157 洞窟を抜けるとそこは
「は~い、洞窟前桟橋に着きましたよ~っ」
外からドレドの声が聞こえる。
船室でグダグダしていた俺達は荷物を持ち、甲板に出た。
「ドレド、悪いが今日はもしかしたら遅くなるかも知れない、気長に待っていてくれ」
「わかりました、さっきアイリスちゃんからお弁当もおやつも貰ったので大丈夫です」
準備が良いようで何よりだ。
メンバー全員の準備が終わったところで船を出、洞窟入口へ向かう。
今日もインターフォンを……いや、既に居るじゃないかエリナの奴。
というか入口の前に布団を敷いて寝ていやがる。
俺達の呼び出しに遅れないための作戦なのであろう……
「おいエリナ、起きろっ!」
「ん~? あと6時間だけ寝させて」
普通の睡眠1回分ぐらい追加で寝ようとしている。
仕方が無い、叩き起こしてやろうではないか。
掛け布団をそっと捲る、横を向いて寝ているエリナの背中側からだ。
あった、黒い悪魔の尻尾を発見し、直ちにその先端を掴む。
そのままギュッと握り締めてやった……
「ひやぁっ! いたたたっ! あ、おはようございます、痛いです、痛いってばっ!」
「おはよう、尻尾を離して欲しかったら布団から出るんだな」
「出ますから、今すぐ出ますから離して、お願い、尻尾はやめてぇっ!」
尻尾の先を離してやると、もぞもぞと布団から出て来る。
何か知らんが可愛らしい、ハートガラのパジャマを着ている、色はもちろんピンクだ。
「なぁ、お前歳いくつなの?」
「え~っと、355歳ですが、それが何か?」
「355歳でそのパジャマとは畏れ入る」
「別に良いじゃないですか、というか着替えるのであっちを向いていて下さい」
「お断りします」
「・・・・・・・・・・」
パジャマを脱いで着替えをするエリナをガン見しておく。
ふむ、ユリナとサリナの従姉妹だけあって体型はあまり変わらないようだ。
おぱいはちょっと大きいかもな……
「さぁ、転移しますよ、早く集まって下さい」
顔を真っ赤にしながら着替え終わったエリナ。
相当恥ずかしかったようだ、俺と目を合わせようとしない。
そして俺達を昨日到達した場所に送った途端、そそくさと立ち去ってしまった。
今日もまた到達したセーブポイントで呼び出せば良いらしい。
「よぉし、それじゃあ今日は一気に出口まで行ってみようか、セラ、また地図係を頼むぞ」
「任せなさい、トラップは多いかもだけど最短ルートで行くわよ」
「うむ、時間も惜しいしな、普通にそれがベストだろ」
念のため俺も地図を見せて貰う。
ここから出口への最短ルートは左側を通るルートだ。
そして、一番最後、つまり出口の手前には少し広くなった空間が見受けられる。
おそらくそこに大ボスが居るのだ、そいつを倒せばこの洞窟ダンジョンはクリア、ということだな。
早速、左に進んでそこを目指す……今日も最初は宝箱を見つけた。
開けに行ったのはカレン、特に恐れる様子もなくふたに手を掛け、一気に開ける。
「へっ!? ふぎゃん!」
中からパンチが飛び出すびっくり箱であった。
顎にストレートを喰らったカレンは弾き飛ばされ、気を失ってしまう。
いくら強かろうが、油断しているときはこの程度でやられるということがよくわかる。
「ルビア、一応カレンの傷を見てやってくれ、軽傷ならそのままにして良いぞ」
