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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第五章 変な博士と思いきや
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190 大魔将の城

「おはようございます、では今日は城の方に案内しますね、もう入れるようになっていますから」


「絶対だな、また自動迎撃システムがどうこう言い出したら承知しないぞ」


「大丈夫です、大丈夫なはずです……たぶん」



 トンビーオ村に着いた日の翌日、どうにも歯切れの悪い言い方のエリナに連れられ、俺達は大魔将である暗黒博士の城へと向かう。


 島の桟橋付近から転移した先は研究所のような城の建物の手前、先日攻撃してきた火を吹く筒による焦げ跡が地面に残ったままである。



「ふふ~んっ! 今回も私が一番です」


「リリィ、気を付けろよ、何かあったらエリナのせいにして逃げるんだぞ」


「大丈夫です、何か大丈夫な気がするんです……たぶん」



 根拠のない自信と僅かな不安を感じていると思しきリリィ。

 扉に近付き、指定の場所にカードキーをかざす。



『ピッ……カードキーが反対向きです、自動迎撃システムを発動します』


「あ……ごめんなさい」



「うぉぉぉっ! ちゃんと向きを確認しろぉぉぉっ!」



 暴れ狂う火を吹く筒、逃げ惑う俺達。

 一時洞窟ダンジョン側の扉を抜けて避難した。



 というかカードキーの向きが反対だったぐらいでこの仕打ちはどうなんだ?

 明らかにセキュリティがどうかしているぞ……



 しばらく待つと、どうやら攻撃が止んだらしい、気を取り直してもう一度チャレンジだ。

 ダンジョンから出て再び扉の前に立つ。



「良いですか? この向き、面はこっち、これに従わないとまた攻撃されますからね」


「は~い、じゃあいきま~すっ! ピッ」



『ピッ……ユーザーを確認しました、解錠します』



 ようやく中に入ることが出来るようだ、扉が青く光り、一般的に見て鍵が開いたと取れる状況になった。

 それを開け、いよいよ建物内へと進んで行く。



「これは凄いな、変に明るいし、床のタイルもこの世界のものとは思えないぞ」



 床の四角いタイルは寸分違わず敷き詰められ、高い天井には等間隔に並んだライト、おそらく電気ではなく魔法によるものだが、とにかく現代的な光景である。



 そして、入ってすぐの広いホールの壁には無数の穴……全部火を吹く筒のようだ。



『ご来場ありがとうございます、ユーザーパターン:敵……自動迎撃システムを発動します』



 壁の穴から覗く火を吹く筒が作動する、しかもその数100基以上。

 とっさに水の壁を張った精霊様によって防御することが出来たものの、これでは長くは持たない。



「奥に扉がある! そこまで走るぞっ! 念のためセラも風防を張ってくれ」



 セラの防御を追加しつつ、ホールの奥に見える小さな扉まで走る。

 俺達が横を通る度に発動する火を吹く筒、ダンジョンのものと違ってそれぞれ10秒程攻撃を続けることが出来るようだ。



 必死で走り、どうにか一番奥の扉まで到着し、反対を向いて俺達を射程に置いている攻撃から身を守る。


 しかしここも鍵が掛かっているようだ、開けることも、そして蹴破って先に行くことも叶わない。



「勇者様、扉に動物の絵が描かれたパネルが嵌っていますよ」


「動物? 本当だ、しかも12枚か……おそらくこれを正しく並び替えることで鍵が開く仕組みなんだな」



「ちょっと、そんな仕掛け解いている間に防御が破られるわよっ!」


「大丈夫だ、ほら、そろそろ火を吹く筒も燃料切れだぞ、それにこれって……」



 付近にある火を吹く筒は悉く燃料を使い果たし、その動作を終えた。

 精霊様が張った分厚い水の壁は、残り2cm以下の厚さまで蒸発させられている、間一髪、どうにか持ち堪えた格好だ。



 さて、扉の仕掛けだが、描かれた12種類の動物、これの並び順はもはや明らか。


 子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥……わかりやすくて結構だが、どうして異世界でこの順番が通用するのか? 甚だ不思議である。



