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甘え嬢's  作者: あさまる
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二人のグレーテルー14

もうどうでも良い。

どうせ、今自分の命運を握っているのは彼女なのだ。

何を言おうが彼女の期限を損ねてしまえばご破算。

全てが無駄。

グルグルと回る疑問の果て、自棄になってしまったのである。


叫んだことで体力もなくなっていた。

ロープを外せたとしても、あいを何とか出来るとは到底考えられない。


不思議なこともあるものだ。

それは、こんなおかしな状況に晒され続けているまいの心臓のことである。

気づくと、いつも通りのリズムになっているのであった。



「……もう良い……。」


「え?」

聞き返すあい。

聞き間違いではないか。

自身の願望が生んだ幻聴ではないか心配であったのだ。


「……好きにして……。」


その言葉をまっていたかのようなあい。

満面の笑みを浮かべていた。

良かった。

幻聴ではないのだ。

最上級のご馳走を目にしたように目を輝かせている。



自我を保たなくても良い。

あいにとっては、まいから直々にそう言われたようなものだ。



まいの手を縛っていたロープが外される。

それと同時に彼女の服も脱がしていく。

まいは抵抗しなかった。

もう抵抗できなかったのだ。


どうせ今逃げても無駄だ。

彼女の撮影した写真を消さなければ意味がない。


それならせめて、従順なふりをしておいた方が良いのではないだろうか?

もしかしたら、優しくしてくれるかもしれない。



初めては、好きな人とすると思っていた。

こんな風にしたくなかった。

せめて痛くはいないでほしい。



「……ふふ、いただきます。」


まいの淡い期待は、ものの見事に打ち砕かれた。



欲望に身を任せ、本能のままに貪るあい。



耳を塞ぎたくなるような、悲鳴にも近いまいの喘ぎ声。

水分を多く含んだものを激しく掻き回す音。

それは、まいから溢れ出る蜜から出るものであった。

あいはそれを、一滴も零さないように啜った。

それは、部屋中に響き渡るような大きな音を出すほど激しいものであった。


そこに、姉妹の絆はなかった。

そこにいるのは、捕食者と被食者であった。

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