1188 古の神の秘密
「ひぃぃぃっ! 痛いっ! 痛いけど気持ち良いっ! こんなのって今までにないですっ! あぁぁぁぁっ!」
「どうですか? 私の話を少し聞いて、あなたに派特にデメリットのないお願いを聞いてくれるというのであれば、いつでもこの強烈な体験をリピート出来るようにして差し上げますが」
「そんなっ、この体験を……どうしたら良いんでしょう……あひゃぁぁぁっ!」
「勇者様、このままだとルビアちゃんがヘンになってしまうような気がしますよ、大丈夫なんですか?」
「う~ん、元々かなりヘンだから、逆に1周して正常に戻るんじゃないのか?」
「至極楽観的ですわね、まぁ、いつものことなので大丈夫だとは思いますが……このままだと負けますわよこの勝負……」
席に戻っていたミラの言葉から始まり、最後にユリナが発言したところで、そんな話をしていた3人が同時に監督玉座の精霊様を見る……ちなみにサリナは飽きて寝ている。
ルビアがどうにかなってしまうのはもう規定路線だし、本人がそれで良いのであれば良いのだが、このままの流れに身を任せればこの勝負は完全に負けである。
神であることがわかった敵の強力無比、なのかはわからないがとにかく効いているお仕置きの前にルビアが倒れるのは時間の問題。
そしてその神こそが、敵の雌豚チームの総大将であって、倒される側のルビアはこちらの雌豚チームの総大将なのだ。
もちろん敵の監督が作り物の女王様であったこと、ルビアよりも何よりも、まず実況の知らない人が驚きのあまり戦意を喪失していることなどから、この戦いの成立自体が疑われる状況ではあるが……
「精霊様! 負けた場合にはどうなるのかわかってんのか? 大丈夫なのか鞭でも入れて止めなくて?」
「大丈夫……とは思えないけど、何かちょっと手を出し辛いわね、というかこんな鞭じゃ、あそこに飛ばしたところで届きもしないわ、先が力の波動で消滅して短くなるだけよ」
「まぁ、確かに話し掛け辛い状況ではあるがな……負けたらドM堕ちなのは変わらないぞ」
「それは……何か仕掛けとかしてないわけ? 一発逆転の、例えば敵チームのスタンドが爆発して消滅するとか」
「似たようなのであればここに……ですが元々は敵の豚野郎使いを吹き飛ばしてしまうものなので、今ここで使っても意味はないかと」
「良いわ、あのルビアちゃん達が勝手に作り出した世界を、外部からの衝撃で止められるというのであれば何でも構わない、やって!」
「わかりました、じゃあいきますよ勇者様、せ~のっ、ポチッと」
「ポチッと……あれ?」
「え? あっ、ひぎゃぁぁぁぁぁっ!」
「何か精霊様の玉座が爆発したんですけど……それでそのまま落ちて来て……」
「三角っ、木馬イヤァァァァァッ!」
「綺麗に三角木馬ライディングしたな、芸術点は10点だ……てかさ、爆発する方の玉座って逆じゃないのか?」
「え~っと……あ、もしかしたら上下逆に設計図を作ったかもです、毒の茶菓子も精霊様の控え室にあったのかも」
「それで効かなかったのか……大変に残念なことだ」
「ど……どういうことなのかしら……確かに控え室の茶菓子から変な気配がしていたけど……」
「すまん精霊様、ミラの設計ミスだ」
「ごめんなさい、でもこの間私がやられた分があるから行って来い……にはなりませんね、失礼しました、勇者様、ちょっと雌豚衣装に着替えてきます、後でルビアちゃんがされているみたいにお仕置きして下さい」
罠の作動と共に吹っ飛ばされ、そのまま落下して来て三角木馬に変化した玉座に騎乗してしまった哀れな精霊様。
まさか設計図が逆になるとは思いもしなかったな、だが爆発の影響によってステージ上では少し変化があったようだ。
何事かと顔を上げ、手を止めたルビアと敵のドM雌豚尻女神、お仕置きを続けていたその神の手は止まり、同時にルビアの意識も三角木馬上の精霊様に釘付けになった……どうやら自分も騎乗したいらしい。
そして同時に、これまで引っ叩かれ続けたその尻がジンジンと痛み出したようで、ウッと小さな呻き声を上げたと同時に蹲ってしまうルビア。
ボーっとしていた実況の知らない人が、どうやらこちらの爆発の影響で意識を取り戻していたらしく、ハッと気が付いてルビアの前へと向かう……
『し……白チームの選手! ここでダウンしましたっ! 意識はあるようですがっ、これは苦痛の中に満足気な表情がっ! 大丈夫ですかっ? 降参しますかっ?』
