1 森の中で出会った姉妹
異世界勇者アタルは転移と同時に水に落ちた。
冷たいし、ローマ皇帝風の貫頭衣が吸水して重い。
ここは池、というか泉のようだ、その周囲は完全に森。
必死になって足の付く浅瀬まで移動し、ザバザバと陸に上がる、と、同時に頭の中に女神の声が響く。
『無事に転移できたようで安心しました、ちなみに勇者アタルよ、この声が聞こえていますか?』
「ハイハイ、聞こえてるよ!何一つ無事ではないがな! てかなぜ陸ではなく水の上に転移させた? お前の知っている人間というのは水棲生物なのか?」
『申し訳ありません……少しでも落下時の衝撃が和らぐようにと配慮したつもりでしたが、ご不満でしたらもう一度神界に戻って転移をやり直しますか?』
「いや、もういい……更なる不測の事態に陥るのは明らかだしな、で、これからどうしたら良い?」
今一度女神の元に顔を出すという選択肢は存在しない。
というか奴とのここまでのやりとりで命を落としていないことが奇跡に近いのではないだろうか?
そもそも戻ってもう一度顔を合わせた際、あの女神を許すことが出来るのかという話だ。
滅多打ち程度で済ませるつもりは毛ほどもない。
もうね、処刑ですよ、処刑。
『あの……良いですか? まずはご自身のステータスを確認してみて下さい、対象物鑑定の能力を自分に使うイメージで……』
やってみる……先程女神のを見たときと同じウインドウが目の前に現れる。
アタル LV1
職業:異世界勇者
性別:♂
年齢:22
HP:122
MP:53
総ステータス:513(+5,000)
スキル
・索敵
・対象物鑑定
・算術
・簿記会計
・接客
装備
・聖棒
さっき貰った能力は『スキル』に該当するのか、現状それも含めて5つのスキルを持っているわけだが、残念なことに戦闘に使えそうなものは無い。
ま、格闘技とかやってたわけじゃないしね……
ところで気になるのが『総ステータス』のところだ。
何だこの+5,000てのは、もしかして聖棒? 聖棒の力なのか?
ちょっと聖棒を地面に置いてみる……装備欄が『なし』となり+5,000の表示が消えた! なにこれ聖棒強い!
もとあった自分の力のおよそ10倍の補正である。これは良い物を頂いた、初めて女神ケールに感謝する。
『どうですか? 見ることが出来ましたか? 通常転移したばかりの異世界人はHPが100前後、総ステータスは500程度になります』
「うん、出来たぞ、イマイチ理解していないがな」
『ちなみに総ステータスは攻撃力・防御力・魔法攻撃力・魔法防御力・素早さ・技術・知能の総計ですから、覚えてお……』
「あ、そういうのもうどうでも良いです」
『……ちなみに聖棒は装備時の攻撃力が+5,000になりますから凄く強いです! 肌身離さず持っておくことをお勧めしますよ』
『あと、聖棒には抗菌と消臭以外の力も付与してあります。そちらも鑑定してみてください。』
言われた通り、聖棒に対象物鑑定を使う……
聖棒(物干し竿)
女神が使用していた物干し竿。3万年分の神気が染み渡った逸品。
攻撃力:5,000
・抗菌
・消臭
・対魔族ダメージ10倍
・絶対形状維持
・発光
「なるほど、ちなみに一つ聞きたいんだが先行した勇者達に配布した聖剣とやらはどの程度のものなんだ?」
『そうですねぇ……聖剣の攻撃力は良いもので500、質の悪いものだと200程度です』
「よわっ!? ウ○コじゃん!」
『それでも武器としてはかなり優秀な方なのですよ、ただ使い切りタイプとなっていますので、徐々に腐ってきて通常1ヶ月程度で勝手に崩壊します』
聖剣は消耗品だった、しかも品質にかなりムラがある。
聖棒勇者で良かった……
