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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十九章 島国
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1142 魔界へ

「じゃあとりあえず行ってみるか、魔王城の裏の隠し転移ゲートだっけか? そこから魔界に移動出来るんだろう? ちょっとだけ活動出来るように、おやつは鉄貨3枚分にしてな」


「おぉ勇者よ、遂に行くというのであるな、今世界を苦しめる諸悪の根源である魔界へと、その敵の親玉を討伐するために」


「おい駄王、何でお前が居るんだよ? 一緒に行くのか? 行くってんなら真っ先に放り込んで、行き先が安全かどうか確かめるための生贄にすんぞ」


「おぉ勇者よ、もし強い要請があるというのなら、それは王として同行することとしよう……ちなみにノリの代わりに金箔をベタベタ貼り付けた高級おにぎりはおやつに含まれ……」


「うるせぇボケ、もったいないことしてねぇでアルミホイルでも齧っとけこの馬鹿が」


「勇者よ、王はもう無視して構わぬのじゃが、魔界への派遣に際して先に軍の兵士による偵察などは要らぬのか? 本当におぬし等だけで突撃をかますというのか?」


「うむ、有象無象が行っても逆に何かやらかして不利になるだけだからな、敵がまさか攻め込んで来ると思っていないうちに先へ進みたいんだ、この天才である勇者様とその愉快な仲間達の力でな」


「有象無象の方がおぬしよりもマシかとは思うが……そういうことであれば仕方がないの、気を付けて行って参れ」


「おうっ、土産には期待するんじゃねぇぞ」



 ということで先遣隊も、試しに駄王を放り込んでみることさえもせずに、いきなり魔界へと突入してみることが決まった俺達。


 転移した先でどのような危険が潜んでいるのかはわからないのだが、それでも実際に行って、目で見て実感しなくてはわからないことがあるはずゆえ、こうするのがベストな選択肢であると考えた次第だ。


 しかし、そもそもこの駄王とババァはどこで俺達が魔界へ突入する予定であることを聞き付けたというのであろうか。


 まだ『お気持ち』の方を表明したわけでもないのだが……まぁ、マリエル辺りが資金援助の可能性を考慮して伝えていたのであろう。


 結果としてこのショボい見送りと、それから無駄に高級な金箔貼り付けおにぎりを駄王から奪った程度の成果に留まったのだが、一応どこに行くのかということを伝えることが出来たので良しとしておく。


 あとは必死になっておにぎりから金箔を剥がしているミラを引き摺るなどして、準備が終わったほんの少しの荷物を抱えて転移ゲートが存在しているという魔王城の裏へと向かうだけだ。


 魔界とこの世界との繋がりを保っているぐらいのものだし、きっとかなり目立つ感じで設置されているに違いないそのゲート。


 当然その辺のクソに等しいモブキャラがそれを発見したとしても、通過してゲートの向こう側、つまり魔界へ行くことは叶わないであろう。


 名前さえも与えられていないようなモブにとって、そのゲートの発している力は大変に危険なものであって、うっかり近付こうものなら全身が弾け飛ぶなどして死亡してしまう可能性が高いためだ。


 で、そのように危険なゲートに、死んでも自己責任で済ませられるその辺のチンピラ他、興味本位で近付く廃墟・心霊スポットマニアのような連中以外の者が犠牲になる前に、人払いの術式などある程度の対策をしておくとべきいう要請もあるのを忘れてはならない……



「ご主人様、準備OKなのでもう行きましょう」


「カレン、お前荷物多くないか? たぶん今回は今日中に帰って来るんだぞ、そんなに食糧ばっかり要らないだろう?」


「いいえ、全部おやつです、さっきタダで貰ったのばっかりなんで、全部で鉄貨3枚分にはなっていないから持って行っても良いはずですよ」


「……そういうところに頭を回すようになってしまったのか……とにかく邪魔だから半分置いて行け、どうせ後半とか帰り道とか、俺が持たされることになるんだからなそういうのは」


「う~ん、じゃあ軽くて量の多い食べ物を残して……」


「それは別の言い方をすると『嵩張る』ってことになるんだがな……まぁ良い、頼むからその辺の狭いところとかで突っ掛からないでくれよ」


「わかりました~っ」



 本当にわかっているのかは甚だ疑問であるが、とにかく準備の方は全員完了しているということなので、ショボい人数に見送られながら屋敷を出る。


 どこに魔界のスパイ、というか次に俺達をどうこうしようと考えた神などが潜んでいるとも知れないため、大々的に魔界への侵攻を開始することを表示するわけにはいかない。


 もっとも、そのうち隠し切ることが出来なくなって、そこからはもう当たり前のように正面突破で、力押しで攻め込んでいくことになるのであろう。


 だがまだまだ俺達の実力が魔界の神から見て劣っているのであろうこと、また、効率良く侵攻の足掛かりとなるポイントや何やらを作りたいことなどを考えれば、最初は可能な限り隠密で、バレないように事を進めていくべきであるのは明白。


