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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第三章 また人族同士の争いですか
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170 共和国軍撃退

 巨大なタコのバケモノに喰われている敵の非正規兵達、村に居たのを逃がしたのはアイツの餌にするためだったのか……とことん腐った軍隊だ。



「あ、タコはお腹一杯みたいですよ、船に戻って行きました」


「船の中に入るのかよ、ユリナを呼んで来て焼き殺そうと思ったのに……」


「でも別のタコが出て来るみたいですよ、ほら、小さいのが3匹」


「リリィは良くあんなのが見えるな、う~ん、確かにタコと言われればタコだな」



 船の中に戻って行った巨大タコと交代で、同じ色の何かが姿を現す。

 ちょっと遠くて良く見えないのだが、どうやら小型、といっても人より少し大きいタコらしい。



 そのタコに向けて、船から火炎放射がされる。


 真っ赤に焼けたタコ、それに群がる共和国の正規兵達……あっちは食用のタコだったのか、にしてもデカくないか?



 と、俺はそんなことを考えていたのだが、2つ隣に居たインテリノはもっとまともな所に着眼していたようだ。



「勇者殿、あの感じですと、敵の火を吹く筒はここを射程に入れていないようですね」


「む、確かにそうだな、ここからセラやユリナが特殊魔法を使えば先手を打てるぞ」



「でも勇者様、沖の方に停泊している船もあるし、いくらなんでも一度に全部は無理よ」



 それも間違いないことだ、つまりここはヒットアンドアウェイで攻撃を繰り返し、上陸して追い掛けて来た敵のみを軍を使って叩くのが得策であろう。



 とりあえず偵察はそこで終え、一度全軍を隠している崖の裏に戻ることとした。




「ご主人様、敵軍の様子はどうでしたの? 攻撃出来そうですの?」


「慌てるなユリナ、ひとまず作戦会議だ」



 臨時に張ったテントを仮本部とし、各部隊の代表者を集めて会議を行う。


 そこでは今朝カレンとマーサが捕まえた忍者的な敵兵を拷問して得られた情報が伝えられた。


 どうやら忍者は5人放たれていたらしく、15の村を回って駐留していた敵兵を逃がして回ったのはそのうち3人、いずれも捕まえたのとは別の奴らしい。



「で、あのハゲオヤジともう1人はどういう役回りだったんだ?」


「ハッ! ハゲは我々を監視する役目、もっとも近付きすぎて捕まりましたが、そしてもう1人はこの間の合戦での敗北を伝えるためにここへ戻ったそうです」



 元々派遣されていた忍者は2人、そしてハゲではない方の忍者が負けを報せに戻ったため、そこで残りの3人が投入されて港側の村から兵を逃がしたということかな?


 いずれにせよ、わざわざ逃がしておいてあの巨大タコに喰わせたんだ、残っている兵に敗北するとどうなるかを見せつけるためであったに違いない。


 敵の総大将も、あの雑兵では成す術も無く村を奪還されてしまうことをわかっていたのであろう。



「それで王子、これからどうするよ? 試しに一撃かましてみるか?」


「そうですね、一度セラさんとユリナさんの攻撃を喰らわせてみましょうか」


「よしきた! じゃあさっきの崖の上から攻撃するから、何かあってもすぐ動けるようにしておいてくれ」


「了解です、ではご武運を!」



 仲間の元へ戻り、セラとユリナを連れ出す。

 念のためのサポートとして精霊様も加え、4人で先程の崖を登る。



「ちょっと、どうして勇者様が一番後ろなわけ?」


「角度が急だからな、後ろに居た方が全員のパンツを堪能出来るんだ」



 おっと、全員から拝観料を請求されてしまったではないか。

 だが今の俺は一文無し、無敵状態なのだよ!