『それと、元勇者だった肉塊の傍にその方の聖剣が落ちていることがあるかもしれませんが、拾って使用しても何の効果も得られません。それをするには神界にて所有権の登記をする必要がありますから』
聖剣は不動産だった、しかも一向にその正体が掴めない。
聖棒勇者で良かった……
「わかった、ステータス等の確認はもういい、で、実際に敵と戦闘するにはどうしたら良い?」
『まずは索敵して下さい、おそらくその辺にスライムとかの雑魚がたくさんいると思いますので、聖棒で突っついたりして始末してみるんです』
「了解した!」
意識して索敵する……おや、泉の畔に相当な数が居るらしい……全部『スライム LV1』だ。
恐る恐る近づいていく、何となく薄い緑色のブヨブヨが大量に蠢いている。
ブヨブヨの中心あたりには丸い玉のようなもの。
気持ち悪い、とにかく気持ち悪い、可愛げ? その要素はゼロである。
というかこんな謎生物が存在している時点でここが本当に異世界であるということが確定したと言えよう。
いや、そもそも生物なのかすら怪しい。
さらに接近すると、向こうもこちらに気がついたようでウネウネと近づいてくる。
聖棒のなるべく端の方を握り、リーチを最大にしてそっとその生物を突く……
パンッという音とともに謎生物が破裂し、ベトベトの液体が飛び散る、気持ち悪い。
で、これは倒したという認識で良いのか?
『おめでとうございます! 異世界初の魔物討伐です! その感じでガンガンいきましょう』
『ちなみに魔物に関してはどれだけ倒しても次々沸いてきます、生態系とか気にしなくて良いですから、可能な限り多くを退治して経験値を稼いで下さい!』
女神の嬉しそうな声が頭に響く、こんなので良いのなら楽勝だ、ガンガンいこうぜ!
すっかりその気になってしまい『スライムLV1』を破裂させ続ける。
棒で突くだけの簡単なお仕事だ。
だが、そのときは突然に訪れる……
「うわぁっっ! キモっ!」
スライムがこちらに飛び掛ってきたのである。聖棒で捌き切れずソレは右の肩あたりに直撃する。
わかるだろうか?室内で追い詰められた『G』が羽を広げ、こちらに向かって特攻を仕掛けてきたときの恐怖、まさにそのものである。
物理的なダメージは皆無であるが、精神的にかなり持っていかれた。
そこからは半狂乱になってスライムを潰す。
突き、薙ぎ払いその他諸々の攻撃を駆使し、梱包材のプチプチを潰すがごとく屠っていく。
30分以上もそんなことを続けていたであろうか? 気がつくとそこは一面ネバネバの液体に覆われた不快な地へと変貌していた。
美しく澄み渡る泉の畔などはるか過去の光景である。
一息つこう、そう思った瞬間、またしても女神の声。
『勇者アタル、そこに2人組の冒険者が近づいています。』
「え、冒険者って人間? どうする? 隠れた方が良い?」
索敵に反応が無いところを見ると敵意は無いのであろう。
しかしこの異世界で始めて遭遇する人間なのだ。
どのように接したらいいのか? 言葉は通じるのか? 色々と疑問がある。
それゆえ女神に指示を仰ぐ。
『落ち着いて下さい、メディトレイアの人間は異世界勇者慣れしています、今回の召喚についても神託として伝えてありますから、もしかしたらあなたを探しているのかもしれません』
「え? あ、そうなの? 何だ異世界勇者慣れって」
『とりあえずですがその者たちに出会ったらテイムして隷属させてパーティーに加えておいて下さい、盾代わりぐらいにはなるかと思いますよ』
「何だよテイムって? 俺そんなスキル持ってないんだけど」
『いえ、スキルのテイムを使って使役できるのは魔物か動物ぐらいです』
「ダメじゃん」
『人間相手にテイムする場合、スキルの使用ではなく暴行を加えるなどしてどちらの方が立場が上なのか知らしめる必要があります、聖棒を使って死なない程度に痛めつけるのが良いでしょう』
