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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第六章 王都で色々と
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198 巨悪

「おうおう、あの男、洒落た店の中に入って行くじゃぁねぇか」


「本当だな、『茶葉香る世界の紅茶ショップ』だってよ、殺し屋の分際で」



 俺達の店の前で暴れ、営業を妨害したおっさんに金を払うといっていた組織、おそらく雑誌 週刊大王都かその関連団体であろうが、とにかくそのおっさんをあっさり斬り捨てた若い男。


 俺達とマフィアのオジキ達、週刊大王都に対して復讐を誓う2つの団体は慎重にその男を尾行し、王都の中、それも普段良く行く商店街の中に入った。


 そして、1つの紅茶ショップの前まで辿り着いた男は、キョロキョロと周りを確認する動作をした後に、スッと店の中に入って行く。



「どうするよ、今から襲撃するか?」


「いや、もしかすると普通の店でその客として入ったのかも知れない、しかしもしかすると……」



「勇者様、ここからはいつも仕入をしているパン屋さんが近いです、私がそこであの紅茶店について聞いてきます」


「おう、頼んだぞミラ、その間俺達はここで見張っているからな」




 ミラを待っている間は、特に何事も起こらずに時間が過ぎる。

 15分かそこらで戻ったミラの話は、やはりというか何というか、とにかく予想通りのものであった。



「あの紅茶ショップがシルビアさんの言っていた怪しいお店だそうです、以前は3軒先に別の方の店があったと」


「で、そこがあの雑誌にやられた後で突然出来たんだな、もう確定だ、襲撃してやろう」



 マフィア達にも事情を説明したところ、その卑劣な手段にかなりご立腹の様子であった。

 若い衆と用心棒らしき冒険者のおっさん達は既に刀を抜き、臨戦態勢に入っている。


 それに続いてミラも剣を出す、カレンの爪武器も最大の長さに、マーサは何か知らんがシャドウボクシングをしている。



「よぉし、じゃあマーサ、ドアを蹴破ってしまうんだ、突入するぞ」


「任せなさい、はぁぁぁっ!」



 凄まじい勢いで走り出し、ドアにドロップキックを喰らわせるマーサ。

 ドア、というか建物自体が半壊し、中で従業員が1人死亡しているのが見える。



「な……何なんですかあなた達は!?」


「何って、復讐を遂げる者さ、週刊大王都の関係者は全員殺す」


「ひぃぃぃっ!」


「おい待てコラ……あっ! お前はこの間の記者! 逃げんなっ!」



 ビビッて逃げようとした店主らしきおっさんを追いかけた先に居たのは先程の殺し屋だけではなかった。

 俺達の店に取材に来た雑誌記者である、野郎、こんな所に居やがったか……



「いかんっ! 店長さん、我々はすぐに逃げるんですよ、ここは先生にお任せしましょう!」



「先生ってのはこの殺し屋のことですか? はい、首をどうぞ」


「えっ? あれ、うぁぁぁぁぁっ! 人殺しぃぃぃっ!」



 既に殺し屋の首を落としていたミラ、髪の毛を掴んでそれを持ち上げ、雑誌記者の男に手渡す。

 で、人殺し扱いである、そもそも首になった男も人殺しなのだが?



