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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第七章 敵性メディア
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211 裏切り者の正体

「見つけたぞっ! めっちゃゴリっていやがる、30体ぐらい居るんじゃないか?」


「いえ勇者様、500と言っていたからそのうちの30なら少ない方よ、筋肉団も居るし、ここが突破すべきポイントなのは間違いないわ」



 街道正面よりは少しズレてしまうものの、敵ゴリラの数が30ジャスト……いや、色がおかしいと思っていた2体は筋肉団員に雪が被っただけか、とにかくこの数なら比較的突破し易い地点のようだ。


 既に何人の王国兵が殺害されているかわからない、地面は血に染まり、夥しい数の何か、つい先程までは夕食を楽しみにしていた何かが転がっている。


 難を逃れた一般兵達は既に後退したようだが、これだけでもかなりの被害だ。

 ここからさらに、他の位置から侵入した敵に寄って被害が出るであろう。


 とにかく今は主要人物を保護し、それ以外の犠牲も最小限に留めるため、何としてでも早期にここを突破しなくてはならない。


 後ろを振り返ると本陣から出たと思しき豪華な乗り物の一団、アレがここを通ってしまえば混乱している他の連中もそれに続くであろう。



「おう勇者殿、俺達の筋力でも1対1は厳しい、だが倒せはしないものの複数で当たれば押さえることぐらいは出来そうだ」


「そうか……ちょっと技をかけて1体押さえ込んでくれないか、ミラ、ジェシカ、来てくれ」



 最初に森で出会ったメカゴリラさん、ここに居るのとは違う旧式であったようだが、倒した後に首を外すのは容易であった。


 ジェシカの剣を装甲の隙間に挿し込み、梃子を使ってバキッとやったのだ。


 つまり、相手を押さえ込み、その狭い隙間に剣を入れられるようにしてしまえば簡単に倒すことが出来るはずなのだ。



「セラは雷魔法で普通に狙ってくれ、精霊様が水を掛けたのを重点的にな、リリィとユリナはとりあえず敵をアッツアツにしてやるんだ」



 それ以外、カレンとマーサは後方にゴリラが行かないように守備を、俺とマリエルの2人でまだ生きている負傷者の治療に当たるルビアとサリナを守る。


 各々がそれぞれの役割をこなすために散って行った。


 ちなみにサリナは幻術を使い、このままだとヤバいが回復魔法によってどうにか助けられそうな者に暗示を掛ける、救急車の中で励ます行為の異世界バージョンだ。



「勇者様、何だか私達が狙われていませんか?」


「本当だな、超こっち見てるぞ、ルビアの回復魔法に反応しているんだろうな……」



 マリエルと2人で対応出来るメカゴリラは1体、そしてこちらに突進してくるのは6体。

 これは筋肉団にも人員を裂いて貰わないと拙そうだ。



「マリエル、とりあえず一番先頭の奴を押さえるぞ、動きを止めるだけで良い」


「う~ん、でもどうにかして倒せないでしょうか……色々試してみようかしら?」



 いつもなら余計なことをするなと言っているところであるが、未だ謎な部分が多いこのゴリラに対抗する策は1つでも多く見つけておいた方が良い。


 その探索はマリエルに任せ、それで落ちた戦力を俺が補うのがベストであろう。

 実際に戦闘の中で何かを見つける能力はマリエルの方が格段に上だ。


 もちろんヤバくなったら押さえ込みの方に集中して貰うことにはなるが……と、先頭の一番槍ゴリラが到達するようだ。


 聖棒を横にして前に突き出し、あたかも交通整理で車を停めるかの如くゴリラの前に立ちはだかる。

 唯一交通整理と異なるのは、この車、いやゴリラはそのまま突っ込んで来るということだ。


 ガキッという金属音が響き、ズルズルと1m以上も下げられてしまう。

 だがどうにか突進を止めることが出来たようだ、手がジーンとするが。



「勇者様、ちょっと失礼しますっ!」


「えっ? 何? うわっ危なっ!?」



 肩幅に広げた俺の股下から槍を突っ込んでくるマリエル。

 この穂先に触れたら体が破裂して死ぬんだぞ!