 キレた精霊様に崖から叩き落された俺は、ルビアによる応急処置を受けて一命を取り留めた。

 再び崖を上がって行き、既に頂上に居る3人を追い掛ける。



「ふぅっ、2回も登る羽目になるとは思わなかったぜ、で、様子はどうだ?」


「私とセラさんで全力攻撃をしても、沈められるのは手前、というか港側に居る船だけですわね」


「ふむ、沖の方は範囲外か……1割も倒せないな」



 共和国の鉄船は巨大である。


 港内に収まっているのは30隻程、そして残りは全て港の外でまばらに停泊し、どこを見ても船だらけといった感じだ。


 やはり船同士が距離を取って広範囲を巻き込む魔法に警戒しているようだな……



「まぁ良いや、とりあえず攻撃してみようぜ、撃ったらすぐに逃げるからな」



 2人が了解し、魔法を放つ態勢に入る。


 まずはユリナの火魔法から、巨大な火球が敵船を焼き、次いで発生した衝撃波によって周囲の全てを破壊し尽くす。



 爆発が収まり、一番近くにあった船を見る、沈んではいないようだが、蒸気船特有の煙突はぐにゃりと曲がっており、甲板は大炎上している、その周囲の船も似たような感じだ。


 なお、爆心地付近の船は鉄が溶けて形を変え、空いた隙間から浸水したようである、次々と沈んでいくのが崖の上からも確認出来た。



「あの甲板の燃え方……あの下に火を吹く筒の燃料が入っているようだな」


「みたいですわね、でも普通の攻撃じゃ貫通出来ませんわ」


「だよな、相当分厚そうだもんな」



 火を吹く筒の急所が甲板の下だということはわかった、これだけでもかなりの収穫である。

 この件は本部に戻った後で皆に報告しておこう。



 さて、これでユリナはほとんどの魔力を使い切ってしまった、次はセラの番だ。

 おや、セラは竜巻ではなく雷を使うようだな……



 轟音と共に無傷だった遠くの船を撃つ落雷。

 どこからか火災が発生したようだ、火は次第に勢いを増す。



「おっ! 今一気に燃え広がった気がするぞ、甲板の下に火が回ったのか?」


「そうだと思うわ、効率は悪いけど、1隻ずつならこの方法でいけそうね」



 火達磨になった船は沈んでいったようだ。

 とりあえず1つ、鉄船を撃沈する方法を手に入れた。



「あと5発はいけるわね、確認のために全部撃ち切るわよ」


「いや、2発にしておいてくれないか、何かあったときに風防を張るための魔力を残して欲しい」



 セラは渋々、といった感じで残りの2発を放つ。

 どちらも成功したようだ、火災を起こした船が、あるとき突然炎に包まれて沈んでいく。



「あ、見て下さいですのっ!」


「何だ? ユリナのパンツならさっきからずっと見ているぞ、スカートが捲れているからな」


「違いますのっ! ほら、海の方!」



 巨大タコの足が海面から出ている、奴め、生きていやがったか。

 大破して傾いた船から脱出し、自由に海を泳ぎまわっているようだ。


 というかアレが港内にリリースされている状況は非常に拙くないか?

