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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第二十三章 正体不明の敵
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131 族長の話と敵の所在

 上だ、それも遥か上空に居た狼獣人の族長。

 小柄、というかもうヨボヨボのばあさんなのだが、凄まじい身体能力を発揮している。


 というかさっき腰痛いとか言ってたよな?

 そもそも人族の動きじゃないぞ!



 ……おまけに空中で加速しやがった、凄い勢いでこちらに向かって飛んで来るではないか。



「あぶねぇっ! 武器の保護もしてないのに突き刺し攻撃かよっ!」


 そして普通に『殺る気』のようだ。

 攻撃に容赦がない、手数も半端じゃない。



「ふぉふぉっ、異世界人は上位種族のはずなんじゃが、これは期待ハズレじょ」


「いや、まだまだっ!」


 俺も負けじと突きを繰り出す。

 このばあさんは少しぐらい聖棒の攻撃を喰らっても死にはしないであろう。


 交錯する互いの武器、両者防具は着けていない。

 どちらかが一撃貰ったら決着だ。


 だが、ばあさんは短いサーベルをつかっちる分、取り回しが良くて攻撃が速いのである。

 ノロマな俺が1回攻撃する間に、ばあさんは5回も6回も突きを繰り出す。



 さらには跳びあがっての攻撃。

 どうやら空中で強烈な蹴りを放ち、風圧で自由に方向を変えているようだ。


 もう人間のやることではない……



「ほらほらどうした? 実に遅いじょ、スローライフ転移者かえ?」


「本来はそっちの方が良かったんですよ、でも敵ばっかりで困ります」


「ふぉふぉっ、なら戦って全て滅ぼすが良いじょ」


 敵を滅ぼす以前に、今現在俺があんたに滅ぼされそうなのですよ。

 速いし、突いても突いてもヌルヌル避けるし、どうやったら勝てるのかわからない。




 ……じかし年寄りだけあって少しづつ疲れてきたようだ。

 当初に比べてかなりスピードが落ちてきている、このままいけば判定勝ちを狙えそうだな。


 ばあさんの攻撃は徐々に遅く、そして大きく外れていた俺の攻撃は惜しくも掠ったというようなものが増えてきた。

 いけるっ! これなら絶対にいけるぞ!



「ほいさっ!」


「げぇぇっ! 超あぶねぇっ!」



 勘違いでした、というか嵌められていただけのようだ。


 疲れで次第に遅くなったと思っていた族長ばあさん。

 その実、そう見せかけておき、遅くなった戦闘ペースに俺を慣れさせていただけなのである。



 突如として元の速さに戻るばあさん。

 凄まじい突きが飛んで来たのだ……


 とっさに避けるも、服の脇腹部分は完全に持って行かれてしまった。



「何てことしやがる、危うく死ぬところだったぞ!」


「ふぉっふぉっ、そんなに弱いんじゃ生きておっても良いことは無いのじゃじょ」


 ばあさんは調子に乗っているようだ。

 ここで一発見返してやりたいぞ。



 だがこのままじゃとても勝てないな、どうするべきか?


 ……このばあさんは狼獣人の族長だ、つまりカレンと同系統。

 可憐の戦い方を良く思い出すんだ、そうすれば何かヒントがあるかも知れない。



 かなりの高齢と見える族長、目が良いとは思えない。

 普通の人族なら耳も悪くなりそうだが、そこは狼、きっと未だに凄まじい聴力なのであろう。




 待てよ……音を聞いて戦っているのかこのばあさんは。

 そういえばカレンも眼を瞑ったまま戦っていたりしたもんな。

 その可能性は高いぞ。



 思えば先程の試練、ジェシカが鎧をぶつけて出していた音に対戦相手がかなりの反応を示していた。


 武器同士がぶつかる音はあの青いベトベトのせいで出なかったのだが……

 いや、もしかしてあのベトベトは狼獣人が音で相手の動きを察知し易くするためのものなのか?


