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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第三章 また人族同士の争いですか
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166 迎撃と撤退、あと縦ロール捕縛

「おうおう、続々と上がって来るな……」


「もう攻撃しても良いかしら?」


「いやいや、敵の大半が上陸するまで待とう」



 こちらの先制攻撃を耐え抜き、港に上陸し始めた敵の数はおよそ2,000、ちなみにこちらは筋肉団も合わせて120程、数では圧倒的に不利だ、最初の一撃を大事にしたい。



 なお、先に港に上がった敵はホッとしたような表情である。

 意味不明な襲撃を何度も切り抜けたのだ、そしてここにはもう敵が居ないと思い込んでいるらしいからな。



「なぁ主殿、敵は本当にこの半島だけが狙いなのか?」


「そう踏んでいるんだが、何かおかしな所があるのか?」


「あっちの船を見てくれ、攻城兵器を陸揚げしている」


「本当だ、この半島にはここ以外に大きい町は無いはずだろう、もしかするとその先も狙っているのかもな」



 ジェシカの不安は当たりのような気がする、この件は撤退組と合流した際に必ず伝えておかなくてはならないな。



「さてそろそろだな、誰か精霊様を叩き起こしてくれ」


「イヤよ、大魔将よりも恐ろしいじゃないの」



「セラちゃん、聞こえているわよ」


「……起きてたのね」



「精霊様、もう攻撃してもいい頃合だ、最初の一手で敵を押し流してくれ」


「建物の被害は……別に良いわね、こんな所どうなったって」



 精霊様がトーチカから飛び出し、空に舞い上がる……



『あっ! 出たぞぉ~っ! 水のバケモノだぁぁぁっ!』


「何よ、失礼しちゃうわねっ!」



 何度も襲撃を仕掛けた精霊様が姿を現したことにより、雲の子を散らすように逃げ惑う敵兵達。

 水のバケモノだって、じゃあリリィは何のバケモノ扱いなんだろうな。



「全員死になさいっ!」



 大量の水を勢い良く発生させる精霊様。

 逃げ場もなく走り回っていた敵兵は次々に押し流される。



 それと同時に、横のトーチカに入っていたゴンザレス、続いて他の筋肉団員も飛び出す。

 仕方が無い、俺達も出て戦うとしよう……



「さすがに数が多いな、精霊様、適当に海の方へ押し流してくれ」


「良いけど、あれじゃ意外と死なないから時間稼ぎにしかならないわよ」


「そうか、出来るだけ殺してしまいたいところなんだけどな……」



 陸に残っていた敵をガンガン殺して回る。


 それでもなかなか数が減っていく気がしないのは気のせいではない。

 先程押し流された連中が再上陸して戦闘に復帰しているのだ。



 セラももユリナも魔力はほとんど残っていない、今範囲攻撃が出来るのはリリィぐらいのものだが、こちらも先程までの往復飛行でかなり体力を失っているらしい。



「うわっ! すまないカレン、危なかったぜ」


「ご主人様、矢はしっかり避けないとダメですよ」


「無茶を言うな……」



 船から攻撃してきたときには弩を使っていた敵兵であるが、上陸後は普通の弓を使っている。

 そしてその数がまた多い、油断していると簡単に貫かれてしまいそうだ。



「勇者様、私が風防を張るから、それより前の敵を狙ってちょうだい」


「わかった、というか俺はなるべく動きたくないからな、基本的に近場の敵しか狙わんぞ」


「そんなんだから運動不足に陥るのよ、ちょっとは動くことも考えなさい」


「へいへい、前向きに検討しておきますよ」



 敵の弓兵は基本的に後方に居る、セラがそれより前に風防を張り、俺達が矢を受けるリスクを大幅にカットしてくれた。


 その分攻撃が薄くはなるが、不要なダメージを受けるよりはマシだ。



 一方、もう1つのチームである筋肉団はそんなのお構いなしである。

 普通に矢を受けながら素手で剣を持った敵と戦っているのだ、もう避けることもしていない。



「おいゴンザレス、あんた矢が100本ぐらい刺さっているぞ!」


「なぁに、かえって免疫が付くさ!」


「そういうのに免疫とかは発動しないからな」



 というかゴンザレスの奴、そもそも心臓に矢が貫通しているようなのだが?

