも斬っていると思って戦った方が良さそうだぞ」



 そう言いながら前に出る、向かって左のゴーレムに対し、先程と同じ膝にに対する一撃を放つ。

 こちらは効果があるようだ、片方の膝下が完全に外れたゴーレムはその場に倒れた。


 首の部分も関節といえそうだ、ここにも追撃を……うむ、やはり首が外れると動きを止めるようだ。



「カレン、首を狙って攻撃してみろ!」


「首ですね、でぇぇぇぃっ!」



 バキッともガキッとも取れる硬いもの同士がぶつかり合う音が響き、かろうじて立っていた右のゴーレムの首が地面に落ちる。


 こちらも完全に動かなくなった、体部分は倒れずにリアル立ち往生しているが……



「粉々にするぐらいのつもりで攻撃しても首が取れるだけです、やっぱり普通の攻撃だと大変そうですね」


「そうだな、囲まれたりしたらちょっと厄介かもな」



 とはいえスピードは最低クラスだし、こちらが攻撃を貰う可能性は極めて低いといえよう。

 慎重に攻撃を回避しながら時間を掛けて戦っていけば負けるようなことはない。



「とにかくだ、次からそれっぽいのが居たら不用意に近付くなよ、おいカレン、お前に言っているんだぞ」


「はぁ~い」



 わかっているのかいないのか、とにかく普通に考えれば対処出来そうな敵から不意打ちを喰らうことだけは避けたい。


 先頭をカレンとマーサからミラとジェシカに置き換えて先へ進んだ……



 ※※※



 その後、洞窟の一本道を奥に向かって進んで行く、グルグルと回りながらも分岐は存在せず、ひたすらにひとつの道だ。



「エリナ、この洞窟ダンジョンは迷路とかにはなっていないのか? 最初からずっとこの道のままなんだが……」


「え~っと、確かここは最後まで一本道だったはずです、途中に小部屋とかボス部屋とか色々と存在はしますが」



 迷ってしまう心配がないというのであれば楽だと言える。

 だが逆に言えば洞窟の中でショートカット出来る箇所がない分、踏破には時間がかかるということも考えられる。


 迷路になっているかなっていないか、そしてどちらが良いのかという辺りは一長一短だな……




 そのまましばらく進んだ所でミラが何かに気付く。



「勇者様、前の方で何だかポンポン跳ねている物体がありますよ」


「跳ねている? ゴーレムじゃなくてか?」


「ええ、バネみたいな形状ですね、足は無くて腕だけ付いています、ちなみにこっち来ます」



 しばらくすると薄暗い洞くつの奥から何者かが現れる、その数は5体。

 確かに下はバネだ、その上に筒状の体と、それから2本の腕が生えている。



「ご主人様、首を狙いたいけど首がありません、どうしましょう?」


「腕でも落としとけよ、そうなればもう単なるバネだろ」


「じゃあ速攻で片付けます!」



 飛び出していくカレン、そしてマーサもだ。

 それに追い越されたミラとジェシカも慌てて動き出す。


 4人で1人1体、現れた謎の物体の両腕を切り落とし、攻撃を不能にする。



 ただのバネに成り下がった4体はもう『跳ねる』ぐらいしか技が使えない、戦闘不能と同義だ。


 では残りの1体は俺が……と、その前に後ろからセラの風魔法が飛び、腕どころか胴体のバネ部分まで真っ二つにしてしまった……



「何これ? 弱っちいわね」


「きっとネタゴーレムですよ、たいして面白くはありませんが」


「そうよね、これに私達と戦わせようなんて、そんなこと思うわけがないわ」



 セラとマリエルが適当なことを抜かしているが、もしこれがまともに戦わせようと思って作成したものであったら、そしてその製作者が今の話を耳にしてしまったら。


 おそらくまだ駆け出しの若きゴーレムマスターは失望し、その道を諦めてしまうことであろう。




 未だにその辺で跳ね続ける4体のバネゴーレム、そのうち2体にはカレンとリリィが乗っかって遊んでいる。

 よし、これはバウンドゴーレムと密かに名付けよう、最初のは鎧を着ていたからアーマードゴーレムだ。


 ただし、変な名前を付けて喜んでいるのが皆にバレると恥ずかしい、これらのネーミングは俺の心の中にだけ留めておくこととした。



「ご主人様、これ持って帰って良いですか? 面白いです」


「リリィ、帰ったら似たようなのを買ってあげるからそれはよしなさい」


「は~い、じゃあ壊しちゃおっと」



 4体のバウンドゴーレムは全てそのバネを引き伸ばされ、二度と跳ねることが出来ない体にされてしまった。

 まぁどうでも良い、先を急ごう……



「皆さん、この先にはちょっとした小部屋がありますよ、そこでお昼にしませんか?」


「もうそんな時間か、そうだな、ちょっと休憩にしよう」



 そこから10分も経たないうちに小さな部屋に出る。

 なぜか泉が存在し、もう休憩して下さいと言っているような部屋だ。



「見ろ主殿、泉に魚が居るぞ!」


