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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第五章 変な博士と思いきや
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183 万能毒消し薬の素材集め

「勇者様、無事に王宮の方でケッセの余りを確保することが出来たそうですよ」


「そうかそうか、で、いくら払ったんだ?」


「1本で金貨55枚だそうです」


「あのじいさん、結局金貨5枚儲けているじゃないか……ちなみにブツはもう研究所の方に送られたんだよな?」


「ええ、すぐに解析をしてみるとのことでした」


「うむ、ではその結果待ちだな、おやすみ」


「1日何時間寝るつもりなんですか……」



 オークションで知らないじいさんが家族のために落札したケッセとかいう万能毒消し薬。


 それがどうしても大魔将討伐に必要になってくるため、国の力を借りてどうにか余りを入手して貰うことに成功した。


 あとはそれを量産し、実際に戦いに行くメンバー全員が毒のリスクから解放されるようにすることで、ようやく本格的な討伐作戦を開始することが出来るのだ。



「ちなみにマリエル、その解析にはどのぐらい時間が掛かりそうなんだ?」


「う~ん、良くわかりませんが、かなり珍しい薬品だそうでして、研究所の人も図鑑でしか見たことがなかったとか」


「そりゃ大変だ、1週間やそこらじゃ効かんかも知れないな……」



 さすがに解析&量産完了までだらけているわけにもいかない。

 近所の目もあるし、これ以上勇者パーティーの評判が落ちたら大事だ。


 ちょっと何かやっている感を出さなくてはならない……



「そうだ、そのケッセを使うにしてもさ、万が一ってことがあるだろ? そのときの対応を練習しておこうぜ!」



 もしかしたらケッセの効果が切れた最悪のタイミングで毒攻撃を喰らう、なんてことがあるかもだ。

 そういったときに慌てず、冷静な対処をするための訓練をしておくべきであろう。


 さっそく屋敷の2階にパーティーメンバーを集め、誰かが実際に毒を受けたときを想定した解毒、症状緩和のための処置を練習する。



「ぐはは、この技を喰らえ~」


「あぁ~、やられた~」



「ハイ、今ジェシカさんが毒に冒されました、皆さんはこのとき、どういう行動を取るべきですか?」


「ねぇ、ちょっと緊張感が無いから配役を変えた方が良いわよ」



 毒を喰らわせる敵役を任せたのがアイリスというのが一番の失敗であった。

 また、ジェシカもなかなかの大根役者っぷりである、確かにこれはダメだ……



「というかアレだ、やられるシーンは要らないだろう」


「じゃあ今度は私が毒を受けた所からスタートね……うぅっ! 胸を攻撃されて毒が……」


「大丈夫かセラっ!? おっぱいを攻撃されたのか? あぁっ! こんなに小さくなって!」


「ちなみに混乱する毒だったから敵味方の識別が出来ないわ、えいっ!」


「あぶぽっ!」



 胸元を覗き込んだ俺は混乱(仮定)中のセラに顔面を殴られてしまった。

 今は倒れ伏して痙攣している。




「じゃあご主人様はリタイアです、ルビアちゃん、この場合はどうするかわかりますか?」


「え~っと、まずは闇の祭壇を設置して解毒の儀式を……」


「それだと間に合わなくなるので、まずは毒に冒された人の患部を露出させます」


