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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第二十五章 ひとつの冒険の終わり
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150 戴冠式とひとつの冒険の終わり

「勇者パーティーです、この度は誠におめでとうございます」


「ありがとうございます、では、え~と14名ですね、係りの者が宿までご案内致します」



 聖都に入る際の受付では、念のため銀貨が3枚入った祝儀袋を渡しておく。

 ちなみにこれは結婚式ではない。



 俺達が泊まる宿は大聖堂のすぐ近く、戦争の被害を免れた綺麗なものであった。

 中も掃除してあるし、部屋も広くて風呂もある、上等なホテルだ。



「じゃあ荷物を置いたらルームサービスを呼ぼうか、腹も減ったし昼食だ」



 食事を頼み、しばらくすると台車に乗せた何かが運ばれて来た……



「本日の料理は雑草の煮たやつと生のどんぐり、ドブに居た魚のちょっと腐ったのになります」


「ふざけんじゃねぇよ!」


「申し訳ありません、復興が進まずこのようなものしかお出し出来なくて」


「おいおい、ここの人間は普段何を食っているんだ?」


「そうですね、時折手に入る伝染病で死んだ鳥が一番のご馳走です」


「……もう良いです、これ要らないから下げて」


 とんでもない貧困地域成り下がっているようだが、元々はスラム街だからこの程度か。

 移民希望者が到着したのだからそのうち少しはマシになるであろう。


 とりあえず食事に関してはもう来ているはずの駄王達に工面して貰うしかなさそうだな……



「じゃあちょっと私がお父様のところへ行って来ますね」


「頼むぞマリエル、しかしとんでもない食事だな、伝染病で死んだ鳥とか大丈夫なのかよ」


「きっと鳥アウトフルバーストエンザですね、感染すると破裂して死亡します」


「……やべぇだろソレ」



 30分程でマリエルが戻って来る。

 王侯貴族はここの現状を知っていたようで、かなりの量の食材を持ち込んでいたらしい。


 リヤカー2台分、きっちり受領してホテルのシェフに渡しておく。

 俺達だけでなくここの従業員の賄いにも使えるはずだ。



「しかしこれじゃ観光も買い物も出来やしないな、明日1日どう過ごすかが課題だぞ」


「私は明後日の戴冠式で処刑されるハゲ共をいびりに行こうかしら」


「あ、良いわね精霊様、私も行くわ」


 結局精霊様とセラ、ミラ、それからルビアはカッパハゲを1日中いじめることで時間を潰すらしい。

 ユリナ、サリナ、ジェシカはお散歩、カレンとリリィはアイリスを引っ張り回して肉探しの旅に出るそうだ。


 マーサとレーコは雑草、というか食べられる草を探しに行くというし、俺はどこに参加しようかな……



「勇者様はもちろんハゲいびりに参加するわよね、強烈な一言を浴びせてやってよ」


「そうだな、ムカつく連中だし、死ぬ前に散々な目に遭わせてやるとしよう」



 翌日の行動は決まった。

 改めて運ばれて来た食事を取り、午後はグダグダと過ごす。



 窓の外に広がる廃墟、ここの住民はほぼ全てが最近になって移住して来た連中だ。

 元々居た聖職者崩れの乞食はこの間の戦争で悉く虐殺されてしまったためである。


 ゆえに、まだ生活基盤が安定せず、意味不明なものを食べて過ごすしかないということだ。

 今回王都をはじめとする各地で募集し、選別して連れて来た優秀な移民団の活躍が待たれる。



 その後夕食も取り、風呂に入って床に就いた……



 ※※※



「勇者様そろそろ起きて、出掛けるわよっ!」


「セラは早起きだな、まだ昼前じゃないか」


