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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第四章 塩対応な奴
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⑰温泉で作戦会議、パーティー以外の仲間を見つけよう

一旦、温泉に入ります

「よし、今日は皆で温泉に入ろう!」


先程、筋肉達の大活躍によって完成した勇者ハウスの温泉。湯温は39度に設定され、雰囲気も露天風呂感が出ていて最高だ。ちなみに混浴である。

脱衣所などはこれから作るとして、まずはこの温泉を皆で堪能することにしよう。


「ちょっと待って勇者様、皆で温泉は無理なんじゃない?」


「何でだセラ?広さは十分だし、問題ないと思うが?」


「あのね勇者様、温泉ってのは裸で入るものなのよね。そしたら私とミラも勇者様に見られてしまう、ということよね。」


「だからどうした?普通の風呂ならまだしも、温泉で無粋なこというもんじゃありませんよ!」


「あら、お姉ちゃん、私は入るわよ。別にタオルで隠していれば良いじゃない。」


「それはそうだけど…」


「さあ、お前には味方がいないぞ!脱ぐのか、脱がないのか、どっちにする?」


「なによその言い方は…わかったわ、その代わりジロジロ見ないことね!」


何を言っているのだこの洗濯板は。もしかしてこの面子の中で自分が上位に位置しているとでも思っているのか?いや、それはない。見ればわかるだろ、最下位ですよ最下位。カレンやリリィに負けている時点でアレだ。まぁ、俺といい勝負ってところか?


さて、馬鹿は放っておいて、準備をしよう。


「手伝っていたカレンとリリィ、それから畑に居たマーサは汚れているからしっかり流して入れよ。他もちゃんとかけ湯はすること。」


「ご主人様!私、泳いでも良いですか?狼なのに犬かきですけど。」


「ダメだ、温泉で泳いではいけないことになっている。俺の居た世界では温泉で泳ぐと死刑だったんだぞ!」


「ひぇぇ…わかりました、絶対に泳ぎません。」


どうせわからないから適当なことを言っておく。おそらくカレンやマーサ辺りはビビらせておかないと絶対に泳ぐ。いや?ウサギって泳ぐのか?


一旦部屋に戻り、着替えとタオルを持って集合する。温泉とはいえまだ脱衣所もない。皆適当に篭を持って来て、そこに着替えを入れえることとする。


「よし、全員揃ったな!かけ湯もしたな!じゃあ入るぞ。あと、この温泉を作った王都筋肉団に感謝するように。」


「ちょっと~、私には何も無しなの?」


水の精霊が精霊ハウスの戸を少しだけ開けてこっちを見ている。怖いのだが、夜中に一人でこの状況だったら確実に逃げる。


「え、え~、この温泉は、水の精霊様を祀るものでもあります。不敬なことは絶対にしないように!」


精霊は満足したようだ。扉がギィィッと不気味な音を立てて閉まる。だから怖いのだが…


全員で湯船に入る。うむ、温かい。カレンの尻尾がもわぁっとなっている、可愛い。マーサはふあふあ、といった感じだ。2人ともタオルなど着けない、男気あふれる入り方だ。


「しっかし、あの男が生きてたなんてびっくりしたわ、いきなり『おう、敵将殿ではないか!』なんて言われたんだもの、遂に見えちゃいけないものが見えたかと思ったわ。」

「両腕両足をへし折って目玉をくりぬいて頭蓋骨まで陥没させたのに…ピンピンしてたし…」


あの戦いでMランク冒険者、ゴンザレスをやったのはマーサ本人のようだ。まぁ他にあいつをやれるような敵は居なかったであろう。カレンが倒した種牛を除いては。

王都筋肉団はあの戦いで壊滅させられたのだが、既にほとんどが戦線復帰しているらしい。

体が半分に千切れてしまった団員のみが、復帰まであと2週間ほどかかるという。

待て、何かがおかしいのだが?