「こうですね、サリナちゃん」



 セラが着ているシャツのボタンを外し、おっぱいを露出させるルビア、おや、おっぱいではなく胸板という表現が正解のようだ。



「次に傷口から毒を吸い出します、さぁ、吸って!」


「ではセラさん、遠慮なく吸わせて頂きますね」



「え? ちょっと待って……嘘でしょ!?」



 この先はお伝え出来ない内容であった。

 ミラが必死でリリィの目を塞いでその光景を見せないようにしている。



「はい、ではこれで応急処置の第一段階は終わりです」


「ひぃぃっ! まだ何かされるのかしら?」


「ええ、ではルビアちゃん、残念ながら毒を吸い出す作戦は失敗でした、次はどうしますか?」



「失敗したら……ご主人様、罰としてお尻ペンペンして下さい」


「おう、使えないルビアにはお仕置きだな!」



 突き出されたルビアの尻をペシペシしておく、解毒には失敗してしまったんだ、セラのおっぱいは諦めるべきであろう。



「……残念ながらもう1つ有効な処置が残っています、患部を切って毒を出すんです」


「ぎぇぇっ! やめてちょうだい、切られたらゼロになってしまうわよ!」



 セラはただでさえ平べったい胸を必死で防御している。

 これ以上の減少はゼロどころかマイナス転落すらあり得るからな……



「まぁこれは最終手段ですから、それと、ルビアちゃんは毒に対処する係よりも継続して回復魔法を掛ける係りの方が良いですね」


「なるほど、では吸い出す係は誰が……」



「そこは俺に任せろ、何といっても吸引力No1はこの俺様だからな!」


「じゃあ筋肉団の人が毒を受けたときも吸ってあげるのね」


「いや、それはちょっと無理だ、俺が毒に冒されてしまいそうだぞ……」



「とにかく、こういった応急処置を使わなくて良いように、ケッセの効果を絶対に切らさないよう行動することが大切です、わかりましたか?」


『うぃ~っ』



 サリナ先生の解毒講座はこれで終わりのようだ。

 さて、次は何をしようか……



「ねぇ、ちょっと研究所の方に様子を見に行ってみない?」


「そうだな、分析の進捗具合も知りたいし、誰か他にも付いて来るか?」



「あ、私は行くわよ、マトンにも会えるかも知れないし」



 他は興味が無いようだ、俺とセラ、それからマーサで研究所に向かう。

 ちなみに馬車を操ることが出来るジェシカも強制連行だ。




「着いたぞ主殿、私はその辺でサボっていても良いか?」


「構わんよ、ちなみにお小遣いは銅貨1枚だ、俺は来所の受付を済ませて来る」



 銅貨を受け取ったジェシカはウッキウキでどこかへ行ってしまった。

 受付を済ませ、3人で研究所内に入る……



 ※※※



「あ、マトンが居るわよ、お~い!」


「あら、いらっしゃい、マーサ様も来ているなんて珍しいじゃないですか、もしかしてR&Dに目覚めましたか?」


「R&Dって……野菜の類ではなさそうね」


「馬鹿に何を言っても無駄だぞ、今日はケッセの件でちょっと様子を見に来たんだ」


「そうでしたか、ケッセの成分分析はあっちでやっています、付いて来て下さい」



 白衣を着たマトンに続く、マーサが遅れがちだが、どうやらR&Dの正体が気になって仕方が無いようだ。


 まず自分がどうして馬鹿なのかをリサーチして、それから解決策をディベロップメントするべきだと思うぞ。



「この部屋です、どうぞ」


「お、結構な人数でやっているんだな」



