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甘え嬢's  作者: あさまる
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白雪姫と林檎の魔女ー5

上手く誤魔化せたようだ。

一安心するりんご。



「じゃあ、行こっか。」

にこり。


無言で頷く美姫。


二人は教室を出た。

そして、りんごの家へと向かうのであった。



夕日に照らされる街を、二人が歩く。

隣を歩く二つの影が半分ほど重なっている。

狭い道になれば、自然と手が触れる。

そうなれば、自ずと結ばれることは必然だった。

それは、彼女らにとって、どちらからするでもない、ごく当たり前の行為であった。


互いの指と指が絡む結び方になっていた。

所謂恋人つなぎである。



二人は、そのままの状態で数分間歩いた。

二人とも、手汗がうっすらと滲む。

本来不快なものである。

しかし、二人はともに、そんな感情を抱くことはなかった。


お互いに、同じような気持ちを抱いていた。

しかし、双方ともそれを気づかれるわけにはいかない。

そう思っていた。



さらに数分歩くと、りんごの自宅へたどり着いた。



あぁ、もう着いてしまった。



「じゃあ、上がって。汚いとこだけどゆっくりしてってね。」


「ふふ、そんなことないよー。お邪魔します。」


形式上のやりとり。

それを笑顔で済ませると、二人はりんごの自宅へと入っていった。


りんごをリビングへ向かうよう促し、りんごが玄関の扉の鍵をかける。

ガチャリ。

鍵のかける音。


何回も彼女を自宅に招いている。

しかし、りんごはこの瞬間は慣れなかった。


美姫と学校以外の、それも自身の縄張りである自宅で美姫と一緒にいる。

りんごには、その事実がどうしようもなく嬉しかった。

そして、その事実が彼女の身体を火照らせた。


願わくば、永久に彼女をこの部屋に閉じ込めておきたい。

そんな黒い欲望を自身の中に宿らせ、りんごも美姫の待つリビングへ向かうのであった。



「さて……なにしよっか?」

ニコリ。


美姫が何を言い出すか。

りんごには、おおよそ予想がついていた。

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