154 洞窟ダンジョンへ
「ほら勇者様、早く買い物に行くわよ」
「ん~っ、朝か……いや、もう昼前か」
「そうよ、今日は魔法薬ショップに行くのよ、早く起きて」
「わかったよ、ルビアも行くはずだから起こさないとだな」
ルビアが使う魔力回復役を買いに行くのに、当の本人を置いて行くわけにはいかない。
いや、単純に俺が起こされたのにルビアだけ惰眠を貪っているのが気に食わないだけである。
「おいルビア、さっさと起きろ、いつまでも寝ていやがって、俺などとっくに……」
「ふぁぁ~っ、ご主人様は今起きたばかりでしょう、寝癖が凄いですよ」
「バレたか、ルビア、それからセラも出かける前に風呂に入ろうぜ」
「まぁ、しょうがないわね、その髪型だと何かの実験に失敗したとしか思われないわ」
3人で風呂へ向かうと、既に午前の仕事を終えたミラとアイリスが入っていた。
庭木には巨大なミノムシ、ではなくつまみ食い犯のカレンとリリィが吊るされている。
ミラに昼食までには戻るかと聞かれたため、おそらく戻ると答えておく。
魔法薬ショップはそこまで遠くない、歩いて行っても1時間で帰って来られるであろう。
下ごしらえだけしてあった食材をそろそろ調理するという2人に続き、俺達も風呂から上がった。
「アイリス、風呂から上がった後の階段ではタオルを巻け、外から見えるぞ」
「はぁ、別に良いかなって思ったいましたが、ダメなんでしょうか?」
「ダメに決まっているだろう、そういう奴はこうだっ!」
「あいてててっ」
頬っぺたを思い切り抓ってやる、反応が鈍い、ボーっとしすぎて痛覚が遮断されかけているのではなかろうな?
「とりあえず俺達は魔法薬ショップに行って来るから、ルビア、早く服を着るんだ」
「え? このまま行こうと思ったんですが、ダメなんでしょうか?」
「ダメに決まっているだろう、そういう奴はこうだっ!」
「いひゃいっ! いひゃぁぁっ!」
そう、頬っぺたを抓ったときはこのぐらいの反応が欲しい。
アイリスにもぜひ見習って頂きたいところだ。
まぁ、そんなことはどうでも良い、とりあえず出発だ。
屋敷を出、徒歩でセラ行きつけの魔法薬ショップへと向かった……
※※※
『いらっしゃいませ~』
「おい、今この人形が喋らなかったか?」
「魔導お話ドールよ、知らないわけ?」
「知らない、というか敵を欺くのに使えそうだな」
「そうやってすぐに軍事転用を考えるんだからっ!」
店の入り口に置いてあった人形が喋ったのに驚いたのは俺だけのようだ。
どうしてこれを戦に活用しないのか、凄く気になるところである。
「さて、そんなの見てないで早く買い物を済ませるわよ」
「へいへい」
ショップの中に入るとすぐに立ち込めるスパイス、というか薬草というか、とにかくそういった類の香り。
魔法薬を販売するだけでなく、自家製造も行っているとのことである。
もちろん、そういった特別な品は目玉がぶっ飛んでどこかに行ってしまう程の価格だ。
「赤いのが体力、青いのが魔力の回復薬なのか?」
「そうよ、色が濃いものの方が効果が高いの」
カウンターの奥にある最も高価なものは、もはやかき氷のシロップか何かの如く毒々しい色をしている。
ちなみに赤はイチゴ風味、青はブルーハワイ風味らしい。
「セラさん、こっちのピンク色も体力の回復薬なんですか?」
「……それはエッチな気分になるクスリよ」
「ではこれを3つ買って行きましょう」
「おいルビア、貴様何に使うつもりだ?」
「今日の夕食に混ぜたら面白いんじゃないかと思いまして……あいたっ!」
拳骨を喰らわせておいた、帰ったらシルビアさんに報告だな。
結局魔力の回復薬(中程度)を金貨1枚分購入し、目的の品はそれで良いにした。
一度洞窟ダンジョンに潜り、不足しそうなら戻ってまた買おう。
あと、二日酔いの回復薬も買い込んでおくべきだな。
そちらも銀貨1枚分購入しておく。
「セラ、他に必要なものはあるか? もちろん洞窟ダンジョンに関係してだぞ」
「そうね、念のため体力の回復薬も買っておいたほうが良いわ、いざというときにルビアちゃんが魔力切れじゃ困るし」
「そうだな、ではそちらも普通のを金貨1枚分買っておこうか」
トータルで金貨2枚と銀貨1枚分の買い物をする。
店主は首をかしげているが、勇者パーティーならもっと良い回復薬を買って行くと思ったのであろう。
残念ながらそんなに裕福ではありません。
ところで銅貨5枚を余計に取られたような気がするんだが、消費税かな?
