わたしの感じた夏の風物詩ー400文字以内で描くー
都会に長く身を置いたわたしには、田舎の星空は眩しかった。
星座がくっきりと見えて、おそらくサソリ座の形だと予想を立てる。
「夏の季節を感じるものとは?」という問いに、また一つ加わった。
それは、地域の祭礼のお囃子練習の音だ。400年の伝統を守ってきたという。
廃校になった夜の小学校に和太鼓の鼓動が反響して、笛の音色が耳にまとわりつく。
家の中でも聞こえる音に、最初は煩わしいと感じたが、いつしか聴き慣れてきた。
そう、お囃子の練習が始まると夏なんだ。
これからまた暑い夏が始まる。