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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十九章 島国
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1037 別世界の記録

「この辺りで良いかしらね? もし何かあったときでもどうにか対応出来るラインには来たと思うの、特にあの黒いのが伸びてきたとかそういう攻撃なら、この位置まで届く前にキッチリ見えるはずよ」


「そうか、じゃあ攻撃を入れてみてくれ、なるべく極大の、それこそあのサイズを一撃で消し去るようなのをな」


「森がなくなっちゃうわよそんなの……でもまぁ、ピンポイントで撃つのならそれで最大の攻撃をしてみるわ、ダメージが入るかわからないけど」


「何でも良いと思いますの、実験なわけだし、ここで攻撃してみてどういう反応を見せるのか、それだけを確認するための攻撃ですわ、無理は禁物ですことよ」


「じゃあそんな感じで、いくわよ、意識を集中して……あのピンポイントを狙って……攻撃を……」


「……おいっ、攻撃してきたぞ、向こうから」



 セラが攻撃のためにその魔力を高めていると、森の奥から突如として無数の黒い紐のようなものが出現する。

 その発生方向は明らかにあの建築途上の城がある向きであり、どこから発せられたのかなど考えるまでもない。


 手の空いていた全員で攻撃を捌き、ひとまずセラは攻撃の続行ということでその場を動かないこととした。

 なかなか数が多く、手強いようにも思えるが、これ以上増えなければどうにかなる感じの敵数だ。


 また、どの紐も明らかにセラを狙っているため、進行方向がわかり易くて非常に良い。

 これが狙いを絞っていなかったらと思うと、もう少しキツめの防衛戦になっていたかもしれないなと思うところだ。


 で、そう思った直後には、後ろで何かが砕け散るような音が発せられ、さらにその直後、真っ黒にコーティングされた風魔法が放物線を描くような、その速度でどうしてその軌道になるのか疑問に感じるような勢いで頭上を通過する。


 砕け散ったのはセラが持っていた時空を歪めるコーティングの杖、まだ完成に至っていないプロトタイプの簡易なものであるため、さすがに強力すぎる魔法には耐えられなかったということだ。


 飛んで行った魔法は目的の位置に着弾したらしく、最初に凄まじい土煙のようなもの、次いで舞い上がる木々の破片と驚いて飛び上がる鳥。


 最後に轟音が響き渡り、通常の敵であればこれでもうお終い、ミンチどころか跡形もなくなり、地面には巨大なクレーターが……ということになっているはずなのだが、今回に関しては果たしてどうだかといったところだ。


 未だ森の奥からの攻撃が続いているところを見るに、物体が消滅してしまったわけではないというのはわかる。

 だがどの程度のダメージが入ったのかについては、行って確認してみないとわからないところだ。


 セラが攻撃を撃ち終え、平静な状態に戻ったことによって、攻撃を続けていた森の奥から伸びる紐は行き場を失いつつある。


 現状のもので最後になるであろう、ターゲットを見失った以上もうこれから新たに伸びてくるようなことはしないはずだ。

 ここからはこちらのターンとして、急ぎ物体城の確認をしに森へ戻るべきであろう……



「よっしゃ、これで最後だろうなきっと、あとは落ち着いて、また力を鎮めて物体のターゲットにならないようにするんだ、様子を見に行くぞ」


「早くしないと再生してしまいそうですしね、もしかしたらかなり小さくなっているかも知れませんし、そうでもないかも知れません、効果のほどを確認するには早い方が良いですね」


「そういうことだ、ちなみにミラ、今のはどのぐらい効いていると思う? 予想してみてくれ」


「お姉ちゃんの攻撃がですか? う~ん、あのサイズ感からして、人間サイズの防御力をだいたい想定して……でもこっちにはコーティング武器があってそれを使ったから……全然わかりませんね、ホントに見てみないと何とも……」



 ミラも、そして他の仲間にも予想が付かないらしい攻撃の効果、俺の感覚ではかなり削れているのではないかと、そんな予感はしているのだが、果たしてどうなっているのかはやはり見てみる必要がある。


