216 始末
「ここだ、こんな豪華な扉を設置しやがって、カレンさんマーサさん、やってしまいなさい!」
「えいやっ!」
「でぇぇぇぃっ!」
敵の本拠地、その中央にあった城から偽の命令を出し、敵軍を大混乱に陥らせることに成功した俺達と王国軍精鋭部隊。
そのまま地図で確認出来るこの組織の主要人物が使っていそうな部屋を目指した。
王国軍の本隊を待つよりも今行動した方が逃げられてしまう可能性が低いと判断したためだ。
辿り着いた部屋の前には両開きの大きな扉、金や銀を使った装飾が施されている。
そしてその装飾を使った文字で『情報で世界を握る』と書かれていた。
カレンとマーサがお決まりの一撃を加えて両の扉を破壊する。
かなり頑丈に出来ているようだ、吹き飛ばず、また粉々にもならずにその場でバタンと倒れたのみであった。
「この文字だけ新しいわね、数年前に書き足したものに違いないわ」
「きっとその辺りで魔王の馬鹿が余計なことを吹き込んだんだろうな、それでこのスローガンが出来たと」
「何にしても不愉快ね、あることないこと雑誌に書いて人を貶めるなんて、それで世界を掌握しても虚しいだけだわ」
俺達もそうだが、おそらく世界中でこの連中の被害にあった人間の怨念が渦巻いていることであろう。
だがその事実を知らない多数の人間は、未だにこのおかしくなった自由報道教団の流す情報を信じ込み、さらにはそれを唯一の情報源としているはずだ。
情報通信が発達していないこの異世界において、これほど恐ろしいことはないかも知れない。
魔王軍が執拗に『情報』を狙って色々とやらかすのも頷けるな。
さて、それでこの部屋の中に居るのは……女が5人だけ、しかも全員可愛い。
ドアが破壊されたことに恐怖したのか、全員隅っこで身を寄せ合って震えている。
「おい貴様等、ちょっとこっち来い、じゃないと殺すぞ」
「ひぃぃぃっ! お金も通帳も差し上げます、どうか命だけはっ!」
「馬鹿なのか? 捕虜にするからこっちへ来いって言ってんの、今は金なんて求めてない、今はな」
「え? 盗賊なのに……」
「盗賊じゃなくて王国軍と異世界勇者様だ」
「王国? 勇者? 何ですかそれは、盗賊なら盗賊とはっきり仰ったらどうですか」
ダメだ、まったく話にならない。
この5人の女、わざと惚けているのかそれとも本当に今が戦争中だと知らないのか、とにかくこの先話が噛み合うことはないであろう。
「ちなみに貴様等は何だ? ここの偉いさんじゃないよな」
「あの、私達はメディア王、フーセ=ツルフ様の秘書なんです、だからお金はあまり……」
「金を奪いに来たんじゃないって何度言ったらわかるんだ! 殺すぞ! それで、その何とかって奴はどこへ行ったんだ?」
「わかりません、私達には引き続き業務を遂行するようにとだけ伝えてどこかへ行ってしまいました」
「それはつい今さっきか?」
「昨日です……」
最悪だ、そのメディア王、即ち今回の主敵なわけだが、昨日の攻撃を見て既にここを脱出していたのだ。
そしてこの5人もその行き先を知らない、いや、知っていても答えないであろう。
「勇者様、とりあえずこの人達を連れて帰りましょう、拷問すれば少しは情報が出るかもです」
「だな、ということで貴様等は捕虜にする、言っておくけど今は戦争中だからな」
「戦争? どうして急にそんな、盗賊弾の襲撃があったとは聞いていましたが、まさかそのレベルの大盗賊団だったなんて」
「だから盗賊じゃないってば! 良いからこっち来い! 死にたくなければな」
「は……はい……」
とはいえこの広い部屋はまだ捜索しておきたい。
何か重要なものを隠してあるかもだし、秘密の抜け穴が存在する可能性だってある。
敵の親玉の秘書と名乗った5人の女を縛り上げ、そのまま固めて放置しておいた。
全員で協力して室内のすべてを確認しておこう。
まずは……壁にかけられた肖像画を外してみよう、おそらくこの肖像画に描かれている汚いデブジジィがメディア王であり今回の敵であるフーセ=ツルフという奴だ。
エロそうな顔しやがって、それでこの美人秘書5人だもんな。
だが今日をもってその栄華も終わりだ、もちろんこの美人秘書達は没収である。
「お、肖像画の裏に穴が空いているぞ……金塊だ!」
「勇者様、机の引出にも金塊が!」
「というかご主人様、所々床板が金で出来ています」
「どんだけ贅沢していたんだよ全く……」
部屋中金塊だらけではあるが、現金の類、そして秘密の抜け穴的なものは一向に見つからない。
金塊は持ち切れなかったが現金は持って逃げたのであろう。
しかしどこから脱出したのか? 美人秘書に聞いてみよう。
「おいっ! 秘密の抜け穴はどこだ? 答えないと八つ裂きにするぞ」
「ひっ! そんなの知りません、本当です、本当なんです!」
「本当か? 嘘だったら余裕で死刑だからな、覚悟しておけよ」
「本当に本当です! 重要なことは何も知らされていませんから!」
嘘をついている様子はない、というか重要なことを何も知らない秘書って、一体何の意味があるというのだ?