 と、その話には全く関係してこなかった従業員の1人が逃げ出そうとする。


 どうやらバイトの若者らしいが、ここに居る人間を逃がすわけにはいかない、精霊様が前に仁王立ちしてそれを止めた。



「お前ら、1人も動くんじゃねぇぞ」


「いえ、だって人が2人も死んで……」


「じゃあお前が3人目だ、死ねっ!」


「あぎぃぃぃっ!」



 寸止めで気絶するバイトの若者、最初に蹴破られたドアに当たって死んだのもこういう類の奴のようだ。

 だがこんな店で働いていたのだから自業自得だな。


 これで立っているのは俺達側の人間を除けば残り5人、店主と雑誌記者、それから従業員の女の子3人である。

 ちなみに今気絶させた奴、それから最初に死んだ奴は野郎だ、この2人は後で晒し者にしよう。



「オジキ、このメガネの奴は勇者パーティーの皆さんと因縁がありそうだ、俺達はこっちのおっさんを連れて帰りやしょうぜ」


「そうじゃな、帰って拷問して、あの雑誌に関する情報を吐かせるのじゃ、おめぇらもそれで構わんな?」


「ああ、俺達はこのメガネの記者に用があるからな、じゃあカレン、この馬鹿2人を気絶させろ」


「はいっ! えいっ! やぁっ!」



 テンポ良く店主と記者の鳩尾に軽いパンチを決めるカレン。

 マフィアの連中はその小ささと強さのギャップに驚いていた。



 気絶した2人を縛り上げ、ついでに店の奥で震えていたウエイトレスの3人も拘束する。

 単なるバイトだと思っていたら実は黒幕でした、みたいなことがないとも限らないためだ。



「さて、一応ガサ入れもしておくか、何かあの雑誌との繋がりが見つかるかもだからな」


「それなら商店街の人を何人か呼んで来ます、立ち会ってもらった方が良いでしょう」


「そうだな……と、呼ばずとも来たようだ」



 騒ぎを聞きつけた付近の住民が呼んだのであろう、髭を蓄えた如何にも商人らしいおっさんとその秘書らしき女性、王都7丁目商店街連合会の会頭で、商人ギルドでもそれなりの立場にある人間らしい。



「おやおや、そちらは勇者パーティーの皆さんですな、いつも7丁目商店街をご利用頂き誠にありがとうございます」


「いえいえこちらこそ、いつもお世話になっております」


「ところで、この店がマフィアの襲撃を受けたと聞いてきてみれば、どうして勇者パーティーが?」


「今はこのオジキ達と協力して週刊大王都を廃刊、いや会社ごと滅ぼす計画の途上なんですよ」


「なるほど、それで今からここを捜索すると」


「ええ、立会人をして頂けますか? おそらく証拠が出ると思うんで」


「わかりました、では私と秘書が立ち会いましょう」



 会頭とその秘書の立会いの下、紅茶店のガサ入れを始めた。

 開始早々、もう精霊様が何か見つけたようだ、木箱を持ってこちらへやって来る……



「見なさい、倉庫に高級ブランデーが隠してあったわよ」


「真面目にやりなさい」



 次に何かを見つけたのはカレン、カウンターの下から箱を取り出し、中に入っていた紙を見ている……



「ご主人様、字が難しくて読めません」


「どれどれ貸してみなさい……お、これは土地の権利書その他諸々だな、こんな所に鍵も掛けずに置いておくとはな」



 その話を聞いた会頭がこちらへ寄って来る、何か知りたいことがある、といった感じの表情だ。



「勇者さん、ちょっとよろしいですか? ここの所有者は誰になっているのか知りたいのですが」


「はいはい、え~っと権利部はここか、甲のところは……株式会社フェイクティップスですね」


「あぁ、やはりか……そこは週刊大王都を発行している会社ですよ」


「マジか、早速証拠になりそうなモノが出て来たってことだな」



 おそらくここの店長は雇われか、そもそもこの会社内部の人間なのかも知れない。

 その辺りはオジキ達が拷問して聞き出すであろう。


 その後も捜索を続け、殺害されたと見られる元々あった紅茶ショップの店主が書いた営業計画書、そして大量の茶葉、さらには金貨30枚相当の現金およびその同等物を押収した。