 だがその恐怖に気を取られた次の瞬間、俺と対峙していたメカゴリラが崩れ落ちる……



「やっぱり、この個体は装甲が、特に脚の装甲が薄いです、だから速かったんですね」


「本当だ、膝が破損して立てなくなっているぞ、似たような見た目でも個体差があるんだな」



 そのまま次のゴリラ、その次のゴリラも同じ方法で潰していく。

 俺の股下には何度もマリエルの凶悪な槍が通る、珍が危機に瀕しているのですよ。



「こっちに向かって来たのはこれでラストだな、ちょっと動こう、ルビア達と離れてしまったぞ」


「ええ、また同じタイプが来たら同様の方法で」


「それはちょっとイヤなんだが……」



 次々に怪我人を救護しているルビアとサリナは徐々に移動している。

 ほぼ動かずにゴリラを倒していた俺達とは既に10m以上離れた地点に行ってしまった。


 またスピードタイプのゴリラが来る前にその正面を守らないとだ。



「ところでマリエル、あのスピードゴリラが来たときは良いんだが、他のタイプ、というかあの倒せないゴリラが攻めて来たらどうするつもりだ?」


「それはないと思います、こっちへ来るのは倒せるゴリラだけのはず……」


「ほう、してその根拠は?」


「どうもあのゴリラ、パワー、スピード、知能の3つを弄って用途を変えている気がするんです、さっきのはパワーを削ってスピードと知能を上げたタイプですね」


「ほうほう、で?」


「おそらく全部を一気に高めることは出来ないと思います、ですからパワーとスピードがあって知能が低い奴は……」


「回復魔法の使い手を潰すべき、ということには気が付かないと……」


「そういうことです、だから私達が相手にするのはさっきの奴か、それかアレですね」



 アレ、というのは先程から少し気になっていたのだが、どうもこちらに向かおうとしているようだが、すぐに筋肉団員によって引き止められているゴリラのことだ。


 パワーと、それからここが狙い目だと判断する知能を兼ね備えているものの、実に動きが遅い。


 そういったノロマはガッチリと押さえ込まれ、ミラかジェシカが首の後ろから剣を差し込んでバキッとやるだけで討伐完了である。



 一方、パワーとスピードを兼ね備えた馬鹿ゴリラは、最前線で精霊様を中心にセラとユリナ、それから到着した王国軍の魔法兵とぶつかっている。


 こちらを目指すつもりは毛頭ないらしい、ただただ目の前にいる敵と戦うだけの単純な仕様になっているようだ。



「となるとアレだな、最初に森で出会ったメカゴリラはパワーとスピード、それでいて知能ゼロの旧型だったってことだな」


