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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第二十四章 最後の魔将
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142 束の間の休息と訓練の開始

「勇者様、あの魔将補佐を拷問してわかったことのリストが届きましたよ」


「早いな、じゃあちょっと見てみようか」


「でもその前に、山小屋にあったデフラちゃんの私物が届いています、まずはそちらからですね」



 マーサに頼み、畑で働いていたデフラを屋敷の庭へ呼び出す。

 特に内容は伝えていなかったため、怪訝な表情で現れた。



「デフラ、この家具とか……あとエッチな本もお前のだよな?」


「エッチな本と日用品は確かに私のですが、家具は元々兄が置いていた物だと思いますよ、入居したときにはありましたから」


「そうなのか……」


 とはいえあの山小屋にあったものだし、押収品倉庫にずっとあるよりも使った方が良い。

 デフラには貰っておけと伝え、全ての品を引き渡した。



「ちなみにエッチな本は全部検閲しておいたからな、ブヒヒ」


「最低な異世界人ですね、人の趣味を勝手にっ!」


「ブヒヒ、すんまそん」



 とりあえず収容所の方にそれらを運ぶのを手伝い、その後はいよいよ敵に関する情報が記載された報告書の確認である。



「……なんか議事録みたいになってますね」


「これは読み辛い、ガチですべての発言が記載されているぞ、命乞いとかどうでも良いだろ」



 これを読んでいたら日が暮れてしまう、解読班ミラ要約班ジェシカに文書を引き渡し、その報告に関する一切の事項を丸投げしてやった。


 内容をまとめるまでに3時間ぐらいは掛かりそうだとのことであったので、適当に2階の大部屋でグダグダしておこう。



 部屋に戻ると、もう昼だというのにルビアが布団の中に居る。


「おいルビア、いつまで寝ているんだ、さっさと起きないと豚になるぞ」


「ブヒッ、既に雌豚なので堪忍して下さい」


「うるせぇ、出荷するぞ!」


「ブヒィ~」


「わかった、ではシルビアさんを呼んで来るからそのまま寝ておけ」


「はいっ! 申し訳ありませんでしたっ!」


 ようやく起床したルビア、朝(昼)風呂に入ると言ってテラスから出て行った。

 その様子をつぶさに眺めておこう……しかし良いおっぱいだ。



 しばらくすると素っ裸のまま戻って来たルビア、服を着るつもりはないらしい。

 そのまま髪も乾かさずに布団に戻ろうとしている。



「こらルビア、どうしてそんなにグータラなんだお前は?」


「だってご主人様、最近創刊した雑誌には夕方まで寝て夜さらに寝た方が痩せるって書いてあったんですよ」


「どんな雑誌だ、人間の経済活動を萎縮させるつもりか」


「どんなって、これです」



『発行者:王都有害図書倶楽部(ツボネ代表)』であった。



「こんなもん読んでんじゃねぇよ!」


 ルビアにお仕置きのコメカミグリグリを喰らわせながら雑誌を破り捨てる。

 おのれ企業魔将軍め、人を堕落に導く手法はコハル達の二番煎じだぞ。



「ルビア、買ったのはこの1冊だけだよな?」


「え~っとぉ、もう定期購読の申し込みを……」


「ちょっと尻出せ」


 ルビアの尻をビシバシ叩きながら、他に誰かに見せていないか確認する。

 すぐに目線を逸らし、誰かに合図を送ったようだ。


 部屋の掃除をしていたアイリスがそそくさと退室して行く……


「アイリス、ちょっと集合」