「勇者様、この茶葉はほとんど安物ですよ、というか良品を少しだけ混ぜて香りを誤魔化してあります」


「卑怯臭いことしやがるな、何が世界の紅茶だよ」



「おうおうっ! 食品偽装は死刑じゃぞ、こりゃあ憲兵の出番かもな」


「しかしオジキ、憲兵を呼んだらこの店主の身柄をそっちに取られやすぜ」


「むっ、そうだな、じゃあわしらは先にコイツを連れて帰るとしよう」



 マフィア達は店主の男を引き摺って帰って行った、何かわかったことがあったら勇者ハウスの方に伝えに来るそうだ。


 こちらも記者のおっさんを拷問するため、そこで得た情報もそのときに伝えると告げておいた。

 マフィアとの共闘はここで一旦終わりである。



 さて、残ったのは金、ウエイトレス3人、若い男の従業員、そして死体が2つだ。

 ちなみに茶葉は食品偽装のの証拠としてこれから来る憲兵が持って行くはずだ。


 死体なんぞは誰も要らないし、野郎の従業員も使い道がない、となると金とウエイトレスの身柄がさらに残ることになる。



「皆さん、ここにある金は殺害された方の遺族補償に使いたいのですが、よろしいですかね?」



 会頭の秘書がそう切り出す、俺はそれでも構わないし、カレンやマーサも金には興味がない。

 問題なのはミラと精霊様だが、この2人も特に問題なくOKらしい。


 というのも、ミラは混ぜ物をする前の高級な茶葉、そして精霊様は倉庫にあった酒を既に押さえているためだ、それで満足したのであろう。



「でだ、このウエイトレス3人は俺が貰って良いですかね? 店の従業員にしたいと思って」


「そういうことでしたらどうぞ、ここへ置いて行ってもどうせ憲兵に捕まって、明日には処刑ですからね」



 縛り上げられた3人のウエイトレスはその話を聞いて顔面蒼白になっている。

 きっと何も知らずにここで働いていたのであろう。


 だが、これは知らなかったでは済まされないことだ、何といっても俺達の店の営業を妨害した組織に関わっていたのだ、本来であればこの場で八つ裂きである。



 その3人を連れ、さらに気絶している雑誌記者を引き摺って店を出る。

 入れ違いに憲兵が突入し、中に残っていたバイトの男(気絶中)の身柄を押さえていた。



「とりあえず店の方に行こうか、この3人に仕事を教えないとだからな」


「あの……私達は何をさせられるんでしょうか?」


「生涯に渡って無償の強制労働だ、嬉しいだろう、慈悲深い俺達に感謝するんだな」


「そんな、ちょっと待って下さい、私達は本当に何も知らずに……」


「うるせぇな、殺されたくなかったら言うことを聞け!」


「ひぃぃぃっ!」



 商人連合の方で用意してくれた馬車に乗り込み、王と北門を目指した……



 ※※※



「ただいま、セラ、売れ行きの方はどうだ?」


「昨日と全然変わらないわよ、あの雑誌の記事を信じる人はそうそう居ないみたいね」


「なら良かった、それと新しい従業員をゲットして来たぞ、おいお前ら、さっさと降りろ!」



 ヨロヨロと降りて来る3人、1人は茶髪のショートで活発そうな見た目、あとの2人は黒髪で、一方はロングの清楚系、もう一方は後ろで束ねた地味系である。