「主殿、ちょっとここを見てくれ、床だ」
「どうしたジェシカ、犬の糞でも落ちていたか?」
「ではなくてだな、この床板、少し前に外した痕跡があるぞ」
「でかしたっ! そこが抜け穴になっているに違いない!」
早速床板を外してみる、やはり中は空洞、というよりもひたすらに長い階段が設置され。その終端は暗くて見えもしない。
親玉はここから逃げたのか……
「ちなみにそのフーセとやらは1人でどこかへ行ったのか?」
「わかりませんが、いつも付いて回っていた護衛も昨日から見ていません、あと他の幹部達も」
つまり親玉以下それに近しい者は全員で、しかも強兵を伴って昨日のうちに脱出してしまったと。
今ここに残っているのはその親玉に見捨てられた連中だけだ、本人達はそのことに気付いていないはずだが、明らかに敗れ、敵にこの地を蹂躙された際の生贄だ。
「ど畜生め、これじゃ大規模捜索が必要じゃないか、1日あればかなり遠くまで行っているだろうし」
「だが勇者殿、昨日の戦況を見る限りでは敵方が勝っていたと言える、それでも念のため逃げたとすれば……」
「まだ近くで様子を覗っているかもだな……」
負けていたのであれば完全にこの総本山を離脱し、どこか遠くの地へ行くことも考えるであろう。
だが昨日の状況ではそう考える可能性は低い。
きっと近くに隠れ、王国軍が撤退した後に何食わぬ顔で戻って勝利宣言をするつもりでいたはずだ。
そうすれば万が一のリスクを回避し、かつ周囲には逃げ出したこともバレない。
「ねぇ、ちょっと思ったんだけど、私が昨晩捕まえたおっさんは逃げ出した連中と合流しようとしていたんじゃないかしら?」
「かも知れないな、夜に外をうろついていたんだろう、ここを目指して移動していたと考えてもおかしくはないぞ」
「あのおっさん、まだ処刑してないのかしら?」
「出撃前に分隊長として本部テントに行ったときにはまだ生かされていましたよ、ボロボロのままでしたが」
「そうか、じゃあここに本隊が来たらすぐに戻って死なせないように言わないとだな、回復魔法を掛けてから改めて拷問するんだ」
本隊を待つ間、さらに部屋の捜索を続ける。
いくつもの雑誌が発見された、週刊大王都もあるではないか。
「勇者様、これ全部来週号と来月号よ、週刊誌はその次の号もあるわね」
「ここでチェックを入れて発行して良いかどうか判断していたんだろうな、というかここに置いてある雑誌社は全部敵の関係先だ、証拠として持って帰ろう」
「それとご主人様、この雑誌ですが……」
「何だルビア、エッチな本なら間に合っているだろうに」
「いえ、パクり紅茶店とかパクり氷店、それから私達のドライブスルー専門店のパクり、他にも王都のパクり店が特集されています」
「遂に出たなっ! それはいつ発行する予定のやつだ?」
「え~っと、月間ステマ倶楽部……何月号か書いてないですね」
ということは記事だけ作ってその先の発行は未定のつもりなのか?
