137 大規模戦闘に幕
「これは何たることじゃ……魔法一発でこのようなことに……」
「仕方が無いだろう、その代わり相当数の敵を討ったんだ」
「うむ、まぁ確かにそうじゃの、では城壁が吹き飛んだ範囲の防衛に戻ろうかの」
総務大臣は切り替えの早いババァだ。
すぐに気を取り直して兵に指示を出し始めた。
城壁の外では時折、セラのものと思われる雷魔法が発動している。
後方に居た魔族の指揮官がかなり生き延びているようだな。
だがそれも空からピンポイントで攻撃すれば済む話だ。
北側を攻めていた魔物と魔族はもう間もなく殲滅が完了すると言って良いであろう。
「しかし凄いな、魔物のコアだらけだぞ」
「うむ、後で拾ってここの復興資金にするべきじゃな」
俺達にくれるとかそういう発想は無いのかこのババァは……
「勇者殿、僕は今からマトンちゃんを本部まで連れて行く、そこに居る仲間に何か伝言があるか?」
「ん、そうだな、ちゃんと昼食を取るようにとマリエルに伝えておいてくれ」
「わかった、王女殿下にそのようなことを言うのは畏れ多いがな」
お貴族様は大変なようだ。
シールドは駄王ごときにもヘコヘコしているからな、いつも。
ここにはまだ敵が来ないので適当にフラフラしておく。
おそらく警戒して近寄らないのであろう、暇だな……
……と、精霊様が戻って来た。
「何サボっているのよ、ちゃんと動きなさいよダメ異世界人」
「精霊様にそれを言われるとショックなのだが、で、敵の様子はどうだ?」
「いまぐるっと回った感じだと全体で1割減ってところかしらね、飛行魔族はさっきのでほとんど落ちたみたい」
夜明け前から昼近くまで戦い、先程特大の一撃をかましてようやく1割である。
これは堪らないな。
「それと、こちらにもまた敵が向かっているのか?」
「ええ、各方面の後ろの方が分離していたし、それが来るんじゃないかしら」
「ほう、でも敵はどうしてそいつらを王都に向かわせないんだろうな?」
「きっと私やリリィちゃんがすぐに戻れることを知っている輩が居るんだわ、それにここを落とせば王都が丸裸ってこともね」
「そんなもんなのかね……」
今度はセラが戻って来た。
魔力を使い切ったのか?
「ただいま、この周辺の動くものはもう全部殺しておいたわ」
「そうなのか、てっきり魔力切れだと思ったよ」
「というか意外に数が少なかったのよ、居たのも全部一撃で死んだし」
雑魚ばかりだったということか、にしても火魔法に耐性がある奴がもっと居ても良いような気がするんだがな、まともなのは温存しているのか?
「とにかく、今見た感じだと全方位から集まった敵が北に向かい始めていたわよ」
「じゃあそろそろ来るってことだな、ババァに伝えに行くよ」
俺が総務大臣のところに着いたあたりで、ほぼ土台だけとなった壁の向こうに敵が見えた。
「……そういうことだ、伝えるまでもなかったな」
「うむ、ちと辛そうだが踏ん張ってみるかの、ウォール家の三男坊もこっちで使わせて貰うぞ」
「ああ、ちょうど戻って来たみたいだしな」
歩いて戻っていたが、敵の姿が確認出来た途端に走り出すシールド。
何もそんなに焦らなくても……やはりコケたか。
きらびやかな鎧が重過ぎるんだよ、全く実用的でないな。
「いててっ! すまない勇者殿、すぐに防御魔法を展開するよ!」
「頼んだぞ、何とかここを持ち堪えさせるんだ」
次第に接近し、遂に待機していた俺達とぶつかる敵。
相変わらず物凄い数だ、その内側に防御魔法が張られた。
倒しても倒しても、次から次へと魔物がやって来る。
