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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第二十三章 正体不明の敵
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139 大聖国から小聖国へ

「着きましたよ勇者殿、もう聖都のすぐ近くです」


「んぁ? ん~っ、寝てたわ」


「かなりお疲れのようですが、大丈夫ですか?」


「まぁな、ちょっと疲れが溜まっていてな」


 昨晩飲みすぎただけなんて口が裂けても言えない。



「あら王子様、勇者様はただの酔っ払いよ」


 セラが当たり前のように言いやがった。



「まぁそれは良いとして、もう聖都の目の前か……城門の前に誰か立っているぞ」



「本当ですね、あれは……あのハゲッぷりは新生大聖国の聖職者みたいですね、ちょっと殺してきます」


「いやいや、使者かも知れんからな、話を聞いてから殺せば良いだろう」


「ふむ、確かにそうですね」


 全く、この世界の人間は何でも殺せば解決すると思っているようだ。

 そうやっていつも重要な情報を得損なっているんだろうな……



 王国軍を城門の前にズラッと整列させ、その中から俺とインテリノが前に出る。


 立場上インテリノが少し前に居るが、もし急に襲われたとしてもあんなカッパ野朗にやられるようなガキではない。



「来たか王国の不信心者共が、我ら新生大聖国はそなたらと講和することに決めた、そちらの全権がこの文書にサインせい」



「おい、何か偉そうなこと言ってるぞ」


「どうしたのでしょうか? やはり髪と一緒に知能まで剃り落としてしまったのですかね?」



「何をごちゃごちゃ言っているのだ、早くせんかこのクソガキがっ!」



「もう殺して良いでしょうか? イライラしてきました」


「構わんさ、何の役にも立たないことがわかったからな」


 剣が汚れるのを嫌ったのか、火魔法だけで敵を殺害するインテリノ。


 カッパハゲは炎上し、のた打ち回っている。

 脂の乗っただらしない腹が良く燃えるようだ。



 焦げ臭いしキモい、俺はお暇させて貰おう……



「最初の一騎打ちはこちらの勝ちだな」


「はははっ! 冗談のように楽勝でしたね……おや、また人が出て来ますよ」



 今度は30名程の女、どうやら王都の牢から脱走した元聖国人のようだ。

 両手を挙げるなり白旗を持つなりしてこちらへ向かって来る。



「へへぇ~っ、逃げたりして申し訳ありませんでしたっ! どうかもう一度チャンスを下さい!」



「どうするよこれ?」


「とりあえず捕らえておきましょう、王都に戻ったら格安で販売すれば良いですし、連れ帰っても損はしないでしょう」


「それか兵士に報酬として配っても良さそうだな」


「うむ、ではそうしましょうか、誰かっ! こいつらを捕らえるんだっ!」


 兵士達が降伏してきた連中を全員縛り上げ、適当に馬車へ押し込む。

 命が助かったと知って安心したのか、おもらししている者も多いようだ。



 俺達も一緒に自陣に戻る。

 そろそろ攻撃開始といこうか。



「セラ、あまり無茶苦茶はするなよ、王国軍に被害が出るのだけは絶対に避けるんだ」


「わかっているわよ、この私に任せておけば大丈夫、さぁリリィちゃん、行きましょう!」


 不安すぎて吐きそうだ、いや、それは二日酔いのせいですか……



 飛び立って行くセラとリリィを見送り、用意して貰ったチェアに座る。



「セラさん、今回は竜巻による攻撃でしょうかね?」


「わからんが、範囲が広いのは竜巻だよな、雷は集中型で効率が悪そうだ」


 上空を旋回して狙いを定める2人が見える。

 下から矢が飛んで来ているようだが、当然届くはずもない。



 やがて、大聖堂があると思しき位置から少し離れたところを攻撃目標に定めた2人。

 本人の姿は遠くて良く見えないものの、セラが振りかざした杖がキラリと太陽光を反射したのがわかった。



 巨大な渦が地面から舞い上がる……なんと落雷付きだ!