「いてて……それは私が決めることじゃないです、今はまだお仕置きされている最中ですので、している側が終わりと言えば終わりですし……どうでしょうか?」
「まだ反省が足りていない……と言いたいところですが、ひとまずこの戦いを終えましょう、降参して負けを宣言して下さい」
「わかりました、じゃあえっと精霊様は……気絶しているので何も聞けません、でも……参りました」
『ここで試合終了だぁぁぁっ! 白チームの大将がギブアップの宣言をしたためっ! 最後に残った黒チーム大将、ドM雌豚尻の女神様であらせられるシリアナスタン神様の勝利! 即ち黒チームの勝利が確定しましたぁぁぁっ!』
「えぇ、ようやくこの鬱陶しい視線からも解放されますね、もう私恥ずかしくて恥ずかしくて……あ、でも、女王様が居なくなってしまいましたね、敵の雌豚使いの精霊ももうダメそうですし、どうしましょうか?」
「でしたら、私のご主人様の指揮下に入って下さい、馬鹿でアホでマヌケで甲斐性なしの雑魚キャラですが」
「おうルビア、聞き捨てならんひと言だな、後でその腫れ上がったままの尻に鞭をくれて灸を据えてやる、ついでにカンチョーもしておっぱいを捻り上げるぞ」
「ひぃぃぃっ! うっ、嬉しすぎてもうダメです……ガクッ」
「気絶したか……すまんがえっと、何だ? とにかくドM雌豚尻女神を司る神か、色々と話はあると思うが事後処理を手伝ってくれ、命令だ」
「はいっ、では私の仲間である雌豚と、それから騙して各地より攫って来た労働用豚野郎を使って後始末をします、その後で……ひとまず私をなわでキツく縛って逮捕して下さい」
「そういうのは後でな……とにかく片付けだっ」
『うぇ~いっ』
後方でまったりしていた他の仲間や、何もしないで高い場所から見ていた俺達の世界の女神と仁平なども駆り出し、ひとまず会場の片付けをしていく。
スタジアムだかコロシアムだか、とにかくそのセットも全てを一度建材に戻し、広場に積み上げて『ご自由にお持ち下さい』の状態にしておいた。
時折それが崩落して神界人間の死者が出ていたようだが、そんなことは気にする暇もなく、ただただ片付けを進めてようやく綺麗な町の景観が戻る。
集まっていた町の連中には『観戦料』という名目でそこそkの金額を請求し、払えないにも拘らず勝ってに見ていた者には利息制限法に引っ掛からない手数料などの名目でゴリゴリに上乗せされる借金を背負わせて追い返す。
さらにこの町で募集されて連れ去られた労働用豚野郎に関しては、先に洗脳を解かせて解放してやったことで、一部の町の人間から大変に感謝され、食料品などをかなりの量献上された。
また、イベントに特別出店していた屋台の余りなどもこちらで引き受け、今夜は敵であったドM雌豚尻女神率いる、上空に待機したままの雲の上に残っているらしい大量の雌豚も交えた大宴会を開くことが出来そうだ。
まぁ、こんな感じで会場の撤去がおおよそ終わったところであるが、終盤やることがなくなり、手が空いた順に広場の隅に正座するよう命じてあった連中の処理がまだである……
「やれやれ、こんなもんで良いかな? 精霊様以下の負け組みさん達がかわいそうだから、そろそろそっちにも構ってやることとしようか」
「そうですわね、マーサとかもういきなり居眠りしているし……良く正座のまま寝られますわね、もしも~しっ」
「……はっ……ねぇ~っ、私達いつまでここに居れば良いの~っ? お腹減ったんですけどっ」
「うるせぇな敗者の分際で、もっとそれらしい態度を取れと……主に精霊様だな、わかっていると思うがドM堕ちだぞ」
「クッ、明日から1週間で良いなら我慢するわよ」
「いや、今夜の宴会からにしよう、そこでドM堕ち宣言をして、そこの負け組さん達と一緒にオンステージして鞭を受けるんだ、わかったな?」
「鬼畜ねぇ……ちなみにミラちゃん」
「はい何でしょうか? あ、さっきの……わかりましたまだドM堕ちしていない精霊様からの鞭をどうぞ」
「このっ! やってくれたわねっ! それっ! どうかしらっ?」
「ひぎぃぃぃっ! おっ、お尻がいくつにも割れちゃうっ! ごめんなさいっ、設計図反対でごめんなさいぃぃぃっ!」
結局やらかしたミラもお仕置きされ、ついでに敗者への罰は今夜ということで一旦負け組みさん方を解放してやった。
コロシアムセットが片付いた広場では、次に関係者のためだけのパーティー会場が用意され、そこで精霊様が配下に置いていた隣町雌豚軍団による料理の準備が始まっている。