 ということで早速森へ戻り、また木々の上を通過しつつ、物体城の『建築現場』へと向かった。

 次はもう少しルートを考えた方が良さそうだな、毎度毎度、あの場所へ向かうたびにこれでは大変だ。


 かといって業者を呼んで、新しくそこへ至るまでのルートを構築するなどということは出来ない。

 そんなことをすれば確実に犠牲者が出て、そして業者の人間と見分けが付かない人型物体が王都へ侵入することとなる。


 まぁ、そのうち道標でも設置して、効率良くそこへ至るまでの道を用意に発見出来るようにしておくとして、今回はこれまで通りの感じで向かうこととしよう。


 物体に感知されない程度に頑張りつつ、森の中をどんどんと進んで行くと……物体城の建築現場が見えてきた。

 やはり消し去ることは出来ていないし、それは当然のことなのだが、その中央にはザックリと、まるで斧でも叩き付けられたような痕跡が残っているではないか……



「効いているには効いているみたいね……でもあの攻撃でアレって、しかもちゃんと時空を歪めるコーティングをしたのよ」


「そうだな、だが杖は完全に砕け散ったんだろう? 明らかにコーティング量が不足しているんだよ、ヒットしている途中で尽きてしまって、そこからはもう巨大な物体に普通の攻撃をしているのと変わらない感じになったんだ、そうに違いない」


「なるほどね、でもそれじゃあこの後どれだけ追加攻撃をしても同じってことかしら? ほら、もう何か物体が集まって元に戻っているみたいだし」


「再生よりも速い速度で連続攻撃を喰らわせられれば……かなり厳しいか、どうせこの後まだデカくなるわけだしな、魔王城の中にあるのと同等のサイズには……」


「結局、現状ではどうしようもないってことですわね、もう少し攻撃の方法を考えないと、このまま良いようにされてしまいますわよ」


「だな、じゃあどうするかを考えるために一度戻ろう、それに魔王城内とここ以外にもこういう『大元』が造られている可能性があるからな、そっちの調査もしておく必要がある、それと……」


「王都に向かった物体さんもやっつけないとです、もうそろそろ壁を登っちゃって、中へ入っちゃっているかもですよ」


「うむ、そっちへの対処を忘れていると怒られそうだからな、ひとまず戻ることとしよう」



 再び静かに動き、ダメージを受けた物体城が一般物体の集合によって修復されつつある現場を後にする。

 非常に残念だが仕方のないことだ、これ以上ここに留まっても何も良いことは起こらないし、時間の無駄でしかない。


 王都へ戻りつつ、先程分離してそちらへ向かった物体の捜索を始める……と、もう城壁に取り付いて、もちろん真っ黒な人型となってしまっているではないか。


 東門の兵士が外へ出て、どこかへ連絡するような動きをしているのだが、対応出来る人員が限られ、そしてその全てが既に侵入した物体への対応に追われているため、なかなか来てくれないといった感じのようだ。


 平時であればこの程度、筋肉団が呼ぶ前に駆け付けてどうにかしてくれるのだが……ここに居ないということは連中にとってもかなり苦戦している状況ということなのであろう。


 物体を破壊するための武器もかなり弱いものしかないのが現状であるし、壊れて持ち替えて、ストックがなくなったら補充してでは、その行為だけでかなりの時間を浪費してしまうのが厄介だ。


 で、ひとまずここは俺達が対処しよう、兵士らにはこちらで何とかするから大丈夫だと告げ、まずは精霊様が放った水の塊で、まるで窓に張り付いた虫けらを流し落とすようにして、城壁を登りつつある物体を地面へと叩き落す。


 そこからはもう順次フルボッコであるが、ここは慎重に、欠片を残さないようにと気を配り、コーティングが施された武器をいくつか消費しつつ物体を潰していく。


 最後の最後で俺が使っていたコーティング物干し竿もポッキリといってしまい、残った柄の部分で細かい物体を、まるでその辺のチンピラでも虐待するかの如く叩きのめす。


 ……これで最後のようだな、念のため周囲を確認して……と、地面にアリが居るかと思えば物体ではないか。


 本当にアリの姿になって、そこそこのスピードで森を目指して東へ進んでいるのだが、スピードが速すぎてホンモノのアリとは到底思えない。


 これはもしかして攻撃を受け、物体群が殲滅されたことを伝えに行く役割を帯びているというであろうか。

 だとしたらこれまで以上に高度で、そして危険な行動を取っているように思えるな。


 アリ型の物体をプチッといきつつそのようなことを考えたのだが、もしかしたらこれまでも、気付かないうちにこうやって欠片を逃していたのかも知れないとも思った。


 このサイズではなかなか発見することが出来ないであろうし、物体を潰した際にその周囲を丹念に探っても、既に移動された後であれば見逃してしまうのは確実。


 今度からはこのような『逃げる物体』にも注意を払わないといけないのかと、考えるだけで辟易してしまう状況に溜め息を付いた……



「さてと、ここも終わったことだしひとまず王宮へ向かう班と研究所で武器の補充をする班、それから屋敷へ帰って食事の準備をする班に分かれようか」


「そうね、じゃあ私達は王宮へ行きましょ」


「いや、俺は食事の準備を……面倒臭せぇなぁ……」



 当然のように王宮へ行く班に配属されてしまう俺、あんな場所でシワシワのババァと酒臭い馬鹿を見るよりかは、屋敷で調理の下拵えを見学していた方が良いのだが、それは許されないらしい……