 しかも竜巻の中にリリィのブレスを巻き込ませ炎の渦にしているではないか……



「凄まじい破壊力ですね、ですがこれで終わってしまいそうで心配です」


「すまんな、やりすぎだぞあいつらは……」



 周囲に落雷を伴った巨大な炎の竜巻は、地上にある全てを破壊して巻上げ、焼却する。

 俺達の居る城壁の外にも色々飛んで来た。


 細かい瓦礫、木造の小屋と思しきものがそのまま、それから扉や家具など、さらには焼け焦げた人間の死体もである。



「おい、ちょっと危ないぞ、退避だ退避っ!」


『総員退避っ! モノが飛んで来ない所まで退くんだっ!』



 慌てて後退する王国軍、何人かは飛来物が直撃して負傷しているようだ。

 戦う前から回復魔法使いの世話になってしまうとは、情けないだろうな……



 逃げる途中、凄まじい轟音に振り向く。

 聖都の高い城壁がばったりと倒れているではないか。


 しかも都合良くこちら側だ。

 これで突入もし易くなったな。


 しばらくすると竜巻は消え、セラとリリィが戻って来る。



「ただいま、どうだったかしら新開発のクライマックスサンダーストームゴリアテトルネード・ザ・ファイアは?」

『私とセラさんのコンボ技なんですよ!』


「名前が長いしやりすぎだっ! 見ろ、ほとんど何も残っていないじゃないか!」


 とりあえず2人共拳骨を食らわせてやった。



 苦笑いで突撃して行くインテリノ達を見送り、俺達はメルシーの護衛に付く。


「リリィは人間形態に戻れ、そこに正座するんだ」


『はぁ~い』



「ん? どうしてリリィちゃん達は怒られているのじゃ?」


「軍の手柄を残しておくべきなのに滅茶苦茶したからだ」


「そうなのか、2人共悪い子なのじゃ」


「セラもリリィも後でお尻ペンペンな」


「はぁい」

「ごめんなさぁ~い」



 しかし城壁が無くなった分戦いが良く見えるな。

 突撃して行った兵士達は聖都の中で、生き残りのハゲを血祭りにあげている。


 奴隷として働かせることが出来そうなのは殺さずに捕らえたほうが良さそうだが、基本的に聖都の人間は食糧難で痩せこけたハゲばかりだ。


 連れ帰ったところで軽作業もままならないであろう。



「あ、ご主人様、インテリノ君が変なのを引き摺って来ましたよ」


「ほう、良く見えるなリリィは、変なのってカッパハゲだよな?」


「はい、部下の人と一緒に、え~と……20人ぐらい捕まえたみたいです」



 しばらくすると俺にもその姿が見え始める。

 セラとメルシーには顔まで確認出来たようだ、メルシーが騒ぎ出す……



「あのハゲなのじゃ! 妾をこの町に連れて来たのはっ!」


「てことはあれはカミナシか、親玉があっさり見つかったな」


 インテリノが本陣に戻る。

 部下と共に連れて来たハゲは全部で25人、全て新生大聖国の幹部クラスだ。



「この連中、地下に隠れて先程の攻撃をやり過ごしたようです、そのまま地下道で逃げ出すつもりだったんでしょうね」


「で、コイツがトップのカミナシと……うん、この間の合戦前に演説していたハゲで間違いない」



 念のため肖像画とも見比べて確認しておく。

 顔を上げさせたいのだが、掴むべき髪の毛が無いのが痛いな。



「よぉし、顔確認も完了だ、ちなみに聞いておくが、お前がカミナシで間違いないんだよな」


「うるさいわボケ、貴様等のような罰当たりのウ○コ野郎共に名乗るようなカミナシ様ではないわっ!」


 自分で言ってしまったし、この口汚さはこの間の演説と同じだ。



「ちなみにもう1つ聞いておく、この新生大聖国を計画したのはお前か?」


「誰が答えるかぺぽっ!」


 顔面を思い切り蹴ってやった、意外に頑丈なようだな。