「そろそろ昼だし屋敷へ帰ろう、午後はカレン達と携帯食を見に行かないとだしな」
食べ物を買いに行くのは腹が一杯のときにしたほうが良いのは常識だ。
よって昼食後はすぐにダンジョンで食べられる食糧品を買いにいこう。
食事の時間に遅れないよう、急いで帰宅した……
※※※
「ただいま、昼食には間に合ったようだな」
「おかえりなさい、もうすぐに出来ますから2階で待っていて下さい」
2階へ上がると既に他のメンバーは集合していた。
俺達が買ってきたものに興味津々の様子である。
「では購入したものを披露使用ではないか」
赤の体力回復薬が10本、青の魔力回復薬が10本、そして二日酔いのクスリが沢山である。
……おや、ピンクの瓶が5本入っているではないか。
「結局買っちゃいました」
「尻を出せ」
ルビアをお尻ペンペンの刑にしていると、ミラとアイリスが食事の支度を終えて戻って来る。
配膳はつまみ食いをしたカレンとリリィが罰として全てやらされるという。
「あのぉ、聞いて下さい、私、今日初めてつまみ食いしようとしたリリィさんを捕まえたんですよ」
「凄いな、その調子で頑張ればそのうちカレンも摘発出来るようになるぞ、ミラみたいにな」
「はぁ、頑張ります」
カレンとリリィは戦々恐々である。
最近は捕まらずに下ごしらえ中の肉をゲット出来ていたのに、これからはそうもいかなくなるためだ。
というか生の肉を食べるんじゃないよ……
「じゃあルビア、お仕置きは終わりだ、食事にするから尻をしまえ」
「もう終わりですか? 食べ終わったら続きをして下さい」
「午後は別の買い物に行くからダメだ、シルビアさんにして貰え」
「だそうよお母さん、後でお尻ペンペンして」
「全くしょうがない子ね……」
昼食を済ませ、今度はカレンとリリィを連れて携帯食の買出しに出掛ける。
まずは冒険者ギルドから回ってみよう、久しぶりに行くな……
「あ、どうも異世界勇者パーティーの皆さん、珍しいじゃないですか」
「ええ、ちょっと携帯食を買いにと思って」
「たまにはギルドの依頼も受けて欲しいところですがね」
今は大魔将の件で忙しいのでまた今度、とだけ言っておいた。
大魔将が終われば四天王もいるしその先だってある。
ギルドで何か仕事を貰うのは魔王軍との戦いが全て終わった後になりそうだな。
「いいかカレン、リリィ、なるべく水分が少ないものを選ぶんだぞ」
「ご主人様、ここは干し肉しか置いていないです、どれもそんなに変わりませんよ」
「その中で特に良いものを選ぶのがお前達の役目だ、よく吟味しろ」
「わかりました、行きましょうリリィちゃん!」
「やったっ! お肉選び放題です!」
2人に干し肉を選ばせている間、俺はその辺に居る荒くれ者の冒険者と酒でも飲んでおこう。
というかここへ来る度に同じメンツが酒盛りしているような気がするのだが……
「ご主人様、これとこれ、それからこれが良いお肉です」
「脂身が少ない部位と多い部位、あと最後のは取れる量が少ない部位なんです」
なるほど、干し肉にしてしまうぐらいだから余ったクズ肉ばかりだと思っていたのだが、何らかの生き物をそのままこれ用に解体しているのか。
だったら高級な部位を選ぶのが妥当であろうな、この2人を連れて来たのは正解であった。
カレンとリリィにはご褒美として極厚ベーコンを食べさせてやり、次の店へと向かう。
ここは干し野菜とパンを買う所だ、肉食の2人は興味なさげにしている。
適当に日持ちしそうな乾いたパンを買い、マーサ用の切り干し大根も大量にゲットしておく。
このパンは固いだろうな、もうパンというより巨大ビスケットだ。
「それじゃ、これで買出しは終わりだな、買ったものは帰って冷暗所にしまっておこうか」
屋敷へ戻り、食糧倉庫に全てをしまっておいた……
※※※
「さて、これで準備は完了だな、あとは洞窟ダンジョンにチャレンジするだけだ」
「勇者様、この間の見学みたいにお金を取られたりしないですよね、入場料とか言って」
「大丈夫だミラ、請求されたら受付を殺せば良い」
「ではその場合は私が殺ります」
どんなに安い買い物でも、金を払う際には毎回殺意を覚えるというミラ。
もしダンジョンの入り口に受付が居たらそいつの命はそこで終わりだ。
「それじゃ、今日寝る前に日程調整をしておこうぜ、一応出立の日は王宮にも報告しないとだしな」
「ご主人様、早めに行きましょうよ、もうトンビーオ村のお酒が無くなりそうですから」