 それでも平気というか、ダメージを負っていないのはどうかと思うぞ。



「勇者様、無駄話をしていないで戦って下さいよ~」


「すまんすまん、そろそろ面倒になってきたところだったんだ」


「……戦闘中にサボる癖は直して下さい」



 大真面目ミラが実にうるさい、人間たまにはやる気の出ない時だってあるのだよ。


 しかし敵の数が多い、しかも何やら必死で掛かってくるではないか。

 もしかして後退すると味方に殺されるパターンの兵士か?



「精霊様、敵の大将は生きているのか?」


「それは間違いないと思うわ、私もセラちゃん達も旗艦だけは外して攻撃したもの」


「でもユリナの魔法に巻き込まれているかもだぞ」


「それも大丈夫、かなり後ろの方に居たはずだし、あの爆発の範囲には入っていないはずだわ」



 ということは沖合いに居る船のどこかに敵将が居ると……あった、明らかに感じの違う船が1隻、派手な旗を立てて停泊している。



「敵の旗艦が居たぞ、野郎、一番沖に隠れていやがる、ビビッてんのかな?」


「普通そんなもんでしょ、どうする? 大将を殺して来ても良いけど」


「う~ん、可能なら生け捕りにしてくれないか、一応敵のことについて色々と吐かせたいしな」


「わかったわ、でもその前にもう少し敵を減らさないと、帰りは重さで遅くなるし、射られちゃうわ」



 ということでそこからも必死に戦う。


 剣を持った敵の強さは『もう少しがんばりましょう』といったところであるが、5人~10人でまとめて掛かって来る習性があるようなので実に厄介だ。


 突きで1人を殺している間に他の奴が剣を振り下ろしてくるし、薙いで一気に倒したとしても、生き残りがいる場合には余裕で反撃してくる。


 つまりスペアではダメなのだ、ストライクを取らないとこちらが斬られてしまう可能性が残り、非常に危険だ。



 カレンやマーサは攻撃されても避けられるから余裕だし、敵の攻撃を受け止めることが出来るミラやジェシカも大丈夫だ、マリエルもなかなか良い鎧を着ているため多少ヒットされても危険はない。


