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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第七章 敵性メディア
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207 組織的戦闘

「う~む、これはアレだな、王都やその周辺都市に進軍すると見せかけた罠だな」


「最初からここで俺達を待ち構えるつもりだったってことか?」


「そうとしか思えん、部隊長としての勘だよ、ちなみにあのお仲間をなんとかしてくれんかね」



 お仲間というのはジェシカのことだ、1人だけ茂みである、平野なのに枝葉を全身に付け、ちょっとした藪と化している。



「おいジェシカ、その格好は目立つからやめるんだ」


「何を言う主殿、これはカムフラージュといってだな、周囲の木々に紛れて自分を目立たなくさせるためのものなんだ」


「周囲の木々とやらはどこにあるんだ? 遠くの森だろうが」


「・・・・・・・・・・」



 ジェシカの頭に生えた枝を引っこ抜きながら指摘する、それでようやく過ちに気が付いたようだ。

 普段は賢いはずなのにどうしてこういう肝心なところだけ馬鹿なのであろうか?



 枝葉を取り去ったジェシカ、その下に着込んでいたのは昨日物資の補給で手に入れたビキニ状の防具であった。


 後ろに居る奇襲部隊の兵士が鼻の下を伸ばしている、仕方が無い、俺が真後ろにぴったり付いて隠すこととしよう。


 ちなみに今は匍匐前進の最中である。



「おっと、膝当てがズレてしまった、きゃっ! 何をするんだ主殿」


「もごもご、もごごごごもごも(いや、急に止まる方が悪いんだ)」


「もごもご言っていないで早く私の尻から顔を退けるんだ」


「ぷはっ、大変に美味であったぞ、また止まったら突っ込むからそのつもりで」


「おのれぇ~、後で仕返ししてやるからな」



 俺が後ろに居るのを知りながら匍匐前進を止めたジェシカが悪いことは間違いない。

 尻に顔を突っ込んでしまったのはそれが原因ゆえ無罪である。




「もしもし勇者殿、君達はいつもこんなに緊張感がないのかね?」


「ああ、こういうときこそリラックスしておくべきだと信じて止まないからな」


「……そうなのね」



 部隊長はふざける俺達を見て呆れてしまったようだ。

 いつもはリアルにこんなもんじゃないんだぜ。



 そんなことをやっている間に敵の塹壕に接近してきた。

 既に1時間以上は匍匐前進を続けているはずだ全員分の肘当てと膝当てを買い換えないとだな。



「勇者殿、塹壕らしきものが見えたぞ、ここで一旦停止しよう」


「確か中央の部隊が前進を始めるまで待つんだったな、カレン、わかっているな」


「大丈夫……だと思います!」



 だと思うじゃ困るんだよ、尻尾の毛が逆立っているあたり、ちょっとしたきっかけで勢い余って飛び出しそうで不安だ。


 首輪にリードを付けてミラに持たせておこう。



 そのままさらに30分以上待機する、中央の軍はなかなか動き出そうとしない、ビビッてんのか?