もしかするとくだらないデマを飛ばして王都、というか王国を滅茶苦茶にした後に何かしでかすつもりであったのかも知れない。
その証拠に、雑誌の表紙には『復興したペタン王国王都、今ホットな観光名所、ホットなお店特集』と書かれている。
なるほど、王国を滅ぼしてから発行する予定の雑誌だったんだな、そして国外の観光客を呼び込み、それらが落とす金は自分達の関与している店で吸収すると。
そのために誰も来ない、評判のすこぶる悪いパクり店の経営を続けていたのか……思っていたよりも遥かに壮大な計画であったな。
と、そこへ返り血塗れの王国軍本隊が突入して来る。
部屋の捜索を引き継ぎ、ついでに大量の雑誌の運搬も依頼して俺達はその場を去った。
もちろん捕虜にした5人の美人秘書は連行だ。
「早く歩け! 今夜は貴様等の拷問祭だ」
「ひぇぇぇっ! 何も知りません、だから拷問なんかしても何も出てきませんってば!」
「知らねぇよそんなの、ただ拷問して憂さ晴らししたいだけだからな」
「そんなぁ~」
拷問によって情報を吐かせる者のメインは昨日精霊様が捕らえたおっさんである、まだ生きていればの話だが。
そしてこの美人秘書5人は俺達のストレス発散用だ、どうせ王都に連れ帰ったら奴隷として売却される運命だし、殺さない限りは何をしても構わないであろう。
人族が魔王軍と戦わなくてはならないこの時期に、卑劣な謀略をもって同じ人族に敵対した連中の構成員だ。
たとえ何も知らなかったとしても許されるものではない。
もはや人として扱うのをやめても良いぐらいだ。
そのまま5人を引き摺るようにして連れ帰り、馬車に押し込む。
さて、本部テントに行って捕虜のおっさんが生きているか確認しないとだ……
※※※
「おぉ、ゆうしゃよ、本日はご苦労であったな」
「またその台詞かよ、それ以外に人間の言葉を知らないのか?」
「うむ、学院時代は全教科赤点塗れじゃったからの」
「そんなの自慢にならねぇよ、ところで昨日精霊様が捕まえて来たおっさんはどうした?」
「はて、総務大臣に聞いてみんとわからんの」
「本当に使えねぇ王だな……」
ババァを探し、ひとつ隣のテントに居るのを発見する。
初見では枯れ木が立っているのかと思ってしまったが、良く見ると総務大臣その人であった。
「おいババァ、昨日の捕虜をどこへやった?」
「ああ、アレなら今から処刑するところじゃ、放っておいてもすぐに死ぬじゃろうがの」
「それをやめさせろ、まだ有力な情報を持っているかも知れないんだ」
「何じゃと!? わかった、誰か、誰か居らぬか!」
すぐに現れた兵士に事情が伝えられ、ギリギリのところでおっさんの処刑は止まる。
回復魔法使いが呼ばれ、なんとか一命を取り留めたとの報告を受けた。
「でだ、どうもあのおっさんはまだ見つかっていない敵の親玉と一緒にどこかへ隠れようとしていたんじゃないかと思っている」
「ふむ、その居場所を聞き出せば良いということじゃな?」
「ああ、勝っているうちに行方を眩ましたんだ、戻って来ようと思っていたならそう遠くへは行っていないはずだからな」
「わかった、今夜も夜通し拷問してみよう」
「頼んだぞ、それと親玉の秘書だってのを5人捕まえたから、それはこっちでやっておく」
「うむ、逃げられぬように気を付けるのじゃぞ」
本部テントを後にし、仲間達の居る馬車のところへ戻る。
既に野営の準備も終わり、食事も配布されていた。
「セラ、捕虜の美人秘書達はどうしたんだ?」
「やかましかったから縛って馬車の中に吊るしておいたわ、猿轡も噛ませてあるからバッチリよ」
全てのカーテンが閉め切られた馬車に入ってみる……アレだ、精肉業者が吊るしている牛か豚みたいな光景だ。
なぜか全裸にされ、腕だけで天井から吊るされている美人秘書の5人。
何やらもごもごと言葉を発しようとしている、文句あんのかコラ?
「とりあえず食事にしようか、拷問はその後だ」
「というか今日はもう疲れたわ、明日でも良いんじゃないかしら?」
「だな、じゃあ夕食が終わったら風呂に入って寝ようか」
捕虜の5人はそのままだと凍死してしまいかねない、床に降ろし、余った毛布で簀巻き状にしておいた。
もちろん食事など与えない、ちなみにトイレが大丈夫かはあらかじめ聞いてあるという。
風呂の順番が回ってきたため、汚れを落として寝る体勢に入る。
明日は奇襲で起こされるようなこともないだろうし、ゆっくり寝ておこう……
※※※
「これ、さっさと起きんかこの堕落勇者!」
「ん……うるさいセラだ……うおっ!? ババァかよ、どうして貴様がここに居るんだ、ハッ……ババァが居るということはここは地獄か、俺は死んだのか……」
「ふざけておる暇はないのじゃ、ちなみにわしは既にお布施モリモリじゃからな、天国行き確定なのじゃよ」
「それで何の用だ? 朝っぱらからしわくちゃの顔を見せ付けに来ただけじゃないよな?」
「敵首領の隠れ場所がわかったのじゃよ、護衛も居るようじゃし、ちょっと行って捕らえて来てくれぬか」