 ※※※



「……と、いうことなんだよ、結構やべぇだろう? このまま包囲されたらアレだぞ、物体大攻勢だぞ、もはや人族に化ける必要もなく、一斉に押し寄せられて、あっという間に蹂躙されるのは確実だ」


「やはりそういう感じであったか……いや実はの、先程おぬしが飼っておる悪魔が出現しての、新たな情報をもたらしたんじゃよ」


「エリナのことか? あんなの飼った覚えはないし、国の中枢に平気で悪魔が侵入している時点でどうかと思うぞ、で、何の情報を貰ったんだ? 対価は?」


「対価は王のパンツが3日間透明になるという程度のものじゃった、もちろん了承したがの」


「おぉ、勇者よ、なんか穿いているのにスースーするのであるぞ」


「死ねゴミ野朗! で、もたらされた情報の方は? 重要事項だったのか? 違ったなら後であの悪魔を謝罪に来させるが」


「うむ、十分に有用……というか絶望を与えるものじゃった、亜空間で発見された書籍の中に、『物体に滅ぼされし世界~最後の記録~』というタイトルのものがあったそうでの、それの要約じゃったわい」


「マジか、てかその書いた人とか大丈夫なのかよ普通に? 世界滅ぼされてどうしたんだよ?」


「そこまでは言及がなかったがの、とにかくさらに記録をまとめるよう要請して……その対価は王のグラスに注がれた液体が3日間だけ馬のションベンに変わるというものじゃったが……」


「おぉ、勇者よ、何だか知らぬが酷い味であるぞ」


「飲んでんじゃねぇよこの馬鹿! というかアレだな、エリナが情報を持って来たということは、魔王が最初にその書籍から得たものであるってことだな」



 それであれば屋敷へ帰ることによって詳細を知ることが出来るなと、そうも思ったのだが、そもそも物体に滅ぼされた世界で誰がそんな執筆活動をしたのかという疑問点が残ったままだ。


 良くある『これは友達の友達が友達から聞いた非常に恐い話です』系のもので、登場人物が誰も生存していないにも拘らず、なぜか口伝されている怪談の類であった場合には魔王を張り倒そう。


 ということで報告は終わりにして、多少死人が出ても構わないので北と、それから東の物体城を確認しておいてくれとだけ伝えて王宮を後にした。


 屋敷へ戻ると、既に食事の準備がほぼ完了していたため、まだ早いとは思ったが夕飯とする。

 もちろん魔王も呼び出し、その席上で一体どのような書籍からどのような情報を得たのかを聞き出す……



「なかなか信頼の置ける文章だったわ、どこかの世界が物体に滅ぼされて、その話を聞いた人の友達の友達が書いた本だったみたい」


「それぜってぇガセネタだろう、適当な創作としか思えないし、そんなもんを信じて俺の時間を無駄にして、一体どんな罰が下るのかわかっているんだろうな?」


「大丈夫よ、後で実物を持って来て詳しく聞かせるから、きっと感心するし感動もするわよ、そういう感じのストーリーだったもの」


「そうか、じゃあ風呂に入った後にでも聞かせてくれ、ついでに尻を叩かれる準備をしておくんだな」


「そう言って馬鹿にしていられるのも今のうちね、凄んだから実際」



 適当なことを自信満々で言う魔王であるが、いずれにせよ引っ叩いてやるということはもう確定した。

 内容がくだらなければ罰として、もし万が一まともなものであったとしても、それはそれでムカつくのでお仕置き対象となる。


 だが一旦は話を聞いてやることもまた確定だ、この世界においてはくだらないことが起こりすぎているため、何が本当にくだらないのか、もうわけがわからなくなったため、誤ってそのような判断を下してしまったのだ。


 で、食後に皆で風呂に入り、俺達が汗水垂らして物体城を発見したり何だりしている間に、屋敷でダラダラと過ごしていたエリナとアイリス、その2人に対しての100叩きの刑を執行しておく。