最後列はもうここから見えない程に遠くだ。
リリィが前に出てブレスを浴びせ、空白地を作るものの、乾いた地面に周りの水が流れ込むようにしてまた敵で埋め尽くされる。
さすが2億、キリがない……
「勇者様、私の残った魔力、全部使って竜巻を出すわ、ハンナちゃんにも力を貸して貰うの」
「セラ、お前それ制御不能なやつじゃないか、リスクの塊だぞ」
『勇者さん、そこは私が何とかしますよ』
不気味な喋る杖、というか中に入ったハンナの後押しもあり、セラが特殊風魔法で雑魚を片付けることに決まった。
「いくわよぉ~っ! 見ていなさいっ!」
上空の雲が渦を巻き、その中心が地面に向かって尖り始める。
やがて、その先端が地に着き、巨大な竜巻となって暴れ出した。
「わぁぁぁっ! おい勇者よ、何じゃアレはっ!?」
「何でもない……とは言えないよな、とにかく危ないから兵を下がらせるんだ」
『防御魔法の壁まで後退せよぉ~っ!』
そんなこと言わなくても皆とっくに退いている。
予告もなしにあんなのが出て来てビビらない奴などそうそう居まい。
ちなみに敵も大慌てだ、自軍の後方からわけのわからない巨大な渦が迫っているのだからな。
しかも渦に飲まれた仲間が次々と空高く舞い上げられている。
恐怖と絶望以外感じることはないであろう。
ところで……どうもこちらに来ていないか?
「セラ、本当に大丈夫なんだよな?」
「今何とか遠ざけようとしているの、集中しているから話し掛けけないでっ!」
勘弁してくれよな……
こちらに来るか、向こうに行って敵の後方を吹き飛ばすか。
一進一退の攻防である、セラの額に汗が光っている、冷や汗かもな。
「も……もうダメかも、コントロールする魔力が無いわ!」
「踏ん張れ! ここで諦めたら被害が出るかも知れないぞ!」
『セラさん、私が出ます!』
杖の先から、にゅるにゅるとハンナが姿を現す。
出てすぐに両手を前に突き出し、竜巻の制御を始めた。
「ちょっと大きすぎますね、推し戻すだけで精一杯です」
「ああ、こっちに来なければ何でも良い、敵は十分に殺したしな」
ハンナの力で竜巻が離れて行く。
敵の居ないところを通過してしまったのは少しもったいないが、それでも消滅するまでこちらに被害を及ぼすことは無かった。
まぁ、これで良しとしよう。
「はぁ~っ、やっぱりまだあの大きさのは無理だったみたい」
全ての力を使い果たし、その場にへたり込むセラ。
もちろんおもらししている、いつものことだ。
「全く無茶しやがって、しかももうしばらく魔法は使えないんだろう?」
「3時間ぐらいは無理な気がするわ、もう立つことも出来ないもの」
「しょうがない奴だな、残った敵を潰して来るからそこで待っておけ」
北部戦線の敵、その第二陣はもはや壊滅状態である。
手前に残った敵は王都軍と俺や精霊様が殺し、後方の難を逃れた運の良い奴等は逃げ出した。
もう日が傾き始めている、今日ここが再び攻められる可能性は低いであろう。
そして予想通り、空で戦っていた精霊様が敵軍の撤退開始を確認したと言ってきた。
やはり夜は陣地に帰るようだ、全ての敵が西へ向かい始めたらしい。
「セラ、もう歩けるか? 本部に戻ろう」
「まだ膝がガクガクしているの、おんぶして」
「……おもらししたのに?」
仕方がないのでその場で精霊様にざっと流しても貰った。
歩けない、いやそう主張して楽をしようとしているかも知らないセラをおんぶして町の中央へと戻るった……
※※※
「あ、おかえりなさい勇者様」
「おうマリエル、ルビアはまだ働いているのか? ちゃんと昼食は取ったか?」