「ちゃんと答えないと次は鼻をへし折る」


「ぎぃぃっ! わしじゃない、計画者はインフリーという男じゃ、奴め、ここを捨てて魔族について行きおったわ!」


 またデフラの兄と思しきインフリーとやらに逃げられてしまったようだ。


 それにしても、この馬鹿そうなのが国を興す段取りなど出来るはずがない、全てインフリーがやったというのは事実であろう。



「さて勇者殿、王都に帰ってこの連中を拷問しましょう、他の場所に居る構成員についても聞き出さないと」


「そうだな、王都では無関係の善良なカッパハゲが無駄に捕らわれているかも知れないし、さっさと戻って情報を得よう」


 聖都に残った住民を虐殺するための兵を1,000残し、それ以外で元来た道を戻る。

 戦っていた時間は僅かであったが、かなりの戦果を得ることが出来たな。



 2日かけて馬車で進み、ようやく王都へ辿り着いた……



 ※※※



「ただいま~っ」


「おかえりなさい勇者様」


「おうミラ、こっちはどうだった? どうも無かったか?」


「ええ、昨日の朝に新生大聖国の各支部討伐隊が出陣したぐらいですよ」


「そうか、南の敵はまだ動いていないなら良かったぞ」


 いつも忙しいミラがのんびりしていると思ったら、アイリスが庭で洗濯をしていた。

 それだけでなく掃除もしてくれているようだ、大当たりの奴隷だったな。



 しかしいくつもある新生大聖国の支部を討伐しに行ったということは、いよいよ完全に滅ぼしていく感じになったということだ。


 もうトップ連中は聖都で身柄を押さえたわけだし、残りは捕まるかバラバラに解散していくかのどちらかであろう。


 最後まで抵抗するハゲが居るかも知れないが、そこはもうメルシーを使って片付けるのである。


 今回の聖都攻めではセラとリリィがやりすぎてせっかく連れて行ったメルシーの出番が無かったが、この先残党を諦めさせるのには活躍してくれそうだ。


 いくらテロ集団の残党とはいえ、こちらが錦の御旗を掲げて攻め込めば簡単に諦めるだろうからな……



「勇者様、何か考え事をしているようですが、マリエルちゃんの報告も聞いてあげて下さい」


「ん? ああ、わかった」



 2階のテラスで日光浴しながら居眠りしていたマリエルを叩き起こす。


「ふぁ~っ、おかえりなさい勇者様」


「とりあえずパンツを穿け、どうして全裸なんだ?」


「古来より日光浴は全裸と決まっています、ちなみに月光浴の場合は足を広げて……(お伝え出来ない内容です)……と体に良いそうですよ」


「おう、そうかそうか、でも外から見えるかもだし、パンツは穿いてくれよな、で、報告ってのは何だ?」



「それでしたら、王都における全てのカッパハゲに関して調査が終わった件です」


「全てって、早すぎないか?」


「裏技を使って新生大聖国の関係者かどうか判定しました、これです」



 普通にメルシーの肖像画であった。

 確か聖都を破壊したときに竜巻で飛んで来たものも同じ絵だったな。


 きっと新生大聖国でごく一般に使われていた聖女様の絵なのであろう。



「で、これを足で踏むと」


「そうです、良くわかりましたね」


「踏み絵は俺が元居た世界でも宗教弾圧に使われていてな」


「あら、そうなんですね、でもこれで完璧ですよね」


「でもその場はやむなく踏んで、そのまま活動を続ける奴も居るはずだから、ちょっと注意した方が良いぞ」


「その辺りは大丈夫です、踏みつけるまでに1秒以上掛かった者は全てクロ判定にしてありますから」


 ……冤罪を生み易い、実にいい加減な判定基準だ。