 その順番に並び替えると、扉が緑色に光る、やはりこれで解錠したようだ。



「あら、もう開いたみたいね、どうしてこんなのがわかったのかしら?」


「たぶん俺と同じ異世界人が持ち込んだ知識だと思う、この順番を知らない人間など居なかったからな」



「あっ、そういえば魔王様から聞いたことがあるわ、ウサちゃんは4番目だって」


「またアイツかよ……」



「私はマーサちゃんに1つ負けています、悔しいです」



 リリィは悔しさを噛み締めているようだが、おそらくこの辰は東洋のヘビみたいなドラゴンだ。

 リリィみたいな西洋風の羽があるドラゴンとはちょっと違うような気がする。


 まぁ、それを言ったところで理解を得られる可能性は低いのであろうが……




「はいはい皆さん、この城ではこういった謎々を解かないと先に進めないことが多いです、間違えないように注意して下さいね」


「おいエリナ、こういうのを間違えるとどうなるんだ?」


「トラップが発動したり、あと場合によっては扉がバケモノに変貌して喰われてしまいます」


「やべぇな……」



 とにかく扉を開け、次の部屋へと進む、今までのホールよりも明るい、そして細い廊下のような一本道である、距離は20mといったところ。


 そしてその道を行った反対側に扉が見えるのだが、そこまでの間に何かトラップがあるに違いない。

 いや、研究所タイプでこの細い廊下、もうアレしかないはずだ。



「あっ! 何か光の帯がこっちに来ます!」


「ミラ、アレに触れるとおそらく大変なことになるぞ、ジャンプして回避するんだ、皆も良いなっ!」



 通路の奥から現れ、膝ぐらいの高さでこちらに迫って来る光の帯、だと思ったぜ全く……



 先頭に居たミラ、ジェシカ、さらにその後ろのカレン、マーサに続いてどんどんジャンプし、光の帯をやり過ごす。


 だが、鈍臭いルビアだけは反応が遅れ、その光の帯に……切られたりはしなかった。

 そもそも後ろに控えているエリナが避けようとしない時点でそこまで危険なものではないようだ。


 それでも触れてしまった以上ルビアはアウトのようだ、部屋の照明が真っ赤に染まる。



『ビーッ、ビーッ、ユーザー番号005、ゲームオーバーです』



「え? きゃぁぁっ!」



 天井から何やらロープのようなものが現れ、ルビアをぐるぐる巻きにして吊るしてしまった。

 どうやら光の帯に触れてしまった者はこうなる運命らしい、下からパンツを覗いておこう。


 おっと、ノーパンだったか……




「次が来るぞ、また同じ位置か、ワンパターンでつまらないな」


「おいジェシカ、その台詞は死亡フラグだぞ」



 同様に膝の高さで出現し、奥からこちらに迫り来る光の帯。

 ミラが飛び越えたところで何かが作動したようだ、ジェシカの手前で突然胸の高さまで上がる……



『ビーッ、ビーッ、ユーザー番号012、ざまぁみろ』


「フェイントなんてずるいぞっ! あっ、いやぁぁっ!」



 ジェシカも吊るされてしまった、こっちはズボンだから覗きようがない、このまま放置しておこう。



 さて、次が来たようだ、そろそろ仕掛けも複雑になってくるはず、その前に少しでも前進しておきたいところである。



 予測不可能な動きで近付いて来る光の帯を避け、前に出る。

 その間に足の速いマーサが反対側の扉まで到達、これで仕掛けを解けば解錠だ。



「ねぇ、0~9までの数字が書いてあるわよ、あと変な※印が4つ」


「4桁のパスワードだろ、何かヒントがないか?」


「え~っと、あ、フリーって書いてあるわね、適当に押しちゃえ」


「ま、ちょっとマーサ、待てっ!」



 デタラメに押してしまったようだ、部屋が赤くなりマーサが吊り上げられる。

 さらに光の帯が5本、縦に並んで現れた、これはジャンプして交わすことが出来ないぞ……



「ミラちゃん、下です、下を潜れば避けられますよっ!」


「ナイスねカレンちゃんっ、よいしょっ!」



 気が着いたカレンに続き、地面に這い蹲って光の帯を回避する。


 しかしマリエル、そして俺を通過したところで状況が変わった……出た、網目状になりやがった、これはもう避けられない。



 犠牲になったのはセラ、というかセラは少し後ろに居たのだが、自分が喰らうことを恐れた精霊様によって前に摘み出されたのである。


 吊り上げられるセラ、ちょっと後ろの方だし、まずは扉の解錠を済ませてからパンツを覗き込んでやろう。


 次の光の帯はいつ出てくるかわからない、走って扉の前に行き、その上に吊るされたマーサのパンツと扉の仕掛けを確認する……


 確かに0~9のテンキーがあり、その上には確かに『フリー』と書かれていた。

 だが見落としてはいけない、その下に小さく『ダイヤル』の文字が見えることを。



 フリーダイヤル、つまり正解の番号は『0120』だ、これも魔王の仕業だな……



「お、開いたみたいだな」


「凄いっ! ご主人様、どうしてわかったんですか?」


「カレン、これは俺が居た世界の超技術によって作られた未来のデバイス、その所有者のうち一定の者に割り当てられる番号の一部だ」


「へぇ~、勉強になりました!」



 いやいや、こんなこと覚えても異世界では役に立たないぞ、掛け算九九でも覚えなさいよ……



 そのとき、上からマーサがドサッと落ちて来る。

 後ろの方でもセラ、ルビア、そしてジェシカが乱暴に解放されていた。


 どうやら鍵が開くとゲームオーバーも解除されるらしい。

 緑に光る扉を開け、次の部屋へと向かう、いや、これはまだ今の通路の続きか?