「……うん、気を失っているだけで外傷はありませんよ、ちょっとびっくりしただけみたいですね」
「そうか、じゃあ俺がおんぶするから、このまま先に進もう」
気絶中のカレンを背中に乗せ、再び出発である。
目を覚ますまではカレンだけでなく俺も戦えない。
ここで雑魚敵の大集団が……出るんですよ、こういうときに限って。
「セラ、あの変な鳥は何だ?」
「カン鳥ね、クチバシで普通にカンチョーしてくるわ」
「それだけ?」
「それだけよ、他は何もしてこないし、あとリリィちゃん、食べられない鳥よ」
美味しそうなどと言いながらおよそ20体のカン鳥に近付くリリィ。
セラの忠告も聞かずに涎を垂らしている。
リリィがその群れの中ほどまで到達したところで、鳥達は一気に動き出し、全ての個体がリリィの後ろへと回る。
そのうち1体が遂に攻撃した、もちろんカンチョー攻撃だ。
「はうぅっ! ほへぇ~」
「おいリリィ、大丈夫か……ダメだ、気を失っているようだ」
「私が囮になるわ、ミラちゃん、ジェシカちゃん、その間に攻撃して!」
マーサが囮になってくれるようだ、だが敵の数は20、まだ足りない。
それを察してか、ジェシカとマリエルも囮役を買って出た。
突き出された3人の尻、そこへ鳥達のクチバシによるカンチョー攻撃が集中する……
「勇者様、私も囮が良かったです!」
「おいミラ、余計なことを言っていないで早く攻撃しろっ!」
カン鳥の首を切り落とし始めるミラ、後ろからセラとユリナも攻撃している。
さっさと殲滅しないと……ほら、もうマリエルが気を失ったではないか。
「はうっ! あうっ! もうダメよ……あっ!」
マーサも倒れた、50回はカンチョーされていたはずだ。
敵の数は残り7体、かなり頑張ったといえよう。
「ジェシカ、まだ大丈夫か?」
「うぐっ! まだまだ余裕だっ!」
しりの肉が厚いジェシカにカンチョーは効き辛い。
敵の攻撃を一身に集め、その全てを無効化している様は圧巻である。
というか何だこの戦いは……
ミラの剣と、それからセラとユリナが放つ風魔法により、次々と鳥の首が切り落とされてゆく。
あと1体、ノーガードで攻撃を続ける鳥のクチバシがジェシカの尻に挟まれ、抜けなくなる。
そこを通過したセラの魔法、風の刃はあっさりと鳥の首を弾き飛ばした。
我々の勝利だ、20体居たカン鳥は、その全てが首と胴体を分離された屍に変わったのだ。
「よし、怪我人を救護しろ、ジェシカは大丈夫か?」
「大丈夫だ、一切ダメージは受けていない」
被害が一番大きいのは油断したままカンチョーされ、しかも肉の薄いリリィだ。
この状態では治療したところですぐに目を覚ますことはないであろう。
ここで小休止とし、怪我人の治療と、それから平気な者は軽食タイムとした。
「ジェシカ、お前やせ我慢していないよな? 結構攻撃されていたようにも見えたが」
「大丈夫に決まっているだろうあんな攻撃、じゃあちょっと尻を見てみるか?」
ズボンとパンツを脱いで見せてくれるジェシカ。
確かに真ん中付近が少し赤くなっているようだが、ダメージという程のものではない。
「わかった、しまって良いぞ」
「主殿、せっかく出したのだからちょっと触って欲しいのだが?」
「仕方ない奴だな、こうしてやるっ!」
「あいたぁぁっ!」
思い切り抓ってやった、むぎゅっと指が食い込む良い尻である。