「ダメでした、ルビアちゃんも働き詰めです」
「俺達も食べられなかったし、夕食はきっちり取ろう」
「ええ、私達は公民館を宿舎にして良いそうですからそちらに向かいましょう」
全員で寝られる公民館に着くと、既に風呂が沸かしてあり、すぐに兵士が安定のサンドウィッチを持って来てくれた。
セラが洗い場でパンツを洗っている間に一時解放されたルビアも戻って来る。
この後はすぐにまた行かなくてはならないそうだ。
「とりあえず食事にしよう、風呂は4人1組だ」
サンドウィッチを食べ、俺とセラ、カレン、ルビアで風呂に入る。
「ルビア、ちょっとげっそりしているが大丈夫なのか?」
「もう血と汗と涙と鼻水と、とにかく色んな液体の臭いが染み付いてしまってわけがわかりません」
救護所の状態は相当に酷いようだ。
とりあえず肩を揉んでやろう。
「次はカレン、西側の敵はどうだ?」
「どれだけ倒してもまた後ろから来て、全然数が減りません」
どこも状況は同じようなものなのだな。
この後他の方面からの報告も来るだろうが、あまり期待しないでおこう。
そろそろ風呂から上がろうか、というところで知らないおばさんが俺達の待機所を訪問する。
救護部隊の隊長らしい、ルビアを連れ戻しに来たようだ。
「ではご主人様、私はもう行かなくてはならないので……」
「おう、何でも良いが服は着て行け」
「ああ、忘れていました」
大丈夫なのであろうか?
倒れる前に自分を回復させて欲しいところだ……
風呂から上がったところでもう1人の訪問者、伝令兵だ。
この後作戦本部で会議をするため、代表者を1人出して欲しいとのことである。
仕方が無い、俺が行こう。
「じゃあちょっと行ってくる、何かあったら本部へ伝えに来てくれ」
1人外に出、歩いて作戦本部へと向かった。
※※※
「おぉ、ゆうしゃよ、待っておったぞ」
「何だ駄王、立派に戦死しなかったのか?」
「今日だけで3回も死に掛けたわい、まず1度目はその辺でウ○コしとったら横に火炎瓶が……」
「ほうほう、で?」
「2度目は昼、ウ○コしておったら爆発で飛んだ石がすぐ横に……」
「おい、お前さ」
「3度目はこれまたウ○コしておったら矢が飛んで来たんじゃよ」
「どんだけウ○コしてんだよっ!?」
しかもちゃんと便所に行くという考えはないらしい。
いつでもどこでも出来るフリースタイルウ○コのようだ。
馬鹿の相手はやめ、会議の方に集中する。
南は押されているものの、筋肉団が居る東はまだ持ち堪えそうとのことだ。
そして現在は北を中心に、土魔法使いが壁の補修をしているらしい。
その程度ではあまり役に立ちそうもないが、何もやらないよりはマシであろう。
俺達も北側の戦線であったことを報告したところで、現在の敵の様子を偵察していた兵が戻って来る。
西の町外れからその先の山まで、全面に敵魔物・魔族部隊がびっしり詰まっているそうだ。
そして新生大聖国の構成員と思われる連中は山中に隠れているとのこと。
「待て、魔物と魔族は密集して野営しているのか? あれだけ大規模な攻撃を受けておきながら」
「そのようじゃな、しかも爆発と竜巻で2度じゃぞ、指揮官は相当に知能が低いと見えるの」
「うむ、夜明け前、敵が動く直前を狙ってユリナにもう一発かまして貰うよ」
「そうじゃの、じゃがこちらの兵を巻き込まぬように頼むぞ」
今やっても良いのだが、それで倒せるのはまた1割にも満たない数だ。
そうすると残りの敵とそのまま戦闘になってしまうからな、王国軍の兵を休ませることが出来ない。
作戦は夜明け前、敵がそろそろ移動しようかというところで決行だ。