 通路を抜けた先は小さな小部屋、そして5つの台座が並んでいる……下に説明が書いてあるようだ。



『ゲームオーバーになった者はこの台座に座りなさい、お仕置きです』



「私は002だからこの台座ね、何されるのかしら?」


「後ろに変な装置が付いていますね……私は005」



 マーサが007、ジェシカが012と書かれた台に座る。

 もう1つ、『000』という台座が余っているようだが?



「どうして私まで……」


「エリナはずっと立っていたから何度かあの光の帯に触れていたんですのよ」


「そんなぁ~」



「おいエリナ、早く台座に乗るんだ、先に進めないじゃないか」


「……はぁ~い」



 5人が座った台座から、先程アウトになった者を吊るしていたのと同じロープが現れ、体を固定する。



『ビーッ、お仕置き開始まで3……2……1……雷魔法、発動』



『あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっ!』



 どうやらビリビリするタイプのお仕置きだったようだ。

 5人が座った台座から雷魔法が放たれ、ダメージを与えている。



「これは面白いわね、後で1つ持って帰ろうかしら」



「精霊様、何ニヤニヤしてんだよ? セラを身代わりにして助かったくせに」


「そうですね、精霊様は実質アウトです、お仕置きですね!」



「え? ちょっと、待ってっ!」



 マリエルと2人で精霊様を持ち上げ、未だ雷魔法が発動している台座の方に投げ込んでやった。

 電気の力でへばり付き、一緒になって痺れる精霊様、うむ、良い光景だ。



『ビーッ、お仕置き終了です、おつかれさまでした』



「あうぅぅ、やっと終わりました……」



 何だか知らないがエリナが一番ヨレヨレになっている。

 なんとも哀れな案内役だ。



「ご主人様、こっちの扉にはライオンさんが居ますよ」


「ここにも仕掛けがあるのかよ、で、何だって?」


「絵が4つ並んでいます、問題だそうです」



 扉にはシーサーだかマーライオンだかわからない彫刻がしてある。

 その下には謎々、こういうのはスフィンクスじゃないのか?


 とにかく問題文を読んでみよう……



『以下の絵の中から食べられないパンを1つ選択し、解答しなさい』



 並んでいる絵は食パン・フランスパン・パンツ・フライパンである。

 正解と取れる選択肢が2つあるのだが? 明らかに出題ミスだろ!



「ここは王女たる私が解きましょう」


「おいマリエル、この問題はおかしいぞ、しかもお前かなり馬鹿だろうに」


「いいえ、私の知識の中にあるのはこれですっ! そうっ、パンツは食べることが出来ないパンなのですっ!」



 ババンッという感じでそう宣言したマリエル、いや、それはわかりきったことなんですよ、問題はその先で……カレンやマーサはマリエルを褒め称えている、この2人はそれすらわからなかったのか?