奴等はマーサ達のことを特に恨むこともなく、戦のうえでのことはなんとやら、と言って許してくれたそうだ。



「さて、今日はここで作戦会議をしようと思っている。魔将シオヤネンのことだ。マーサ、奴はどうやって塩を集めているんだ?」


「そうね、何だか気合を入れて集めているみたいだったわ。水に溶けたりしても、その後すぐ回収すると思うわよ。」


「つまり、大量の水で溶かすのは一時的な効果しかないと言うことですね…お姉ちゃんどうするべきだと思う?」


「ん?お肉にでも刷り込んでハムを作りましょう!」


「ミラ、セラのタオルを没収しろ。」


「いやぁぁあ!」


「しかしマーサ、シオヤネンはどのぐらいの距離までの塩を集められるんだ?」


「半径10メートルぐらい…かな?正確にはわからないけどそのぐらいで間違いないわ。」


「あの、食べられるもので出来ているのなら、私が食べちゃいましょうか?」


「ダメだリリィ、塩分の取りすぎは体に悪い。」


溶かしてもすぐに塩を集める、半径10メートルぐらいはいける。その2点から考えると、流水で一気にってのが有効になりそうだ。問題はどうやって流水を作るのか?という所だな。


「流水で倒したいと思うんだが、誰か奴を流れの上流に誘い出せるようなアイデアが無いか?」


「ご主人様、そうは言っても上流から流されて、水がたまったところには塩もたまってしまいます。そこに自分から流れていかれたらおしまいかと…」


「う~ん、ルビア先生の仰るとおりだ。難しいな…本人、いや本魔族を網にでも入れておくか?」


「奴のコアはかなり小さいわ。網なんか簡単にすり抜けると思うし、目を細かくしても今度は水が抜けないはずよ。」


その後も会議を続けるが、一向に良い案は出てこない。

そうだよな、大半が頭の回転が悪い連中なんだ。そもそもこの面子でいつも会議をしていることが信じられない。


「よし、そろそろ上がろう、さすがに暑くなってきた。着替えたら俺の部屋に集合な!」


結局、その後も良い案は出ず、その日は寝ることになった。


「なぁルビア、シルビアさんに頼んで何か注水と排水を繰り返す装置を作って貰えないかな?」


シルビアさんは今1階にある謎の拷問器具を作り出した工作の天才である。何か有効な装置を作って貰えるかもしれない。


「そうですね…以前お母さんに水牢責めにされたときには、レバーひとつですぐに排水していました。それを使えばおそらく…」


シルビアさん、あんた自分の娘に何をしているのだ…


「じゃあ明日相談しに行こう。あと、研究所に行ってマトンちゃんにも話しを聞こう、あいつは賢いからな。よし、そろそろ寝よう。」



※※※



俺とルビア、それからマーサの3人でシルビアさんの店に向かった。


「いらっしゃい、勇者様。それから2人も、今日はどうしたの?」


「ああ、おはようございます。今日はちょ…」


「シルビアさん!勝負よ!今日という今日は泣かないんだからね!」


マーサが勝手に割り込んでくる。シルビアさんにお仕置きされて泣かなかったら勝ち、みたいな趣旨が理解できないゲームをしているらしい。ちなみに全敗とのこと。

当たり前だ、マーサが泣くまで続くんだからな…


「マーサ、邪魔するな!シルビアさん、今日はちょっと作って欲しいものがあるんですよ。」


ルビアが設計図を渡す。俺はマーサのおっぱいをダブルで抓っているので手が離せない。


「あら、これなら作れそうだけど、何に使うの?」


「ええ、敵の魔将、一昨日言っていたシオヤネンを殺害するために使おうと思ってまして。」


「わかったわ、できるだけ精巧な作りにしておくわ。人類のピンチを救う一手ですものね。」


その後、早くマトンちゃんのところにも行きたかったのだが、マーサにどうしても!と言われて少し待たされた。マーサは今、また泣きながらシルビアさんに全裸土下座している。人の店でおもらしするのはやめて欲しい。