 それがこのしょぼくれた見送りの結果であるということなので、大々的な侵攻を始めた後にはもっと、一般大衆の終結する中で声援を贈られて……というのはいつものノリから考えてあり得ないことかも知れない……


 で、なるべく目立たぬよう徒歩で王都の北門から出た俺達は、そのまま街道を通り、途中でドライブスルー専門店に徒歩のまま立寄って軽食を取るなどしつつ、魔王城の裏手を目指した。


 相も変わらず活用の見通しが立っていない、無駄な空き物件となってしまっている魔王城だが、そもそもここの土地に関する権利は俺にあるはず。


 そろそろ待機期間を終了して地代の請求を始めても良いのではないかと、また魔王城の敷地となっている一部につき、地目を宅地に変更したうえで分筆し、そこが魔王城の敷地であるという現況に合致する状態にしておかないとならないのでは……などと難しいことを考えている間に、その巨大な魔王城の裏手に出た。


 出たのだが……肝心の転移ゲートらしきものが見当たらないどころか、そういったものが存在しているような、そんな邪悪なオーラも感じない状況。


 もしかしてあの毒剣野郎、最後の最後で罠を仕掛け、死にながらにして生ける俺達を無駄に歩かせるという、どこかの世界の大軍師的なムーブに出たのではあるまいな……



「……おいおい、マジでねぇんじゃねぇのか転移ゲートとか、ガセネタか? ガセネタだったらあの野郎を蘇生してもう一度ブチ殺そうぜ」


「だとしたら本当にムカつきますね、ここまで来るのもタダじゃないし、貴重なカロリーだって消耗してしまったんです、蘇生するどころか地獄まで追って行ってシバき回すぐらいのことをしないと気が済みませんよ実際」


「はいはい、ミラも勇者様も待ちなさい、まだ本当にないと決まったわけじゃないんだから、とに書くこの魔王城の裏手、向こうの端まで『調べる』をしながら移動してみましょ、もしかしたらそれで何か見つかるかも知れないわ」


「なかなかに骨が折れる作業だな……そもそもあの野郎、裏側のこっちだって場所を指定していたのに、それで見つからなかったらやっぱり……地獄まで追うのか?」


「そもそも主殿、魔界の者とはいえ神なのだから、滅びた際に地獄に行くとは限らないのではないか?」


「それで地獄には居なくて、追い掛けて行ったご主人様だけついでに地獄送りとかになったらメチャクチャ面白いですの、ちょっとやってみて頂けませんこと? あとでキッチリ救出しますので、もちろんひと通り笑った後ですけど」


「ふざけたこと言ってんじゃねぇよ、俺様のどこに地獄送りになる要素なんぞがあるんだ? 聖人君子を3D化したみたいな存在だからなこの俺様は」


「何を言っているんですのこの異世界人は……」



 冗談はさておき、そこからは王都側から見て右、魔王城の裏手においては東側に位置する場所から順に、壁を伝うようにして『調べる』感じで移動して行った。


 途中で発見される数々のアイテムだが、少し綺麗な小石から魔物の骨、他にも古の邪悪な彫像だの世界を滅ぼしかねない疫病が封じられた玉だの、特にこれといって驚くようなものは発見することが出来ない。


 半分程度まで移動したところでその状況であったから、それ以降もあまり突発的な何かの獲得には期待することもなく、また進むにつれてこのネタがガセである可能性も高まってくる。


 と、ここで『調べる』をした壁がポロリと崩れ、中から古めかしい書物らしきものが出現したのだが……どうやら魔界の伝説らしいな。


 この魔王城自体が魔界の神の作であって、それをこの世界のいつの時代かの魔王にくれてやったのだから、所々にこういう魔界関連アイテムが収納されていてもおかしくはない。


 だがわざわざ隠すようなかたちで収納されている辺りが何やら怪しいように思えるのだが……他の仲間はそのことを特に気にしていない様子で、最も大きいルビアのバッグにその書物を放り込んで、再び移動を開始した。