 マトンに案内された部屋では、10人以上の白衣を着た研究者が慌しく動いていた。


 ただし顕微鏡を覗き込んだり機械を操作しているわけではない。


 何人かが部屋中央のフラスコに入れられたケッセに魔法を当てた結果を紙に書き取り、それを後ろに控える偉いさんと思しき人間が受け取って何やら確認している。


 何がどうなってどのように成分が分析されているのかは理解しかねるが、研究所の総力を挙げて対応している感は凄く出ているな。



 マトンが一番奥で座っているここのトップと思しきじいさんに話し掛ける……



「室長、分析はどの程度まで進みましたか?」


「う~む、素材になりそうなものはわかったんじゃが、それをどう変化させてこの薬品にするのか、ちょっとわからんの」


「色々と試してみたら如何でしょうか?」


「じゃがそれをすると今ある貴重なサンプルを失いかねんのじゃ、材料があれば片っ端から実験することが出来るのじゃがな」


「材料ですか……」



 どうやらこのケッセという薬品、王都周辺の森にもごく稀に現れるという『ドクゼツコブラ』という魔物を焼酎に漬け込むことで得られるエキスを素材としているらしい。


 エキスには強い抗毒作用があり、こちらもケッセ本体程ではないが大変に貴重な素材の1つだという。

 というかここ100年間研究所に持ち込まれた記録がないそうな……



「なぁセラ、そんな魔物見たことあったか?」


「無いわね、ドクゼツコブラは激レアなのよ、しかも強暴だから見た者は必ず死ぬと言われているわ」


「で、それを探してぶっ殺せばケッセの素材が手に入ると……今から森に行ってみようか」


「そうね、どうせ暇だし、見つかるかはわからないけどね」



 次の行動は決まった、決まったが、森の奥深くまで潜ってまた風呂の無い生活をする羽目になりそうで不安だ……



 そんな心配をしていると、マーサと遊んでいたマトンが何かを思い出したように出て行き、正体不明の機械を持って戻って来る。



「皆さん、森に行くのでしたらこれを持って行って下さい」


「何これ?」


「魔導浄水器です、沢や泉の水を浄化してシャワーを浴びることが出来るスグレモノです!」


「すばらしい! もう時期的に暑いぐらいの日もあるし、水シャワーでも十分だ、借りて行くよ」



 良いものをゲットしてしまった。

 これで風呂問題も解決、あとは食糧を持って森へ向かおう。


 研究所を出ると、どこかへ遊びに行っていたジェシカは既に馬車へ戻っていた。

 カロリーの高そうな菓子を食っていやがる、また太っても知らないぞ……



「おう主殿、早かったではないか」


「ちょっと次の予定が決まってな、すぐに帰るぞ」



 一旦屋敷へ戻り、メンバーに事情を説明して準備をさせた。


 ドラゴン形態に変身したリリィの背中に物資を積み込み、いざ王都北の森に向けて出発である……



 ※※※



 森に到着し、中へ入って行く。


 セラの情報によると、ターゲットとなる魔物はこの森のかなり奥深くに生息しているとのこと。

 ゆえに手前は無視し、そのまま木々を分けながら2時間以上も歩いた。



「お、泉があったぞ、今日はここで野営することにしようか」


「そうね、ここを拠点にして、夕方まで捜索を続けましょう」



 リリィの鞍から荷物を降ろし、野営セットを広げる。

 先程マトンから借りた浄水装置もバッチリだ。



「で、そのドクゼツコブラとかいう魔物はどのぐらいの割合で出現するんだ?」