 前衛と中衛で苦戦しているのは俺だけのようだな……せめて長袖の服を着ておくべきだったぜ、ちょっと暖かいからといって油断してしまった。



 ここは今ちょうど真横に居る精霊様を頼るしかない。



「なぁ精霊様、今だけバディを組んでくれないか? 俺はちょっと戦い辛いんだ」


「護衛料は10分で銅貨1枚よ」


「15分にしてくれ、そうすれば銅貨3枚で終わりそうだ」


「しょうがないわね、ニコニコ現金先払いよ」



 俺の財布には銅貨が2枚と鉄貨が6枚しか入っていなかった。

 とりあえず端数も含めた全財産を渡し、それで40分だけバディを組んで貰う。


 討伐スピードが格段に上がった! これなら金を払った分ぐらいの価値は回収出来そうだ。



 精霊様が俺の後ろに付き、聖棒の薙ぎ払い攻撃で撃ち漏らした敵を水の弾丸で片付けていく。

 これで敵のグループ、おそらく伍とかを組んでいるのであろうが、それを数秒で殲滅することが可能になった。



「セラ、もう少し風防を後ろへやってくれ、次は弓兵をぶっ殺していくぞ」


「わかったわ、少しずつ下げていくわね」



 風防により、時分の放つ弓が俺達の方まで届かない敵弓兵達、もう半ば諦めムードである。


 セラが風防を下げたのに気が付かないのか、それともやる気を失ったのか、あまりまともに攻撃してくる様子はない。



「主殿、両手を挙げて降参している者はどうする?」


「ヘラヘラ笑いながら惨殺するんだ」


「それじゃ私がヤバい奴みたいになるではないかっ!」



 とか言いながら降参して跪いている敵兵士の首を次々に刎ねていくジェシカさん。

 結構楽しそうに殺っていると思うのは俺だけであろうか。



 おっと、俺の前にも降参した兵が5人現れた……



「精霊様、俺は良い奴だからこの連中を殺せない、だから任せたぞ」


「ミンチにしてやるわ!」



 必殺のウォーターシュレッダーで敵を細切れにして行く精霊様。

 1人ずつ順番に殺っているが、残った敵兵もヘビに睨まれたカエルの如く動けない。


 あまり見たくない光景だ、さっさと終わらせて欲しいのだよ。



 5人の降参兵を処刑し終えた精霊様と一緒に、再び戦闘に戻る。

 気が付くとかなり敵陣の奥深くまでめり込んでしまっているようだ。



「はい、これで40分経過よ、お疲れ様でした、じゃあね!」


「おいっ! こんな所に置いて行くんじゃないよっ!」


「じゃあ追加料金を払いなさい」


「だからもう素寒貧だってばさ、というかそもそもパーティーの仲間だろうが!」


「私の信頼する異世界勇者なら1人でも切り抜けられる状況よ、だから後方で待っているわ」



 ニヤニヤしながら行ってしまった。

 完全に遊んでいやがるな、あの極悪精霊め……



 聖棒を振り回しながら必死で後退する。

 至近距離で矢を射掛けられたら堪らない、急いで脱出だ。



 何とか敵陣を抜け、他のパーティーメンバーのところまで戻った。

 ふと振り返ると、いつの間にか敵の数はかなり減っているようだ、海が完全に見えている。



「おい精霊様、さっきはよくもやってくれたな」


「面白いショーを見せてくれてありがとう、ここまで辿り着けたんだから良いじゃないの、しかしあの必死な顔……ププッ」


「笑ってないでそろそろ敵将を引っ張って来てくれ!」


「あ、そうだったわね、じゃあ行って来るわ、ちゃんと援護してね」



 飛び立つ精霊様、他のメンバーにも精霊様が敵の旗艦を目指す旨を伝え、なるべく弓で狙われないように取り計らう。


 俺は良い奴だから戦闘中にさっきの仕返しなどしないのだ、いや、後できっちり痛い目に遭わせるがな。



 沖に停泊している敵旗艦の方にその姿を消したのを確認し、俺達は通常の戦闘に戻る。

 もはやほとんど矢が飛んで来ることはない、立っている敵よりも死体の方が多くなってきた。



「ご主人様、あそこに敵が固まっています、あれなら幻術で支配出来ますよ」


「おう、降参させて座らせておくんだ、後でまとめて処刑しよう」


「わかりました、では……」



 仲間の背中を守るようにして固まっていた押し競饅頭状態の一団、その数はおよそ50程である。