 今回は互いに突き同士の戦い。

 大きな音が出ることはそうそう無い。


 だからアレを使わずに戦っているのか!

 ということは……



「あの、ちょっと良いですか?」


「なんじょ?」


『だぁぁぁっ! わぁぁぁっ! きえぇぇぇっ!』



「ほぎゃっ! 何をするじょ!?」


 族長ばあさんの耳元でバカデカい声を出してやった。

 一瞬怯んだものの、すぐに体勢を立て直している、さすがだ。



 だが、もう先程までのような動きのキレは感じられない。

 三半規管がどうかなってしまったのか、足元も覚束なくなっているようだ。



 軽く、ソフトに繰り出した聖棒がばあさんの腹にドンと当たる。

 勝負あり、俺の勝ちが決まった。



「ほげぇ~っ、耳がおかしいじょ、ちょっと座ってもええかの?」


「ええ、すみませんね、急に大きな音を出して」


「まぁええのじゃじょ、さて、そなたらは里に入ることを許可しようじょ」


「あざぁ~っす! おじゃましま~す」


 ようやく狼獣人の里へと繋がる門をくぐることが出来た。


 里の中には木造の住宅がいくつも立ち並んでいるものの、田んぼや畑などといったものは見当たらない。

 代わりに狩りの道具を手入れする人がそこらじゅうに居る。


 そうだよな、ほぼ完全に肉食の連中だもんな。

 なんだか中世と縄文時代のハイブリッドみたいな暮らしぶりだ。



「は~い、じゃあ皆さん、今日はここに泊まって頂きますね、里でもっとも高級な建物なんですよっ!」


 うむ、この建物だけ石造りだ。

 屋内は土足厳禁、畳のような何かも敷いてあるナイスな宿である。



「とりあえず族長の耳が治ったら敵の話を聞きたいな、というか本来の目的はそれだからな」


「そうでした、完全に忘れていましたよ、てっきり私が実家に皆を招待する回だと思っていました」


「大丈夫、今朝辺りからは全員そんな感じの心構えだったはずだ」


 試練だの何だので白熱しすぎた結果、新生大聖国の話などどこかへ行ってしまっていた。


 これでは拙いな、ちゃんと調査しないと国に旅費を請求出来なくなるぞ……



 とはいえ疲れた、しばらくはここでゆっくり待機させて貰おう。

 ルビアに膝枕させ、寝ているのか起きているのか、そんな状態が続いた後、ようやくガイドのお姉さんがやって来る。



「どうも皆さん、この後すぐに夕食の時間なんですが、それを会食にして色々と話をするってことで良いですか?」


「わかりました、で、会場はどこになりますか?」


「里の中央広場です、野外特設会場を設置して、もう飲めや唄えやの大騒ぎですから、期待しておいて下さい!」



 俺達は一応仕事で来たのだが……まぁ良いか……



 夕暮れ時を待ち、会食が行われる里の広場へと移動した……



 ※※※



「すげぇ肉々しているな、マーサは……気を失っているのか」


 草食のマーサには酷な光景だ。

 丸焼きの肉、吊るされた肉、皿に並んだ肉、そして俺達がお土産として持ち込んだ生ハムの原木が並んでいる。



「おぉ、勇者パーティーが来たようじゃじょ、ウサギ魔族も安心せい、ちゃんと草も用意してあるじょ」


 どうやらマーサのためだけに里の野菜を全て掻き集めたようだ。

 ちなみに、野菜は食料品ではなく薬品扱いとのこと。



「良かったじゃないかマーサ、ほら、意識を取り戻すんだ、このままだと魂が異世界に旅立ってしまうぞ」


「……野菜、野菜があるのねっ! 生きていて良かったわ」


 茶番はこのぐらいにしておこう。


 食事会、というか酒を飲み始める前に、7,000年ぶり2人目の魔狼モードに覚醒したカレンのお披露目会をするという。


 その準備がなされている最中に、俺達は敵の新生大聖国、そして聖都から消えた使途不明金について族長から話を聞くこととした……



「あれは確か3ヶ月ぐらい前だったじょ、変なハゲが3人案内所に来たとの報せを受けたんだじょ」


「ほうほう、それで?」


「奴等、誇り高き狼獣人をはした金で傭兵として雇い入れたいと言いおった、だから殺したんだじょ」


「ちなみにはした金とはおいくらぐらい?」


「金貨100枚で熟練兵を1人、半年貸せと言ってきての、それも20人とのことだったじょ」


 つまり金貨2,000枚分の傭兵が欲しかったということか。

 聖都の帳簿にあった使途不明金は金貨3,000枚、残りの1,000枚は何に使うつもりだったんだ?