「昨日は夜ちゃんとした時間に寝たでしょ、ゴミクズ異世界人以外はとっくに活動を始めている時間よ」


「酷い奴だな……」


 もう1人のゴミクズであるルビアを叩き起こし、遅めの朝食にする。


 今日は精霊様チームに入って、処刑直前のカッパハゲをいじめに行くんだったな。

 人格を否定し、さらには処刑の恐怖を植えつけてやろう、指の骨を折るのも良いかもだ。



「ほらほら、さっさと行くわよっ!」


「へいへい、そう焦らなくても時間はたっぷりあるだろうに」


 ノリノリの精霊様に続き、カッパハゲが晒されている大聖堂前の広場へと向かった……



「居たぞ、カミナシが真ん中で、50人ぐらいだな」


「とりあえず、周囲のハゲから虐待していきましょ」



 適当に端っこの檻へ入れられていたカッパ……いや、もううっすら髪が生え始めているが、とにかく近付いて声を掛けてやる。


「おいおっさん、てめぇ明日処刑されるって知ってる? ねぇ、今どんな気持ち?」


「黙れ、貴様等は聖女様を誑かしたうえに我々まで殺そうとしておる、恥を知れっ!」


「てめぇらの髪型の方がよっぽど恥ずかしいんだよ、面も気持ち悪いしな」


「何を言うかへぼっ!」


 その辺に落ちていた棒切れを拾い、口の横から泡を吹いて怒鳴るカッパの口に突っ込んでやった。

 必死で抜き取ろうとしていて実に滑稽だ、より深くまで埋め込んでおこう。



「勇者様、それ以上やると死んでしまいますよ、程々にしておかないと、怒られても知りませんからね」


「おう、そうだな、では今度はこの横の奴にしようか」


「貴様っ! わしに何をしようというのだ?」


「う~む、では精霊様、火炙りで処刑される罪人の様子をリアルに語ってやるんだ」


「そうね、よく聞きなさいこのハゲ、火炙りにされるとね……」



 精霊様の怖い話を聞かされ、カッパハゲ②は青ざめている。

 暴力よりもこういった感じの方が効くのかも知れないな。



 その後も順番にハゲ聖職者共を脅し、最後はいよいよ敵の親玉、カミナシの番だ。



「おい見ろ皆、他のカッパはハゲが治りつつあるのに、コイツだけ元のままだぞっ!」


「本当ですね、もしかして最初からこの髪型だったんじゃないかしら?」


「よぉこのクソハゲ、どうなんだ? 何か言ってみろよ」



「……フン、貴様等ごときに答える義理はないわ」


「言えっつってんだろぉがっ! 今この場で捻り潰すぞこのゴミがっ!」


「ごべぉはっ!」


 顔面に靴の裏で蹴りを入れてやった。

 とっさにとはいえこんな穢らわしい顔を蹴ってしまうなんて、靴を買い換えないとだな。


 そして気を失って倒れるカミナシ。

 せっかく話し掛けてやったというのに何だこの態度は。



「本当にムカつく奴だな、明日は炭火でじっくり焼き殺してやらんとだな」


「あ、もうお昼を過ぎちゃったわね、そろそろ宿に戻りましょ」


「そうだな、明日までしか生きられない連中の相手をするのも飽きてしまったぞ」



 ホテルの部屋に戻ると、既に他のメンバーは戻って来ており、昼食もテーブルの上に置いてあった。


「早かったじゃないか……その顔じゃ肉も食べられる草も手に入らなかったようだな」



 お散歩に出ていたユリナ達以外は意気消沈、といった感じである。

 肉はおろか、道端の雑草まで抜き取られている始末であったそうな。



「俺達もハゲいじめは飽きたしな、午後からは何をしようか、適当にブラブラする?」


「お散歩していても瓦礫の山しか見られなかったのですわ、何も良いことはありませんのよ」



 メルシーに会いに行ったりとかもしたいのであるが、大聖堂近辺は厳戒態勢が敷かれ、さすがに近付くことが出来ない。


 かといって店も無ければ観光名所も無い、本当に何も無い所に来てしまったのだ。



 そのとき、部屋のドアがノックされた。