「とにかく2分の1だ、じゃあマリエル、パンツでファイナルアンサーだな?」


「ええ、自信があります、ではこのパンツの絵をライオンの口にいれったっ!?」



 ライオンの彫刻が動いた、というか巨大化し、マリエルを飲み込んでしまったではないか。

 これはつまりハズレということだ、マリエルを救出しなくては……



「あ、勇者様、何かライオンがモゴモゴしていますよ」


「吐き出すのか?」



 巨大化したライオンの口が不快そうに動いている、そしてペッと何かを吐き出す……マリエルだ、ベトベトにはなっているがほとんどダメージはないらしい。



「大丈夫かマリエル?」


「はい、でもパンツだけ取られてしまいました……ほらっ」


「恥ずかしげもなく見せるんじゃないよっ!」



 ノーパンにされてしまったマリエル、そのパンツは……壁のライオンが美味そうに喰っていた。

 なるほど、このライオンからしたらパンツは食べられるパンなのか。



 ということで、もうひとつの選択肢であるフライパンの絵が描かれたパネルを取り、マリエルのパンツを咀嚼するライオンの口に放り込んだ。


 ライオンは縮小して壁の彫刻に戻り、扉全体が緑色に光る。

 どうやらこれで解錠したらしい。



「あの、私のパンツはどこへ?」


「もう食べられちゃったんだ、諦めろ、というか間違えた罰として今日はノーパンで過ごせ」


「そうですね、ではそうしましょう」



 なぜか納得したマリエル、とりあえず次の部屋へ進もう。



 次の部屋は階段がポツンとある部屋、その階段はかなり長く、途中で2度折り返して高い天井まで続いている。

 手前に説明書きがあるな……



『階段を走って登りながら問題に答えよう!』



 意味がわからない、と思いきや階段が下りエスカレーターのように動き出したではないか。


 つまり、走って階段を上り始めると問題が出され、それに正解しないとスピードアップするなりするということか。



「よっしゃ、走るぞ!」



 全員で一気に階段へ走り込む、速い、俺とルビアは一番下からほとんど進んでいない。

 だが足の速いカレン、マーサ、そしてミラが階段の中腹まで差し掛かる……



『問題です、ジャカジャン、37+12-11=?』



「38だ、さんじゅうはちっ! クソッここから言ってもダメみたいだ、ミラ、何とかしろ!」


「38です!」



『ビーッ、ファイナルアンサーですか?』


「ええ、ファイナルアンサーで」


『ビーッ、本当に?』



「良いから早くしろぉぉぉっ! もう限界じゃぁぁぁっ!」



 平気で走っているほかのメンバーが信じられない、俺はもう息と脚が限界だし、ルビアはとっくに下で倒れている。


 しばらく謎の声とミラの押し問答が続いた後、ようやく下りエスカレーターが止まる。

 ちょっと休憩しないと死んでしまいますよ……またゆっくり動き出した……



「おいっ! どういうことだよ!?」


『ビーッ、不正発覚のため正解は取り消しとさせて頂きます』


「不正なんてしてないだろぉがっ!」


『ビーッ、後ろ、1人走らずに飛んでいます』



 振り返ると、精霊様は少しだけ宙に浮き、足だけ動かして必死に走っているフリをしているようだ。



「あらら、バレちゃったみたいね」


「バレちゃったじゃねぇよっ! 真面目にやれ!」



 ヤバい、次の問題で本当にクリア出来ないと足が攣って動けなくなる……だがどうせ簡単な算数の問題に違いない、ミラが答えれば余裕なはずだ。



『問題です、ジャカジャン、卸売業を営む甲社の当期(自4月1日 至3月31日)における決算整理前残高試算表(資料1)及び決算整理事項(資料2)に基づき……』



「無理に決まってんだろぉがっ! えっ? あぁあぁぁぁっ!」



 突然難問になったのに驚き、さらにどこからともなく降って来た『資料1』が顔面に貼り付き、バランスを崩して落下してしまう。


 幸い既に転がっていたルビアがクッションになって怪我は免れたものの、その下敷きとなったルビアはカエルの潰れたような音を出して気絶した。



『ビーッ、タイムアップです、スピードアァ~ップ! ここで第2問、ジャカジャン』



「もぉ~ダメだぁ~っ! きゃっ、すまん主殿、落ちるぞ!」


「おげぼっ!」



 鎧の重いジェシカがスピードアップに耐え切れず、俺の上に落ちて来る。

 肘当てで顔面を殴られついでに巨大な尻が腹の上に圧し掛かった。


 拙い、これ以上誰かが降って来たら死んでしまう、頑張れミラ!



『第2問はこちら……1+1=?』



「2ですっ! にっ!」


『おぉ~っとぉ~、その答えで良いんですかぁ~?』


「当たり前です、何度も聞かないで下さい」



『んん~っ! 1+1の答えは2、この解答が正解かどうかはぁ~っ』


「早くして下さい!」



『正解ですっ! おめでとうございます!』



 ようやく止まった下りエスカレーター、気絶したルビアを引き摺り、階段を上がって行く。


 どうにか上の階に進むことが出来た、この先には……研究室(部外者立入禁止)だ。

 どうやらここが大魔将である暗黒博士の部屋らしい。



「やっと着いたか、皆、ケッセをキメておくんだ、それからちょっと休憩しよう」



「勇者様、ルビアちゃんはどうしますか?」


「誰かが口移しでケッセを飲ませてあげないとだな、よし、俺がやる」



 ケッセを口に含み、それを口移しでルビアに飲ませる、ちなみにこれは医療行為だ。



「別に普通に口に入れてあげれば良かったのでは?」


「黙れミラ、余計なことを言うんじゃない」



 そのまま2時間、今飲んだケッセの効果が切れる頃まで休憩だ。

 10分程でルビアも目を覚まし、念のためということで魔力回復薬を飲んでいる。


 今度は口移ししなくても飲めるようだ、医療行為の練習が出来なくて誠に残念至極。



 ……それから2時間後



「ご主人様、そろそろ戦いに行きましょう!」


「そうだな、じゃあもう一度ケッセを飲んで出撃だ」



 光の爪をシュッシュッと振り回し、ついでに尻尾も振り回すカレンに急かされ、いざ戦いの場に繋がる扉に手を掛ける。


 重苦しい音を立てて開く鋼鉄の扉、その先に待っていたのは……

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