「しかしそのような連中に時間を取らされるとは災難でしたね、やはりそういう奴は惨殺するに限りますよ」


「全くじゃじょ、金貨100枚では時間貸しでも3時間ぐらいのものじょ」


 金貨100枚は俺が元居た世界の価値で1,000万円程。

 それで普通の人間より遥かに強い狼獣人の、しかも熟練の戦士を半年も貸せとは……


 新生大聖国のハゲ共、価値がわかっていないのも大概だ。



「ところでそいつら、どちらの方角から来たとか、そういうのはわかりますか?」


「ふむ、それならそのとき案内所に居た者に聞くが良いじょ」



 直ちに、ガイドのお姉さんとその他数人の女性が呼ばれた。


 この里の野郎共は強さにしか興味が無い。

 そのため、山の麓の案内所は外部の人間と交易をし、良いモノをゲットしたい女性が進んで当番に出るという。


 そういえば俺達が着いたときも女性ばかりだったな。

 別に男女問わず強いわけだから特に何らかの危険があるわけではないだろうが、昨日の勘違い冒険者みたいなのが来るとウザそうだ。




「……あ、そういえばあいつら、馬車ではなく馬で来ていたわね、そんなに乗馬が上手いようには見えなかったけど」


「ということはこの近くに根城を用意していた可能性が高いということですかね」


「そうね、間違いないと思うわ、で、その根城っていうのがおそらく……」



 狼獣人の少女曰く、この近くに大昔の戦で使われた廃城があるという。

 そしてその廃城、なんと旧聖国における88箇所ある聖地のひとつとして認定されていたそうだ。


 つまり88箇所の聖地を順番通りに回ると……ではなく、聖都陥落のときに落ち延びた聖職者がそこに潜んでいる可能性はかなり高いということだ。



「ちなみに狼獣人の皆さんはその廃城にはあまり行かないんですか?」


「う~ん、昔は行っていたみたいだけど、今はあまり強い魔物も居ないし、もうお宝も撮り尽くされたしで、基本的には誰も行かないわ」


 つまり何か危険があるとか、禁断の地とかいう訳ではなく、単に行く価値がないから行かないというだけのようだ。

 なら俺達が踏み込んでも差し支えないであろう。



「勇者様、ちょっとだけここでゆっくりして、そしたらその廃城とやらに行ってみましょうか」


「そうだな、カレンもせっかく帰省出来たんだし、少しはここに留まっておくか」


 セラと2人、ワイルドすぎるキャンプファイヤーの横で相談していると、ステージでカレンの魔狼モードお披露目会が始まった。



 当然、それを記念したワイルドな酒が配られ……意外にも透き通った上質な酒であった。