「ありゃ、もうダメみたいですね、ごめんなさい、私も見せて貰いました……あいたっ!」


 素直に白状したため、拳骨1発で勘弁してやった。



 しかし気が付かないうちにこんなことまでしていたとは、詐欺の件で魔将補佐の関与が発覚しなければまた面倒なことになっていたかも知れないな。



 そんなことをしている間に、ツボネの供述した内容に関する調べが終わったようだ。

 ミラとジェシカが大部屋に入って来る。


「ご苦労、ではこのまま内容の精査に入るから、諸君らもここに居てくれたまえ」


 とりあえず偉そうな感じで2人にそう告げ、他のメンバーも集合させる。



「え~っと、じゃあジェシカ、要約から見せてくれないか?」


「わかった、これが重要部分を短くまとめたものだ」



 その内容は……


 ・傭兵を集めるための資金は金貨10枚程しか溜まっていない

 ・自分達以外の企業魔将軍は全て南の城に居る

 ・人質にした民間人は2,000、一部は見せしめとして処刑済み

 ・イエスマンは新生大聖国との同盟解消に関し、上層部への言い訳を考えるのに躍起

 ・魔物は全て解放し、今は魔族50万の軍である

 ・残りの上級魔族は魔将イエスマンと下っ端のノーマンだけ

 ・イエスマンは自分を脅かす有能なものを冷遇、つまり下の奴ほど強い


 そんな感じであった。



「本当はどうして新生大聖国との同盟を切ったのかも知りたいところだが、それはツボネに聞いても無駄だろうな」


「おそらくこの間の合戦で逃走したのが主な原因ですの、奴は自分を裏切るような真似をした者をぜぇ~ったいに許さないんですのよ」


「そうか、何か知らんが超許さないんだな、そういうことか」



「それよりも勇者様、人質にされている民間人が心配ですよ、このままだと皆……」


「いや、一部を処刑ってのは脱走や反乱を防ぐためだろ、これは俺達に攻撃させないための人質であって、殺害を匂わせて何か要求しようって訳じゃない」


「ということは?」


「放っておこうぜ」


「そうは言ってもですね……」


 正直なところ、殺すしか能のない俺達勇者パーティーは人質救出作戦には不向きだ。

 その辺りは王国軍に任せ、こちらは敵の殲滅だけ考えて行動すべきであろう。



 あとは特段これといった情報が無い。

 傭兵の雇用資金も金貨10枚じゃどうしようもないしな、チンパンジーぐらいしか雇えないはずだ。



「だが主殿、この報告には無いが、新生大聖国の企画は誰がやったんだろうな? とてもその無能魔将に出来ることとは思えないぞ」


「それはアレだろ、デフラの兄、インフリーに違いないさ、どうせ金もそいつが握っているんだろうよ」



 魔将イエスマンはこの際どうでも良い、聞けば聞くほどその無能っぷりが明らかになってくるような奴だ。


 今頃は黒革の椅子に座って鼻でもほじりながら、この間の負け戦についての妥当な報告を考えているに違いない、馬鹿面でな。




 そこへ、店に居たはずのシルビアさんが入って来る……


「ちょっと皆、デフラちゃんがお話があるそうだから連れて来たわ」


「ああどうも、デフラ、入って良いぞ」


「失礼します、実はさっき返して貰った戸棚の中にこんな紙が……」


「何だこれ? 押収した憲兵は棚の中を調べなかったのかな?」


「いえ、それが引き出しの下の木を刳り貫いたところに入っていまして」



 どうやら古くて使い物にならないため、薪にしようと解体したときに発見したようだ。

 それは紙切れ、というよりも意図的に紙一枚を折り畳んだものである。



 紙切れを開いて中を見てみる……


『上上B下上AB右』



 何かの必殺技であろうか?