 いや、どうやら出て来るようだ、森の出口付近に横並びとなり、先頭の兵が長槍を構えているのが見える。


 一方、敵はそれに対応しようという素振りを見せない、おそらく塹壕に隠してある伏兵によって王国軍は壊滅し、自分達の所までは到達しないと踏んでいるのであろう。


 誠に馬鹿な連中だ、目に物を見せてくれよう、それが最後に見る光景になるのだがな。



「まだだぞ、わが軍の先頭が塹壕にかかる直前に攻撃開始だ、その辺りで敵兵は弓を引いて待つことになるであろうからな」


「じゃあ先頭の連中は毒矢を喰らう可能性があるってことだな、ご愁傷様」


「少しぐらいは仕方が無い、覚悟は出来ているはずだ」



 これから死ぬかも知れない先頭の長槍兵を見る、本当に矢を受ける覚悟が出来ているとは思えないが。

 そもそももっと良い鎧を着ておくべきだと思うぞ、完全に雑兵スタイルじゃないか……



「カレンちゃん、ステイよ、ステイ」


「わぅ~っ! まだ攻撃しないんですか?」


「ちょっと落ち着け、もうすぐだ、もうすぐ……」



『奇襲部隊、突撃!』



「カレンちゃん、GOよ!」


「わうっ! 行って来ます!」


「待て待て、皆で行くんだよ! あ~、行っちゃったよ……俺達も急ごう!」



 攻撃開始の合図と同時にすっ飛んで行ったカレン、俺達もそれに続く。

 上空を精霊様、それからセラが乗ったリリィが凄まじいスピードで追い越して行った。



 最初の一撃は航空部隊の役目だ、ちなみに敵は麻痺毒を使ってくる可能性が高いため、状態異常に弱いリリィは一撃離脱だ。


 精霊様は攻撃後、反対側の塹壕にも打撃を加えるべく戦闘地域を渡って行く手はずである。



 リリィのブレスが塹壕に浴びせられる。

 その後ろから精霊様が水を掛け、奇襲部隊が突撃する場所を確保していく。



 最初に塹壕へ飛び込んだのはもちろんカレン、続いてマーサ。

 カレンは背が低いため完全に隠れてしまったものの、マーサはウサ耳がぴょこんと出ている。


 まぁ、カレンの居場所も飛び散る血飛沫が教えてくれるため問題なく把握出来るのだが……



 ミラ、ジェシカも塹壕へ入り、その次は俺と部隊長のおっさん、その後も奇襲部隊がガンガン続く。

 ちなみにマリエルは後ろに下げてある、こんな汚らしい塹壕に王女様を入れるわけにもいかないからだ。



「結構生き残っていやがるな、こいつらはどうやってブレスを耐えたんだ?」


「わからない、だが無傷の敵も居るな、何らかの術式を使っていたのかも知れないぞ」



『術式』という言葉だけで片付いてしまう異世界は本当に都合が良い、剣と魔法のファンタジー世界に来て良かったと思う瞬間のひとつである。


 とにかくその『術式』を使ってリリィのブレスを無効化したと思しき一部の敵兵。


 どうやら最初に攻撃を加えた箇所ではほとんどが黒コゲになって死んでいるが、後半に喰らった敵兵はダメージすら受けていない者が多いようだ。


 きっと気が付いて何かを発動したかどうかの差なのであろう。



 そしてその敵兵、どうやら弓と短剣しか持っていないようだ。

 最初に矢を射掛けた後はどうするつもりだったのであろうか?