 このまま居付からたら誰も海に近寄れなくなるぞ……



「良いか3人共、あのタコは可能な限り討伐するぞ」


「もし逃げられたらどうするわけ?」


「問題が起こった際には全然知らないタコです、ということで押し通すんだ」


「責任は取らない方針なのね……」



 当たり前である、あのタコは港1つを使い物にならない状況に追い込む可能性があるからな。

 それに関する責任を認めた場合の賠償請求額は天文学的な数字であろう。


 どうせタコだから長生きはしないはずだ、政治家のようにのらりくらりとかわしながら奴が死に、話題にならなくなるのを待つ他あるまい。




「あら、沖から船が近付いて来たわよ、全部で50隻ね」


「何だろう、今の攻撃の犯人探しをするつもりか?」


「だとしたら上陸して来るはずだわ、殺してやるわよ」


「待て精霊様、見つかるような真似はするんじゃない、一旦戻ろう」



 崖を下り、王国軍のところへと戻る。

 先程の攻撃は皆知っていたため特に混乱はない、というかもう派手な魔法に慣れ切っている王国兵であった。



「おかえりなさい勇者殿、成果の方はいかがでしたか?」


「うむ、まずまずだったよ、だがその前に沖から無傷の敵が接近している、上陸して来るかもだぞ」


「そうですか、では崖の上に監視の兵を出します、上陸の動きがあったら合図を出させましょう」



 すぐに5人の兵士が選抜され、崖を登って行く。

 頂上までたどり着いた所ですぐに合図を送って来る。


 やはり上陸であったか、それならここも捜索されるかも知れない、すぐに軍を移動させるべきだ。



 インテリノも同じ考えであったようで、直ちに兵を集め、元来た街道の方へと撤退させる。

 俺達もそれに続き、一番後ろを守りながら後退した。



『あの丘に布陣する! 全員続けっ!』



 インテリノの号令、街道から逸れた位置にある丘を剣で指している。

 全軍が入るには少し狭いが、陣を張って敵を迎え撃つにはちょうど良さそうだ。


 入り切らなかった兵はその後ろの森に隠し、敵の到来を待つ……




「来ました、偵察兵のようです、こちらに気が付いたみたいですね」


「戻って行ったぞ、お仲間を引き連れてまた来るんだろうな」



 港からここまでは急げば1時間といったところであるが、どういうことか偵察の兵が去ってから3時間も待たされた。


 ようやく現れた敵、おっと、火を吹く筒を100基以上持っているぞ……



「セラの魔力を残しておいて正解だったな、そういうことで防御は任せるぞ」


「わかったわ、でも疲れるからさっさと倒してね」


「へいへい……おいっ! もう撃って来たぞ、早くするんだっ!」



 先日の雑兵とはエラい違いである。

 正規兵、というか精鋭なのであろう、かなり訓練されているようだ。


 俺達のすぐ前まで炎が広がる、アレを喰らったら一般の兵士はひとたまりもないであろう。



 すぐに精霊様が消火をし、セラの風防によってこれ以上の攻撃は免れた。

 ここからは反撃の時間である。



「面倒だから一気に片付けよう、サリナ、幻術で騙して自爆させるんだ」


「え~っと、じゃあ後ろの箱に火を掛けさせますね」



 尻尾を震わせ、敵軍に向けて幻術を発動するサリナ。


 いくら訓練された正規兵とはいえ、こういった超常の力には対抗出来ない。