※※※



「やぁ、マトンちゃん、元気…ではなさそうだな…」


マトンは足に何か鉄製のものをひっ付けた状態で現れた。ギザギザが食い込んで血が出ている。あれだ、猪とか獲るやつだ。


「ええ、今はこの魔殺トラバサミの実験を…それよりも一昨日頂いた本、凄く役立ちました。ありがとうございます。」


「え?ああ、連隊がどうとかのやつ?」


「いえ、そっちはゴミでした。ところどころ理論の飛躍が見られましたし、破綻しているところもありました。そもそもろくな統計データも示さずに勝手な主張をして、注釈が不完全なところもあって誰の意見を参照したものかもわからず…」

「その点シルビア大先生の本は素敵でした。今からでももう一度お仕置きして頂きたいです。」


シルビアさん著のエッチな本は凄いらしい。こんな優秀な研究者までも虜にしてしまうとは。

一方軍の偉い人の本は大学生のレポートレベルだったようだ。今の感じからすると、卒論で出したらアウトではないだろうか?


「ところでマトンちゃん、この計画書、ちょっと見てくれるかな?」


「はい?…あ、あの方を殺るんですね。この仕掛けですとちょっと…防御系の魔法が要るのではないかと存じます。」


「防御魔法?」


「ええ、壁みたいな物を創ったりして防御する魔法です。それで周りを破壊して逃げることを抑止しましょう。あの方は攻撃力は低いですから。ある程度の防御魔法であれば破壊することは出来ないかと。」


「その防御魔法を使える人間に心当たりはあるか?」


「ここに出入りしている方では居ないようですね…あ、でもこの間来ていたウォール伯爵家の三男の方が使えると言っていたような…確か冒険者の方です。」


「ありがとう、参考になったよ。何か要求はあるか?一応上の方に伝えるぞ。」


「ありがとうございます、ではこの『呪殺ノート』に書かれている氏名と、そいつが私にしてきたセクハラを報告して下さい。」


禍々しいノートを渡された。恐ろしく高い筆圧でセクハラをしてくる人間の氏名、その内容、された日時が書かれていた。相当に恨みがあるようだ。


「わ、わかった、伝えておく。それと、作戦当日はマトンちゃんも呼ぶかもだから、有給を残しておいてくれ。王立機関は就職当日から有給が出るんだったよね?」


「はい、あります。10日全部残しておきますので、前日までにお伝えください。あと、シルビアさんにもよろしくお伝えください。」


さすがマトンちゃんである。賢い・可愛い・感じがいいの3Kを全て備えている。もし次に何か活躍できたらあの子の身柄を報酬として請求しよう。


マトンちゃんには新しい本を差し入れ、研究所を後にした。


「ウォール伯爵家か…2人とも知ってる?」


「私は知っています。確か、王宮の盾となるべき貴族家で、ボディーガードなんかをしているそうですよ。」


「私は全然知らないわ。あら、ごめんなさいね、役に立たないペットで、後でお仕置きしてちょうだい。」


「そうか、王宮か…王かその関係者なら何か知っているかもしれないな。このまま王宮に行く。2人はさすがに入れないからちょっと待っててもらうが、良いか?」


「はい、お待ちしてます。」

「良いわよ。少しだけならね。」



※※※



「ということだ、総務大臣、ウォール伯爵家について教えて欲しい、特にその3男について。」


「待つのじゃ勇者よ。さすがにそれは個人情報保護法の規定に違反してじゃな…」


「そうか…そうだよな、そりゃバァさんは良いよ、塩の魔族にやられたってさ、もうシワシワだもんな。奪われる水分も残っていないだろう。だがな、王都の純粋な民衆はそうばっかじゃないんだ!」