「じゃあ明日も通常の戦闘は同じ配置で良いんだな、疲れたから帰って寝るぞ」
会議を終えて待機所に戻り、ユリナに作戦を伝える……
「上空からの方が狙いが定め易いんですの、リリィちゃんと一緒に飛んで貰いたいですわ」
「そうなのか、リリィ、俺とユリナを乗せて飛べるか?」
「ちょっとなら大丈夫ですよ、でも爆風から上手く逃げられるかまではわかりません……」
「そしたらセラ、ユリナと2人で攻撃に出てくれ」
「わかったわ、ユリナちゃんが言ったスポットまで誘導すれば良いのね」
「頼んだぞ」
そこへ、ようやく今日の仕事が完全に終わったルビアが戻る。
汚れたのでもう一度風呂に入ってすぐに寝るという。
「もう体を洗う気力もありません」
「仕方が無い、俺が洗ってやろう(グヘヘ)」
ルビアの服を脱がせ、風呂場で入念に洗ってやった。
皆の俺を見る目が白い気がするが、生まれつきなのであろう。
その後、あまりにも疲れていたためすぐに布団に入り、すぐに意識をどこかへやった……
※※※
「じゃあ行くわよリリィちゃん、ユリナちゃん」
夜明け前、爆撃部隊の出撃を見送る、夜番の兵士や既に起きていた将校達も参加する大壮行会になった。
西の敵陣に向けて飛び立つリリィ、かなりの高度まで上昇したようだ。
まだ暗いため、すぐに見えなくなってしまった。
5分程、その場に居た全員が西の空を見つめて待機する。
そこへもはやおなじみの閃光、直後に巨大な火球が膨張していくのが見える。
火球は次第に地面から吹き上がる煙へと変わり、俺達の居る場所にも衝撃波が届いた。
「今のでどのぐらい殺ったかな?」
「敵は密集していたようじゃからな、10分の1ぐらいは殺せておると良いんじゃが」
こちらへ戻るリリィの姿が見えた、巻き添えは喰らわず、怪我も無いようだ。
その姿はすぐに大きくなり、先程飛び立ったのと同じ地点に着陸する。
「どうだったユリナ?」
「暗かったですが、一番敵の密度が濃いところに撃ち込みましたわ」
「結果は戦闘が始まってみるまでわからんな、しかし期待しておこう」
それぞれが昨日と同じ戦線に向かう。
今の爆発で寝ていた兵も起きたようだ、ちょうど良い。
北の城壁……今は土魔法の粗末な壁だが、とにかくそこにつくと、付近で野営していた兵士達はもう配置についてるようだ。
次第に空が明るくなってきた。
敵はまだここへは来ない。
「ちょっとひとっ飛び偵察に行って来るわ」
「おう、気を付けるんだぞ」
精霊様を見送り、配布された朝食を口にする。
ちなみに精霊様は遅刻寸前の美少女が如くパンを咥えて行った。
まだ見える位置で引き返して戻って来るではないか……
「ただいま、もう来ているわよ、ボロボロの集団が」
「さっきの魔法で負傷したんだな、遮蔽物が全く無いから効果絶大だったんだ」
すぐに姿を見せた魔物と魔族の軍勢。
もう満身創痍だ、飛んで来た仲間の死体や武器、それから石ころなんかにやられたのであろうな。
『戦闘準備っ! 敵は手負いじゃ、一気に殲滅するぞ!』
俺達も大臣連合軍に続く。
聖棒に触れただけ、セラの魔法が掠っただけで倒れる魔物、魔族も同様だ。
「ご主人様、ここは王国軍の人達だけで大丈夫ですの、サリナが心配だから西へ行きたいですわ」
「そうだな、じゃあ先に移動し始めてくれ、ババァに移動する旨伝えてから行くよ」
総務大臣も他の大臣達も了承してくれたため、俺達は徒歩で西側の戦線を目指す。
所々、壁を乗り越えた敵が侵入しているようだが、中に残った兵士だけで十分に対応出来ているようだ。