 ちなみにメルシーの肖像画を直ちに踏みつけ、完全にシロと判定された善良ハゲに対しては、10種類の髪型から選べるズラを1つプレゼントして帰したそうな。



「で、王都のハゲは良いとして、それ以外の地域に散らばっているハゲの始末だ、俺達はどう動くべきなんだ?」


「そうですね、まずはメルシーちゃんを連れて王宮へ行きましょう」


「わかった、じゃあ今から行ってみるか、どうせ暇なんだし」



 メルシーを連れ、馬車で王宮へと向かった……



 ※※※



「おぉ、ゆうしゃよ、この度の聖都襲撃、ご苦労であった」


「おう、何か貰えるの?」


「うむ、新生大聖国の件が全て片付いてから報酬を用意しようではないか」


 相変わらずシケていやがる。

 報酬ぐらいその都度よこせや、モチベーションダダ下がりになっても知らないぞ。



「あとそうじゃった、そろそろ今回の戦で捕らえた連中の公開処刑も考え始めようぞ」


「いや、それこそ全部終わってからにしろや」


 新生大聖国を潰したとて、まだその後には企業魔将群との戦いが控えているのだ。

 公開処刑イベントなどしている暇があるかどうか……




「して勇者よ、今日はどうしたのじゃ」


「ああ、新生大聖国のその後について話に来たんだ、キーマンになるメルシーも連れてな」



「妾は何をすれば良いのじゃ?」


「メルシーには正式に聖女様になって貰うのさ、もちろん王国や帝国の推薦を受けてだ」


「よくわからんのじゃ、ご飯と甘いものが食べられればどうでも良いのじゃ」



「ふむ、ではその子をこちら側の神輿にして国を擁立し、正統性を主張するということじゃな」


「そうだ、ついでにあのハゲ共を批判させておけば良い、カミナシは僭主だし、奴等はテロ組織だって」


「ほう、では王よ、早速我らの推薦状を用意しましょうぞ」


「それから帝国の新皇帝とか、南方の都市国家群にも頼んでおくんだ」



 メルシーを正統な聖国のトップだと主張し、ハゲ共の新生大聖国は逆賊だと世界中にアピールする作戦はすぐに開始された。



 とりあえずメルシー本人を『亡命』というかたちで王宮に預け、その日は屋敷に戻った。



 ※※※



「おかえりなさいご主人様、メルシーちゃんはどうしたんですか?」


「ただいまリリィ、メルシーは王宮に置いてきたよ、これから本人も忙しくなるしな」


「うぅ~っ、せっかくお姉ちゃんになれたのに、残念で仕方が無いです」


 これでまたしても一番の年下に戻ってしまったリリィ。

 今後お子様の仲間が増えるなんてことは早々無いであろうし、我慢して貰う他ない。



 残念がるリリィを宥め、マリエルと今後のことを相談した……



「では勇者様、この王都に各国の要人を呼んで戴冠式をやるなんてのはどうですか?」


「それはヤバくないか? 当日を狙って南の企業魔将群が動いてくるかも知れないぞ」


「う~ん、では魔将の討伐後ですね、そういうイベントをやるのは」



 現在の王都で戴冠式のような祭事をやるのはまだ危険であろう。

 何といっても今は戦時なのだからな。


 いつどんなときに敵が攻めてくるのかもわからないのだ、無警戒にイベントなどしてはいられない。


 今のところはメルシーが新聖女として正統であり、王国の味方であること。

 そして新生大聖国がそれを利用して国を興そうとしていた危険なテロ集団であることの周知を先に行うべきだ。




 その3日後から、新生大聖国の残った支部を征伐しに行っていた部隊が続々と戻って来た。


 皆一様に討ち取った敵幹部の首を掲げたり、牢付きの馬車に捕虜を入れたりと、それなりの戦果を上げてきたように見える。



「勇者様、今伝令兵から報告がありました、最後の部隊が戻るのは今日の夕方だそうです」