一旦休憩だけして、ついでに風呂にでも入ってからパーティー会場へ向かうこととしよう、女神や仁平もそうするようだし、開始は日が暮れた後ということで良さそうだな。
そんなことを参加者であるドM雌豚尻女神にも伝えて、そこで一時解散してそれぞれの向かうべき方向へと進んだ……
※※※
『え~っ、それではですねっ、イベントの成功を祝しまして……乾杯!』
『うぇぇぇぇぇぃっ!』
「てかあの実況の人、最後まで身分を明かさなかったな……まぁどこかの雌豚なんだろうけどよ」
「勇者様達も知らずに見ていたのね、私達も知らずに指示に従っていたけど」
「まぁ、それよりもアレだ主殿、この後はどういう流れになるんだ?」
「そうだな、まずは……お迎えが来たぞ、負け組はこんな所で酒なんか飲んでいないで、ステージ上で鞭打たれる準備をしろ、恥を知れっ」
『へへーっ!』
「それから、鞭の打ち手はちょうどアレだからな、敵の参加者であった雌豚に任せた、そして精霊様はそれが居なくなってしまったからな、特別に……」
「ひぃぃぃっ! まさかあんたがっ……クッ、さっきサインした『ドM堕ち契約書』のせいで何だか嬉しい気持ちにっ……」
「フハハハッ、復讐も禁止みたいだし、1週間可愛がってやるから覚悟しておけよっ」
「くぅぅぅっ! そんな言葉でさえも心地良いなんて……」
先程ミラが作成した契約書にサインし、何と実印まで押してしまったため、既にドM堕ちが完了してしまっている精霊様。
今回は先回りして、後で『よくもさんざんやってくれたわねっ!』という感じのアレを絶対禁止する契約内容になっているため、もはや何も恐れることなくいじめまくることが可能だ。
他の仲間はスタッフである隣町雌豚によって拘束され、壇上に連行されて行くのだが、精霊様に関しては俺が直接腕を捻り上げ、後ろからグイグイ押して連れて行った。
ステージにはもう、鞭を持った敵チーム、黒雌豚軍団が元々のエッチな格好で待機しており、ドM雌豚尻女神に至っては自ら動いて連れられて来たルビアを迎え入れたほどである。
パーティー会場の周囲には、その辺の神界人間の生涯賃金の100倍程度になる金額を納付した一般客……というかキモいおっさん共が、この敗者お仕置きショーの開催中のみという時間限定で脚立に登って見学をしているようだ。
こんなところでも儲けようとしているのはおそらくミラがやったことなのであろうが、本人は先程お仕置きされたばかりであるため、なるべく動かないように、尻の痛みが再発しないように大人しくしている……
「さてと精霊様、そこで四つん這いになれ、お仕置きのお願いをするんだ」
「……こうかしら? それと、お仕置きお願いしますご主人様……って感じでどう?」
「もっと尻を突き出せ、叩いて欲しいんだろう?」
「は、はひぃぃぃっ!」
『それではお仕置きを開始して下さいっ! 敗者への罰はお尻鞭打ち100回ですっ!』
「オラァァァッ!」
「ひぎぃぃぃっ! 100回と言わず1,000回でも2,000回でもぉぉぉっ!」
ドM堕ちした精霊様も良いが、付近で同じことをされて大喜びしている他のドMも後でたっぷりとシバき倒してやることとしよう。
特にルビアは先程ドM雌豚尻女神によって腫れ上がらされた尻をそのままにさせているため、回復魔法を使う前に俺からもお仕置きを加え、熟れすぎたトマトと見紛うような状態にしてやるのだ。
敗者への100叩きも終わり、外から眺めていたゴミクズ共も追い返されたところで、一旦ご歓談の時間に戻るために席へと向かう俺達。
もちろん前を歩く精霊様には、その間にもそれなりの責めを与えてやるのがベストな対応であろう……
「オラッ、後ろからおっぱいを掴んでやるから、そのまま身悶えつつ歩くんだな」
「そんなっ、でもこんなので嬉しくなって……屈辱だわ、これはとんでもない屈辱だわ」
「じゃあ、やめて欲しいのか?」
「それは……お願いしますもっとお仕置きして下さいっ」
「よろしい、後の予定が詰まっているからとっとと歩けこの雌豚がっ!」
「はひぃぃぃっ!」
そんな感じで精霊様に日頃の恩返しをしつつ、席に戻って残りの料理や酒を口に運んでいると、ドM雌豚尻女神が向こうから酒のグラスを持ってやって来た。
ひとまず乾杯し、さらに今日の戦いの勝利を祝ってやるような言葉を掛けた後、本題に移るために俺の席に座らせる。