「あ~あ、自分はもう死ぬばっかりだから良いってか、わが亡き後に洪水来たれってか?これ王都民死んだな、もう全員死んだな!誰かのせいで!そんな奴だったんだな、この国の総務大臣は!」


その後も交渉(脅迫)を続ける…


「うむ、待て勇者よ、法規違反じゃが民衆が困ることになるのは耐え難い。ここは超法規的措置で教えよう。責任はわしが持つから安心せい。」


ババァ総務大臣は良い奴だ。ゴリ押ししたら簡単に折れた。こいつの弱点は知っている。民衆の健康で文化的な生活がどうこう言っておけば凄く弱いのである。良い奴過ぎるのだ。


で、ソイツはいつもギルドに入り浸っているらしい。1日居れば大体1回は遭遇することができるのだとか。どんだけ暇人なんだよ?

とにかく、明日行ってみよう。野郎らしいからメンバーを全員連れて行こう。可愛い女の子と共闘させてやると言えばすぐに食いつくだろう。





帰宅後、俺は他のメンバーにも尋ねる。


「はい、ウォール家って知ってる人?…あ、はいカレンメンバー、発言をどうぞ。」


「確か凄く硬い壁を作ることができる一族です。前に私の故郷の村祭りに来ていたことがあります。模擬戦のために防御魔法を使ってくれていました。その方は分家の方で、自分はかなり弱いと言ってました。でも結構凄かったです。」


「ありがとう、良い情報だ。」


「で、その家の本家の3男が王都に居るらしい、そして、マトンが言うにはその防御魔法が今回のシオヤネン攻略に不可欠らしい。ギルドに居るらしいから明日探しに行くことにした。全員で行くぞ。」


「はい?勇者様、なぜ全員で行く必要があるんですか?」


「それはそいつが野郎だからです。特にミラ、ルビア、マーサはおっぱいを強調したエッチな服を着ていくこと。あ、セラ、お前はいいぞ、何なら来なくても支障はない。」


鳩尾があからさまに陥没した。内臓が損傷しているかも知れない。

殴ること無いだろう!


「おぇぇっ、とにかく、明日も朝早くから出るからそのつもりで。一番起きるのが遅かった奴から順番に3人、例のお尻叩機でお仕置きするからな。」


いつも朝が遅いカレンとリリィは超早かった。この脅しは使える。



※※※



「せっかくギルドに来たんだからカードの更新もしておこう。」


「ギルド?カード?何それ?」


「そうか、マーサはまだ冒険者登録していなかったな。今日しておこう。」


マーサの称号は『マゾく』であった。思いのほか妥当である。

あと、他のメンバーは全員Bランクに昇格した。色々やってきたのだ。勝手に推薦されていたようだ。

もっとも、他のBランク冒険者と比べると皆遥かに強いのではあるが。


「とにかくウォール家の人間を探す。今までの経験からおそらくかなり濃い奴だ。皆も探せ、変態っぽい奴が居たら必ず報告しろ。」


カレンがルビアを、リリィがマーサを、そしてミラがセラを指差している。


「知っている変態は無視しろ。知らない変態を探せ。見つけたら俺に言えよ。急に声をかけると何されるかわからんぞ。」


しばらく探すが見つからない…今ここには居ないのであろうか?


「勇者様、シールド・ヘキ・ウォール、と呼ばれている人間が居ましたが、変態ではなさそうです。どうしますか?」


「ん、変態ではないのか、では違うだろう。だが気にはなるな、ちょっと案内してくれ。」


第一発見者のミラに付いて行くと、若い男が居た。穀潰しのビブスを着け、何やらぶつぶつ言っている。


『どうしてウォール伯爵家の僕がこんな物をつけなくてはならないのだ。確かに僕は攻撃は出来ぬ。だが防御魔法はパーティーで戦えば役には立つはずなのだ・・』



あいつだ、間違いない。さっきから居たが見落としていた。まさかの変態ではなかったのだ。王やMランク冒険者のイメージが強すぎて変態しか見ていなかった。


「ちょっと済まない。ウォール家の者か?お前は防御魔法が使えるのか?」


「貴殿は有名な異世界勇者ではないか!?そのような者がこんな僕に話しかけるとは、金でも巻き上げようと言うのか?なら残念だったな。僕の小遣いは月たったの銅貨5枚だ。ひれ伏すが良い。」