「そうですね、だから仲間のゲリラも見境なく殺してしまったんだと思いますよ」



 そして、今日崖の下で俺達が見たメカ細マッチョ、あれは知能全振りタイプであろう。

 自分は戦わず、俺達に気付かないフリをしながら仲間をそちらに向かわせたのだ。


 ゴリラの括りで言うと人間タイプ、といったところか……



「おう勇者殿、退路が開けそうだぞ!」


「わかった、カレン、マーサ、お偉いさん方をこっちへ誘導するんだ!」



 30体近く居たメカゴリラの一団がほぼ討伐されたことにより、僅かに開いた街道へと続く隙間。

 そこへ駄王他王国の主要人物が乗った豪華な乗り物を誘導する。


 一気に駆け抜けるゴテゴテの乗り物、やはり残ったうちで知能が高そうなゴリラはそれに攻撃を仕掛けようと試みる。


 だがマリエルの膝破壊作戦によってそれも悉く行動不能に陥り、退避第一陣は難なくそこを通過することが出来た。



 そこへ別の部隊も次々に続く、俺達は全軍が抜けるまでここを死守するのが任務だ。

 いくつかの部隊は別のゴリラに追い掛けられているようだし、まだまだ戦わねばならない。



「勇者様、ちょっとアレ見て! あのゴリラよ!」


「どれだ? 全部ゴリラだからわからんぞ」


「ほら一番後ろから追い掛けて来ている奴よ、他のと形が違うじゃない、崖の下に居たのと同じよ!」


「細マッチョか……いや、ちょっとデカくないか?」



「勇者様、アレはメカキング細マッチョと呼びましょう」


「強キャラなのに勝手に名前付けて良いのか? だがとにかくアレが指揮官っぽいな、やっつけるぞ!」



 3m以上もある巨大なメカ細マッチョ、通常サイズのゴリラ軍団を従えて俺達の居た野営地の置くから登場する。

 きっと崖を登って来たグループに混じっていたんだな。


 ちなみに返り血を浴びて真っ赤になっていることからも、単なる指揮官ではなく戦闘までこなすプレイングマネージャータイプであると判断出来る。



 ということで接敵、まずはミラとジェシカにゴンザレスを加えた3人でその進行を食い止める。

 周りの馬鹿そうなメカゴリラはカレンとマーサで翻弄してその場から引き剥がした。



「勇者様、膝を狙って下さい! 私は珍を!」


「待てマリエル、アレに珍は無いだろう、2人で同時に膝を狙うぞ」


「あ、そうか……では私は右を、勇者様は左のち……膝をお願いします」



 今明らかに珍って言いかけたよな、どんだけ珍好きなんだよマリエルは……というか何だ左の珍とは、ダブル珍を想定しているのか?