 誰だろうと思って開けてみたところ、立っていたのはゴンザレス。



「おう勇者殿、実は午前中に訓練も兼ねて狩りと採集をしていてな、色々と獲りすぎたので配っているのだよ」


「お、それは有り難いな、得物は……シカと山菜たっぷりか、助かるよ」


「おう、ではまた明日な!」



 午後はこれを料理して貰って酒盛りでもしておこう。

 早速酒を調達せねば……


「マリエル、ちょっと駄王の所へ行って酒を強奪して来るんだ、奴ならきっと持ち込んでいるはず」


「わかりました、ちょっと行って来ますね!」



 こちらではホテルのスタッフを呼び、早速鹿肉と山菜を調理して貰った。

 マリエルが酒を持って帰る頃にはジューシーな焼肉、野菜炒めなどが出来上がっていた。



「やはり観光が出来ないときは飲むに限るな、乾杯だっ!」


 適当に飲み食いし、ようやく暇な1日を消化した。

 明日は朝から戴冠式だ……



 ※※※



「よっしゃ、じゃあそろそろ行きますか、今日の席は指定なんだよな?」


「ええ、そう聞いていますよ、料理もちゃんとしたものが出るそうです」


「なら安心だな、というか伝染病で破裂した鳥を出されても敵わんぞ」



 宿から大聖堂まではかなり近い、馬車を出すまでもなく、全員で歩いて向かった。

 会場に着くと席はかなり前の方、ちなみにマリエルとレーコは別行動になるそうだ。



「何だか緊張しますね、私は何をされるんでしょうか一体……」


「大丈夫だろう、ステージに並んでいる処刑セットはカッパハゲ用のはずだ」


「だと良いんですがね」



 不安を口にするレーコを係員に預け、マリエルも一段高い最高身分専用の席へと向かう。

 派手なテーブル、そして椅子というよりは玉座みたいなのに座らされているではないか。


 俺達と待遇が違いすぎるのは気に食わないが、今回は貴族連中も俺達と同じ扱いのようなので我慢することとした。



『え~、お集まりの皆様、間もなく戴冠式の方を始めさせて頂きます、ウ○コとかしたい場合は今のうちにどうぞ!』


 料理に手を付けていた客が一斉に固まる。

 それは食事時にして良い話しではない。



 馬鹿な司会進行役はそれをまるで意に介さず、普通にプログラムを開始するようだ。


『ハイ、では新聖女様、御成りですので皆様ご起立のうえ、拍手でお迎え下さい』



 メルシーとそれから縄で縛られたレーコが入場する。

 レーコは結局酷い目に遭わされているようだ、まぁ、我慢して欲しい。



『さて、聖国の歴史を紐解いていきますと、ここ最近はなんと2回も国が滅亡しているんですね、その発端となったのがここに曳き立てられた魔族です』



「え~っと、レーコです、悪いことをしました、許して下さい」


『ハイ、何か言っておりますが、新聖女メルシー様、如何致しましょうか?』



「うむ、レーコは特別に許してやるのじゃ、感謝するが良い」


「へへぇ~っ! では聖女の地位、メルシー様にお譲り致します」


「では下がって良いのじゃ」


「ありがとうございます、ありがとうございます」



 良くわからない茶番の後、レーコは解放された。

 そのままこちらの席に戻って来るようだ。



「はぁ~っ! 結局色々されてしまいましたよ」


「おつかれ、でも良いじゃんメルシーが許してくれたんだからさ」


「確かに、これで私はもう責められる謂れが無くなりますね」



 レーコとそんな話をしている間、司会進行役はメルシーの来歴について話していた。


 そういえばメルシーがこの聖都に来たのはレーコ達を倒し、一度ここがスラム街になった頃だ。

 カッパハゲ筆頭のカミナシがどこかで拾って来たんだったな。



 まぁ、この場ではもちろん女神が遣わしたことになっているんだがな……



『それでは、メルシー様を利用し、悪事を働いた新生大聖国の皆様に登場して頂きましょう!』