「ルビア、飲みに行くんじゃない、戦いに行くんだ、そういう奴は夕飯まで正座だ!」
「すみませんでしたぁ~」
風呂に入ってから夕食とする。
少しだけ酒を飲み、そのままパーティー会議を始めた。
「……じゃあ出発は明後日で良いな、ちょっと早い気もするが、さっさと大魔将を倒して領地の拡張を申請したいしな」
「良いわよ、ところで勇者様、今回はアイリスちゃんも連れて行かない?」
「それはどうしようか、戦うわけじゃないし、こっちの料理番が居なくなるぞ」
「料理ならレーコとかサワリン辺りが出来るわよ、居酒屋で毎日作っているわけだし」
「それもそうか、ではアイリスも連れて行くこととしよう」
本人も了解したため、今後大魔将関連でトンビーオ村へ行くときにはアイリスも同行することに決まった。
あとは現地での拠点を確保するだけだな……
作戦会議を終え、その日は床に就いた。
翌日は休みとし、さらに翌日、俺達はトンビーオ村に向けて出発する・
※※※
「あ、どうも勇者パーティーの皆さん、ついに大魔将の城に挑戦ですか」
「どうもボルテスさん、ええ、ですがまずは手前の洞窟ダンジョンからと思いまして」
「そうでしたか、ところで今、この村では皆さんの現地拠点を用意している最中なんです、見ていかれますか?」
「おおっ! それは有り難い、ぜひ見せて下さい」
なんと、こちらが言うまでもなくトンビーオ村での拠点を用意してくれるようだ。
実に有能である、どこかの王国と違ってな……
ボルテスに案内されたのは村の山側、海からは1kmぐらい離れた地点であった。
立派なコテージがあるではないか、どこぞの国に貰ったプレハブ城は何だったのか?
まだ内装の準備が終わっていないそうだが、畳的な何かは既に敷いてある。
よって今日からそこを使わせて頂くこととした。
しばらくすると、村に残っていたメイとドレドもやって来る。
俺達がここに居る間はこの2人も一緒に行動するのだ。
「いやぁ、良かったな、風呂もあるしキッチンだってまともだぞ」
「十分に住めそうですね、では私がお風呂を……」
「ミラは座っておけ、アイリス、風呂の準備を頼む」
「は~い、承りました~」
気の抜けた返事をして風呂焚きに向かうアイリス。
これだけはミラに任せられない仕事だ、必ず沸騰するからな。
「それじゃ、明日は朝早いうちに出発だ、ドレドもそれで良いな?」
「ええ、準備はしてありますからいつでも大丈夫です」
ということで翌日、暗いうちから準備をし、出航する……
※※※
「洞窟ダンジョンの入口にはにはここから向かうんだな」
「そうみたいです、私はまた沖の方で停泊しておきますね」
「わかった、帰りもよろしく頼む」
船に残るドレドと別れ、俺達は徒歩で洞窟の方へと向かう。
ちなみにメイとアイリスは拠点のコテージに置いて来た。
しばらく歩くと、ようやく入口が見える……やはり受付が居るようだ。
『ようこそアクドス城へ、洞窟ダンジョンの入場料は1人金貨5枚です、チャレンジなさいますか?』
「チャレンジするが金は払わん、押し通る」
『なりません、ちゃんと入場料をはらぺぼっ』
「黙って死になさい!」
受付係は所詮中級魔族、ミラの振るった伝説の片手剣により、あの世の入場受付へと向かった。
さて、こんな奴は放っておいて中に入ろう……
「思っていたより明るいな、そこらじゅうに松明が置いてあるぞ」
「入場料として金貨を5枚も取るんです、このぐらいのサービスは当然でしょう」
「払ってないけどな……」
そのまま道を進み最初の丁字路に辿り着く、特に何の表示も無いし、適当に右折してみよう。
ちなみにマッピングはセラが行っている。
「あっ! 危ないぞ、見てくれ主殿、これを踏むと壁から矢が出る仕掛けのようだ」
「なんと古典的な、とりあえず回避して……」
マーサがわざわざトラップを発動させ、飛んで来た矢を全て叩き落としている。
これなら回避する必要は無さそうだ、俺には到底真似出来ないがな。
「これで良しっと、さ、早く先に進むわよ」
「おう、また似たようなのがあったら頼むぞ」
しばらく進み、左折、右折をそれぞれ2回繰り返すと、今度は索敵に反応。
何だかよくわからんが、金ピカのゴブリンみたいな奴が出て来た、デカい。
「あれはゴールデン・ゴライアス・ゴブリンね、魔物図鑑でしか見たことがなかったわ」
「何でセラはそんなに詳しいんだ?」
「魔物博士と呼びなさい」
変な名前の金ピカゴブリン、その得物はこれまた金ピカの棍棒である。
1体だけなのでとりあえずカレンが殺し、死体を調べてみた。