 とりあえずメモを取り、紙も回収しておいた。



「ありがとうデフラ、原本は機を見て返すことにするよ」


「普通に要らないのですが……」


「そうか、じゃあ便所の紙にでもしておくよ」


 内容はイマイチわからんが、これはおそらくインフリーが残した何らかの暗号だ。

 このコマンドをしかるべき場所で使えば凄いお宝、というか金が手に入るかも知れない。



 デフラには、また似たようなものを見つけたら報告するように言っておいた。

 まだ何か隠していないとも限らないからな。



「勇者様、話を本題に戻しましょう、企業魔将軍にどう対抗するかです」


「それは待つしかないだろうよ、こちらから攻められない以上敵から攻めて来るのを待つんだ」


「しかし、こちらが動かない間に敵が更なる力を……」



 食い下がるマリエルには、ツボネの供述で出ていた『上層部への言い訳を考えるのに躍起』という部分を指摘してやった。


 敵が動かないのは軍備を整えているからではない、馬鹿だからだ。

 こちらがやるべきはせいぜい補給路を断つとか、その辺りではないだろうか。



 ということで会議は終了、俺達はこのまま敵軍に動きがあるまで待機ということに決まった。



「じゃあ、またちょっと敵の様子を見てくるわね」


「見つかるなよ、あと兵の構成なんかも確認してきてくれ」


「わかったわ、いってきま~す!」



 精霊様を見送り、王宮へ調書を返しに行こうとしているマリエルを呼び止める。

 ルビアの読んでいた雑誌に関する注意喚起のお触れも出して貰うためだ。



「え? その雑誌なら余裕で発行差止になったはずです、闇ルートで定期購読の募集をしていたそうですが」


「持っているとどうなる?」


「本来なら憲兵に連行されて鞭で打たれますね」



「ルビア、覚悟しておけ、アイリスの他にこの本を読ませて貰ったような者は居るか?」


 セラとマーサが手を挙げる。


『記憶消去魔法:拳骨』を喰らわせておく。

 有害図書の内容は完全に忘れなさい。


 ちなみにルビアは鞭を持ったシルビアさんに耳を引っ張られながら退室して行った。


 敵が直接攻め込んで来るのも警戒しなくてはならないが、こういった搦め手でこちらの戦意を削いでくるようなことは今まで幾度もあった。

 それにも注意しておく必要がありそうだ。



「それでは私は王宮へ行きますね、お夕飯までには帰ると思います、ついでにその他の情報も貰っておきますね」


「おう、引き止めて悪かったな」



 偵察に行った精霊様と、王宮へ行ったマリエルが帰還したのはほぼ同時であった……



 ※※※



「2人共帰って来たし、夕飯にしようぜ、内容の報告は風呂上りで良いよな?」


 どちらも特に緊急で何か、といったような顔ではない。

 色々とやるべきことをやって、落ち着いてから話を聞けば良いであろう。




 食事を取り風呂にも入った。

 まずは精霊様から敵状の報告を始める……



「敵はほとんど下級魔族ばっかりよ、城の外にまで溢れかえっていたわ、でも1体だけ凄い力を持ったのが居たわね」


「そいつがノーマンだろうな、どんな感じだった?」


「眼鏡をかけた人型魔族だったわ、庭の掃除をさせれれていたし、かなりの下っ端扱いね、私よりも遥かに強かったけど……」



 衝撃的な一言である、精霊様よりも遥かに強いなんて、俺達が束になって掛かっても全く歯がたたない、というか足元にも及ばないであろう。



「弱ったな、それじゃ勝てる見込みがないぞ」


「ふふんっ、今敵わないのはしょうがないと思うわ、これから皆で修行すれば良いじゃない」


「修行?」


「そうよ、私もやるから、もちろん全員強制参加よ」


「何か恐ろしいことを考えているんじゃないだろうな……」


「ヒッヒッヒ、まぁ任せておきなさい」



 とんでもない目に遭わされる予感しかしない。

 今のうちに念仏を唱えておこう。



「それで、マリエルの方は何か情報があったか?」


「そうですね、敵の動きを監視するための偵察兵を放った、とかそのぐらいでしょうか」


「じゃあ何かあったら敵がここへ到達する前に報せがあるつもりでいて良いんだな?」