 魔王には『次はお前がこうなる番だ』と宣告しつつ、風呂から上がった俺達は、精霊様に頼んで魔王が発見し、読破したという書籍を取りに行く作業を手伝わせる。


 戻って来た2人はなぜか100本のロウソクを持っており……誕生日会の雰囲気ではないな、間違いなく物語をするごとにそれを吹き消し、真っ暗になったところで怪奇現象が……というタイプのアレだ。


 実に馬鹿馬鹿しいうえに、そういう話が本当に苦手な者もいるということを考慮しない馬鹿には後で言い聞かせておくべき必要があって、また、今回の物体に関する話としょうもない怪談が無関係であることについても少し教えてやらねばなるまい。


 で、魔王を部屋のど真ん中に座らせ、その周りを取り囲むようにして俺達も座り、調べた話についてキッチリ伝えるようにと命じる……



「えっと、まずこの本、定価は……」


「販売価格とかどうでも良いから早くしろ」


「あらそう、じゃあ早速本題に入るけど、実はこの本の作者、もう死んでいるみたいなのよ、世界を物体に滅ぼされて、そのとき最初に殺られちゃったモブの1人だったみたい」


「もうこの時点でおかしいんだが? 死んだ人間がどうやって別の世界に居る友達の友達だか何だかにその話を伝えたんだ?」


「それはまぁ、霊的な?」


「クソほどいい加減だな、で、もう全部飛ばして、結末はどうなったのかだけ教えろ」


「結末? 世界の中心に集まったその世界の人間が、四方に城を構えた物体に襲われて、抵抗空しく全滅したって感じよ、物体は途中まで人の形をしていたけど、色々わかってくるともうその姿を止めて、最後は元祖物体の、スライムみたいな形状で襲ってきたんだって」


「……マジかよやべぇじゃん」


「ご主人様、それってさっきのお城みたいなのがそうなんですか? 全部造られるともうお終いなんですか?」


「そうよカレンちゃん、もう皆死ぬの」



 案外現実的であった魔王の話、本人にはまだ、今日ふたつの場所で確認した物体城についての情報を伝えていないため、それらしい話をして誤魔化したということは考えにくい。


 で、その世界の話が本当だと……まぁストーリーとしては創作だと思うが、とにかくどこかの世界でそういう流れがあったとすれば、それが次に起こるのは確実にこの世界だ。


 この後あの物体城が西にも南にも建造され、いやもう既にあるのかも知れないが、とにかく『この世界の中心』である王都の四方を物体の拠点によって囲まれてしまうのがまず最初のステップ。


 そして物体の侵入が激しくなり、そのうちに正面突破で堂々と王都の中に入られてしまうことになるであろう。

 王都の人々は喰われ、情報を奪われ、物体の『知』はどんどん進歩していくこととなるのだ。


 そして最後には大攻勢を受け、この王都が消滅するとともにもう人族は敗北、魔王軍もなくなった今、魔族の連中もまとまった抵抗など出来ないのは確実。


 つまり王都が陥落して、俺達のような最強クラスの戦闘集団が行き場を失ってしまえば、もうその後は物体のやりたい放題、ここは物体の世界になってしまうということだ。


 その阻止に動かなくてはならないし、とにかくもう、早く物体への有効な対策を考えないと、手を拱いてみている間に事態はどんどん悪化している……



「それで魔王、その話でもう全部終わりなのか? ハッピーエンド的な何かはないのかその物語に?」


「ないわよそんなの、でも巻末付録には有識者の見解が書かれていたわね、『こうすればその世界は助かったんじゃないのか』みたいなどうでも良い話だったけど」


「そこが一番重要なんだろぉがぁぁぁっ!」


「怒鳴っても何も良いことはないわよ、ただ血圧が上がるだけ、少し落ち着きなさい」


「お前のせいだぁぁぁっ! この馬鹿ぁぁぁっ! 尻100叩きの刑だぁぁぁっ!」


「ひぃぃぃっ! ちょっと何すんのっ、痛いっ! 痛いからっ!」



 最も重要な部分について、どうでも良いなどと勝手に評価を下して読み飛ばしていた魔王。

 何を考えていたらその結論に至るのかはわからないが、どうせ煎餅でも齧りながらダラダラと読んでいたのであろう。


 そして面倒だと感じた部分は読まずに、ストーリー仕立ての読み易い部分だけ目を通していたと、きっとそういうことだ。


 つまり今魔王の目の前にある書籍からは、もう少しだけ有用な情報を引き出すことが可能であると……まずはそこからやっていくべきところか……

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