特に大きな戦闘をすることなく西外れへと辿り着く。
「あ、ご主人様、こちらへ来たんですか、姉さまも」
「北は大丈夫そうなんでな、こっちはどうだ?」
「さっきマーサ様が魔将補佐の姿をちらっと見たそうです」
「何て奴だ?」
「トリマキという男で、鳥の体に顔だけおっさんなんです、企業魔将様に取り入って出世した無能ですね」
「というか魔将補佐も魔将も試験があるんじゃなかったのか、どうしてそんな奴が居るんだ?」
「きっと裏口とか賄賂とか、その辺りの話だと思いますよ」
企業魔将だけでなく、その補佐すらもすこぶる無能だということがわかった。
その軍は数が多いのと、強くて頭も良いノーマンの力で魔将軍最強を維持しているだけのようだ。
「ちょっと私が空から様子を見てくるわね、ソイツを捕まえられそうならそうするわ」
「わかった、殺しても構わんぞ」
「基本料金は高級酒1升、敵の首は銀貨1枚、生け捕り出来たら銀貨3枚ね」
「はいはい、行ってらっしゃい」
今朝に引き続き、再び精霊式偵察機を飛ばす。
燃料は要らないが、度々酒とか金とかを要求してくるのがネックだ。
俺達は適当に西戦線の援護をしながら待つ。
こちらも傷だらけの魔物や魔族が相手だ。
……だが相変わらず数が多い。
「あ、おかえりなさいご主人様」
「カレン……だよな、返り血で誰だかわからんぞ」
「はい、いっぱい殺しましたから、でもまだまだ……あれ?」
「おや、敵が逃げて行くな」
そのとき、精霊様が遠くの空からこちらに向かって飛んで来るのが見えた。
何か持っている、人間サイズのダチョウみたいな生物だ。
「マーサは……居た、あの精霊様が持っているのが魔将補佐か?」
「どこ? あっ、見えたわ、あれがトリマキで間違いないわよ!」
ということは魔物と魔族の指揮官はアイツだったということか。
で、それを持って行かれたので敵は後方から徐々に撤退を始めたと。
猛スピードで戻った精霊様が着陸する……
「ほらっ、気持ち悪いのをわざわざ生け捕りにして来たわよ!」
「えっと、これは死んでね?」
「ギリギリで息をしているわ、スピードに耐えられずに気絶しただけ、それよりも大変よ!」
「何だ?」
「山の方にあったハゲ共の陣地がもぬけの殻なのよ! その先を探しても全然見つからなかったわ」
しまった、昨日のうちに逃げ出していたようだ。
魔物や魔族に戦わせて傍観していただけのハゲ共。
昨日の昼最初に放ったユリナの魔法にビビり、すぐに逃げ出したのであろう。
それで魔物は馬鹿みたいに集まって野営していたのか。
少しでも頭が回る奴は逃げる側に入ってしまい、残ったのは馬鹿ばかりということに違いない。
「とにかくこれであの大軍との戦いは終わりだ、逃げた奴もどうせ聖都へ向かったはずだ」
「おぉ、ゆうしゃよ、これは勝ったということで良いのかな」
「緒戦はな、だが油断は出来んだろうよ」
敵はどんどん後退して行く。
深追いはやめ、王国軍は全て城壁の中へと戻った。
「どうする勇者様、私達はこのまま逃げた敵を追いかける?」
「う~ん、でもいきなり転進して王都を襲撃、なんてことも考えられなくはないからな、一度帰るべきだろう」
「じゃあそうしましょうか、敵の本拠地が聖都なのは変わらないわけだしね」
結局、王国軍は一部をここに残して撤退することに決まったようだ。
俺達も馬車に乗って帰路に着く。
正直このまま戦わされていたら軍も疲弊し、最終的にはここを落とされていたかも知れない。
ユリナやセラの派手な魔法があってこその勝利であった。
そして、次はこちらが攻める番だ……