 と、そんなことはどうでも良い、聖棒を前に突き出し、指定された左の膝に突きをお見舞いする。

 硬い、これで破壊出来れば儲けものだと思ったが、やはりダメだったようだ。


 マリエルの槍でも同様、メカキング細マッチョの膝には傷1つ付いていない。



「うぐぅっ! 主殿、もう限界だぞ!」


「おう勇者殿! 俺も筋力が足りないようだ、一時離れるから少し退避していてくれ」



 やはりパワーも強いらしいメカキング細マッチョ、当然知能も高いようだ。

 サッと逃げようとした3人のうち、最も遅かったジェシカの体をパッと掴む。



「あっ! ジェシカちゃんが捕まって……鎧と服を剥がされて……ぺろぺろされていますね……」


「キモッ! 舌が蒟蒻みたいになっているのか、というかサリナ、早くモザイクを」



 負傷者の救護を続けていたサリナが幻術でモザイクを生成するのと、背中を舐められたジェシカがおもらししながら失神するのとほぼ同時であった。


 かわいそうなジェシカ、前にも似たような目に遭っていたような気がするな。



 しかし、ジェシカの犠牲は尊いものである。

 なぜならばジェシカがもう一瞬だけ素早かった場合、あそこで捕まってぺろぺろされていたのはゴンザレスであったからだ。


 それは絶対に見たくない光景だ、軍全体の士気に関わる。



「ん? あぅ……ハッ、主殿っ! 見てないで助けてくれ!」


「お、気が付いたか、でもジェシカ、モザイク処理しておいたから安心しろ、誰にも見られていないぞ」


「イヤだ、助けてくれ! 生臭いしベトベトするし、とにかく最悪なんだっ!」



 メカキング細マッチョの両腕で体をガッチリ拘束され、口から伸びた蒟蒻状の舌でぺろぺろされ続けるジェシカ。


 蒟蒻状なのではない、どう考えてもあの物体は蒟蒻だ。

 色も、中に入っているなぞの黒い粒々もそのまんまだしな。



「勇者様、モザイクで良く見えないんですが、あの舌は柔らかいんじゃないですか?」


「だな、攻撃が通りそうだぞ、けどどうやって叩くかだな」


「ジェシカちゃんが自分で攻撃するしかないですね……」



 その柔らかい舌(蒟蒻)に最も近く、さらには正確に狙いを定めることが出来るポジションに居るのは捕まっているジェシカのみである。


 もちろん腕は抱えるように掴まれているため動かせないのであるが、先程から足だけはバタバタと振り回され、必死の抵抗を見せているのだ……



「ジェシカ、足を使え足をっ! そのぺろぺろ野朗に蹴りを入れてやるんだ!」


「きゃっ、わかった! あへっ、いひっ、やってみる!」



 サリナがモザイク処理した部分の下から見えていたジェシカの生足。

 それが大きく振られ、勢いを付ける。


 次の瞬間には蒟蒻舌に食い込んだつま先が見えた。

 やはりやわらかい舌にはダメージが通るようだ。



 その攻撃を受けて悶絶し、地面を転げ回るメカキング。

 ジェシカは無事に解放されたようだ、全裸のままこちらに駆け寄って来るのがモザイク越しに見える。



「主殿、私はあんなのに穢されてしまったぞ、どうか慰めてくれ!」


「うん、わかった、わかったけど生臭いからもう少し離れてくれないか……」


「うぇぇっ、酷いじょありゅじどにょ、グスッ」



 泣いてしまった、ちなみにこの女、25歳である……



「おう勇者殿、今であれば口の中を攻撃出来そうだぞ!」


「間違いない、俺が聖棒を口の中に突っ込んで押さえる、その隙に全員で首を外してくれ!」



 痛覚があるのか、未だに悶え苦しみながら地面を転がるメカキング細マッチョ。

 仰向けになった瞬間を狙い、口の中に聖棒を差し込む……



「今だっ! 一気にやっちまえ!」


「私が剣を隙間に入れます、ゴンザレスさんは首を牽引して!」



 敵の巨大な頭を抱え、上に引っ張るゴンザレス。

 少しだけだが装甲の隙間が見えた、そこにミラが剣を突き立てる。


 だが梃子の力を使ってもそう簡単には外れない、普通の奴よりも頑丈に作られているようだ。

 まぁボスキャラだし当たり前か……



「マリエル、槍で隙間を突くんだ!」


「はいっ! てやっ!」



 マリエルの槍が隙間に入る、その瞬間に聖棒を伝わる強い衝撃。

 中で小さな爆発が起こったようだ、敵の首が半分千切れる。


 聖棒はその衝撃で口から抜ける、ミラの剣も外れてしまった。

 そこへ力を込めたゴンザレス細マッチョの首はバキッと音を立てて外れ、勢いでゴンザレスの手からすっぽ抜けてしまう。


 10m以上も飛んでいった細マッチョの首……避難中の兵士に直撃してしまった……いや、今のは避けられたはずだ、どうして動こうともせずに顔に直撃を受けたのだ?