 たちまち目が据わり、守るべき燃料タンクに火種を押し付け始めた。



 爆発に次ぐ爆発、街道脇の森にもその炎が回り、大規模な火災を巻き起こす。


 幻術の有効範囲から外れた位置に居る敵も堪らず逃げ出した。

 火を吹く筒はそのままにしてある、そのうち引火して爆発するであろうが……



「おう勇者殿、俺達は逃げた敵を追跡するが、倒してしまって構わないか?」


「好きにして良いぞ、今回は他のチームがあまり活躍出来ていないからな、ここは手柄を譲るよ(面倒だしな)」


「おう、ありがとう、では行って来る!」



 意気揚々と走って行く筋肉団、指揮下の兵士達は置いて行ったようだ。


 轟々と燃え盛る炎の海を普通に渡っている。

 途中、何度も火を吹く筒の爆発に巻き込まれていたようだが、全員平気らしい。



 置いて行かれた兵士達がホッとした様子でそれを眺めているが、もし同行したら今頃消し炭と成り果てているであろう。

 安心するのも頷ける。



「おい見ろ王子! ゴンザレスの奴、火達磨のまま戦っているぞ!」


「アレに襲われる敵兵の気持ちはどうなんでしょうね」



 恐ろしいおっさんだ、全身に火が付いていてもダメージを受けていないらしい。

 もう人間どころか生物かどうかすら怪しくなってきたな……



 あっという間に残りの敵兵を片付けるゴンザレス達筋肉団員。

 戦闘が終わったようなので精霊様が火事を収め、何人かで接近してみる。



 一兵たりとも逃さなかったようだ。

 全ての敵が腰の部分を捻じ切られて死亡しているではないか。



「はっはっは、いやはや、修行のために全員左手の小指1本だけで戦ったんだがな、思ったより早く片付いたのだよ」


「どうやって小指1本でこの状態にするんだよ……」


「ん? 俺達は全員あん摩マッサージ指圧師の資格を持っているからな、これぐらい造作もないのだよ」


「・・・・・・・・・・」



 こんな連中の施術を受けたら即あの世行きだ、というか誰だよ異世界に国家資格を持ち込んだ転移者は!



「とにかくこれで追って来た敵は殲滅できましたね、偵察を出して港の様子を見て来させます」


「わかった、じゃあ引き続き今の丘で待機だな」



 耳の良いカレンとマーサが何かに反応している、どこかに忍者的な何かが居るのであろう。

 だが今はスルーだ、2人にはそのまま見送れと合図を出しておいた。


 さて、その忍者が今の状況を敵軍に伝えた後、連中がどう出るかだな……



 気が付くと日が傾きかけている、かなり狭いのだが、今日はここで野営となる可能性が高そうだ、既に準備を始めている部隊もあるみたいだし、俺達もそのつもりで居よう。



 次第に辺りが暗くなり、完全に夜になってしまった。

 俺達の部隊もガンゼメドが指揮をして野営に入る。


 勇者パーティー専用テントもそこで用意して貰おう、自分で設営すると変になりかねない。



「勇者様、偵察兵が帰って来たみたいよ、本部へ行った方が良いんじゃない?」


「そうか、じゃあちょっと行って来るから、遅かったら先に食事をしていてくれ」



 面倒だが仕方が無い、呼ばれる前に行こう……



 ※※※



「え~っ、敵軍なんですが、撤退し始めているとのことです」


「まだあんなに居たのにか?」



 この間縦ロールが言っていた、最後の1人までとか何とかはどこへ行ってしまったのであろうか?