「この棍棒もコイツの体も、金ピカというだけで別に金で出来ているということじゃじゃないみたいだな」
「換金価値は無さそうですね、ちょっと汚いし、拾うのはやめましょ」
「そうだな、でもコアだけは拾っておこうぜ」
魔物からは必ずコアが出る、その色が濃いものは価値が高く、逆に透明なものは鉄貨1枚分程度にしかならない。
このゴブリンのコアは薄い黄色、銅貨2枚分ぐらいにはなりそうだ。
コアを回収し、マッピングを続けながら先へ進む。
深い落とし穴、トゲトゲの床、そして足が引っ掛かるとイバラの鞭が飛んでくる仕掛けなど、様々なトラップが用意されている。
そして遂に、先頭を歩いていたジェシカの足がトラバサミに捕まった。
「ぐぅぅっ! 毒が塗ってある、体が痺れて……」
「大丈夫か、あっ! 俺も手を切ったぞ……」
なんと、二次災害で俺まで毒を喰らってしまった。
麻痺毒のようだ、傷だけルビアに治療して貰い、そのまま地面に寝かされる。
全く動けなくなってしまったではないか、相当な量の毒が回ってしまったようだ。
「勇者様、ジェシカちゃん、寝ている所を悪いですけど、また敵が来ましたよ」
「はへっ、ほっひへはははっへふへ!」
「何を言っているのかわかりませんよ」
目だけはしっかり動くので、ミラの指差している方向を見てみる。
先ほどとは違う敵だ、今度はオークの見た目、そして小さい。
敵の数は5体か、まぁ余裕であろうな。
「気を付けてっ! あれはシビレミニブタよ、持っている槍の穂先に麻痺毒が塗ってあるわ!」
また麻痺毒か、どうやらこのダンジョンで最も注意すべきはこれのようだな。
ひとまず、怪我、というか麻痺の無いように戦って欲しい。
「私が出ます!」
敵の得物は槍である、リーチの短い爪武器のカレンや、そもそも素手で戦うマーサは後退し、盾のあるミラと奴等より長い槍のマリエルが前衛を務める。
俺とジェシカは無様に麻痺しているため戦えない。
せっかくだしちょっと休憩させて頂こう。
寝かされている俺達の上をセラの風魔法がヒュンヒュンと通過して行く。
当たれば一撃で首が飛ぶようだ、残り4体、やはりそこまで強くはない、というか弱すぎる。
だが、ここでは敵の強さだけが脅威ではないことを完全に失念していましたよ……
「あれっ? きゃっ! 私も足がっ、何ですかこのロープはっ!」
何かを踏み抜いたマリエルの左足がロープに絡め取られた。
身動きが取れなくなってしまった、そして敵の攻撃も集中する。
軸足を取られ、上手く回避することができないマリエルは、あっという間に3箇所の傷を作ってしまう。
もちろん、麻痺の状態異常も発動した。
「あひぃ~、もうらめぇ……」
誤解を招くような発言を残して倒れるのはやめて欲しい。
しかしこれで前衛がミラだけになってしまった、狭い通路で火魔法を使うわけにもいかず、メインの攻撃手段は専らセラの放つ風の刃である、効率が悪い。
「サリナちゃん、幻術でどうにかならないかしら?」
「う~ん、さっきからやっているけど、どうも敵が馬鹿すぎて幻術には掛からないわ」
「あまりにも知能が低いとダメなのね、良いわ、私が殺る」
そう言って前に出る精霊様。
まっすぐ、構えもせずに敵の前に出た。
当然攻撃されまくりだ……だが倒れない、麻痺毒が効いていないのか?
「まとめて死になさいっ!」
必殺のウォーターシュレッダーで残り3体となっていたチビオークを殲滅する。
さすがだ、しかしそのままガックリと地面に膝を突いてしまった。
「……麻痺してしまったわ」
実はやせ我慢していただけのようだ。
仕方が無いので少し休憩としよう、マリエルや精霊様もルビアによる治療を受けその場に寝かされた。
しかしたった2回、それもかなり弱い敵との戦闘でこの体たらくである。
どうもトラップがある戦いというのに慣れていく必要がありそうだ。
しばらくすると全員の麻痺が解ける。
ここで一旦軽食と作戦会議の時間を取ろう。
「これでどのぐらい進んだのかしらね?」
「外から見た規模からしてまだ10分の1も進んでいないはずですわ」
「たまんねぇな、でもとりあえずはセーブポイント的な所まで頑張ろうぜ」
「先は長そうね……」
入念に準備をし、いざ突入した洞窟ダンジョン。
しかしそのクリアまでの道程はかなり長いようだ。
これは時間が掛かりそうだな、そしてセーブポイントなんてどこにあるんだ一体。
前途多難である……
ここから最初の大魔将討伐までを第二部の第二章とします。