 ステージの後ろに張ってあった幕が撤去され、およそ50人のカッパハゲが姿を現す。

 全員杭に縛り付けられ、その前方には炭が赤々と燃える炉が設置されている。


 あの杭を前に倒せばこんがり焼けるシステムだ。

 自分達がこれからどうなるか理解しているハゲ共は漏らしまくっていた。



『え~っ、メルシー様、また新たな罪人が登場致しました、ちょっと本人達に話を聞いてみましょうか』


「うむ、そうするのじゃ!」



『ハイ、ではこのリアルカッパ野朗、カミナシから直接お話を覗いたいと思います、おい貴様、何か言っておきたいことはあるか?』



「ぎぃぇぇぇっ! たすけてくれぇぇっ!」



『ハイ、声がデカくてやかましいだけでしたね、人間の言葉はあまり得意ではないようです』


「本当にうるさいハゲなのじゃ!」



『ではメルシー様、このハゲはどう処理致しましょう? 先程の魔族のように許してやりますか?』



「否じゃ、こいつらはキモいし息も臭いのじゃ、聖なる炭火で浄化するのじゃっ!」


『残念でした、ではメルシー様のお許しがいただけませんでしたので、あなた方はノー命でフィニッシュです! 殺れっ!』



 司会進行役の合図と同時に、カミナシ達を括ってある杭が前に倒れる。

 炭火に直接触れさせたりはしない、遠赤外線でじっくり焼く手法だ。



「あれだけ混乱を招いた連中なのに、あっけない最後だったな」


「というかそもそも企業魔将軍、というかデフラちゃんの兄が居なければここまでの組織にはならなかったはずよ、あいつらはただのハゲにすぎないわ」


「それもそうだな、威張り腐っていただけの無能ハゲにはお似合いの終わり方といえよう」



 食欲がなくなると困るため、俺は喚きながら処刑されるカミナシ達の方をなるべく見ないようにする。

 誰かと話をして意識をテーブルの方に向けるのがベストだ。



 しばらくそのままの状態が続き、ここで一旦昼の休憩となった。


 とはいえ料理はずっとある、俺達はそれを食べ続け、酒も飲む。

 一部の貴族はステージ前に集まって処刑を眺めているようだ。



「この後はいよいよ戴冠式の本番か、駄王が出て来るんだろうか?」


「いえ、プログラム表によるとここはマリエルちゃんが出ることになっていますね」


「きっと見栄えを優先したんだろうな、駄王じゃちょっとアレだから」



 王様的な赤マントの中はパンツ一丁の駄王、こういう場ではビジュアルに問題がある。

 ここでマリエルを出すのは運営的に正解のはずだ。



 1時間程したところで、昼休憩終わりの鐘が鳴る……


 それと同時に幕が下ろされ、グロテスクな処刑の光景は完全に見えなくなった。

 ここからは汚いモノを見せてはいけない、厳粛な儀式の時間だ。



 幕の前に兵士達が並ぶ、皆儀礼用のガビガビ鎧を身に着け、高そうな剣を持っている。


 次に出て来たのは着替えを済ませたメルシー。

 こちらも儀礼用の特別な衣装だ、歌番組の大取りみたいになっているではないか……



 メルシーが玉座の前に立ちそのまま待機する。

 最後に出て来たのはマリエル、メルシーよりも目立ってしまわないよう、慎重にチョイスされた衣装だ。



「新聖女メルシーよ」


「へへぇ~っ!」


「今をもってこの聖都を新たな聖国の領土とし、新聖女メルシーがそれを治めることを承認します」


「拝命致しますのじゃ!」


「よろしい、ではこれはこの世に生きる全ての人族の総意となります、異議がある者は普通に殺します」



 ここで、さらに全ての国の、全ての人がメルシーを聖女であると認めることが再確認された。

 しつこいようだがやればやっただけその効果は高まるのだ。



 兵士が頭の上に掲げて持って来た冠をマリエルに差し出す。