「わかった、それなら明日の朝にでも王宮へ行って、色々と話を聞いてみようか」



 最後の部隊が北門から凱旋したらしい歓声が屋敷まで聞こえてくる。

 きっとなかなかの手柄を立てて来たのであろう。



 その日は特に何も無く、翌日の朝を迎えた。

 マリエルに起こされ、セラも含めた3人で迎えの馬車に乗り、王宮を目指す……



 ※※※



「うぃっす、お、駄王も総務大臣もご機嫌じゃないか」


「おぉ、ゆうしゃよ、これを見るが良い!」


「何だコレは? 『カッパハゲ図鑑』とか意味不明だぞ」



 どうやら協力者リストなどに肖像画のあったハゲのプロフィールを集めたもののようだ。

 全部で150体のハゲ、そのプロフィールが書き込まれている。



「今朝方の確認での、遂にその図鑑をコンプリートすることが出来たのじゃ」


「凄いな、伝説のハゲまで全部捕まえるか殺すかしたってことだろ?」


「そのとおりじゃ! これで新生大聖国の幹部は全滅ということになる」



 となるとあとはメルシーを新聖女としてもう一度聖国を建て直すだけである。

 ハゲの残党は諦め、普通の信心深い連中が聖都に集まって暮らすようになるはずだ。




「ババァ、既に各国からメルシーを聖女に推薦する旨の文書も受け取ってあるんだよな?」


「もちろんじゃ、新生大聖国は世界中で迷惑を掛けておったからの、これに乗らぬ国は無かったぞ」


「じゃあ早速それを公開して、一応の国家樹立だけはしておくんだ」


「うむ、早く戴冠式が出来るよう、さっさと最後の魔将を討伐するのじゃぞ」



 翌日、早速世界各国に新たな聖国の樹立が宣言された。

 聖都のみを領地とする非常に小さな国であり、軍すらも王国に依存することになった。


 大聖国などと言っていた連中は完全に排除され、本当に小さな『小聖国』が誕生したのである。



「おぉ、ゆうしゃよ、聖都にはまだ危険があるゆえ当面はこの王都に亡命政権を置くことにしたのじゃ」


「わかった、聖都での正式な国家樹立も企業魔将の討伐後だな」


「うむ、メルシーちゃんの戴冠式と一緒にやろうぞ」


 これで厄介だった新生大聖国の件は完全に、というほどでもないがとりあえずは片付いた。



 誰にも気付かれずに勢力を伸ばし、一気に王国の脅威となった新生大聖国。


 しかし企業魔将軍やデフラの兄と思しき人物の後ろ盾を失った瞬間、あっという間に瓦解し、幹部クラスも全て死ぬか捕まるかどちらかという結末を迎えた。


 結局、あの馬鹿そうなハゲ共には何も出来なかったということか、せいぜい最初に金貨3,000枚を持ち出したことぐらいか。



 ……待てよ、その金貨3,000枚はどこへ行ったんだ?



「おい駄王、最初に話題沸騰だった使途不明金の金貨は回収出来たのか?」


「それがまだ見つからんのじゃ、ハゲを拷問したところ金はインフリーという奴が管理しておったそうじゃからな、魔王軍と同行するときに持ち去ったのかも知れぬわ」


「またインフリーかよ、本当に面倒な奴だな」



 ここにきてまたデフラの兄、インフリーである。

 おそらく企業魔将軍と結託し、また意味不明な行動を取るに違いない。


 とにかくそいつも企業魔将軍とセットで考えるべきだ。

 早く聖国を安定させるためにも、連中の討伐は急がなくてはならない。



 次からは異世界勇者本来の業務である魔王軍との戦いだ……

いつも読んで下さっている方、ありがとうございます。


ここで第二十三章を終え、次の章へと移行します。

この話は第二十五章に続き、そこで第一部を完結させる予定です。

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