 とにかく共和国の鉄船団が引き揚げているのは確からしい、意味がわからないぞ……



「あのぉ~、よろしいですか?」


「はいマトンさん、どうぞ」


「帰る帰る詐欺の可能性を考慮した方が良いと思います」


「そうですね、撤退と見せかけて我々も退いたところで一気に、ということが考えられなくもないんですよね」



「じゃあさ、明日の朝ぐらいに精霊様に頼んで敵を探して貰うよ、本当に帰るならかなり離れた所まで行っているはずだしな」


「そうですね、ここは精霊様のお力に頼りましょう、では確認が済むまでこのまま待機ということで」



 敵が何を考えているのかはわからないが、少なくとも今夜突然に襲撃されるという可能性は低そうだ。



 会議終了後、念のため索敵に反応する奴が居ないか確かめておく。

 気配を消した忍者とかはわからないが、少なくとも殺る気満々の敵が居ないことだけは確認出来た。



 おや、野営地を1周している間に夕食の配布が始まったようだ。

 俺も皆の所へ戻って食べることとしよう。



「ただいまっ、ビッグニュースだぞ!」


「おかえり勇者様、知っているわよ、敵が撤退し始めているんでしょ」



 どうやら俺が索敵を掛けている間に他の部隊から噂が広まったようだ。

 せっかくの特ダネが台無しだぜ。



 既に届いていたサンドウィッチを齧りながら精霊様に明朝のことを伝える。



「じゃあ朝一番に出て確認して来るわね」


「敵を見つけても無茶苦茶をするなよ、良いな?」


「わかっているわよ、私はどこかの異世界人とは違うの」



 本当に大丈夫であろうか? せっかく撤退し出した敵を怒らせて……などということになりそうで不安だ。



 食事を終えて風呂にも入り、その日は就寝した。


 翌朝は無駄に早起きして飛び立っていく精霊様、どうしてそんなに張り切っているのであろうか? とも思ったが、どうやら軍の正式要請ゆえ、その報酬を期待しているようだ。



 そのがめつい精霊様は、3時間程すると舞い戻って来る……



「敵はもう50海里以上先に居たわよ、おそらく戻って来ることはないでしょうね」


「そうか、じゃあ俺達も帰って良さそうだな、敵国の次のアクションを待とう」



 精霊様はインテリノにも見て来た内容を伝えに行った、やれやれ、やっと王都に帰れる……やべぇ、巨大タコのことを完全に忘れていたぞ!



「なぁユリナ、ちょっと良いか?」


「何ですの?」


「タコ殺って来て」


「どうして私1人で行かなくてはならないんですのっ!」



 ユリナの怒りはもっともである、これはちょっとバレないように始末する方向でいかないとならなさそうだな。


 軍は駐留部隊を残して帰るだろうが、港町の住民が戻る前にどうにかしておこう。

 パーティーを集め、秘密の作戦会議を行う。



「ではご主人様、ドレドちゃんに迎えに来て貰うから港町に残る、という感じでいけば良いのでは?」


「さすがルビア、下らないことにだけ頭が回るな」


「お褒めに預かり光栄至極とか何とかです」


「ではルビアの案でいくぞ、マリエル、インテリノに俺達は残る旨を伝えてくれ、あと伝書鳩をトンビーオ村に送るんだ」



「わかりました、タコの討伐期限はドレドちゃんが迎えに来るまで、という感じですね」


「うむ、それを過ぎたらもう諦めよう、奴は戦争が生み出した哀れなモンスターということにしてしまうんだ」



 適当に誤魔化すことなら俺の得意分野だ、今のうちにいざというときの言い訳をいくつも考えておこう。



 王国軍が撤退の準備を始めている中、俺達は補佐官を務めてくれたガンゼメドに挨拶をし、港町へと向かう準備を整える。


 幸いにも公民館の使用許可が出たからな、ドレドの船が来るまでのおよそ2日間はそこを本拠地にすれば良い。



「よぉし、それじゃあ気合を入れていくぞ!」



 あとは帰るだけのはずなのに、なぜか気合を入れている俺達を不思議そうに見ている王国軍の兵士達。

 こちらには大人の事情があるんですよ……




 しばらく馬車を走らせ、港のすぐ横に停める。



 そこには異様な光景が広がっていた、敵兵の死体が、爆風で飛ばされて陸にあるものも含めてかなり食い荒らされているのだ。


 もちろん焼け焦げているが、爆発の衝撃でこうなったとは到底思えない状態である。



「おいおい、これは相当ヤバくないか?」


「見て下さいご主人様、タコの手が海から出ていますよ」



 カレンの指差す先には吸盤の付いた巨大なタコ足、間違いなく奴ですな。

 しかし巨大すぎるぞ、もうアレだ、クラーケンとかそっち系だ。



 そしてそのタコ足がニュッと岸に向かって伸びる。

 手探り、いや足探りで獲物を探し、ぶつかった敵兵の死体を巻き取って海へ戻って行く。



 5分程そのまま観察すると、またタコ足が現れ、柔らかい部分だけ喰われた死体を岸へ投げ捨てる。


 そして再び岸を舐め始めるタコ足、また食べ物を探しているようだ……



「ちょっと攻撃してみるわね!」


 そう言ったセラが風の刃を放つ、先端を失うタコ足、切れた先は岸で暴れ狂っている。

 直後、海の中から巨大な丸い玉が浮かび上がって来た。


 巨大タコ本体のお出ましである、仕方が無い、頑張って戦おう……

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