ついでにおっぱいの方も……セラに殴られてしまった。
「うん……ん~っ」
「お、カレンが目を覚ましたぞ、大丈夫か?」
「はっ! 宝箱はどうなりましたか?」
「あれはトラップだった、お前は殴られて気絶していたんだよ」
「……恥ずかしいです、これは一生の不覚です」
この程度で一生の不覚であれば俺など生涯不覚だらけだ。
この件は気にしないようにと告げておいた。
その後、しばらく待つとミラ、マーサ、リリィの順で目を覚ます。
リリィは全く懲りず、首と胴体が離れたカン鳥の可食性について言及している。
「そろそろ出発するぞ、これリリィ、それは食べられないと言っているであろうが」
「だって、美味しそうなんですもん」
「またカンチョーされるぞ」
「ひぃっ! それは絶対にイヤです!」
諦めて鶏肉を放棄するリリィ、これでようやく再出発出きる。
カレンも復活したし、ここからはフルメンバーで戦えるな。
「セラ、洞窟の出口まではあとどのぐらいだ?」
「何も起こらずに進んで2時間、今のペースだと5時間ぐらいは掛かるはずよ」
「そうか、じゃあちょっと急ごうか」
何としても今日中にここをクリアしてしまいたい。
進行速度を上げてダンジョンの終着点、大ボスが居るであろう場所を目指す。
※※※
「そろそろ着きそうか?」
「ええ、あと2つ角を曲がれば出口に通じる部屋のはずよ」
「ルビア、魔力回復薬はあといくつだ?」
「え~っと、あと3本ですね、それ以外は全部元のままです」
「うむ、このまま大ボスにチャレンジしよう、そろそろ索敵に……」
引っ掛かった、昨日のミノタウロスよりもかなり強い奴だ。
だが今の俺達にとってはその辺の雑魚敵と変わらない。
一気に始末して今日の探索を終わりにしよう。
中ボスのときと同じような扉の前に辿り着く。
今度は少し豪華になっているようだ、金の装飾が施されている。
「では入るぞ! この扉を……おい、開かないぞ!」
「勇者様、昨日手に入れた鍵を使ったらどうかしら?」
「鍵? ああ、そうだったな、これを使えばこの部屋に入れるってことか」
昨日戦ったミノタウロスのドロップアイテムである銀の鍵、この部屋の鍵穴にピッタリだ。
なるほど、まずは中ボスを討伐しないと大ボスにチャレンジできない仕組みなのだな。
鍵を回し、意を決して扉を開ける。
また真っ暗だ、ここを閉めると明かりが点く仕組みなのであろう。
「……明かりが点かないわね」
「何かまた準備がどうこうなんじゃないか?」
とはいっても遅すぎる、しかも部屋の中にはエリナの気配が無く、あるのは強力な敵の反応1体のみ。
もしかして真っ暗で戦うのか?
そのまま、ずっと止まっていた敵の反応が動き始めた。
姿は見えないものの、索敵では部屋の一番奥からこちらへ向かっているのがわかる。
『ようこそ我が闇の空間へ』
「すみません、誰だか知らないけどせめて明かりぐらい点けて頂けませんか?」
『いや、この暗闇が我のアドバンテージなのだよ』
「あそう、卑怯な方ですね、ちなみにリリィ、敵はどんな奴だ?」
「えぇ~っとぉ、普通の影です、影が影で出来た剣を持っていますね、上級魔族っぽいです」
『どういうことだっ!? 貴様、人族の分際で我が姿が見えるというのか?』
「私ライトドラゴン族です……」
『ひょげぇぇっ! どうしてこんな所にドラゴンがっ!?』