「魚って、こんな日も当たらない洞窟の中にか?」


「うむ、何だか灰色のコイみたいな……土くれから出来ているみたいだな……」



 泉の魚すらゴーレムなのかよ、しかし本当にコイを象ったような形状だな、イマイチ似てないけど。

 うむ、これはカープゴーレムと名付けよう。


 ここまでA・B・Cと順番通りにきている、次なる敵はDから始まる何かに違いない。



「は~い、遊んでないで、サンドウィッチを配布しますよ」



 ミラがサンドウィッチの入ったお弁当ボックスを取り出したことにより、皆カープゴーレムから興味をそちらに移した。


 これに関しては特に討伐する必要がないであろう、攻撃してくるわけでもないからな。



 適当に食事を済ませ、しばらくの間この場所で休憩を取ることとした。


 リリィが真剣な眼差しで泉の中のカープゴーレムを見つめているが、食べられないということだけは理解しているらしい、手を出そうとはしない。



「あっ! ご主人様、コイの中に1匹だけ銀色のが居ますよっ!」


「銀色? 銀色……もしかしてそれが銀の鍵、或いはそれを持っている奴だ! リリィ、それを捕まえるんだ」


「は~いっ! えいやっ!」



 鮭を取る熊の如く腕を振るい、銀色のコイを空高く舞い上がらせるリリィ。

 俺の目の前にドサッと着地したコイ、これ自体が銀の鍵なのか?


 しかし土くれで出来ているとはいえシルバーだ、鍵以外にも何か価値がありそうな気がしてならない。

 そう思ってコイをベタベタと触っていると、腹の部分に何か書いてあるのがわかった……



『汝心あるものならば、このひとつを三つ子で分けよ、さすれば道は開かれん』だそうだ、つまりこのコイを三枚卸にすれば銀の鍵をゲット出来る、そういうことであろう。


 セラに短剣を出させ、一番上手なミラがそのカープゴーレムを三枚に卸す。

 すると身の部分は銀色に輝く土くれに戻り、中骨が……最初から鍵の形をしているではないか。



「ちょっと大きいですけど銀の鍵ゲットですね、これで中ボスにチャレンジ出来ますよ」


「エリナ、こういう凝った演出はどうでも良いからさ、もう少し手に入る宝を増やしてくれないか……」


「あら、その土くれは銀鉱ですよ、持って帰って精製すれば銀貨2枚分ぐらいにはなるはずです」


「少なっ! どんだけケチ臭いんだよ魔王軍ってやつは」


「予算が限られているので我慢して下さい」



 全くシケた連中だ、どうせなら大判小判がザックザク出るような宝箱を10m間隔で置いておけよな。

 そしてら俺だって今頃は大金持ちなのに……



 ともかく銀の鍵も手に入ったことだし、休憩は終わりだ。

 先に進んで今日中に中ボスを討伐してしまおう。


 夕方にトンビーオ村へ帰ることを考えれば中ボス後のセーブポイントで今日の探索を終了するのが妥当であろうな。



 相も変わらずまっすぐ続く道を進む、道中ゴーレムは出現せず、その代わりに3つの宝箱を獲得した。

 中身は雑巾、たわし、そして使用済み歯ブラシであった、舐めているのか?



 30分以上歩いて巨大な扉の前に出る、明らかにここが中ボス部屋だ、途中にセーブポイントもあったが、そこは無視してここまで辿り着いたのだ。


 ここまで来て戦わずに帰るという選択肢はない……



「はい着きましたよ、この扉の先にダンジョンの中ボスが居ます」


「どんな奴なんだ?」


「それは入ってからのお楽しみです」



 少し大きめの銀の鍵を手に取り、鍵穴に差し込んで回す。

 扉が開き、中は薄暗い広めの空間であることがわかった。



 そしてその空間の中央には謎の石像。

 悪魔の角、悪魔の尻尾を携えているもののユリナ達とは似ても似つかぬ醜悪な造形だ。


 羽が付いている、ガーゴイル? いやここはDから始めたい。

 デビルゴーレム、もしくはType-Dとでも呼んでおこう、俺の中だけで……



 そのデビルゴーレム、こちらを認めると目が光り、パラパラと小さな砂粒を落としながら動き出す。


 どうやら空に飛び上がるようだ、羽を動かし、こちらへ向かうのではなくその場でゆっくりと上昇を始めた。

 というかどういう原理で飛んでいるんだ、岩の分際で生意気な。



『我はダンジョン中間地点を守りし者、そして貴様等の力を試し、この先へ進む資格があるのかを確認する任を帯びている、いざ尋常に勝負!』



「何か凄く気合が入っていますね」


「ああいうのがカッコイイと思ってんだろ、馬鹿じゃねぇのか?」


『・・・・・・・・・・』



 無表情な岩の顔からでもわかるその焦りよう、出鼻を挫く作戦は成功したようだ。

 微妙な雰囲気になりながらも、デビルゴーレムはこちらに向かって急降下を始めた。



 特に苦労することなくここまで辿り着いた今回の洞窟ダンジョン、中ボス戦の開始である……

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