「おうっ! すまない兵士殿……お前、その顔……」



「へっ? あいや、ちょっと痛かったかな~、なんて……」




「おい、貴様その顔の説明をしろや、というか人間じゃないだろ?」


「・・・・・・・・・・」



 細マッチョの首がぶつかり、顔の皮膚がえらいことになってしまった1人の王国軍兵士。

 その捲れた皮膚からは出血すらしていない。


 そして、その下から普通の細マッチョと思しきメカが覗いている。

 あれだ、以前戦ったウラギール侯爵に近い感じだ。


 俺の元居た世界の基準で言うとロボットが人類を滅ぼそうとする映画のあの敵だな。

 非常に近い見た目となっております、マジで。



 と、とっさに逃げ出そうとするメカの一般兵、その辺で攻撃を続ける敵のメカゴリラに紛れて崖の方へ向かおうとしている。



「逃がすな! マーサ、出来れば生け捕りにしろ! 無理だったら粉々にしてでも止めるんだ!」


「はいはいっ!」



 おそらく、いや確実にこの合戦場で最も素早さの高いマーサがそれを追い掛けた。

 あっという間に追い付き、首根っこを掴んで地面に引き倒す。


 捕獲完了だ、これで敵のスパイと思しき輩の正体が……



『ウホッ、セントウフノウ、セントウフノウ……ジバクマデアト10……9……』



「やべぇっ、自爆するつもりだ、逃げろマーサ!」


「イヤんなっちゃうわね!」



 とっさにその場を離れるマーサ、自爆カウントを始めたメカ一般兵、というかスパイロボットらしき何かは立ち上がる、まさか俺達を道連れにするつもりか?



『ウホッ、ジバクスルトオモッタ? ウソダバーカ、アバヨッ! ウホウホッ!』



「野郎、逃げやがったぞ! おいセラ、ぶっ飛ばしてやれ!」


「これは頭にくるわね、全力の落雷を喰らいなさいっ!」



『ウホッ? ドベベベベェェェッ……ブボッ』


「ざまぁ、ぶっ壊れやがったぞ」



「でも勇者様、あんなに壊しちゃって良かったのかしら? 仲間の情報とか吐かせられなくなっちゃったわよ」


「どうせメカに拷問したって無駄だろう、それよりも良い判別方法があるぞ」


「良い方法?」


「全軍の兵士から採血するんだ」



 最初の一撃、つまりメカキング細マッチョの首が直撃した際、あのスパイロボットは一滴も血を流していなかった。

 顔の皮膚がベロッとはがれていたにも関わらずだ。


 ということは肌に傷を付けて血が出る兵士は本物、そうでないものは逆に敵が放ち、王国軍に紛れ込んでいるスパイロボットだということになる。


 とにかくここから脱出したらすぐに検査をすべきだ。



 それからあのスパイの近くに居た兵士にも話を聞いてみよう。

 何か変わったことがなかったか、いつ入隊したのかなど知っておきたい。



「おう勇者殿、そろそろ全軍の脱出が完了するぞ、俺達は戦いながら退却しようではないか」


「そうだな、犠牲は大きかったが敵がどうやって俺達の居場所を知ったのか見当が付いた、まぁ良しとしよう」



 この奇襲で失った兵力は2,000以上、凄まじい大損害である。

 だが、このような事態になる原因さえ取り払えば今後このようなイレギュラーは起こらないはずだ。


 撤退した王国軍の下へ急ぎ、今あったことを明確に伝えておこう。

 明日の朝には全てのスパイロボットを摘発、破壊することが出来るはず。



「勇者様、摘発作戦には私達も参加しましょう、もしかしたら一般兵では勝てない強さを持っているかもです」


「ああ、念には念を入れてってやつだな」



 さすがにミラやカレン、リリィなどは深夜まで起きていられないであろう。

 ここはいつも夜更かしばかりしているメンバーで摘発作戦の警戒に当たることとした。



 メカゴリラと戦いながら街道を下る。

 司令官を倒したことによってか、その動きはバラバラ、全く統制が取れなくなっているようだ。


 この分なら特に問題はない、これまで見つけてきた戦い方を駆使すれば特に脅威とはならないであろう。



 しばらく下ると少し広くなった地点で待機していた王国軍の本体と合流出来た。

 ルビアには引き続き軽傷者の治療を頼み、俺とセラだけで臨時の作戦本部へと向かう。



「……てことなんだ、メカ細マッチョが人間の皮を被って紛れ込んでいた」


「ふむ、それがスパイの役割を果たしていたということじゃな、それで特徴は?」


「血も涙もないんだ、物理的にな」


「判別は容易ということじゃな、ではこれよりスパイ狩りを行う、全軍全兵士、仕官もじゃ!」



 これ以上敵の奇襲によって被害を出すわけにはいかない、今夜はスパイ狩りだ……

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