その代わりに俺が椅子にしたのはもちろん精霊様で、いつもは自分がマーサなどを使ってそうしているのに、今回はまさかの椅子にされる側に回るという屈辱を与えてやったのだ。
もちろんドM堕ち契約の効果で喜んでいるからそれで良いのであるが、他にも椅子にされたそうなドM共が羨ましそうな目でそれを見ているため、ここは手短に済ませておくこととしよう。
話し合うのは今後のこと、このパーティー会場でするには少し回りの目が気になってしまうような内容のことであるから、今のところは簡単な概要だけで済ませるのだ。
関与してくるのであろうルビアも隣に座らせて、まずは向こうの話を聞いてやるべきであろうか……
「それで、これからどうなってどうしたいのか、ザックリ話を聞こうじゃないか」
「えぇありがとうございます、でですね、まずは私があなた方の敵として、ホモだらけの仁平一派に対抗してしまったことをお詫び申し上げます、流れ上仕方なかったというか、私の動きは私じゃなくて創り出した女王様に制御されていたので、その、オーバーバー神一派に属していて……」
「その話とそのことに対する裁きは後だな、で、お前さ、ドM雌豚尻女神とか言っていたけど結局何者なんだ?」
「私ですか? 私はその名の通りドMで、お尻を攻撃されることに喜びを感じる古の神です」
「あの、少し良いでしょうか? その神の名はここのところ、というか長きに渡って語られないものであったような気がするのですが……」
「どこかの世界を支配している女神様でいらっしゃいますね、その通り、私はかなり古い神で、かつて神界で起こった一大ムーブメント、『マゾ狩り』の被害を避けて身を隠してしまった卑怯者の神なのです、お仕置きして下さい」
「なるほど魔女狩り……じゃなくてマゾ狩りか、それから逃げて勝手に創った偽の女王様神の所有する雌豚として……」
「そういうことになります、申し訳ございませんでした」
「それで、今回ここに現れたのは偶然なのですか?」
「偶然ではありません運命です、私がかつて仲良くして頂いていたオパイオス神のお導きです」
「ルビアちゃんに封じられているおっぱいの女神様ね、なるほどなるほど」
「そういうことだったのか……それでルビアは早いうちからそのことに気付いていたってのか」
「わかりましたかご主人様? その、何というかビビッときまして」
その後も話は続き、ルビアに封じられているおっぱいの神もちょくちょく表に姿を現して会話に参加するなどしていた。
マゾ狩りから逃げ出した後のドM雌豚尻女神は、口には出さずに表面上は雌豚に徹していたものの、仲間にした雌豚には身分を明かし、ルビアに封じられたそのおっぱいの神の情報を集めたりもしていたのだという。
だが結局手懸かりがつかめないまま時は経ち、諦めかけていたところに突然今回のイベントが……ということらしい。
もちろんルビアに封じられていた方の神も、ドM雌豚尻女神がどうなってしまったのかということを気にしていたようで、両者の気持ちがこの神界において通じ合い、それであんな無理矢理に超絶都合の良いかたちで今回のイベントが実現したということだ。
ようやく納得がいった……とは言い難いような内容であるが、まぁそうなってしまったものはそうなってしまったのだから仕方ない。
これ以上の話は今夜、俺達が宿泊している施設にて行うということで、そこでこのドM雌豚尻女神率いる雌豚軍団が、俺達に敵対したことに関しての精算も話し合うこととして、もう一度それぞれのパーティー席へと戻った……
「じゃあ、あの神様だけを代表で来させて、そこで『この争い自体』はこっちの勝ちということで決着するのね?」
「そうだ、精霊様達の負けはまるで意味もない、ゴミのような負けだったということになるな、後で全員お仕置きの仕切り直しだ、ついでにドM雌豚尻女神も一緒にシバいてやることとしよう」
「まぁ、その辺りが妥当よね、私なんか最初の選手で負けちゃったから、まだまだお仕置きが足りていないわけだし」
「私なんか何も出来ずに負けてしまいましたからね、全体の敗北と私自身の敗北と、王女として尊厳を守れなかった罰で……これではいくつお尻があっても足りませんね」
などと話をしながら和やかにパーティーの時間を過ごした俺達は、まだまだ他の雌豚仲間と会話するつもりだというドM雌豚尻女神を残して、先に宿泊施設へと引っ込んだ……