 まぁ良いや、とにかくそのお陰で激ヨワなのは確かだからな。

 一気に片付けて塹壕を制圧してしまおう。



「オラオラオラオラッ! 死ね死ね死ね死ねっ!」


「勇者様、口だけではなくもっと手を動かして下さい、Kill数が一般兵士並みですよ」


「すんまそん」



 大声だけ出して実際にはサボる作戦であったが、ミラに感付かれ、怒られてしまった。

 察しの良い何とやらはアレだよ。


 そうだ、敵の壷に入っている液体を使ってみよう、効率が上がるかも知れない。



 壷を探し、その中にどす黒い液体が入っていることを確認する。

 そこへ聖棒をディップし、先端が真っ黒になった状態で戦闘に復帰した。


 ちょうど手近に居た敵兵の顔を軽く突いてみよう……



「あげっ! ぎゃぁぁぁぁぁっ! 熱い、熱いぃぃぃっ!」


「おいおい、溶けちゃってるぞ、かなりヤバいんでないのこの液体?」


「それ、薄めて使うやつだと思いますよ、ほら、3倍濃縮タイプって書いてあるじゃないですか」



 麺つゆか何かでしょうか? いいえ、猛毒です。



 だがとにかくこれで俺の討伐スピードは格段にアップする。

 突かなくても良い、先端に付けた液体を飛ばして敵に掛けるだけだ。


 あ……部隊長の背中に掛かってしまった、鎧が溶けている……見なかったことにしよう、本人は気付いていないらしいからな。



 何食わぬ顔でその場を離れ、別の位置、というか味方があまり居ないポジションで同じことを繰り返す。

 周囲からは勇敢な異世界勇者が敵の塊に突撃しているように見えるであろう。



 と、この毒にはこちらも気を付けないとだ。

 敵だって薄めずに使う作戦に出てくるかも知れない。


 だが、完全に混乱し切っている敵兵はもはや毒の壷を使うことにすら気が回らないようだ。

 塹壕から飛び出し、外に居るセラやユリナの魔法で首を吹っ飛ばされる者も続出している。



 しばらく戦い、俺1人で対応していた敵の一団が絶滅した頃、部隊長がこちらへ駆け寄って来る……さっきのがバレたわけじゃないよな……



「勇者殿、敵の数がかなり減ってきたようだ、ここは兵達に任せて逃げ出した敵を追跡しよう」


「ん? その必要は無いと思うぞ、ちょっと外を見てみるんだ」


「外の様子を? うわっ、なんじゃこりゃ!」



 魔法使い以外で唯一塹壕に飛び込んでいなかったマリエル、しかし戦闘に参加しなかったということではない。


 逃げ出そうとした敵兵を使って、新しい槍の使用感を試していたのである。


 当然塹壕の外は大虐殺の地と化していた。

 もうあの血溜まりが先程まで人間であったと聞いて信じる者は居ないであろう。


 もちろんこの残酷な運命から逃れるために降参した敵兵も多かったはずだ、だがそれを認めず、動くものは全てマリエルの槍によって粉々にされたらしい。



「まぁそういうことで、ここを制圧したらキープしておくのが一番だろう」


「そうだな、ではさっさと敵を殲滅しようではないか」



 もう手の届く所にある奇襲成功の栄誉に向けて気合を入れ直す部隊長のおっさん。

 だが、そんな話をしている間に戦闘はほぼ終わってしまったようだ。


 僅かに残った敵の弓兵も全ての武器を地面に投げ捨て、両手を挙げている。

 白旗を掲げている者も多いようだが、また褌とかじゃないよな?



 これでこちら側の奇襲は終わりだ、反対側を見てみよう……もう少し、といった感じだな。


 それでもわざわざ加勢に行く必要は無さそうだ、既に向こうの部隊長は塹壕から出て指揮をしているようだし、外に居る兵士に王国の旗を準備させている。


 あとはもう時間の問題であろう、精霊様も攻撃を終えてこちらに戻って来るようだ。



「おかえり精霊様、あっちはどうだった?」


「そりゃもう皆殺しよ、あら、こっちは捕虜が多いわね」


「降参した奴が多かったからな、どうせ後で処刑されるのにご苦労なことだ」



 とは言っても捕虜の数など50人かそこら、これから正面の軍が叩き潰す敵の本隊からはこの程度ではない数の捕虜が生じるであろう。


 今夜はこの連中をキャンプファイヤーの薪にしてやろう、もちろん生きたまま火に放り込んでやる……



「ご主人様、ここで待っているのはつまらないです、正面の人達と一緒に戦って来て良いですか?」


「そうだな、行きたい者は行って良いぞ、ゴンザレス達も出るみたいだし」


「やった! じゃあいってきま~す!」



 飛び出していったのはカレンだけであった、他は誰も行こうとしない、もちろん俺もだ。

 というか疲れた、どうしてカレンはあんなに元気なんだ?