 3人共接客業をしていただけあって清潔そうな見た目、顔も十分良いし、何よりもこういった業種の基本技術は既に持っているというのが良い。


 これならすぐに仕事を覚えられそうだ。



「じゃあお前らはコリンに預ける、コイツも囚人だからな、気兼ねなく話すと良い、おいコリン、しっかり面倒を見るんだぞ」


「全く、どうしようもなく酷い性格の異世界人ね、倫理観というものは持ち合わせていないのかしら?」


「はいはい、お褒めに預かり光栄です、倫理観など転移するときに女神の馬鹿に没収されちまったよ」



 早速ミラとアイリスがこの店の商品全ての組み立て方を教え始める。

 同じものを3回繰り返したところで次の商品、そしてまた3回と、あっという間に完璧になったようだ。


 正直言ってコリンよりも10倍は使えそうだな。



「さて、次はこの不正悪辣捏造記者をボコボコにしよう、ルビア、その辺の杭にでもに縛り付けるんだ」


「わかりました、ではここへ……火で炙ることを考えると鎖の方が良さそうですね」


「そうだな、ちょうど前に殺したモヒカン共の遺品がある、鎖というか振り回して攻撃するチェーンだがな」



 チェーンに付いていた分銅のようなものを取り外し、それを使って杭に雑誌記者を縛り付ける。

 絶対に取れないのを確認したところで精霊様が水を掛け、目を覚まさせた……



「ん……何ですか一体……いや、これはどういうことだ!?」


「おはようございます、残念ながらあなたは捕まってしまいました、これから死ぬまで拷問しますんでよろしく」


「何を、そんなことが許されるとでも思っているのか? もう怒ったぞ、異世界勇者がこれまでに行ってきた残虐行為大全集を来週のざっぺぽっ!」


「がたがたうるせぇんだよ! 聞かれたことのみに答えろ」


「ぼぉえっ! クソッ」


「返事はハイだろぉがっ!」


「ぼへぇぇぇっ! はい……」


「うるせぇんだよゴミがっ!」


「ぐぼぉぇっ!」



「勇者様、それ以上やると情報を吐く前に死んでしまいますよ」


「おう、そうだったな、じゃあストレートに聞こう、週刊大王都の編集部はどこだ?」



 記者の男は答えない、この主要な情報を吐いてしまえばもう殺されるのが目に見えているからだ。


 その後鼻や耳を削いだり、炭焼台から焼けた炭を持って来て顔に押し当てたりと、様々な拷問を試してみたものの、一向に口を割る気配はない。


 これはもうマフィア達が連れ帰った店主の方に期待する他なさそうだな……



「勇者様、今日の営業はそろそろ終わりですよ」


「そうか、じゃあ片付けて撤収しよう、このおっさんは杭ごと引っこ抜いて屋敷へ運ぶんだ」



 マーサと2人で杭を引っこ抜き、ほぼ気を失っている記者を運び出す準備をする。

 ついでに新従業員の3人も縛り上げ、縄で数珠繋ぎにして牽いて帰った。


 屋敷の地下牢を片付けてこの3人が住めるようにしないとだ、コリンの部屋も空けておいてやろう。

 杭ごと運んでいるおっさんはどこに収納しようか……



 屋敷に帰り着き、とりあえず地下牢の様子を確認する、頑張れば4室ぐらい空けられそうだ、というか要らないものが多すぎる。


 地下牢の荷物を搬出し、デフラ達が住んでいる収容所の方へ放り込む、というか誰だ、酒の空き瓶を後生大事に取っておいてあるのは?