「そういうことです、偵察兵が殺られない限りは……」



 偵察兵が真っ先に殺され、何も知らないまま敵を迎え撃つことになるリスクは多少あるが、その可能性は極めて低いであろう。

 だって敵将、無能だしな。



「さて、これで会議は終わりってことで良いわね、これから修行を始めるわよ」


「え~っ、もう夜だし近所迷惑だぞ、今日は酒でも飲んで早いとこ寝ようぜ」


「じゃあ明日からで良いわよ、さっさとお酒を用意しなさい、明日からはそれどころじゃなくなるわよ、きっと」


「何をするつもりなんだよ精霊様……」


「ナイショ! 明日になってからのお楽しみよ!」



 明日からは飲めなくなるかもしれない。

 ということでカレンの実家がある狼獣人の里で購入した大変良いお酒を空ける。



「ん、これ美味しい、通販で売って欲しい」


「何だコハル、お前には自分で買いに行こうという気概が無いのか?」


「それは面倒、今時は何でも通販なの」



「う~ん、でもこれを王都に供給したらかなり儲かりそうね……」


「ダメですシルビアさん、このお酒は狼獣人の里に来た人しか買えないから、ブランド? だかなんだかって言っていました、族長が」


「あらそうなのね、残念だったわねコハルちゃん」


「今度行くときは乗せて行って欲しい、荷台でも良い」


「お前は滞在中ずっとそこから降りて来ないつもりだろうが!」



 そんなだらしない奴を連れて行く気はしない。

 勇者パーティーも同類だと思われてしまう。



「そういえば主殿、私の実家から来た酒もまだ残っていたであろう、それも今日出してしまっても良くないか?」


「そうだな、ちょっと倉庫に行って……もうルビアが行ったのか」


 ルビアの奴、酒の話になると行動が早い。

 普段からそれぐらいキビキビ動いて頂きたいものだ。



 その後も次々に酒を出し、凄まじく盛り上がった記憶はある。

 そこまでだ、いつまで飲んでいつ寝たのかはわからない、気が付くと朝であった……



 ※※※



「おはよう勇者様、てか大丈夫?」


「頭痛が痛い」


「ハイこれお薬、即効性の凄く高級な奴よ」


「あり……が……とう……おおっとぉ! 元気になったぜぇっ!」



 まだマーサとマリエル、それからアイリスが倒れているようだ。

 ルビアとジェシカはなぜか縛られている、また何か悪戯をしたようだな。



「ルビア、ジェシカ、何をやらかしたらそんな感じになるんだ?」


「覚えていないんですかご主人様は?」


「もちろん、俺は記憶喪失の男だからな、カッコイイだろ」


「ダサいことこの上ないぞ主殿、で、私達は飲みすぎて……その……室内でな」



 うん、壁に穴が空いている、明らかに武器で攻撃した跡だ。

 どうやら酔っ払って部屋の中で模擬戦をやったらしい、しかもルビアは俺の聖棒で戦ったという。


 なんてことしやがるっ!



「ちなみにご主人様も盛り上がっていましたからね」


「……すんません」


 ルビアとジェシカの縄を解いて解放してやる。

 ちょっと今回は怒るに怒れない、壁の穴はベニヤで塞いでおいた。



「それで、修行するとか意気込んでいた精霊様はどこへ行ったんだ?」


「さぁ、何か買い物をしてくるとか言って出掛けたのだが、そろそろ戻って来ると思うぞ」



 そう言っている間に空を飛ぶ精霊様の姿が見えた……何かがおかしいのだが?




「ただいま、さぁ、早速修行を始めるわよ!」


「なぁ精霊様、その木刀とサングラスはどうしたんだ?」


「何よ、監督といえばこのスタイルじゃないの?」


「どこの強豪校だよっ!」


「黙りなさい、これからは私が監督、あんたらはそれに従っていれば良いの」


「・・・・・・・・・・」


「返事は?」


「お……おう」


「イエス・マム! でしょうがっ!」


「い……イエス・マム」


「声がちいせぇんだよぉっ! やる気無いなら帰れやオラァッ!」


「イエス・マム!」


 ここが家なのだが……



「あんっ? 何か文句がありそうな顔ね、どうしたのかしら?」


「いえ、別に……」


「イエス・マム! だっつってんだろぉがっ!」


 その返答だとまるで俺が文句あるみたいになってしまうのだが?