「え~っと、確か20年~30年に1回ぐらいのペースで襲われた人間の死体が見つかるそうよ」


「マジかよ、絶対に見つからないだろそんなの」


「そうね、ちょっと探すのには苦労……早速出現したわよ!」



 今の話と全く噛み合わないのだが……とにかく戦って討伐しよう。



「気を付けてね、この魔物は舌も毒針になっているって図鑑に書いてあったわ」



 それでドクゼツコブラなのか、見た目は普通に茶色いコブラなんだがな、5mぐらいの。

 まぁそもそもこんな所で普通にコブラと対峙していること自体かなり異様なのだが……



「うおっ! 危ねぇっ!」



 鎌首を擡げ、口を大きく開けたドクゼツコブラ。

 その舌にある毒針を伸ばして俺を狙ってきた。


 これに刺されたら毒の状態異常になってしまうということか、回避出来ないミラとジェシカは下がった方が良さそうだな。



「カレン、マーサ、前衛は2人で頼むぞ、他は離れて毒針攻撃に備えるんだ!」



「ユリナちゃん、私達は風魔法で攻撃しましょうか」


「そうですわね、火で炙ってしまうと素材が変質して使えなくなるかもですの」



 俺とマリエル、それから精霊様でルビアを守る。


 精霊様は水だから攻撃に参加しても良いような気がしたが、相手が一撃で跡形もなくなってしまうかも知れない。

 ここは防御に特化して貰いたいところだ。


 ちなみに炎しか使えないリリィと直接攻撃手段を持たないサリナは安全な後方で待機だ。

 無駄に参加して毒を喰らうのは馬鹿馬鹿しい。



「ちょっと、どうして避けるのよっ!」

「全然当たりませんの……」



 セラとユリナが連続で風の刃を飛ばして攻撃するものの、コブラは体をくねらせてそれを全て回避してしまう。

 かなり素早さが高いらしい。



 そこへまた飛んで来る毒針、わかっていれば怖くはない、ルビアの方へ飛ばないように……どうやら俺を集中的に狙っているようだ。



「おいセラ! 俺ばっかり狙われるのには何か理由があるのか?」


「確かドクゼツコブラは性格が悪いらしいのよ、で、同じぐらい性格が悪い勇者様をキャラ被り対象とみなして排除するつもりじゃないかしらね」


「うぜぇ奴だな、マジで蒲焼にしてやろうか、食べずに全部捨ててやるるけどな!」



「そういうことばかり言っているから狙われるんじゃないの……」



 ドクゼツコブラの性格の悪さは、その攻撃行動にも如実に現れていることがわかる。


 毒針の舌を伸ばしてくるかと思いきやの噛み付き攻撃、尻尾で叩くと思いきやの巻き付き攻撃。

 フェイントが非常に上手く、次に何を繰り出してくるのかを完全に把握することが出来ない。



 一番前で戦うカレンとマーサは実に単純な性格であり、意味不明な動きを続けるコブラに翻弄されて攻撃しあぐねている。


 分厚い面の皮に阻まれてわからないものの、きっとコブラの奴は不敵な笑みを浮かべていることであろう。

 実に気に食わない、何とかして一泡吹かせてやりたいところだ。



 そのために何か良い方法はないだろうか、敵の動きを良く観察しよう……しかし戦っている位置がだいぶ向かって左にズレてきたな、このままじゃ泉のある広場を抜けて森に入ってしまうぞ。


 森の手前ではそれを察したのであろうミラとジェシカが剣を構えて待機している。



 セラ、ユリナが同時に放った風の刃、コブラは右に避ける、そして次にカレンが切り掛かったのも、マーサが繰り出したパンチも右に避ける。


 これでは徐々に左に寄って来るはずだ、このコブラ、手も足も無いのに右利きなのか?