……テイム(物理)、紛うことなき犯罪である。
この馬鹿の言うことは聞かず、普通に対応するべきだろう。
『来ますっ!』
「あーっ! お姉ちゃん、やっぱり人がいるよ、ってうわっ!」
「なになに? あらーっコレ全部スライム……の残骸? あなたが倒したの? ていうかもしかしてあなた異世界人!?」
やってきたのは2人の少女、どういうわけか言葉は通じるようだ。
最初に来たのが剣士風の子で右手にボロボロの片手剣、左手には木製の盾を填めている。
凄く可愛い、巨乳。
後から来たのは魔法使い風の子、お姉ちゃんと呼ばれていたから姉妹なのだろう。
ローブを着ており、片手に安っぽい木の杖を持っている。
凄く可愛い、貧乳。
「ああ、俺はアタル、ついさっき女神によってここに送り込まれたんだ、今はこの気持ち悪いスライムを退治してる、ちょっと飽きてきたんだけどね……」
「やっぱり異世界勇者だ! あっ私はセラ、風魔法使いの冒険者なの、よろしくねっ!」
「私はミラと申します、剣士で冒険者で、それからお姉ちゃんの奴隷です、よろしくお願いします!」
なんだか物騒なワードが聞こえてきたんだが…奴隷? 姉妹なのに片方が奴隷とは……そういうプレイなのか?
「なあ、今ミラちゃん? 奴隷って……」
この異世界には普通に奴隷制度があるらしい。
聞けば、もともと2人の家は近くの村の農家であり、数年前の不作により、一家で金貨2枚の人頭税を納めることが出来なかったという。
そこで知り合いの商人(善人)にミラを金貨30枚で奴隷として買い取ってもらったそうだ。
で、姉のセラが冒険者となって金を稼ぎ、納税して余った金貨も加え、最近になってようやくその商人からミラの身柄を買い戻したとのこと。
しかし、奴隷を解放して平民に戻すためには国に『金貨100枚』を別途納める必要がある。
今はその資金を貯めることを目標として2人で王都を拠点として冒険者をしているらしい。
凄く良いハナシだ、もしあの畜生にも劣る存在たる女神に唆されて、この純粋で美しい二人をテイム(物理)していたのならば、俺は自害の道を選んだであろう。
「ねえお姉ちゃんっ!私たち勇者様を見つけたってことは金一封が貰えるんじゃないの?」
「ええ、そのようね! 遺体じゃないけど…」
「金一封? 遺体?」
2人の話を聞く、どうもこの姉妹は『30人目の転生勇者の遺体探し』という依頼を冒険者ギルド経由で王宮から受け、俺に先行した29人の勇者が墜落した地点に程近いここを探索していたとのことだ。
29人の遺体は既に王都の兵士や冒険者によって収容されたものの、女神の神託は『転移した勇者は30人』、つまり1人足りない。
その最後の一人、おそらく上空5,000mから墜落して死んだと思われている者を探していたのだ。
ちなみに、この依頼には王都を拠点とする冒険者の大半が参加している。
早い者勝ちの状態なのだ。
「ねえミラ、この異世界勇者様は遺体じゃなくて生きてるんだけど、それでも連れて帰ったら金一封貰えるのかな?」
「お姉ちゃん、生きているということは死んでいるのよりも価値が高いはずよ、もしかしたら金二封ぐらいを賜るかも知れないわ」
金二封とはどのような状態の金を示すのであろうか? 凄く気になるが指摘はしない。
「あの、すまないが二人にお願いがある。女神からの指示で君たちをパーティーに加えろってことなんだけど……どうやるの?」
テイム(物理)のことには触れないでおく、触れたくない。
「えっ? 私たちを? 良いのこんなんで、勇者パーティーだよ! 人類の誉れ……人族世界の代表だよっ!」
その後のセラの解説によると……
・異世界勇者を代表とするパーティーに所属することは大変に名誉なことであり、孫の代まで自慢出来る。