 ただしお猪口には下に穴が空いており、飲み干さない限りは置くことが出来ないワイルド仕様だ。


 これはどこかの酒処から転移して来た奴が悪ノリで伝えた、俺が居た世界の風習に違いない。



「あら、これは甘口で良いお酒ですよ、ご主人様、3樽程買って帰りましょうか」


「構わんが、帰りの山道はルビアが担ぐんだぞ」


「……1樽にしましょう」


 結局樽で買って帰るつもりなのかコイツは。

 だが里の人に話を聞くと、下の案内所でも販売しているらしい。


 やはり3樽にしよう。



『さぁ~っ、里の皆さん! 本日は異世界勇者パーティーが遊びに来てくれています、存分におもてなししましょう!』


 だから仕事で来たんだってば! と、このような状況で主張しても信じて貰えないであろうな。

 とりあえず狼獣人達の尻尾をもふもふさせて頂こう。


 ちなみに族長のばあさんのは結構だ、あとおっさんの尻尾もな。



 酒を飲み、肉を喰らい、狼の女の子達に限って尻尾をもふもふしながら夜を過ごした……



 ※※※



 翌朝……



「おはよう勇者様、外を見てよ、何か面白いことをしているの!」


「何だセラ、寝ている人の上に乗るもんじゃありません」


「良いから早くっ!」


 せっかく気持ちよく寝ていたというのに、無駄に元気の良いセラに叩き起こされてしまった。

 そのまま外の広場まで引き摺られていく。



 狼獣人達が修行をしているようだ……


「ほらっ! 子ども達がピョンピョン飛び跳ねて可愛いわよ、何の練習をしているのかしら?」


「あれは毎日成長の早い植物を飛び越えることで、徐々にジャンプ力を磨いていく練習だろう」


「へぇ~、でもそうして勇者様がそんなこと知っているのかしら?」


「俺の居た世界では常識だったんだ、かなりポピュラーな修行方法だぞ」


 しかし子供達が飛び越えている植物が何かおかしい。

 あれはどう考えても観察日記をつける朝顔だ。


 おそらく跳び越える修行と、それから自由研究的なことを同時に出来る画期的な手法を編み出したのであろう。


 やはり跳び越える練習を終えた子ども達はその植物の前に座り、絵日記をつけ始めたではないか……

 よくわからんが真面目だな。



「ところで大人達はどんな修行をしているんだろうな? そっちの方が気になるぞ」


「大人は山の方へ行くとか言っていたわよ、ちょっと様子を見させてもらいましょ!」


 またセラに引き摺られ、今度は村の奥、山への入り口へと向かった……



 大人の狼獣人達は村の外れに集まり、午前中の訓練をしているようだ。


 全員の額には『必勝』の鉢巻が巻かれている。

 何と戦っているというのだ一体?