変態じゃないにしろ、普通に馬鹿であることに変わりはなさそうだ。


「いやいや、お前の防御魔法が見たくてな。ちょっと必要なんだ。」


「なんと、やっと防御魔法の重要さに気付くものが現れたか。これまで『え、そんなのウ○コでしょ』みたいなこと言われて誰もパーティーを組んでくれなかったのだ。おかげで僕は穀潰し冒険者さ!」


どうやらこの世界の冒険者は実に程度が低いようだ。攻撃すればそれで良いみたいな感じで、防御は全て盾や鎧に依存しているらしい。

で、このシールド君は誰にも相手にされず、一人では魔物も狩れず、結局穀潰し冒険者となってしまったようだ。

伯爵家の3男とかいうあまりにも微妙過ぎる立場も、それに拍車をかけたのかもしれない…


「とりあえず勇者ハウスに来てくれないか。魔法を見たい。」


「わかった、どうせ何もせずに毎日ギルドのパーティー募集コーナーで時間を潰しているんだ。すぐに行こう。」


なんとかわいそうな奴だろうか…



※※※



「おおっ!これがドラゴンかっ!僕はこのような強そうな生物を初めて見た!是非サインが欲しい。」


リリィは字すげぇ汚いぞ…

興奮するシールド君を何とかして、防御魔法の実験に移る。

まずは庭の木に防御壁を張ってもらった。


「よし、リリィ…だと参考にならないからカレン、その木に全力で攻撃してくれ。」


「はいっ!いきますよーっ!」


カレンの攻撃は10発程、壁に弾かれた。その後、木には徐々に傷が入り出した。


「よし、もういいぞ!やめろ…おい、やめろ!聞いているのか?やめろってば!木が倒れ…倒れちゃったよ…」


庭の木が失われた。幸いなのはいつも罰としてセラやルビアを吊るしているのとは違う木であったことだ。


「貴殿のパーティーメンバーは凄いな…あんなに小さい子なのに…」


「いや、それよりもあいつの攻撃を何度か防いでいた。壁魔法は十分に使えるはずだ。」


「して、貴殿は僕の魔法をどう使うつもりだ?」


「ああ、上級魔族、物質魔将のシオヤネンを討伐する。」


「ハハッ!面白い冗談だ。僕ごときが上級魔族?魔将?冗談じゃない、そんな恐ろしい奴など近づくことも出来ぬわ。」


「では後ろを振り向け、見えるだろう。そのウサギ、さっきからお前がいやらしい目で見ていたおっぱいウサギ、そいつは上級魔族で、魔将だぞ!」


「…え?」


「な、途端に大丈夫そうな気がしてくるだろう?」


「うむ、上級魔族は可愛らしいのだな。是非僕も仲間にしたいよ。できれば知的で、可愛くて草食動物っぽいのが好みだ。獣人にはそういう種族は居ないようだがな。」


「羊は好きか?」


「好きだ。羊の獣人が居たら良いなと、いつも妄想している。特に夜、一人で。先の戦で捕らえた敵の副将がそうだったと聞くが、酷い目にあっていないか心配だ。」


マーサと目を合わせ、お互いに肯く、決まりだ。


「よし、もしお前が今回の戦いで活躍したらその羊っ娘をやろう。可愛がると良い。」


「本当か!?このシールド・ヘキ・ウォール、命尽きるまで戦おうぞ!」


仲間が増えた。野郎なのでパーティーには入れないが、頑張ってくれそうだ。

あまりにも不遇なキャラが居たので救済します

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