 その後もアイテムが見つかったり、魔王城の内部へと繋がっているのであろう隠し階段が見つかったりなどと様々ではあったが、結局何事も起こらずに反対側の城壁の端へと辿り着いた俺達。


 怒りによってワナワナと震え、あの毒剣野郎を簡単に殺してしまったことを後悔するのだが、もう今となっては本当に遅すぎる。


 奴から追加で情報を得ることは叶わないこととなってしまっているのだし、これ以上情報が何かの間違いであることを、あの告知に錯誤があったことにつき調べることは出来ない。


 本当に地獄まで追って行ってあの野郎をシバき回してやるべきかとも思ったのだが……そこに無駄な体力を使うのは余計に馬鹿馬鹿しいことだ。


 ここはもう一度情報を精査して、どこに何の間違いがあったのかということを徹底的に探っていく必要があるのではないかと、キレて魔王城の城壁を破壊し出した精霊様にもそう告げる……



「このっ! 死になさいこの腐った壁! あんたのせいで結構大変で、しかも無駄な時間を過ごしたんだからっ!」


「まぁまぁ精霊様、今はちょっと落ち着くんだ、そんな所でキレていても良いことはないし、普通に腹が減るだけだぞ」


「そんなこと言ったってムカつくものはしょうがないじゃないの、もうっ、この壁に一直線に亀裂を入れてやるわっ、いつか倒れて観光客とかが下敷きになって、世紀の大惨事とかにになれば万々歳よ、お腹抱えて笑ってあげるわそのときには」


「とんでもねぇ精霊だな……っと、マジでやりやがったぞコイツ……っと、何だアレは?」


「邪悪なオーラが漏れていますね、勇者様、ちょっとあそこはもう一度『調べる』をしておくべきかと思うますよ」


「だな、というか精霊様がキレたお陰で何か重要な発見があったことは間違いない……とはいえこういう行動は慎んで欲しいものだがな、普通に馬鹿にしか見えないし」


「フフンッ、実は計算通りなのよ」


「んなわけあるかボケ、しかしマジでさっきまでは何も感じなかったのに、今になって邪悪な気をビンビン感じるぞ、どうなってんだ?」


「う~ん、やっぱり壁の中に何かが隠されていてわからなかっただけなのね、この壁は凄いオーラとか邪気とかも通さないような特殊素材で出来ていたんだわ、もちろん壁の向こうに何か強いのが居れば乗り越えてきた存在感でわかってしまうけど、中はちょっとね」


「ねるほど、で、近付いて見てみてどうだ? コレはブラックホール……というかまぁ、転移ゲートで間違いないかな?」


「ほぼほぼ間違いないでしょうけど……やっぱり生贄を連れて来るべきだったわね、試しに何か放り込んでおきたいわ」


「試しに何かか……おいユリナ、さっき俺様のことをディスったよな、罰として最初に入れ、どうせ何も喰らうことなんかないんだし」


「そんな殺生な、ご主人様が先に入れば良いんですわ、だってほら、唯一の男性ですし」


「クッ、痛いところを……こうなったらアレだ、じゃ~んけんぽんっ……クッ、敗北するとは俺らしくねぇぜ」


「何を1人でやっているのかしらこの異世界人は……で、決まったんならとっとと行きなさい、中で死んだら死んだって言いなさいよねちゃんと」


「わかってるって、よし、じゃあ試しに……こっ、これはっ⁉」


「これは?」


「何かめっちゃ普通だった……」



 ひとまず安全を確認するために、その人間がスッポリ収まる程度のブラックホール的なものであって、一部が崩落した魔王城の城壁の中にあるそれに頭を突っ込んでみた。


 そうしたところ、目の前に新たに広がった光景はそこそこ広大と……いや、終わりが見えないほどに広大な草原と農地のような場所。


 何かの気配がするように思えて周囲を見渡してみると、ところどころで小さな影が蠢いているのがわかるのだが、それが何なのかは現状では不明である。


 だが明らかに何かを襲っているとか、戦闘をしているような雰囲気ではないことから、この場所が戦地ではなく平和な場所であるということが窺えるような状況だ。


 もちろん俺達の姿を認めれば襲い掛かってくるかも知れないし、そもそもあの毒剣野郎の住所の近くであるはずだから、それを討伐してしまった俺達に対して何らかの怒りをぶつけてくる奴が居ないとも限らない。


 とにかくその蠢く何かに見つかることのないよう、そっとゲートを潜って中に入った俺だが……うむ、特に何か不具合が生じる様子はないな、ひとまず戻って仲間達に情報を……と、戻れないではないか……