 まぁ、普通にあるんですが。



 しかしここはとりあえず精霊様、いや監督のご機嫌を損ねないように合わせてやる必要がありそうだ。



「よぉし、貴様等、全員外に集合だ! 3秒で整列しなっ!」


『イエス・マム!』



 こうして、地獄の修行が幕を開けたのである……



 ※※※



「貴様等はゴミクズだ!」


『イエス・マム!』


「これからその根性を叩き直してやる!」


『イエス・マム!』


「強くなりたいかっ!」


『(略)』


「ノーマンに負けたくないんだろう!」


『(略)』



「死にてぇのか貴様等っ!」


『イエス・マ……えぇ……』



 最初は走り込みだそうな、全く、どうして俺までこんなことしなくちゃならんのだ?

 そもそも俺は他のメンバーよりも足が遅くて……


 その俺より先にルビアがリタイアした、木刀で滅多打ちにされているではないか!



 どうやらあの脳筋監督には人道とかそういったものが理解出来ないらしい。

 必死で走り、どうにか理不尽な暴行を免れた。



 同じように逃げ切ったマリエルが井戸水を飲んで一息ついている……


「おらそこっ! 誰が水飲んで良いなんて言ったんだよっ!」


「しかし、水を飲まないと倒れてしまいますよ」


「イエス・マム以外喋るんじゃねぇ! 根性が無いから水なんか飲むんだよ、貴様は溺れて死ねぇっ!」


「イエス・まががぼがっ!」


 かわいそうなマリエル、水瓶に顔を突っ込まれて悶え苦しんでいる。

 しかし練習中に水を飲ませないとは、あんた何の精霊様だよ……



「よぉし貴様等、昼飯の時間だ、基礎体力作りには食事が重要だ、吐くまで喰いやがれっ!」


『イエス・マム!』



 ようやく昼食の時間だ、だがここでも監督は何かを仕掛けてくる……


「ちょっと、マーサちゃん、それからユリナちゃんとサリナちゃんも、食事にこれをふりかけなさい」


「何これ、真っ黒で……重っ!」


「魔族にある闇の魔力を上昇させる『ダークマターふりかけ』よ」



「気持ち悪いですの……」


「不味いわ姉さま、こんなもの食べられません」



「文句があるなら言ってみなさい」


『イエス・マム!』


「よろしい、さっさと食べなさい」


 結局魔族の3人はそのふりかけを全ての食事に掛けられ、凄まじい量を摂取させられた。

 マーサの肌が若干黒くなっているような気もするが、可能な限り見ないようにしておこう。



 午後の修行が始まった……


『……あぁ~っ! 美しい~っ! み~どり~のペタ~ンおう~こく~っ!』


 今日は一日中体力づくりらしい、デカい声で国家を歌いながら腕立て伏せをするという軍隊のような修行である。


 そしてなんと、それを日が暮れるまで続けさせられたのである。

 これは敵わない、腕とかプルプルして使い物にならなくなってしまった。



「今日の訓練は終わりとするっ! なお明日より王都筋肉団も一部この訓練に参加することとなる、後れを取ることのないように、解散!」


『イエス・マム!』



「おいおい、ゴンザレス達もここに加わるのかよ」


「何十倍も暑苦しくなりそうね」


 俺や後衛組はもうヘロヘロである。


 一方、同じことをしながら大声を張り上げていた精霊様、それからカレンやマーサは平気である。

 リリィなんか楽しそうにしていたしな、きっと体のつくりが違うのであろう。



 とにかく、ノーマンを討ち滅ぼすための修行が幕を開けた。

 これに意味があるのかはわからないがな……

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