 そこにサリナが幻術を掛け、上官の命令で降伏が決まったかのように錯覚させた。



 安堵の表情で武器をへし折る哀れな敵兵共、そのまま白旗を掲げ、全員胡坐を書いて座ってしまう。


 あの白旗は誰かの褌じゃねぇか、汚いから死刑ってことにしてやっても良さそうだな……



「サリナ、また幻術でやれそうな集団があったら今度は断りなくやって良いぞ」


「でもご主人様、精霊様が戻って来ますよ、これは本当に終わりです」


「あ、早いな、でもどうして2人抱えているんだろうな?」



 こちらへ向かって飛ぶ精霊様の姿が徐々に大きくなってくる、右手にはだらんと脱力したおっさん、左手には大暴れする金髪縦ロールの女の子を掴んでいるようだ。



「ただいまっ! こっちの男が指揮官、で、やかましい女が副官よ」


「おかえり、というかそのおっさんは死んでないか?」


「……暴言を吐いたからちょっと蹴飛ばしたのよ」


「……何をやっているんだね、まぁ良いか、そっちの副官でも情報源にはなるはずだ、おいお前、さっさと全軍を降伏させろ」



「離しなさいっ! 誰が降伏するもんですか、共和国軍は最後の1兵が死ぬまで戦うのよっ!」


「鬱陶しい奴だな、おい皆、ちょっとコイツを磔にするぞ」


「きゃぁぁっ! やめなさい、やめなさいってば!」



 周囲に落ちている崩れた家の木材を組み合わせ、十字架を作る。

 そこに敵の副官を磔にして高く掲げてやった。


 ついでに死亡している敵将の死体も吊るし上げてしまおう……



「勇者様、敵軍のほとんどが武器を置きましたよ」


「よし、一箇所に集めるんだ、リリィ、まだブレスは使えるか?」


『大丈夫です!』



 1人が武器を置くとその横の兵が、さらにはその周りと、どんどん降参していった敵軍。

 磔にされた副将は大騒ぎしているが、そんなの誰も聞いていない。


 おそらく戦闘をやめれば命だけは助けて貰えると思っているのであろう。

 だがな、こんな汚い連中を生かしておく程に良い奴ではないんだよ、俺達は。



 筋肉団にも協力して貰い、敵を完全に密集させた状態にする。

 何を安心しているのか、バッグから携帯食を取り出して食べている者も居るではないか。


 お前らは今から無様に死ぬんだよ……



「よし、殺るんだリリィ!」



 突如目の前に立ったリリィの姿に驚き、一様に目を丸くした降参兵達、そのままの表情で、何が起こったかすらわからないまま炎上し、死んでいく。


 褌を取って白旗にしていた不潔な奴も多かったが、既に燃え尽きて消えてしまったようだ。

 つまり、降参は撤回だな、今のは正当に敵軍を殲滅しただけに過ぎない。




「おう勇者殿、ようやく全部片付いたな、俺達も撤退組を追い掛けようではないか」


「そうだな、でも徒歩で行軍するのか?」


「俺達はな、だが馬車を2台用意してある、勇者パーティーはそれに分乗してくれ」


「おっ、それは助かるよ、では早速行こうか」



 ひとまず死んでしまった敵将の首を切り落とし、泣き喚く副官縦ロールを磔台から降ろす。



「やかましい女だな、ミラ、ちょっとビンタして黙らせるんだ」


「わかりました、では、今からあなたに往復ビンタを100回与えます!」



「ひぃぃっ! わかったわ、大人しくするからそれだけはやめなさいっ!」


「態度が悪いですね、200回に増量します」


「ごめんなさい、本当にごめんなさいっ! どうかお許し下さい!」



「どうしますか勇者様?」


「とりあえず縛って馬車に乗せるんだ、移動中に拷問してやる」


「あぁぁ、お許しを……」



 その言葉を最後に縦ロールは気を失ってしまった。

 ルビアに頼み、得意のエッチな縛り方で拘束させる。



「おう勇者殿、俺達は先に行っているぞ、街道は一本道だから迷うことはないはずだ」


「わかった、俺達もすぐに出発するよ」



 2台の馬車に分乗する、御者のルビアとジェシカを除いてそれぞれ5人ずつだ。


 俺の乗った馬車にはセラ、ミラ、カレン、精霊様、そして先程縛り上げた縦ロールを乗せる。

 機能泊まった宿舎に忘れ物がないことを確認した後、ゴンザレス達を追い掛けるように出発した……



 ※※※