 良く見るとゲートのこちら側に書かれている『入口専用! ここからは出られません!』の文字と、それから『無断使用が発覚した場合には金塊5㎏申し付けます』との文字。


 つまりこちらからはもう何も出来ないわけであって、完全に通過してしまった俺のみが、もう外の仲間達と分断されてしまったということではないのか。


 と、そんなことを知って少しばかり焦っていたところ、一方通行のゲートの向こうから出て来たのはセラ、しかも覗き込むようなことはせず、そのまま全身で通過してしまったではないか、もうセラも戻ることが出来ない……



「えっと、あっ、何よこの注意書きは? 外に書いておきなさいよねこんな重要なことっ!」


「おいおい、最初は様子を見てから来るものだろうに、というか、外からは来られるのに外にこの注意書きをしても意味はないし、無断使用に係る内容だって使用されてから請求した方が得だからこっちに書いてあるんだろうよ、違うか?」


「確かにそうね、使われても減るもんじゃないわけだし……っと、何か向こうから出てきたわよ……何なのかしらコレは?」


「……きっとゲートの向こう側でワチャワチャしている仲間の、そのうちルビアの尻だろうよ、はみ出してんじゃねぇコラッ!」


『ぎゃいんっ! いてててっ、何だか向こうから叩かれたんですが……』


『全然出て来ないのに叩くことはするんですね……もしかして勇者様とお姉ちゃん、戻って来られないとかでしょうか?』


「おっと、さすがはミラだな、ここからルビアの尻を引っ叩いただけでこの状況に気付いたか」


「というか、何かがはみ出している状態だと向こうの声が聞こえるのね……でも一方通行だからこっちの声は聞こえてないってことかしら?」


「たぶんそうだろうな……むっ、今度は露出度の高い尻が出て来やがったな、マーサのだ、尻尾を引っ張ってやろう」


『いててててっ、やっぱり体を出すと誰かに何かされるわね、それでも出て来ないの、お~いっ、もっしも~っし……何も聞こえないわね向こうからは』


『もう一度私のお尻を出してみましょうか、さっきの叩き方は間違いなくご主人様でしたが、念のためもう一度確認を』


「顔を出してみるっていう発想には至らないんだなこの連中は……」



 結局次に出て来たルビアの尻を鷲掴みにして引き留め、セラがこちらの状況を書いたメモをベタっと貼り付けてみたところ、最終的にそれが尻ごと向こうの世界へと戻って行った。


 こんな所で油を売っていては時間が無駄だし、そもそもこちら側に来てしまっている俺とセラが、2人だけで強大な力を持つ敵に発見されてしまうのが最も危険なことだ。


 そう思い、なるべく静かにしゃがんで待っていると……ここでようやく顔を出したのはリリィであった。

 ニコニコしながら手を振ってくるのだが、とにかく早くこちらに来いと伝えて引き摺り込む。


 するとそれに続くかたちで続々と、むしろ引き摺り込まれつつあるリリィを抑えるような格好で仲間達が、まるで崩壊した綱引きのチームのようにこちら側へとやって来る。


 最後の最後、一番警戒していたらしい精霊様がズルンッとゲートを潜ったところで、ようやく勇者パーティーのメンバー12人が全員、魔界の地へと降り立つことが出来たのだ。


 もっとも、ここが魔界なのかと言われれば少し微妙なところではあるが、近くに見えている電信柱のような構造物に、『ここは 魔界 』という表記があるのできっと間違いではないはず。


 そして、このゲートが一方通行である以上、俺達はもうここから、この場所からは元の世界に戻ることは出来なくて……と、何かが引っ掛かるような気がするのだが、きっと気のせいなのであろう。


 とにかく駒を進める以外になくなってしまった俺達であるから、ここからは周囲に蠢く何者かに見つかることのないよう、慎重に、かつスピーディーに前へと進んで行くことを考えるべきだな。


 歩き出してすぐに、リリィが大声を出しながら何かに向かって手を振っているのも気にしない。

 その後しばらくして、上空から何かが接近しているようだと、耳の良いマーサが指摘してきたことも気にするべきではないであろう。


 今はそんな余計なことは考えずに、ひたすら前へ、どこを目的としているのかはわからないが先へ進んで、どこか元の世界へと繋がるゲートを探すのが先決だ。


 先ほどから矢のようなものが飛んで来て地面に突き刺さり、それが爆発したり電撃を発生させたりしているが……さすがに気にしないわけにもいかなくなってきたなこれは……

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