「おや、君達は訓練の様子を見に来たのかね、さすがは勇者パーティーだ、勉強熱心なことだね」


 カレンパパも当然に参加していた。

 ちょうど良いので何に対する必勝なのか質問してみる……


「ああ、これは虎獣人をライバルとみなしてのものだ、人族最強は間違いなくどちらかの種族から出ることになるからな」


 その後もカレンパパの話しは続く。

 どうやら狼獣人達は、同じように高い戦闘力を持つ虎獣人のことをライバル視しているようなのだ。


 事の発端は500年前、初めてこの地に転位して来たという始祖勇者のパーティーに、虎獣人のみが1人選ばれ、狼獣人からはメンバーが出なかったのである。


 そのことを未だに悔しく思い、こうして日夜打倒虎獣人の修行を続けているという。

 ちなみに戦闘力の強化は里の方針、狼獣人であれば強くならなくてはダメなのだ。



「あぁ、そういえばカレンが今使っている武器、元は始祖勇者のパーティーだった虎獣人の持ち物だったとか言っていましたね」


「おぉ、それも以前手紙に書いてあったぞ、世界に1つしかない伝説の爪武器を手にしたということは、我ら狼獣人が人族トップの座を取り戻したといって良いであろうな」



 適当に相槌を打っておく、ライバル視するのは一向に構わないのだが、頼むから意味不明な争いにだけは発展させないで欲しい。


 まぁ、大丈夫ではあろうがな……



「そうだ、異世界勇者とその仲間達、明日我々の演習も兼ねて例の廃城に行ってみないか?」


「それは嬉しいですが、そこは弱い魔物ばかりでつまらないのでは?」


「なぁに、魔物と戦うばかりが修行ではないさ、それに君達の敵が居るかも知れないんだ、俺達もそれと戦いたいしな」


 そういうことであればということでお願いしておいた。


 廃城探検にはカレンパパ、それから村の若い連中が2人一緒に来てくれるそうだ。

 正直そんなに強敵が出そうな感じはしないのだが、強い仲間は多いに越したことはない。



「廃城はそんなに遠くはない、歩いて行くにしても明日の朝出れば昼過ぎには着くであろう」


「そんなに近くなんですね、そうなるとここへ攻めて……来る訳がないですよね……」


 既に傭兵を雇おうと送った使者を3人殺されているのである。

 新生大聖国側がこの狼獣人の里に攻め込んで来るほど気合の入った連中とも思えないし、ここは十分に安全といえよう。



「では明日の朝、里の中央広場に集合ということで良いかな?」


「ええ、ではそれでお願いします!」



 時間と場所の約束をし、その日はそのままセラと2人で里を観光して回った。


 ここの人達は朝から修行、昼食後に狩りに行ったらまた修行、そして夕食後にも修行らしい。

 どこへ行っても、誰もが修行しているばかりで観光スポットのようなものは見当たらなかったのである。


 唯一、里の寺にはマーサの部下であった種牛野郎の腕、それをミイラにしたものが大切に保管されていた。

 今のところ亡霊がそれを取り返しに来たり、ということは無いようだ。



「ただいまぁ~っ」


「あらお帰りなさいご主人様、良いものがありますよ」


「何だルビア? くだらないものだったら尻を叩くぞ」


「じゃじゃんっ! なんと中級魔族の首です!」


「げぇぇっ! そんなもの持って来るんじゃないよ! どこで拾ったんだ!?」


「今日村を回っているときに偵察に来ていたのを討ち取りました、マリエルちゃんと2人で」


「いや、それは良いがどうして魔族がここに?」



「勇者様、これはきっとこの間の機関誌にあった命令だと思いますよ、新生大聖国に協力しろという」


「なるほど、つまりもうそこに参加している魔族が居て、その一部がここを狙っていると」


 おそらくだが、中級魔族が束になって攻め込んだところで、この里はビクともしないであろう。


 だが上級魔族となれば話は別だ。

 単体でも少なからず被害が、数が多ければ負けもあり得る。


 ちなみにこの件はもうマリエルが族長に報告してあるらしい。

 もしかすると明日の廃城探検は中止になるかもな……



「ね、ご主人様、凄く良いものだったでしょう?」


「断じて良くない、気持ち悪いものを持って来おって、そこで尻を出せ、マリエルもだ!」


「まぁ、ご褒美ですねっ」


「お仕置きです!」


 ルビアとマリエルの尻を交互に引っ叩きながら考える。


 新生大聖国はもはや意外と強敵になっているのではないだろうか?

 また、最後に残った魔将が何か関与する可能性も考慮しなくてはならない。


 これは手に負えなくなる前に始末しておく必要がありそうだな……



 翌日の朝、全員で里の広場へ向かうと、既に協力してくれる3人はそこで待っていた。


「おはようございます、今日は大丈夫ですか? 魔族の件がありましたが」


「なに、大丈夫さ、いざとなったらすぐに戻れば良いしな、そのときの合図も里と打ち合わせ済みなんだよ」


「あ、なら良かったです、では行きましょうか」


 最悪リリィや精霊様が飛んで戻れば良いし、狼獣人は全員闘うことが出来るのだ。

 過度に心配する必要はないと思っておこう。



 俺達は里を出、目的の廃城へと向かった……

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