「セラ、ユリナちょっと良いか?」


「どうしたの勇者様、もう落雷で焼き殺す?」

「何ですの、どっかーんして良いですの?」


「そうじゃない、次にカレンかマーサが攻撃したときさ、魔法をちょっと左寄りに撃ってくれないか?」



 黙って頷くセラとユリナ、この2人も既にコブラのおかしな動きに気が付きつつあったようだ。



「じゃあいくぞ……カレン! マーサ! 同時攻撃しろ!」



 2人の獣耳がピクンと動き、同時に目を合わせたようにも見える。


 マーサがジャンプしてコブラの後ろに回り、カレンの真正面に立った。

 そして交錯する、全く同時の攻撃、前後からの挟み撃ちである。


 くるりと身を捩り、やはり右側、俺達から見れば左側に移動してそれを回避するコブラ。

 図々しくもその場に残った尻尾の先をしならせ、小さなカレンを払い除ける。



 だが、そこでカレンに攻撃することを意識してしまったのはコブラの失態である。

 2つ重なって飛んだ風の刃がまず首の鱗を剥ぎ、次いで肉をザックリと抉り取った。


 赤い血が迸り、その場で体が絡まるかの如くウネウネと悶え始める。


 そこへ飛び込んだのはミラ、傷口に追い討ちを掛け、コブラの首は半分以上も、いや、ほとんど切断されて皮一枚の状態で繋がっているようだ。



「まだ動いているけどそのうちに止まるだろう、でも念のため離れておくんだ」


「何だか美味しくなさそうです……」


「美味しくても焼酎に漬け込むからな、カレンは食べない方が良いぞ」


「うぅっ、そうします」



 しばらくして動かなくなったコブラ。

 聖棒で突いても反応が無い、数かに生きてはいるようだがな。


 用意してあった樽にとぐろを巻くようにして詰め込み、そこへ度数の高い焼酎をひたひたに注ぐ。



「え~っと、これを24時間程度熟成させて、沈殿物を採集するのか」


「そうね、3mのコブラから取れる抗毒素材が20人前らしいわ、この大きさなら30人前以上取れそうね」


「普通に売ったらしばらくは小金持ちなんだろうな……」



 国が不甲斐ないせいでほぼゼロ報酬の大魔将討伐よりも、こういったレア素材を冒険者ギルドに卸している方がお得な気がしてきた。


 魔王軍との戦いが終わったら皆でそういう生活にシフトするのも悪くないかも知れないな。



「じゃあ今回はこれで終わりね、暗くなる前に野営の準備をしましょ」


「そうだな、明日の朝からまた歩いて王都に戻ろう」



 マトンから借りた浄水装置を使い、泉の水を使ったシャワーを浴びる。

 少し寒いかな、とも思ったのだが、なんと温水機能も付いている、至れり尽くせりだ。


 その後、適当に缶詰を開けて夕食とした……



「あ~あ、お酒を持って来れば良かったです」


「そうね、こんなに早く片付くなんて思わなかったわ」



「おいルビア、精霊様、ドクゼツコブラを漬けた酒なら沢山あるぞ」



「イヤですよそんなの、ご主人様が飲んで下さい」


「さすがに私もコレはちょっとね」



 どうやら酒豪でもこの酒はちょっとキツいらしい、唯一リリィだけは目を輝かせていたので少しだけ飲ませてみたが、渋い顔をして立ち去り、浄水器を使ってうがいをしていた。


 相当に不味いらしいな……



「でも勇者様、エキスを抽出した後のお酒は薬用酒として高い価値があるそうよ、図鑑に書いてあるわ」


「そうか、じゃあこの酒をギルドに売って、その金を全部つぎ込んで普通の酒を買おうぜ、浴びるように飲めるぞ」


「絶対にお金持ちになれない人の発想ね……」



 どうやら俺の案には否定的な見解が多いようだ、だが絶対権力者の精霊様が賛成の立場を表明しているため、コブラ酒の売却代金については全て普通の酒に換えることとなった。



「さて、明日は日の出とともにここを出たいし、そろそろ寝ようか、ちょっと肌寒いからなるべく一箇所に固まろう」



 草木が色づく季節となってきたこの異世界であるが、森の夜は未だ寒い。

 寝袋に2人1組で入りそれをひっつけて就寝する。


 ……俺の隣はセラじゃなくてルビアにするべきだったぜ、ゴツゴツの岩と一緒に寝ている感覚だ。



 翌朝早く、浄水器が作動する音で目を覚ます。

 早起きしたミラがシャワーを浴びているようだ。


 しかし1本の木が邪魔で肝心のシャワーシーンが見えない、切り倒して薪にするぞこの駄木めが!


 何とか覗いてやろうともぞもぞしていると、一緒に寝ていたセラが起きたようだ。



「あら、おはよう勇者様、何をモジモジしているのかしら?」


「おはよう、別に何でもない、気にすることではないからな!」


「……そうかしらね」



 他のメンバーも続々と起床してきた。

 全員が揃った所で朝食を取り、片付けをして出発である。



 王都に帰還したら早速研究所にこの樽を持って行こう、研究が捗るに違いない……

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