「ねぇ雑魚魔族さん、ちなみに私は精霊族よ」
『あぁぁあぁ! 何でそんなバケモノがっ!? すみません、すみません、どうか命だけはっ!』
バケモノとは人聞きが悪い、精霊様はさぞやお怒りであろうな。
ちなみに俺も異世界人だと名乗ろうと思ったが、この2人に比べるとかなり見劣りする、やめておこう。
「ちなみにお前さ、このダンジョンのボスで間違いないよな?」
「ええそうです、ですがドラゴンや精霊様に逆らうつもりは毛頭ございません」
「じゃあ明かりを点けなさい」
『いえっ! そんなことをしたら影である我は消えてしまいます、どうかこのままお引取り願えませんでしょうか?』
「どうする精霊様? 完全に戦意を喪失しているぞ」
「まぁ、戦って倒すのは無理そうね、相手にその意思が無いんだし、でも処刑は出来るわよ」
真っ暗闇だが、きっと精霊様は悪い顔をしているに違いない。
そして敵の影野郎がかなり焦った様子なのも感じ取れる。
「ユリナ、ちょっと火魔法で明るくしてくれ」
「わかりましたわ、照明弾発射ですのっ!」
ユリナの尻尾が白く光、そこから光球が放たれる。
初めて見たがかなり使えそうな技だ、昼間のように明るくなった。
『ぎゃぁぁぁっ! 体が溶ける、とけるぅぅっ!』
「お、やっと敵の姿が見えたぞ、元の形ではなさそうだがな」
どろどろに溶けた黒い影が悶絶している。
確かにリリィの言った通り、黒い剣のようなものを持っているが、もうしなびた枯れ草にしか見えない。
『ぐぉぉぉっ! 早く明かりを消してくれ、苦しいぃぃっ!』
「馬鹿じゃねぇの? そう言われて消す敵がどこに居るってんだよ」
『待ってくれ、このままでは本当に死んでしまうっ!』
「だから今殺してるの、苦しんで死ねやこのゴミクズが」
『げぇぇっ! ならせめて一撃で殺してくれ、なぁ、出来るだろう?』
昨日のミノタウロス野朗も似たようなことを言っていたな、こいつらは一応痛みを感じるぐらいの知性があるんだな、きっと。
「では精霊様、コイツはどうすべきだ? このまま溶かすか、一撃で殺すか」
「明かりを弱めてより長く苦しめまるべきね」
「わかった、ではユリナ、少し照明を弱めるんだ」
『そんなぁぁ~っ!』
ジワジワ溶けていくのはさぞかし苦しいであろう。
人道的には慈悲深く一撃で殺してやるような場面だ。
だがな、コイツは魔王軍という悪の組織の構成員、そして俺は正義の異世界勇者。
そして正義の味方は悪をどのような目に遭わせようとも構わないのだ。
というかそもそも俺がどう思おうと関係無い。
確かにパーティーリーダーは俺だが、参与である精霊様の意見には拘束力があるのだよ。
『あぁぁ……うっ……おぁ……』
おっと、影の人が力尽きたようだ、結局名前も聞かなかったな。
まぁ、成仏してくれよ!
そこで壁にあった松明に火が灯り、部屋が明るくなった。
溶けていた影の死骸はその光によって完全に蒸発してしまったようだ。
「何だか拍子抜けする程の雑魚だったな、あんなのが大ボスで良かったのか?」
「ここでの戦いなど所詮は茶番ですわ、本命は大魔将様ですのよ」
「確かにそうだな、お、宝箱が降りて来たぞ、今度は3つか……」
大喜びで3つの宝箱を開封するミラ、もちろん真ん中の1つは鍵である、今度は金色のようだ。
さて、両脇の2つには何が入っているのであろうか?