「しかしコイツを乗せたせいでかなり狭いな、なかなか目を覚まさないし」



 馬車は4人乗りである、カレンを抱っこし、縦ロールは床に転がして皆で足蹴にしている。

 作戦を立てるために早く撤退組と合流しなくてはならないのだが、やはり狭くて揺れるのは不快だ。




「うっ……いでっ! え?」


「おう、お目覚めのようだな、踏みつけられている気分はどうだ?」


「ちょっと、何をしているの? これは捕虜に対する扱いとは思えないわよっ!」


「黙れゴミクズ、半島に麻薬を蔓延させ、そこに攻め込んでくるような卑怯者に捕虜の資格は無いぞ」


「そんなっ! 私はただ上層部からの命令で……」


「やかましいわボケッ!」


「あいたぁぁっ!」



 縦ロールの尻を思い切り踏みつけ、そのままグリグリしてやる。

 まるで反省が無いようだからお仕置きだ。



「とにかく、私を起こしなさい、私は共和国元老院議員の娘なのよ」


「だからどうした、俺なんてファック爵様だぞ! おいセラ、笑うんじゃねぇよ!」



 仕方が無いのと少しかわいそうになってきたため、縦ロールを引き起こしてその場に座らせてやる。

 言いたいことがありそうな目でこちらを見てくるが、特に何かを発言する訳ではないようだ。



「で、結局お前らの狙いは何なんだ? この半島だけではないのか?」


「それに答えるとでも思ったのかしら? さすがは低脳な猿ね」


「その低脳な猿に負けて捕まっているのはどこのどいつだ?」


「うぅっ……でも質問には一切答えないわよ、早く私を解放しなさい」


「ダメに決まっているだろう、拷問ですよ、拷問」



「ちょっとっ! 何をするの!? 痛いっ!」



 まずはお尻ペンペンである、ちなみにスカートの中はクマさんのパンツであった。

 ちょっとステータスを見てしまったが、年齢は23歳、俺より1つ年上でこのパンツとは、もしかして馬鹿なのか?



「どうだ、何か喋る気になったか?」


「ええ、喋る、全部喋るからもう叩かないで!」


「何だよ、すげぇ弱いじゃないか……」



 あっという間に陥落し、共和国の陰謀を洗いざらい話す縦ロール。


 先程戦った木造船団は上陸部隊であり、麻薬でボロボロになった半島を一気に制圧するのが目的だったという。


 その後、後ろに控える鉄の蒸気船からも兵を降ろし、この縦ロール達と合流して一気に帝国の領土に雪崩れ込む。


 帝国制圧後、そのまま帝都を拠点として王国を攻めるつもりであったという。



「で、鉄の船は兵員を降ろした後どうするつもりだったんだ?」


「さっきの港で待機よ、王国を陥落させた後、海沿いの都市国家軍を南北から挟み撃ちにする予定だったの」



 つまりブリブリ共和国はこの辺り一帯をすべて支配下に置くつもりであったということか。

 最初にこの半島を選んだのは単純に侵略拠点として使い易かったからに違いない。



「じゃあもう1つ聞くぞ、お前達の後ろに居る鉄の船は何なんだ? あと火を吹く筒もだ」


「……あれは魔族からもたらされた技術で作ったものよ、3年前から協力していたの、合成麻薬ラリポンも同じね」


「魔族って、魔王軍のことか?」


「私は詳しく知らないけど、おそらくそうね、さぁ、質問に答えたんだから解放しなさい!」


「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ! これでも喰らえっ!」



 何を言っているのだコイツは? 人族全体と戦争中である魔王軍と取引があった国の人間を許すとでも思ったのだろうか……


 とりあえずお尻ペンペンの続きをしておいた。

 この縦ロールは王都に連れ帰って酷い目に遭わせてやろう。



「さて、敵の目的もわかったことだし、あとは撤退組と合流して作戦会議だな」



 馬車が開けた道に出ると、遥か先を走っている筋肉団の姿が見えた。

 今日は丸一日このまま走り、合流は夕方ぐらいになりそうだな。



 そして明後日か明々後日には次の敵軍、つまり鉄船から降りて来た連中と接触することであろう……

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