「わかった、じゃあいってきます」
「話が早くて助かるの、ほれ、これが地図じゃ、持って行くが良い」
まだ食事の配布時間ではないものの、特別に作って貰ったサンドウィッチを齧りながら地図を見る。
総本山の裏側、俺達がここへ来て最初にメカゴリラと戦った崖の真下ではないか。
洞窟があり、入口は上手い具合に隠蔽されているとのことだ。
さっさと行ってこの戦いを終わりに導こう、というかこんな寒い所一刻も早く離れたい……
パーティー全員、それからゴンザレスを始めとした筋肉団の精鋭5人で目的の洞窟を目指す。
そこに居る奴等はまだ自分達の軍が敗北したことを知らないはずだ、戦闘が終わったら部下が迎えに来る手はずになっており、それまではそこから1歩も動くことがないという。
しばらく歩き、ようやく指定のスポットに到着した。
「おう勇者殿、あそこが洞窟の入口だ」
「どうしてわかるんだ?」
「雪山であんなに草葉が生い茂っているのはおかしいだろう」
「……確かに」
良く考えると一面の銀世界に一箇所だけジャングルがあるのは異常だ。
それを指摘されて以降、見れば見る程におかしく感じてしまう。
とりあえず迎えに来た部下を装って中に入ることとしようか……
「みなさ~ん、戦が終わりましたよ~、わが軍の大勝利、敵は壊滅ですよ~」
嘘は言っていない、わが軍というのは王国軍のことであるが。
「む、貴様等下民の分際で言葉を発するとは、なんという無礼者か」
「・・・・・・・・・・」
「まぁ良い、皆の者、王国軍は壊滅したそうだ、我々は城へ帰って勝利宣言をしようではないか」
「うむ、この戦いで犠牲になったゴミ共を祭り上げて全世界から追悼のための募金を募ろう、もちろん我らの懐へ直入だな」
「がはははっ! それは面白い、ほれクズ兵士共、さっさと護衛せんか、臭いからあまり近寄るでないぞ」
もう言いたい放題である、調子に乗ったおっさんとジジィが合わせて10人、一番偉そうにしているのがメディア王、フーセ=ツルフだ、肖像画より尚一層のこと汚らしい顔をしている。
そしてその脇を固める兵士が20人、全員何か言いたげな顔をしているが、言葉を発することを禁じられているようだ。
明らかに俺達が敵であることに気付いているのに何も出来ない、さぞや悔しかろう。
「え~、では護衛の皆さんはここまでお疲れ様でした、死んで下さい」
「あっ! 何をするっ!?」
「こいつらおかしいぞ! さっさと殺せ!」
手前に居た護衛の1人をジェシカが切り伏せたところでようやく戦闘が始まる。
強い……昨日戦った正規兵より圧倒的に強いではないか……
「今のうちだっ!」
「あ、逃げんなコラ! 待ちやがれ!」
この隙に逃げ出そうとする敵のおっさん達、メディア王が最も逃げ足が速い、最も歳がいっていそうなのに、逃げ足だけは速いってやつか。
それ以外の9人はセラが魔法でアキレス腱を狙って行動不能にしたものの、一番前に居た主敵だけは取り逃してしまった。
「マーサ、ここは良いから追い掛けて捕まえるんだ」
「その必要はないわ! 私にだって飛び道具があるもの、それっ!」
「ブーメランかよ……と思ったらバナナじゃねぇか!」
釘が打てる程カッチカチに凍ったバナナ、マーサが昨日から大事にしていたものだ。
クルクルと回転しながら飛んで行くバナナ、大きくカーブし、魔法から身を守るために岩の陰に入った敵の脇腹に直撃した。
気を失ったようだ、あとはここの護衛達を倒すのみ。
いや、その必要は無くなった、残った敵の護衛達が一斉にどじょう掬いを始めたのである。
どうやら敵の残党を狩るために、定期的に黄色の魔導信号弾を放ってターゲットを無力化しているようだ。
そしてそれを見てしまった護衛達、命令に従わないという選択肢は無いのであろう、武器を捨ててかなり練習を重ねたと思しきどじょう掬いを披露している。
「ミラ、ジェシカ、全員殺せ、他はあのおっさん達を縛り上げるんだ」
護衛の兵士を殺害し、逃げ出そうとしたおっさんやフーセを回収する。
マーサはバナナも回収したようだ、食べ物を粗末にしてはいかないからな。
そのまま本部へ戻り、捕虜を引き渡す。
駄王の勝利宣言とともに王国軍の兵士から大きな歓声が上がった。
こうして数多の犠牲者を出した自由報道教団との戦争は終わったのである。
ここからは引き続き残党や関係者の捕縛、処刑をしなくてはならないが、そんなことは軍に任せておけば良いであろう。
俺達は処刑祭、というか戦勝記念祭で飲めや唱えやの大騒ぎをするだけの簡単なお仕事に従事しよう。
「本日これより、占領軍2万を残してこの地から撤退する! 帰りにもう一度蛮族の地に立ち寄るゆえ、各部隊そこで補給を済ませるように、では準備をして1時間後に出発じゃ!」
さて王都へ帰ろう、ほったらかしになってしまっていた大魔将についても考えないといけないしな……
これでこの章を終え、明日からは別の敵と戦うことになります。
ここまで読んで下さった方、誠にありがとうございます。
引き続きお楽しみ頂けると幸いです。