「あら、片方は防具みたいですよ、こっちはローブです、こっちは何でしょう?」
「どれどれ? あ、これは便所の芳香剤だな、ラベンダーの香りだ」
「こんな所で出るようなアイテムですか……」
俺もそう思うこれはその辺にある宝箱から出て欲しかった。
だがローブの方はかなり強力だ、防御力も高く、動き易そうである。
「じゃあこっちはルビアな、今ここで着替えるんだ」
「ええ、では……」
ローブを脱いだルビアは素っ裸であった。
下着を一切着けていない、パンツは穿けと言ったであろう。
帰ったらお仕置きだな。
ルビアが着替えている間、他のメンバーはこの部屋の奥、即ち洞窟ダンジョンの出口を見に行っていたようだ。
やはり鍵が掛かっているらしい、インターフォンもあったとのこと。
俺もそちらへ行く、そしてインターフォンを押してみる。
すぐに眩しい光が現れ、そこからエリナが出現した。
「どうも、影の人を倒したみたいですね、これでこのダンジョンはクリアとなります」
「何で最初から居なかったんだ? 俺達がここに到達したのはわかったはずだろうに」
「ええ、私が出るときはかなり光りますから、あの方、それで死んでしまうかも知れなかったんですよ」
「どうしようもない雑魚ボスだったんだな、というかお前も名前を知らないのかよ……」
なかなかかわいそうな奴だったようだ、その辺の雑草を引き抜いて死亡した地点に供えておく。
これで供養は完了した。
その後、エリナから今後の行動について説明を受ける。
どうやらダンジョン出口の扉は今手に入れた金の鍵と、それからミノタウロスがドロップした銀の鍵を上下に挿して解錠するシステムらしい。
鍵2つとは、異世界にしては防犯意識が高いようだ。
早速金都銀の鍵を使って扉を開けた。
「お、開いたじゃないですか、これで大魔将の城に入れ……おい、防御魔法の壁はどうやって越えるんだ?」
「え? そこからなら普通に入れるはずですが……まさか期間限定の無敵モードが……」
「何だそれは?」
エリナ曰く、大魔将アクドスがビビッたのか、期間限定の絶対に破れない防御魔法を構築しているらしい。
ちなみに魔王軍ショップで買うものらしい、課金しやがって。
「この防御魔法が消えるまであと10日ありますね、本来は2週間なので、おそらく皆さんがここへ入ったタイミングで張ったんでしょう」
「そうなのか、では10日後にここへ来れば良いんだな?」
「はい、入口からここまで転移しますから、またいつもの場所へ来て頂ければ」
そういうことか、どうせ今日はここまでのつもりでいたのだし、一旦入口に飛ばして貰う。
それに反応したドレドの船が接近を始めた。
「勇者様、これからどうする?」
「一旦王都へ帰ろうか、補給も必要だしな」
「そうね、全員それで良いかしら?」
その場に居るメンバーは肯定の意思表示をした。
そして居るのに姿が見えない者が1人、セラの杖に入っているハンナだ。
「ハンナちゃん、結局今回は出番が無かったわね、一度帰るけど良いかしら?」
「あの、出来ればそうして頂けると幸いです」
「おいハンナ、ちょっと出て来て話せよ、というかここへ来てから一度も姿を見ていないぞ」
「……実は大魔将様に接近するのが怖くて」
「怖くて?」
「初日の段階でおもらししてしまいました、それで言い出せなくて……」
「マジか、早く出て来い!」
杖から上半身だけを現すハンナ。
腕を掴んで無理矢理引っ張り出してやった。
本当におもらしの形跡がある、既に乾き切っているようだが間違いない。
同時にドレドの船が着いたので乗船し、中で着替えさせる。
「全く、杖も洗浄しなくてはならないわね」
「ごめんなさい」
「ハンナちゃん、帰りの馬車では無限お尻ペンペンの刑よっ!」
「ひぃぃぃっ」
トンビーオ村に戻り、すぐ近くに居たババールに一時撤退する旨を伝えてコテージへ向かう。
拠点の守りはメイとドレドに任せ、およそ1週間後にまた来ると伝えて馬車を出す。
次に来るときはいよいよ大魔将の居城に突入することになる。
王都で買い足すべきは魔力回復薬と携帯食あたりだな。
「ハンナ、次からはもし無理そうならドレドの船に残るんだぞ」
「あいてっ! はひっ! んぐっ! そうしますっ! いたぁぁぃ!」
杖を汚した罰としてセラにお仕置きされているハンナの頭を撫でておく。
戦力的にはかなり後退してしまうが、それでもビビりまくりのメンバーが参加するよりはマシだ。
ドレドにも会いたいであろうから一応トンビーオ村までは同行するが、戦闘はハンナだけ不参加ということに決定した。
メイやアイリスと一緒に家事でもして貰おう。
さて、王都に帰ったら休息と補給だ、お土産も配らないとだし、それ以外にも色々しなくてはならない……