・異世界勇者パーティーのメンバーは公務員とみなされ、国から手厚い保障を受けることが出来る。
・一度パーティーに参加した者は犯罪者とならない限り追放されることは無い。
とのことだ、それらの点については別に構わない。
が、とりあえず二人のステータスを拝見させてもらう。
セラ LV11
職業:冒険者
性別:♀
年齢:17
HP:97
MP:213
総ステータス:552(+15)
スキル
・風魔法
装備
・魔法練習用杖(中古)
・大魔道師風ローブ(中古)
ミラ LV9
職業:冒険者(奴隷)
性別:♀
年齢:15
HP:231
MP:52
総ステータス:506(+12)
スキル
・剣技
装備
・練習用鉄剣(中古)
・木の盾(中古)
・極うす鎧(使用済)
「うん、見る限り何の問題も無いな、パーティーを結成したい!」
「ありがとう、いいわ、じゃあ自分が異世界勇者であることを意識しながら、私たちをパーティーに加える意思を口にしてみて」
「わかった、では……」
「俺は異世界勇者アタル、今をもってメディトレイアの冒険者セラ、及びその妹ミラを勇者パーティーのメンバーとする」
そう告げると、2人の体が一瞬輝いたような気がする。
その後は特に目に見える変化があるというわけではない。
しかし何となく、この2人を守らなくてはならない、逆にこの2人が俺のことを守ってくれる、そんな気がする。
これがパーティーというものなんだろうか?
「セラ、ミラ、今日から俺たちはパーティーだ、これから一緒に冒険をしていくことになる、よろしくな!」
基本、美人に対しては俺は優しい。
例外はあの女神ケールだ、非常に不快である。
即ち、この2人への対応こそ俺の真実の姿であり、あの女神への厳しい対応は『異例』である。
根本的には善良な人間だ、美人に対してはな……
「勇者アタル様、ありがとうございます! 私ミラは奴隷の身ではありますが精一杯戦います、よろしくお願い申し上げます」
妹、奴隷のミラが恭しく挨拶をする。
そこまでしなくて良いのでは? とも思うが、やはり奴隷である、いろいろと事情があるのだろう。
巨乳だし、実に良い。
「私も微力ながら頑張るわ! 勇者様、これからよろしくねっ!」
一方の姉、セラはハキハキとした感じ。
貧乳のデメリットを感じさせない、実に良い。
「さて、俺はこの世界のことが全くといって良い程にわからない、これからどうするべきなんだ?」
「そうね、まずは王都に行って王様に挨拶しなきゃね、王都はここからすぐ近くよ、今から歩けば明日には着くと思うわ」
セラがそう答える、というかこの世界の『すぐ近く』の基準がかなりワイルドなのだが……
「あ、その前にあのスライム(だったモノ)のコアを回収しなくてはなりませんね」
今度はミラ、聞けば、コアというのは魔物一体につき必ず1つ入っているものであり、それを回収して冒険者ギルドに持ち込むと現金で買取してくれるらしい。
スライムのような弱い魔物のコアは透明で、強い魔物になるほど黄色から赤、最終的には真っ黒になるそうだ。
「スライムのコアは1つにつき鉄貨1枚になるわ。」
とはセラの言、ついでに貨幣制度についても聞いておく。
この世界では鉄貨・銅貨・銀貨・金貨の4種類の貨幣が流通しており、鉄貨10枚で銅貨1枚、銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で……といった価値があるそうだ。
セラ曰く、大体鉄貨1枚で安いパンが1人前、普通の宿屋に泊まるのには銅貨5枚前後、ボロい安宿でも一泊銅貨3枚ぐらいとのこと。
ここから推測できるのは、鉄貨1枚がおよそ日本で言うところの100円相当なんじゃないかということだ。
銅貨は1,000円、金貨に至っては10万円玉ということになる。