 手袋をしてそれを取ったマリエル、そっとメルシーの頭に被せる。



 会場は拍手喝采、これでメルシーが正式にこの聖都、というか新たな聖国の支配者となったことが、参列した全ての人に確認された。



『ハイ、ありがとうございます、皆様、ここでもう一度乾杯をして聖国の門出を祝いましょう!』



 乾杯し、その後はもう普通のパーティーである。

 次々と運ばれて来る料理をつまみにしながら酒を飲む。


 それは日が暮れるまで続き、空が真っ暗になる直前でお開きとなった。



「今日はホテルに一泊して、明日の昼頃にここを出ようか」


「そうね、今はメルシーちゃんのところに貴族が集っているし、明日帰る前、落ち着いたところで話をしておくべきね」


 全員それで合意し、ホテルの部屋へと戻った……



 ※※※



 翌日……



「よぉメルシー、久しぶりだな」


「おぉっ! 皆も来てくれたのじゃな、どうじゃ、妾はしっかり聖女様になったのじゃ!」



「メルシーちゃん、偉くなっても私の方がお姉ちゃんなんですからね」


「わかっているのじゃ、リリィちゃんはお姉ちゃんなのじゃ!」


「良かったなリリィ、たまには遊びに来ような」


「ええ、そうしましょう!」



 その後、10分程メルシーと話をする。

 しかし聖女様は忙しい、もう次の面会が入っているようだ。



 名残惜しいが別れを告げ、俺達は聖女の間を後にした。

 大聖堂からも出て馬車に乗り、来た道を戻って王都を目指す。



 ようやく王都に着いた頃には、既に他の貴族達が帰り着いた後だったようだ。

 町では土産物として持ち帰った記念品を配る家臣達の姿がちょくちょく見受けられる。



「ただいまぁ~っ!」


「おかえりなさい、今回はどんなお酒を買って来たのかしら?」


「いえ、それがですね……」


 聖都の現状を話すと、シルビアさんは悔しそうな顔をしていた。

 仕方がないので王都で作られ、聖都で配られた記念の酒を渡しておく、何とも微妙な逆輸入だ。



「これで大体色んなことは片付いたわね」


「ああ、次は大魔将とやらにチャレンジするんだ、ちょっと気合入れていかないとマジで危険だぞ」



 ついこの間戦った最強の敵、ノーマン。

 それと同じかそれ以上の敵が、ここから8体も待ち受けている。



 修行やら何やらでだいぶ強くはなった俺達だが、それでも油断していると足元を掬われかねない。



「ユリナ、大魔将は全て海上に城を築いているって認識で良かったんだよな?」


「そうですの、おそらくですが、そろそろ城が現れる頃合だと思いますのよ」


「で、攻め込んでくる可能性はかなり低いと」


「ええ、向こうは待ち構えるつもりでいるはずですわ」



 それならゆっくり作戦を立て、準備万端の状態でチャレンジすることが出来そうだ。

 だが、まずはその城が姿を現すまでゆっくり待っておくこととしよう。



 そう考えていると、おなじみの伝令兵がやって来る。

 対応したマリエルに何か紙を渡しているようだ……



「勇者様、また魔王が幻影を現すそうですよ、明日の昼、王都の北だそうです」


「うむ、それは大魔将に関することを伝えるためと考えて間違いなさそうだな」


「そうですね、では明日、王宮へ行くと伝えておきます」


「迎えの馬車も頼んでおいてくれよ!」



 思ったよりも早く敵方の反応があったな。

 最後の魔将を倒した後の長い休みも終わり、ここからは新たな戦いだ……

これで第一部を完結とし、次回151話からは第二部・第一章として新たに物語をスタートします。

ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます、また、引き続きよろしくお願い致します。

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