「勇者殿、この壷に入った麻痺毒はどうするべきだと思うかね?」


「そうだな……精霊様、ちょっと良いか?」


「何? まだ戦うならこの先は別料金よ」


「金貰ってたのか……でももう一働きして欲しい、この壷の毒を敵軍本体に振り掛けて来てくれ」


「面白そうじゃない、ちょっと行って来るわね!」


「間違えて味方に掛けるなよぉ~っ!」


「はいは~い!」



 嬉しそうに飛んで行く精霊様、趣味でやってるんだろうから別料金は払わなくて良さそうだな。


 しばらくすると王国軍とぶつかっている敵軍の後方が大騒ぎになっている音が聞こえてきた。

 精霊様の攻撃は成功したらしい、両手に壷を抱えて行ったから被害甚大であろう。



 お、その精霊様が戻って来た……ほぼ全裸で……



「何? どうしてそうなったんだ?」


「ちょっと溢したのよ、溶けるなんて聞いていなかったわ! 服を弁償しなさい!」


「知らねーよ、そんなもの溢すんじゃない」



 精霊様の不当な賠償請求を棄却し、俺の上着を貸してやった。

 下は丸出しだが何も無いよりはマシであろう、ちなみに敵兵の服は臭そうだから着ないそうだ。



「おっ! 主殿、指揮官殿、敵が敗走を始めたぞ、こちらの勝利だ!」


「あとは落ち武者狩りだけだな、カレンはもう帰って来るだろう」



 と思ったらちょうどこちらへ向かう小さな影、やはり攻撃してこない敵には興味が無いようだ。

 塹壕に飛び込み、俺の背中によじ登って来た、光の爪を伸ばしたまま……



「おいカレン、背中が破けるだろうが!」


「だってもう疲れたんですもん、匍匐前進嫌いです」


「疲労の原因はそこかよ……」



 とにかく戦闘はもうお終いだ、塹壕を出て戦場の中央、つまり最も開けた場所へ向かう。

 馬車はルビアが取りに行ったようだ、俺達はより良い野営スポットを確保しておこう。



「勇者様、この辺りにブルーシートを敷くべきね、一番平らだわ」


「じゃあ馬車が来るまでここを占領しておこう、先に戦いが終わってラッキーだったな」



 他の部隊も戻り次第陣を張って野営の準備を始めている。

 落ち武者狩りの連中はかわいそうだがデコボコの地面で寝るしかなさそうだな。



 馬車に乗ったルビアも戻り、ここで一旦食事休憩だ。

 と言っても夕飯前だし、軽くにしておこう。



「勇者様、今入った報告なんですが、敗走した敵の一部が森の中でゲリラ化しているそうですよ」


「そうか、じゃあ夜回りはしっかりしておかないとだな、まぁ俺達はやらんでも良いと思うが」



 しかしそうなるとこの先進んで行く森の中がゲリラだらけということになる。

 どのぐらいの数が居るのかはわからないが、明日からの行軍も大変そうだ……



「それと、日暮れと同時に捕虜の処刑を始めるそうです、全部で1,500人、火炙りと八つ裂きですね」


「じゃあそれまでゆっくり休憩していよう、ちなみに精霊様は処刑の方に……いつまで裸なんだ?」



「あら、完全に忘れていたわ」


「さっさと服を着て俺の上着を返してくれ、あとジェシカもまともな格好に戻れ」


「いや、私は返り血を浴びているから風呂上りに着替える」


「風邪引いても知らないからな」


「なぁに、主殿に移してしまえばすぐに治る、おっと主殿は馬鹿だから風邪を引かないんだったか」


「ジェシカ、馬車の中でお尻ペンペンしようか」



 ジェシカの手を引っ張って馬車に乗り込む、見れば見る程にエッチな装備だ。

 ほぼ丸出しの尻をピシッと叩くとぷるんぷるん揺れた。



「そういえばジェシカ、元々着ていた服はどうしたんだ?」


「あ……蛮族の地に忘れて来た、着替え丸ごと、全部……」


「アホかっ!」


「あいったぁぁぁっ!」



 罰として明日からは全裸に鎧で戦わせよう、こんなエッチなビキニをいくつも持って来たのに肝心の着替えを忘れてくるとはどういうつもりだ。