ちなみに、金貨の上に『聖天大金貨』というものがあるらしいのだが、これは流通しているわけではなく、国王から功績を挙げた上級貴族に褒美として送られるものだそうだ。
とはいっても使い道が無いわけではない。聖天大金貨の価値は年4回、国から発表される。今は金貨116枚と銀貨3枚。
値下がりすることはないが、その価格の伸び率によって商人たちは景気の良し悪しを判断しているという、経済指標みたいなもののようだな。
そんな話をしながらスライムのコアを回収する。全部で152個、銀貨1枚と銅貨5枚、それから鉄貨2枚相当の収入だ。パンがたくさん買える。
などと考えた途端、自身の空腹に気がついてしまった。
ここまで色々とありすぎて忘れていたが、今日は何も口にしていない。そもそもこの世界では何を食べるんだ? パンだけは存在が確認できたがそれ以外のものは未知である。
ここはこの姉妹に尋ねてみる他ないだろう。
「なあ、ちょっと腹が減ってきたんだが……」
「え、勇者様も携帯食……は持ってなさそうね」
「仕方ないわ、王都に向かって歩きながら食べられる魔物や動物を探しましょう」
「待て、動物は良い、だが魔物も食べるのか?」
「ええ、魔物でもオークとか牙ウサギとかは普通に食べることができるわ、まあ美味しくはないし持ち帰って売ってもかなり安く買い叩かれるんだけどね」
「あっ、オークも牙ウサギも毛皮は高く売れるわよ、本来なら肉なんかよりもそっちを優先して回収すべきね」
と、索敵に反応、噂をすればオークだ。
二足歩行の醜い豚である、武器としてなのか棒切れを持っている。
俺の仲間なのかも知れんな、LV5、総ステータスは471、雑魚め、いや、そうでもないか?
しばらくそのまま近づくと、姉妹もオークの存在に気がついたようである。
索敵なら森の中でも100メートルぐらいの半径で敵を感知することができるようだが、俺以外は目視でしか敵を探すことが出来ない、索敵、凄く便利ね。
「待って!オークが居るわ。」
そう言ったセラは何やらブツブツと呪文のようなものを唱え始める。
呪文詠唱ってやつか?
唱え終わると手に持った杖を大きく振る。
目に見える空気の刃が凄いスピードでオークに向かって飛んでいき、左脇腹に直撃。
『ピゲぇえ~』と、何とも形容し難い醜い悲鳴とともに血が迸る。
と、同時にミラが出血して悶えるオークに向かって駆け出した。一瞬戸惑ったが俺も後に続く。
てかこの子どんだけ足速いんだよ!?
当然のように先に接敵したミラがオークに剣を突き刺す。
オークも慌てて棒切れを振り下ろすが、ミラは左手の盾でそれを受け止める。
そこでようやく辿り着いた俺がオークの額に聖棒を突きつけた。
おや、頭が爆散してしまったではないか……
俺も驚いたが、姉妹は目を丸くして固まっていた。
いやいや聖棒最強すぎるだろっ! この超兵器に先程まで無能女神のパンツが干されていたなんて信じられない。
「凄いですね……ソレ」
「さすが異世界勇者の武器ね…とにかく、このオークを解体して肉やら何やらを取りましょう」
「この先にもうひとつ泉があるから今夜はそこで野営になるわね」
とにかく、2人のおかげで食料も確保できたし、この世界のことについても少しづつわかってきた。
もちろん、まだまだ知らないことの方が多いわけであるから、この勇者パーティーの仕切りは当面セラに丸投げすることになるだろうが。
オークから持ち運べるだけの肉や素材、そしてコアを剥ぎ取り、セラを先頭に今日の野営スポットに向かって歩き出す。
このときの俺はまだ、3人でのんびり歩いて王都まで、という気でいた。
当然、異世界はそんなに甘くはないのであった……
※2020年1月25日↓
序盤部分、今見返すとかなり読み辛くなっています。
これについては時間のあるときに、徐々に改稿していく予定です。