「ちょっとっ! どうしてゴミをこちらへ投げ込んでいるんですか?」


「すまんな、地下牢を使いたいんだ、欲しいものがあったら持って行って良いぞ」


「要りませんよこんなもの、後でしっかり片付けて下さいね」



 デフラに怒られてしまった、だが仕方が無い、片付けは後でコリンやその他の3人にやらせよう。


 屋敷へ戻って4人を地下牢に押し込む。

 ちなみに食事が出来たら持ってくると告げたので抵抗を受けることはなかった。


 さて、おっさんの方は……地下牢前の廊下にでも転がしておこう。

 食事もやる必要はないし、ついでに水でも掛けておくとしよう、風でも引くが良い。



 そんな感じで激動の一日を終え、その日は疲れ切って眠ってしまった……



 ※※※



 翌朝、今日も今日とて開店の準備をするため、朝早くから領地にある店へと向かう。

 しかし、そこに広がっていた光景は昨日までとは全く異なるものであった。



「なんだこれは……」


「滅茶苦茶にされているじゃないの、誰がこんなことをしたのかしら……」



 商品受け渡し台は粉々に破壊され、移設したプレハブ小屋は壁に穴を空けられている。

 炭焼き台も再利用が出来ない程に破壊されていた。


 夜中に誰かが来てやったのは間違いない、夕方俺達や畑で農作業をしているおっさん達が帰った後は無人になるこの領地、そこを狙われたのだ。


 しばらく呆然としてしまったが、パン屋と肉屋が品物を持ってやって来たところでようやく正気に戻った俺達、怒りがこみ上げてくる……



「幸いドライブスルーレーンだけは無事だ、何とかして今日も営業を始めよう」


「まずは残骸の片付けですね、商品を作る方はコリンちゃん達に任せましょう」



 急いで片付けをし、パン屋が持って来た木箱を借りて商品受け渡し台の代わりに、そして肉屋が貸してくれた包丁とまな板を使って商品の製作を始める。


 一段落着いた頃、この件の犯人について色々と考えを巡らし始めた……



「どう考えても週刊大王都の関係者がやったんだよな、チクショウ、早くやつらのアジトを探し出さないと」


「勇者様、ここまで来るともう王宮の力を借りるしかないのでは? 雑誌発行の許可は王宮が出しているはずですし」


「マリエルの言う通りだな、マフィアのオジキ達にはちょっと悪いが、ここは体制側の力を使って犯人探しをしよう」



 とりあえず王宮へ向かうべきだ、例の雑誌を抱え、セラと一緒にリリィに乗り込み、王都上空を一気に南下する。


 王の間に繋がるテラスへ乱暴に着陸し、中へ入った。

 ちょうど駄王も総務大臣も中に居るようだ。



「おぉ、ゆうしゃよ、どうしたのじゃ突然?」


「これを見ろ、この雑誌を発行している馬鹿共のアジトが知りたい」



「ふむ、どれどれ、おぉ、総務大臣よ、これはアレではないか?」



「ん? おや、これはフェイクティップスの雑誌ではないか、これをどこで手に入れたのじゃ?」


「取材を受けたんだよ、それで散々書かれて、今日は遂に新しい店を破壊されたぞ」


「それは災難じゃったの、しかしこの雑誌の会社は王宮でも追いかけておるんじゃ、居場所はこっちが知りたいぐらいじゃよ」



 なんと、この雑誌の発行会社は王宮からも目を付けられているというのか。


 その後総務大臣の口から詳しい事情を聞かされたが、どうもこの会社は様々なメディアを用い、どうにかしてこの王国の軍隊を廃止しようという流れを作ろうと画策しているらしい。


 そんなことをされたらもう他国から攻められ放題だ、デタラメも良いところである。



「で、奴等はどうしてそんなに軍を廃止させたいんだ、何か理由があるんだろ?」


「それがの、どうやらこの会社、前に共和国人を扇動して戦争に駆り立てたのと同じ系列のようなのじゃよ」


「マジか!? てことは何だ、狙いはこの王国の弱体化ってことなのか?」


「そのようじゃの、共和国の軍事国家化に失敗し、今度はこちらを骨抜きにする策に出たということじゃ」



 しかしどうしてそのような大それたことをするような組織が俺達の小さな店、いやそれだけでなく王都の中にある零細の商店を狙って業態を奪ったりするのだ?


 これは益々わけがわからなくなってきたぞ……



「おぉ、ゆうしゃよ、そういうことであれば話は早いではないか、ここはひとつ、おぬしらも連中の殲滅作戦に加わらぬか?」


「加わるも何ももう行動を開始している、マフィアの連中も既に動いていたぞ」



「なんと、マフィアまで奴らに何かされたというのか?」


「何かされたってのは、もしかして王宮も変な記事を書かれたのか?」


「王の全裸肖像画を掲載されての、次はわしじゃと予告してきよったわい」


「誰が駄王やババァの全裸肖像画なんて見たいんだよ……」



「とにかくじゃ、これ以降、王都全ての組織、非合法なものも含めてこのフェイクティップス社を追いかけるのじゃ、良いな?」


「ああ、当たり前だ、アジトを見つけて中の人間ごと消し炭にしてやろうぜ!」



 どうやらこの問題は実に根が深そうだ、店を守るために始めた戦いであるが、国家規模の大規模な掃討作戦に発展しそうな流れである。



 やべぇ、ちょっと面倒になってきたぞ……

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