 しばらくジェシカを引っ叩いていると、ミラが馬車の中に入って来る……



「勇者様、そろそろ食事の配給時間ですよ」


「わかった、全員で取りに行こう、持って帰ったら食べる前に風呂の順番が来そうだな」



 その日は緒戦の勝利を祝って全軍に酒が振舞われた。

 捕虜を燃料に使ったキャンプファイヤーもなかなか盛り上がったようだ。



 なお、部隊長じゃんけんで敗北した3つの部隊は夜通し見張りをしていたという。

 襲撃して来たゲリラを50人以上も殺戮する大活躍だったそうな。



 翌朝は早くに出発である、酒はほどほどにして早めに就寝した……



 ※※※



『では全軍前進! 森の中ではゲリラの攻撃に注意せよ!』



 早朝からババァのがらがら声で出発である、実に気分が悪い。

 ちなみに今日は俺達が先頭、筋肉団が要人警護だ。



 平野を抜けて森に入ると、早速ゲリラが矢を放ってきた。


 俺達の後ろに居た歩兵が1人やられたようだ、すぐに馬車に引き込み、ルビアが回復魔法を使って治療する。


 しばらくはルビアを外に出さない方が良いな、回復魔法を使ったところを敵に見られていたら狙われ放題になってしまう。



「勇者様、あの木の上に3人、茂みの中にも3人居るわよ」


「全くどうしようもない連中だな、セラ、魔法でぶっ殺してやれ」


「上は良いけど茂みの中のはちょっと狙い辛いわね、馬車から降りるのも面倒だし」



 ということでその場は木の上に居た3人のみ対応し、残りは一般の歩兵に場所を教えてどうにかさせた。

 この先これが延々と続くかと思うと気が重い。


 試しに索敵を使ってみると、なんと周囲は敵だらけ、どれも5人~10人程度の小規模なゲリラ部隊ではあるが、馬車に乗っていない歩兵にとっては脅威となり得る。



「なぁ精霊様、ちょっと出てゲリラ狩りをしてきてくれないか?」


「全部はムリよ、もう少しまとまっていないと効率が悪いわ、それに街道沿いばかりに居るわけじゃないんでしょ?」


「確かに、そこらに点々と居るから探すのも大変だな」



 というか最悪向こうが先にこちらを見つけて先制攻撃を仕掛けてくる可能性すらある。


 昨日敵の弓兵が持っていた毒を使っているとしたらそれは厄介だ。

 精霊様は大丈夫かも知れないが……



「う~ん、このままじゃ全然前に進めないぞ、100mおきぐらいで攻撃されるだろうし」


「勇者様、こうなったら森に分け入ってゲリラ狩りをするしか……」


「ミラ、それを言うんじゃない、面倒だから意図的に選択肢から外していたのに」


「あらそうだったんですね、でももう無駄かと思いますよ」



「お~うっ! 勇者殿、ゲリラ狩りをしようではないか」


「・・・・・・・・・・」



 やる気満々ゴンザレスさんのご登場である、筋肉団員のうち半分が付いて来ているようだ。

 こうなったら仕方が無い、俺達も森に入ってゲリラ兵の討伐をすることとしよう。



 とりあえず軍全体を止め、俺達の馬車を拠点にしてゲリラ討伐作戦をスタートした。

 ちなみに拠点の主はルビアである、救護所も兼ねているためだ。



「おぉ、ゆうしゃよ、頑張るのじゃぞ」


「おい駄王、お前もしかしそれだけ言いにここまで来たのか?」


「そうじゃよ、後ろの方で待っておっても暇じゃしな」


「危ねぇから帰れや、王冠なんか被ってたら身バレして狙われるぞ」



 大馬鹿駄王を自分のポジションに帰らせ、俺達は森の中に突入して行く。

 カレンやマーサの聴覚と嗅覚、それから俺の索敵が頼りだ。



「しかし凄い数だな、これじゃ本当に殲滅は無理かも知れんな」


「なぁに、100人ぐらい惨殺すれば逃げ出す奴も多いはずだ、気合入れていこうではないか」



 こうして大変面倒なゲリラ兵狩りが始まった、今日中に終わると良いな……

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