狂人賛歌
私は狂人だ
表に出れば隠したとしても、一目で狂っていると思うほどに狂気に満ちている
町を歩く人間を見ると残酷な景色が脳裏によぎる
首が折れ血が楽園の如く飛び出す光景
目がポロリと落ち体がヘドロのように溶けていく光景
人間をみじん切りしたかのような光景
...
うんざりだ
もういやだ
しかし、私は誰かに助けを求めないのだ
結局、自分に頼る
「どうした?」
自分が聞いてくる
しかし、自分の中にはろくな奴がいない
「どうした、狂人?」
あぁ、はは
そうそう、僕自身が狂人なのだから中にいるのも狂人だ
それでも、狂人だと分かっていても僕は狂人に相談する
そして「殺せ」と返ってくる
僕はただその答えを聞くだけ
体育座り、部屋の隅っこ
何も変わらない
人は答えに反応しないと、また次々と答えを出してくる
「驚かせ」「犯せ」
「お前が死ね」
最後の答えに僕は頷く
...
何度も繰り返す
何度も何度も
そうして僕は狂気を深めていく